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狩場宅郎
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2019/06/16

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  • 四道将軍

    オオビコの自伝 8 疫病が鎮まってから時がたった。 ある日、わたしは陛下の命により、御前に召された。 わたしだけではなかった。息子のタケヌナカワも一緒に召されたのだ。我ら親子は何事かと陛下の宮殿に向かった。 すると、宮殿にはヒコイマスとキビツヒコがいた。二人も呼ばれていたのだ。わたしと息子もあわせて計4人、いずれも武勇に長けた猛者ばかりである。一体何事だろう・・・ 我々は4人そろって御前に進み、膝まづいた。 「おもてを上げるがよい」 陛下の凛とした声が響く。 「ご苦労だった。今日集まってもらったわけは、そなたらに日本の周辺部族を朝廷に従わせてほしいのだ。 皆も知っての通り、日本の各地にはまだ朝…

  • ヤマトトモモソヒメ

    オオビコの自伝 7 「オオモノヌシと言えば、ヤマトトモモソヒメも絡んでいたな・・」 陛下が言われる。 ヤマトトモモソヒメと言えば、陛下の先々代、第8代孝元天皇の異母妹である。すなわち陛下から見れば大叔母、わたしから見れば叔母である。 「さようでございますね・・・あれは悲しい事件でした」 わたしは答えて言った。 そう、あれは陛下もわたしもまだ小さかったころのこと・・・ ヤマトトモモソヒメはオオモノヌシの妻となった。もともとヤマトトモモソヒメは巫女として神と通じていたので、その縁もあったのだろう。 しかしオオモノヌシが通ってくるのは夜だけで、日中に来ることはなかったという。そこで、ヤマトトモモソヒ…

  • 三輪山の神

    オオビコの自伝 6 国を襲っていた疫病は収まり、日本の国は平安な日々を送っていた。 そんなある日、陛下は疫病を鎮めるのに功績があったオオタタネコを呼び出した。 「オオタタネコ、ご苦労だった。おかげで疫病も鎮まり、国民は穏やかに日々を過ごしている。そなたのおかげだ。感謝するぞ」 「はい、恐れ入ります」 「ところでオオタタネコ・・・そなたはオオモノヌシの大神の子孫だそうだな。何か、云われはあるのか?」 「はい、このような話が伝わっております」 そしてオオタタネコは、自分の先祖から伝わる話を話し出した。 「わたしの祖先のイクタマヨリビメは絶世の美女と評判だったそうです。彼女の両親は悪い男が寄ってこな…

  • 神を祀る

    オオビコの自伝 5 疫病を鎮めるため、オタタネコを神官としてオオモノヌシの大神を祀ることになった。 オオタタネコはオオモノヌシの大神が鎮座される三輪山に詰め、日夜オオモノヌシの大神に祈り、拝み祭っていた。 ちょうどそのころ、神牀(かむどこ)に寝る陛下の夢枕にたびたびオオモノヌシの大神が現れるようになった。 陛下は朝になるとその夢の話をし、オオモノヌシの大神のお告げの通りにするよう、わたしたち側近に命令を下していた。 まずは側近のイカガシコオに命じて素焼きの器をたくさん作り、神に供えて祭祀を行った。また天神・地神の社を作り、そこに神々を祀ったのだった。 また、宇陀の墨坂神に赤色の盾と矛を奉納し、…

  • 美努村にいた!

    オオビコの自伝 4 わたしは陛下の命に従い、四方に調査隊を派遣してオオタタネコという人物を探させた。 そしてほどなく報告が入ってきた。河内の美努村(みのむら)にオオタタネコという人物が見つかたというのである。 わたしはさっそく、陛下の名において彼を宮中に召し出させた。 数日後、オオタタネコは宮中に参上した。しかし彼は見たところ貧相な中年男で、特に何かずば抜けたような能力を持っているようにも思えない。はたして彼が本当に陛下が夢に見た、オオモノヌシの大神が指名したオオタタネコなのか・・・ とにかくわたしは彼を陛下の御前に連れて行った。彼は陛下の前で膝まづく。 「オオタタネコ、面を上げよ」 陛下の凛…

  • 神牀の夢

    オオビコの自伝 3 わたしが仕える天皇陛下は、神牀(かむどこ)で見た夢について話し始めた。 陛下は夢の中で、とある場所の海岸に立っていた。すると海のかなたから、光り輝く神が姿を現し、だんだん近づいてきて浜辺に立つ陛下のそばまで来たそうだ。 「あなた様は?・・・」 陛下が訪ねると、 「わたしはオオモノヌシである・・・そなた、市中に広まる疫病のことで悩んでおるな・・・」 「はい、さようでございます」 「これは、わたしの神呪なのだ・・・ わたしははるかいにしえの昔、オオクニヌシによって三諸山のふもとに祀られた。しかしそれから時がたち、人心はわたしのことを忘れておる・・・」 「は、さようでございました…

  • オオタタネコを探せ

    オオビコの自伝 2 ある日、わたしは天皇陛下に呼ばれ、宮中に参上した。 そして陛下から 「オオビコ、人を探し出してほしい。オオタタネコという名の人物だ」 と告げられた。 「・・・オオタタネコ・・・ですか?」 「ああ、そいつが今はやっている疫病を鎮めることができるのだ。ぜひとも早急に探し出してくれ」 今はやっている疫病・・・そう、そのころ、日本の国内では疫病が猛威を振るっていた。一人が感染するとたちまちのうちに家族全員が感染し、村人にも広がり、高熱に苦しみ次々と死んで行く状況だったのである。その死者は国の民の半数にも達していた。 朝廷でも病に苦しむ貧民のために施薬院を建て、また祈祷を行い疫病平癒…

  • オオビコの自伝 プロローグ

    オオビコの自伝 1 わたしの名はオオビコ。天皇(すめらみこと)に仕える軍人である。 我が主君である今上天皇陛下の御名はミマキイリヒコという。皇室初代である神武天皇から数えて10代目の天皇である。 わたしの父は皇室8代目の孝元天皇である。わたしは孝元天皇の子として、3人兄弟の長男として生まれた。 そのため順当にいけばわたしが皇位をつぐ身であるが、わたしは国政に携わるより武門の道を選び、軍人となった。そして皇位を継いだのは末弟であった。それが皇室9代目の開化天皇である。 そして、開化天皇の子が、今わたしが仕えている、第10代目となる今上天皇陛下(崇神天皇)である。 すなわちわたしが仕える天皇陛下は…

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