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  • 【映画】Flow

    猫のボディの色のにじみ、作り方上の解像度のせいだと思うのだけど、案外それが毛並みのようにみえて面白い。台詞はない。擬人化を極力排す(特に前半)。猫らしい好奇心ときまぐれ、ふんわりした哀しみとか、恐慌とか、見応え。種の違いからの諍いやちょっかい・捕食行動、しかし不思議な成り行きで進む舟の上。急転。災禍を招いたのは何だったのか。白いのの、あれは召喚か生贄か。謎は謎。森や緑地の景色がきらきらと美しい。神秘的な巨大構造物も。-----公式サイト:https://flow-movie.com/(2025.3.31)【映画】Flow

  • 【展覧会】魂を込めた 円空仏

    横から見れば驚くほど厚みがない木片から豊かな表情のお顔が、袈裟の襞が、掘り出されている。「ほえぇぇ」と喉のあたりが思わずゆるむ、幅のない木片ゆえ御手はあまり(物理的に)伸びてはいないのだけどこちらに差し出されているような心持になるのだ。-----魂を込めた円空仏三井記念美術館2025年2月1日~3月30日https://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html(2025.3.29)【展覧会】魂を込めた円空仏

  • 【展覧会】異端の奇才――ビアズリー

    わずか10年。紙の白にインクの黒。余白と黒ベタと繊細な線に点。描線が囲う白の布衣はふっくらと、花のつぼみのような、やわと硬の絶妙。点が表すレースの透け感。どれだけみても、見飽きることがない描線。この触感的な視覚は、写真とたぶん全然ちがうから、見に来てよかったと思う。時々、意地悪か巫山戯か、画面上で実在のひとをいじる。解説読んでると、お気に入りや敬う相手にそういうことをしてるようなのでナナメな愛情なのかもしれない。愛情、そう。作品から慈しみを感じる。それは、被写体に対する慈しみではない。描かれた作品それ自体への慈しみである。自作を撫でる指先、少し上がった口角の表情が、想起されて、毒のある絵なのにほのかにほろほろと楽しいのだ。-----異端の奇才――ビアズリー三菱一号館美術館2025年2月15日~5月11日h...【展覧会】異端の奇才――ビアズリー

  • 【展覧会】ヒルマ・アフ・クリント展

    初期作、繊細精密、写実の線はただ線にて官能的で魅惑的。30代でスピリチュアルに向かったのだそう。折々パステルトーンで描かれる、曲線の多い作品は、あかるく軽やかに見えていて、実際そういう何かを描いているのかもしれないけれど、何かが潜んでいる感じもする。20世紀の直前辺り、科学が解像度を上げ始めた時代。その時代に在れることの喜びがあり、そして知は、スピリチュアル世界のより深い解釈にフィードバックされ融合する。(100年を経て現在起きていることと位相は同じだなぁ。閑話休題)。観る側が言語の次元で理解説明しようとするのを拒むタイプの絵のような気がする。例示に適切か覚束ないけれどヘンリー・ターガーを観たときの情動と似ている。すなおにみるとよいのだろう。-----ヒルマ・アフ・クリント展東京国立近代美術館2025年3...【展覧会】ヒルマ・アフ・クリント展

  • 【映画】劇場版モノノ怪 第二章 火鼠

    今回もめくるめく映像に酔う(目が回るほうじゃなくて堪能するほう)。帰宅してからTV版の録画をヘビロテしてしまった。次作も楽しみです。物語の骨格、業というにはかなしみがおおきいお話。-----公式サイト:https://www.mononoke-movie.com/(2025.3.15)【映画】劇場版モノノ怪第二章火鼠

  • ミロ展

    初期作から時系列な変化が興味深い。20代の風景画の色づかいがやわらかく刺激的で不思議な感じ、色彩にご本人の気質が表れたりするのかしら、などつらつら思い。1930年代、スペイン内戦~第二次大戦の社会背景のなかで描かれた作品群をこの世界情勢のいま、観る。キャンバスの上にトゲトゲしたかたちや砂を固めたざらつき、しみのような黒、たぶん、今のわたしは数年前のわたしがみるのとは違う感慨。詩とのかかわりは、水墨画と賛を連想もするし、詩を吟じることに憧れても詩の達人まではなりえない人が詩に代えて絵画で表現する、なんていうこともあるのかなと思ったり。100年前の先駆はいまも新鮮。-----ミロ展JoanMiró東京都美術館2025年3月1日~7月6日https://miro2025.exhibit.jp/(2025.3.9ミロ展

  • 【歌舞伎】歌舞伎座 三月大歌舞伎 2025年3月

    三月大歌舞伎通し狂言仮名手本忠臣蔵歌舞伎座-----昼夜Bプロの通しで拝見しました。ワタシ観劇史上最高に揺さぶられた通し上演かもしれない。「口上人形」で期待を盛り上げ、微速の幕開けでじらされた後に顕れた"場"の空気、舞台全体、ちょっとないくらい、他所事を考えることを許さない、引力がすごかった。松の間から塩冶判官切腹に至る途切れなくシビシビとした緊張感。高師直のしたたかないびり、塩冶判官の憤懣・無念、遺骸を整える由良之助の指先の敬愛と哀切から城門での決意と、場の様相が切り替わりながら間断なく道行までその感じは続き。そうして夜の部はまた違った味わいの引力で、舞台から気も目もそらす隙がない。昼の主要人物に比して、夜の勘平や平右衛門は直情と未熟が波乱の要因になっているのだなと、今さらながらじっくり感じ取り。勘平は...【歌舞伎】歌舞伎座三月大歌舞伎2025年3月

  • 【展覧会】宮脇綾子の芸術

    布が、布の文様が、糸が、紐が。ああ、そう、そういうかたち、そういう風情でしたね、と。それは、いつかの台所のまな板の上に見た光景。根を伸ばした玉ねぎ。葉を繁らす人参。南瓜種のぽやぽや綿。繊細でふしぎなかたち。断面は案外、不思議でいとおしいくて魅惑的なのをほんとは現物とは似ない素材と柄行なのに、宮脇さんの手指にかかると、ああ、そう、まさにそんな感じ。表現材料の選択のセンスのみならず、端々のかたちの正確な捕捉と再現のすごさ。柿の皮に入る黒とか、蓮根の結節とか、筍のぶつぶつとか。リアリティ。あれですね、いまどきスーパーにならぶつるっとしたキレイな規格品にはない、収穫場所に近いところで見かける、野菜や果物の貌。そして古布の蒐集の側面もあり。こうして表現の素材になることで消失せずに残されている。素材をいとおしむ瞳とゆ...【展覧会】宮脇綾子の芸術

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