chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 遠い未来の地球でもまた起こる? 赤道さえも分厚い氷床に覆われる極端な氷期“全球凍結”

    地球はその歴史の中で、表面全体が氷河に覆われる“全球凍結(スノーボールアース)”が何度か起こったと推定されています。でも、なぜ全球凍結が起きたのか、またどのようにして“解凍”されたのかについてのメカニズムは、ほとんど分かっていません。今回の研究では、約7億年前に起こったとされる全球凍結レベルの極端な氷河期“スターディアン氷期”の発生原因を、地質記録とシミュレーションによって調査しています。その結果、分かってきたのは、火山からの二酸化炭素放出量が少なく、岩石の風化による二酸化炭素の吸収が多かったこと。これにより、大気中の二酸化炭素が現在の半分以下にまで減少したことが、スターディアン氷期が発生した原因だと推定しています。興味深いことに、この状況は遠い未来に地球で起こる状況と似ているようです。この研究は、シドニ...遠い未来の地球でもまた起こる?赤道さえも分厚い氷床に覆われる極端な氷期“全球凍結”

  • すばる望遠鏡による観測で銀河団を結ぶダークマターの“糸”を初検出

    かみのけ座銀河団から数百万光年にわたって伸びるダークマターの様子が、すばる望遠鏡によってとらえられました。宇宙の大規模構造を形作るダークマターの網の目状の分布が、これほどの規模で検出されたのは、今回が初めてのこと。宇宙の標準理論を検証する上で、このことは重要な観測成果になるはずです。この研究は、韓国・延世大学のJamesJeeさんたちの研究チームが進めています。本研究は、英国の科学誌“ネイチャー・アストロノミー”に2024年1月5日付で掲載されました。HyeongHanetal."Weak-lensingdetectionofintraclusterfilamentsintheComacluster"本研究は、国立天文台天文データセンターが運用するサイエンスアーカイブ“SMOKA”が提供するデータを利用し...すばる望遠鏡による観測で銀河団を結ぶダークマターの“糸”を初検出

  • 超新星爆発の直後に中性子星やブラックホールなどのコンパクト星が発生したことを示す直接的な観測証拠を初めて発見

    太陽より重い恒星が一生の最期に起こす“重力崩壊型超新星爆発”では、その後に高密度に潰れた中心核“中性子星”や“ブラックホール”のような“コンパクト星”が残されることが良く知られています。でも、これまで超新星爆発とコンパクト星が関連していることを示す、直接的な観測証拠はありませんでした。今回、2つの国際研究チームは“SN2022jli”という超新星爆発を観測。すると、ある独特な光度曲線(明るさの変化)をとらえることになります。この光度曲線の特徴から考えられるのは、超新星爆発によって誕生したコンパクト星が、膨張した伴星の大気を吸い込んでいること。超新星爆発とコンパクト星が関連していることを示す初の観測記録になるようです。図1.“SN2022jli”が発生した瞬間(イメージ図)。伴星は超新星爆発の影響を受けたも...超新星爆発の直後に中性子星やブラックホールなどのコンパクト星が発生したことを示す直接的な観測証拠を初めて発見

  • 宇宙に物質はどれくらい存在している? 銀河団を構成する銀河を利用して高精度に推定

    今回の研究では、銀河団(※2)の数の関係を、銀河団を構成するメンバー銀河(※3)を利用して高精度に推定。銀河団の質量と数の関係を数値シミュレーションによる予測値と比較した結果、宇宙に存在する物質とエネルギーの総量のうち物質が31%を占め、残りは暗黒エネルギー(ダークエネルギー)であることを突き止めています。この研究で開発された新手法は、最新の天体望遠鏡を用いて集まりつつある新しい観測データに対しても応用可能なので、今後宇宙の起源の理解が深まることが期待されます。※2.銀河団は数百から1万もの銀河が互いの重力の影響によって集団となったもの。※3.メンバー銀河とは、銀河団を構成する銀河で、銀河団の重力で銀河団の中を運動している。メンバー銀河の数とは銀河団ひとつの中に、どれくらいの銀河が存在するかを表し、銀河団...宇宙に物質はどれくらい存在している?銀河団を構成する銀河を利用して高精度に推定

  • 宇宙嵐の発達時には、地球起源のプラズマが内部磁気圏の主成分になっているけど、及ぼす影響は?

    地球周辺の宇宙空間はジオスペースと呼ばれています。ジオスペースには、稀薄ながらもイオンや電子などの荷電粒子(プラズマ)が存在しています。このイオンや電子は、太陽からやって来る太陽嵐と呼ばれるプラズマの状態に応じて、増えたり減ったりしているんですねーそして、大きく増えると、ジオスペースは“宇宙嵐(スペースストーム)”と呼ばれる状態になって、イオンや電子の増加に伴って激しく活動するオーロラがいろいろな場所で見えたり、高度100キロほどの電離層領域に強い電流が流れるなどします。特に強い宇宙嵐の場合には、人工衛星の機能障害、測位精度の低下、さらに地上での停電など、私たちの日常生活にも影響が及びます。このため、宇宙を安全に利用するためにも宇宙嵐を理解することは重要で、宇宙天気としても精力的に研究されています。地球起...宇宙嵐の発達時には、地球起源のプラズマが内部磁気圏の主成分になっているけど、及ぼす影響は?

  • 星間空間を航行する老探査機“ボイジャー1号”はデータ転送に未だ問題を抱えている… 地球から離れすぎて解決には時間が必要

    NASAのジェット推進研究所“JPL”が、惑星探査機“ボイジャー1号(Voyager1)”のデータ転送に関する問題に引き続き取り組んでいることをX(旧Twitter)に投稿しています。1977年に打ち上げられたNASAの“ボイジャー1号”は、10年以上も星間空間を飛行している探査機です。星間空間とは、銀河内の各々の恒星と恒星の間に広がる空間。太陽風勢力圏といった各恒星の影響が及ぶ空間は惑星間空間、各銀河の間の空間は銀河間空間と言い区別されています。“ボイジャー1号”は2012年に星間空間に到達し、“ボイジャー2号”は2018年に太陽風と星間物質がぶつかり合う境界“ヘリオポーズ”を通過し、星間空間に達しています。“ボイジャー1号”では、2022年と2023年に相次いでコンピュータ関連の問題が発生し、観測デー...星間空間を航行する老探査機“ボイジャー1号”はデータ転送に未だ問題を抱えている…地球から離れすぎて解決には時間が必要

  • 海王星の本当の色は、わずかに緑色を帯びた淡い青色だった! 撮影画像の情報を強調するため深い青色に変更されていた

    よく見る惑星の外観で、“天王星は空のような薄い青色”で“海王星は海のような深い青色”というイメージありますよね。でも、公開されている天体の画像には、様々な事情で補正がかけられていることがあります。なので、実際に人間の目で見たイメージを、正確に反映しているとは限らないんですねー今回の研究では、独自開発した惑星の色モデルに、ハッブル宇宙望遠鏡と超大型望遠鏡“VLT”の観測データを適用。これにより、天王星と海王星を肉眼で見た際の正確な“真の色”を確定しています。その結果、天王星と海王星の“真の色”は、緑色を帯びた淡い青色で、海王星の方がわずかに青色が強いことを除けば、ほとんど区別できないほどそっくりなことが分かりました。この研究は、長年持っていた天王星と海王星のイメージを変えるだけでなく、天王星の極地と赤道の環...海王星の本当の色は、わずかに緑色を帯びた淡い青色だった!撮影画像の情報を強調するため深い青色に変更されていた

  • 129憶光年彼方のクエーサーから強烈に噴き出す分子ガスを発見! 分子ガスのアウトフローが銀河の星形成を抑制していた

    今回の研究では、アルマ望遠鏡(※1)を用いた観測により、129憶光年彼方の銀河(※2)で明るく輝くクエーサー“J2054-0005”からの強力な分子ガスのアウトフローをとらえることに成功。そのアウトフローが、初期宇宙の銀河の成長に大きな影響を与えていた強い証拠を、世界で初めて発見しています。※1.日本を含む22の国と地域が協力して、南米チリのアタカマ砂漠(標高5000メートル)に建設されたのが、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(AtacamaLargeMillimeter/submillimeterArray=ALMA:アルマ望遠鏡)。人間の目には見えない波長数ミリメートルの“ミリ波”やそれより波長の短い“サブミリ波”の電波を観測する。高精度パラボラアンテナを合計66台設置し、それら全体をひとつの電波望...129憶光年彼方のクエーサーから強烈に噴き出す分子ガスを発見!分子ガスのアウトフローが銀河の星形成を抑制していた

  • Surface Pro Xを30か月使ったレビュー そろそろSnapdragon X Eliteが来そうなので…

    SurfaceRTのほろ苦い経験から、いろいろと買わない理由をつけて様子見してたけどやっぱり気になるWindowsonarm…我慢できずに購入したのは2年ほど前のことそろそろ、SnapdragonXEliteを搭載した新しいSurfaceが出そうなので今のSurfaceProXの使用感を簡単にレビューこんな感じで使っている軽いので、いつもカバンに入れて持ち歩くPCとして使用用途はこんな感じ文字入力(60%)、Web検索・翻訳(20%)、RAWデータの現像(10%)、その他(10%)Webで情報を集めて、考えをまとめてからの文字入力がメインあと、コンデジで撮ったRAWデータの現像13インチのタブレットは一覧性が良く読みやすいので、書籍や雑誌、マンガを読むことが多くなった雑誌は縦向き(単ページ表示)書籍やマン...SurfaceProXを30か月使ったレビューそろそろSnapdragonXEliteが来そうなので…

  • 現代宇宙論では説明がつかない直径約13億光年もある巨大構造物を発見! 現在の単純な宇宙論や宇宙原理は成立していない?

    私たちの宇宙について、広い目線で見れば天体や物質の分布が均質であるという“宇宙原理”が広く信じられています。でも、近年の観測では、宇宙原理に反すると思われる巨大構造物(宇宙の大規模構造)がいくつも見つかっているんですねーセントラル・ランカシャー大学のAlexiaLopezさんは、地球から約92億光年彼方の位置に、直径が約13億光年にも達する巨大構造物“ビッグ・リング(BigRing)”を発見したと、アメリカ天文学(AAS)の第243回会合の記者会見で発表しました。Lopezさんは2021年にも同様の巨大構造物“ジャイアント・アーク(GiantArc)”を発見していますが、両者は非常に近い位置と距離にあります。このことは宇宙原理に疑問を呈する発見になるようです。図1.今回発見された“ビッグ・リング”(青色)...現代宇宙論では説明がつかない直径約13億光年もある巨大構造物を発見!現在の単純な宇宙論や宇宙原理は成立していない?

  • H3ロケットの試験機2号機が打ち上げ成功! 1号機の失敗から1年以内という比較的早期の打ち上げを実現

    JAXAと三菱重工業は、2024年2月17日午前9時22分に国産基幹ロケットH3試験機2号機の打ち上げを実施しました。H3の第2段機体は所定の軌道へ投入され、搭載されていた2機の小型副衛星“CE-SAT-IE”と“TIRSAT”も地球低軌道への投入に成功。さらに、H3試験機1号機の打ち上げで失われた先進光学衛星“だいち3号(ALOS-3)”の質量を模したダミー衛星“VEP-4”の分離も確認されています。っということで、打ち上げは無事成功しました!宇宙開発における日本の存在感の維持H3ロケットは、これまで日本の主力ロケットだった“H-II”の後継機として、JAXAと三菱重工業が開発した新型ロケットです。毎年6機程度を安定して打ち上げることで、日本における宇宙輸送の基盤とするほか、民間商業衛星の打ち上げ受注を...H3ロケットの試験機2号機が打ち上げ成功!1号機の失敗から1年以内という比較的早期の打ち上げを実現

  • 約200億光年彼方の銀河“9io9”の磁場の観測に成功! 史上最も遠い固有地場の観測記録

    宇宙に存在するほとんどの天体には固有の磁場があります。磁場は個々の銀河にも存在していて、銀河の進化において基礎的な役割を果たしていると考えられています。でも、遠く離れた(古い時代の)天体の磁場を観測することは難しく、銀河における磁場の役割には多くの謎が残されていました。また、銀河の磁場が発生する理由もよく分かっていません。今回の研究では、アルマ望遠鏡(※1)による観測を通じて、地球から約200億光年彼方に位置する銀河“9io9”の固有地場を測定することに成功しています。これは史上最も遠い固有地場の観測記録になるそうです。※1.日本を含む22の国と地域が協力して、南米チリのアタカマ砂漠(標高5000メートル)に建設されたのが、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(AtacamaLargeMillimeter/...約200億光年彼方の銀河“9io9”の磁場の観測に成功!史上最も遠い固有地場の観測記録

  • 火星の赤道付近には大量の水の氷を含む厚い堆積層が存在している!? その量は火星表面を1.5~2.7メートルの深さで覆うのに十分

    今回の研究では、火星の“メデューサエ溝状層(MFF;MedusaeFossaeFormation)”と呼ばれる地域に、水の氷を含む厚い堆積層が存在する証拠を発表しています。堆積層の厚さは最大で3.7キロもあり、火星全体を厚さ1.5~2.7メートルで覆えるほど大量の水が氷として存在する可能性があるようです。この研究は、スミソニアン協会のThomasWattersさんを筆頭とする研究チームが進めています。研究の成果をまとめた論文は、“GeophysicalResearchLetters”に掲載されました。図1.火星のメデューサエ溝上層(MFF;MedusaeFossaeFormation)の位置を示した図。メデューサエ溝上層はオリンポス山(OiympusMons)の南西、赤道(Equator)のすぐ南に位置し...火星の赤道付近には大量の水の氷を含む厚い堆積層が存在している!?その量は火星表面を1.5~2.7メートルの深さで覆うのに十分

  • 世界初! 銀河形状の解析から初期宇宙を検証

    今回の研究では、現在世界最大規模の銀河サーベイ“スローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)”から得られた約100万個の銀河の空間分布(分光データ)及び、個々の銀河形状(撮像データ)を同時に解析。これにより、宇宙全体の構造形成の種となった“原始ゆらぎ”に関する重要な統計的性質を制限することに成功しています。銀河形状の観測データを用いて初期宇宙の性質を探る研究は、この研究が世界で初めてのもの。今後の次世代銀河サーベイで得られる高品質なデータを活用した、さらなる精密な探査が期待されています。この研究は、マックス・プランク天体物理学研究所の栗田智貴博士研究員(2023年9月まで東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(KavliIPMU)大学院生及び特任研究員)とKavliIPMUの高田昌広教授が進...世界初!銀河形状の解析から初期宇宙を検証

  • 含まれる暗黒物質の量が少ないから? 天の川銀河の外側の回転速度は他の銀河より遅いことが判明

    銀河の回転速度は、重力の法則によって予測されるものとは異なることが知られています。このことは“銀河の回転曲線問題”と呼ばれています。銀河の回転曲線問題は多くの銀河で測定されています。でも、観測上の困難さから私たちが住んでいる“天の川銀河”では、正確な測定がこれまで実現していませんでした。今回の研究では、12万個以上もの恒星のデータを元に、3万個以上の恒星の移動速度を推定し、天の川銀河の回転速度を推定しています。その結果、銀河外縁部の回転速度が予想以上に遅いことが判明しました。この結果が正しい場合、天の川銀河の中心部には予想よりも少ない量しか“暗黒物質(ダークマター)”が含まれていないことになります。この研究は、マサチューセッツ工科大学のXiaoweiOuさんたちの研究チームが進めています。図1.天の川銀河...含まれる暗黒物質の量が少ないから?天の川銀河の外側の回転速度は他の銀河より遅いことが判明

  • 木星へ向けて! NASAの小惑星探査機“Lucy”が地球スイングバイのためのエンジン燃焼に成功

    NASAの小惑星探査機“Lucy(ルーシー)”は2月3日、地球への接近に向けて重要となるエンジン燃焼を成功させました。図1.NASAの小惑星探査機“Lucy(ルーシー)”のイメージ図。(Credit:NASA)“Lucy”は、2021年10月16日にユナイテッド・ローンチ・アライアンスの“アトラスV-401”ロケットに搭載され、ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた探査機です。“Lucy”ミッションの主な目的は、木星のトロヤ群に属する小惑星の探査を行うこと。複数の小惑星を訪れることから、ミッションの期間は2021年から2033年までの12年間が予定されています。木星のトロヤ群とは、木星の公転軌道を移動する小惑星のグループ。太陽から見て、木星に対して60度前方あるいは60度後方の軌道に分布しています。す...木星へ向けて!NASAの小惑星探査機“Lucy”が地球スイングバイのためのエンジン燃焼に成功

  • 初期の宇宙で急激に酸素が増えていた証拠を発見! ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が実現する長波長の赤外線観測

    今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の大規模観測データを用いて、宇宙誕生から5億年後にあたる133億年前の宇宙まで遡り、酸素の存在比を調査しています。その結果、宇宙の最初の5~7億年(131~133億年前)に存在する銀河の中で、酸素が急激に増えたことを裏付ける証拠を初めて得ることができました。このことは、地球や生命に欠かせない酸素が、宇宙の歴史の中でどのように作られてきたのかを明らかにするうえで、大変重要な成果といえます。この研究は、国立天文台の中島王彦特任助教及び東京大学宇宙線研究所の大内正巳教授たちの研究チームが進めています。研究の成果は、KimihikoNakajimaさんたちよる論文“JWSTCensusfortheMass-MetallicityStarFormationRelation...初期の宇宙で急激に酸素が増えていた証拠を発見!ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が実現する長波長の赤外線観測

  • 銀河形成シミュレーションでは多くの計算が必要! 超新星爆発の複雑な広がりをAIを用いて高速に再現する手法を開発

    これまでの銀河形成シミュレーションでは、超新星爆発を組み込むと計算コストが極端に増大してしまい、“富岳”のような最新のスーパーコンピュータを用いても、銀河内での超新星爆発の影響を直接的に計算することは困難でした。そこで今回の研究では、これまでのシミュレーションに替り深層学習を用いて、超新星爆発の広がりを予測する手法を新たに開発。新たに開発された新技術によって、計算の効率やエネルギー消費の面で大きな改善を実現しています。この成果は東京大学大学院理学系研究科天文学専攻平島敬也大学院生、同・藤井通子准教授、同・理学系研究科物理学専攻森脇可奈助教、東北大学大学院理学研究科天文学専攻平居悠日本学術振興会特別研究員‐CPD(国際競争力強化研究員)、神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻斎藤貴之準教授、同・牧野淳一郎教授、...銀河形成シミュレーションでは多くの計算が必要!超新星爆発の複雑な広がりをAIを用いて高速に再現する手法を開発

  • 宇宙誕生後3億~4億年という初期の宇宙に5つの銀河の存在を確認! なぜ理論予測を超える活発な星形成が起こるのか?

    今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の分光観測データを使い、134億光年彼方の宇宙に明るく輝く2つの銀河の正確な距離測定に成功しています。(図1)天体の観測史上最遠方である134億~135億光年彼方の宇宙では、これまでに3個の銀河が確認されていました。でも、その結果が理論予測と矛盾しているのかどうかは分かっていませんでした。今回、新たに2個の銀河が確認されたことで、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡打ち上げ前に出版されたどの理論予測と比べても予想以上に銀河の数が多く、初期の宇宙では短い時間で次々に星が誕生していることが分かりました。この結果は、初代銀河を含む宇宙初期の銀河の形成過程が、これまで考えられていた理論とは異なる可能性を示しています。この研究は、東京大学宇宙線研究所の播金優一助教を中心とする研究...宇宙誕生後3億~4億年という初期の宇宙に5つの銀河の存在を確認!なぜ理論予測を超える活発な星形成が起こるのか?

  • 金星の雲に含まれる紫外線吸収物質は2種類の硫酸鉄と特定

    金星を紫外線で見てみると、特定の波長で暗く見える斑点構造が見つかります。この現象が意味しているのは、雲の中に含まれている物質が紫外線を吸収していること。ただ、物質の正体はこれまではっきりと分かっていませんでした。今回の研究では、金星の雲の環境を再現するため、様々な物質が含まれた硫酸溶液を合成し、紫外線の吸収波長を調べています。その結果、2種類の硫酸鉄化合物だと、観測値を最もよく説明できることが明らかになりました。金星の環境は興味深い研究対象なので、この研究結果は金星の大気化学に関する大きな成果の1つになるはずです。この研究は、ケンブリッジ大学のClancyZhijjanJiangさんたちの研究チームが進めています。図1.金星探査機“あかつき”の紫外線観測データに基づいて作成された金星の疑似カラー画像。(D...金星の雲に含まれる紫外線吸収物質は2種類の硫酸鉄と特定

  • 国際宇宙ステーションへ向かう無人補給船“シグナス”運用20号はアンタレスでなくファルコン9ロケットで打ち上げ

    2024年1月31日2時7分(日本時間)、国際宇宙ステーションに向かう補給船を搭載したスペースX社のファルコン9ロケット(ブロック5)が、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられました。今回のミッション“NG-20”は、NASAの“商業輸送サービス2(CRS-2)”契約の下で実施されるもの。実験装置やクルーへの補給品など、合計3726キロの補給物資が国際宇宙ステーションに届けられることになります。図1.無人補給船“シグナス”運用20号機を搭載して打ち上げられたファルコン9ロケット。(Credit:NASA/KimShiflett)ただ、ファルコン9ロケットに搭載されていた補給船は“ドラゴン”ではなく、ノースロップ・グラマン社の“シグナス”だったんですねー“シグナス”補給船と言えば、...国際宇宙ステーションへ向かう無人補給船“シグナス”運用20号はアンタレスでなくファルコン9ロケットで打ち上げ

  • なぜ、宇宙最初の光“宇宙マイクロ波背景放射”の偏光は回転するのか? 未知の素粒子や新物理探索の手掛かりになるかも

    今回の研究では、“宇宙複屈折”と呼ばれる現象に対し“重力レンズ効果”を取り入れた精密な理論計算を実現しています。宇宙複屈折とは、直線偏光した宇宙マイクロ波背景放射(CosmicMicrowaveBackground;CMB,(※1))の偏光面が回転する現象です。※1.生まれたばかりの宇宙は、電子や陽子、ニュートリノが密集して飛び交う高温のスープのような場所で、電離した状態にあった。でも、宇宙が膨張し冷えるにしたがって、電子と陽子は結びつき電気的に中性な水素が作られる。この時代には、光を放つ天体はまだ生まれていなかったので“宇宙の暗黒時代”と呼ばれている。その後、宇宙で初めて生まれた星や銀河が放つ紫外線により水素が再び電離され、この現象を“宇宙の再電離”という。宇宙に広がっていた中性水素の“霧”が電離されて...なぜ、宇宙最初の光“宇宙マイクロ波背景放射”の偏光は回転するのか?未知の素粒子や新物理探索の手掛かりになるかも

  • 直径は10億光年もある? 超巨大な泡状構造を構成する超銀河団の集まり“ホオレイラナ”を発見!

    この宇宙に存在する銀河はランダムに分布しているのではなく、物理法則に従い規則的に分布していると考えられています。でも、銀河の分布に対する物理法則による影響はとても小さなものなので、観測で見つかる可能性は低いと考えられてきました。今回の研究では、これまでで最大規模の銀河分布図“Cosmicflows-4”を使用し、天の川銀河の比較的近くに存在する直径10億光年にも達する巨大な銀河の泡状構造を発見しています。さらに、この構造は、これまで別々の超銀河団(※1)として個別に発見されていた大規模構造を含んだもの。研究チームでは、ハワイの創世神話に因み、この構造を“ホオレイラナ(Ho’oleilana)”と名付けています。※1.超銀河団は、銀河群や銀河団が集まり形成されている銀河の大規模な集団。銀河群は50個程度以下...直径は10億光年もある?超巨大な泡状構造を構成する超銀河団の集まり“ホオレイラナ”を発見!

  • 2月中旬以降に運用再開に向けて再挑戦! JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”は夜を迎えて休眠中

    “SLIM”の公式X(旧Twitter)アカウントによると、日本時間2024年1月30日~31日の運用をもって、JAXAの小型月着陸実証機“SLIM(SmartLanderforInvestigatingMoon)”が休眠状態に入ったそうです。“SLIM”は太陽電池パネルから電力を得ているので、着陸地点が夜の間は活動することが出来ません。また、“SLIM”は約-170℃まで温度が下がる月の夜を乗り越えるようには設計されていないんですねーこれにより、夜の間に電子機器が損傷する可能性もあります。月の昼夜は2週間ずつ続くので、JAXAは“SLIM”の太陽電池パネルに再び太陽光が当たるようになる2月中旬以降の運用に再挑戦するそうです。日没に伴う休眠前に“SLIM”の航法カメラで最後に撮影された画像(日本時間202...2月中旬以降に運用再開に向けて再挑戦!JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”は夜を迎えて休眠中

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、モバライダーさんをフォローしませんか?

ハンドル名
モバライダーさん
ブログタイトル
宇宙のはなしと、ときどきツーリング
フォロー
宇宙のはなしと、ときどきツーリング

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用