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  • 中性子星とブラックホールの中間に位置する天の川銀河の謎の天体を発見!

    重い恒星の寿命の最期に、その中心が“中性子星”になるのか、それとも“ブラックホール”になるのかは、中心核の質量によって決まると考えられています。でも、その境界線がどこにあるのかは、理論的にも観測的にも正確な位置はよく分かっていませんでした。今回の研究では、ミリ秒パルサー“PSRJ5014-4002E”の詳細な観測を実施。“PSRJ5014-4002E”に存在する伴星を発見しています。興味深いことに、この伴星の質量は太陽の2.09~2.71倍で、ちょうど中性子星とブラックホールの境界線に位置していました。発見者が“天の川の謎の天体(amysteriousobjectinMilkyWay)”と表現している正体不明の伴星は、天文学や物理学において注目されるはずです。この研究は、マックスプランク電波天文学研究所の...中性子星とブラックホールの中間に位置する天の川銀河の謎の天体を発見!

  • 120憶℃以上の環境では存在可能な原子核の総数が増える! 超高温環境での新たな原子核の性質が判明

    天文学では、水素とヘリウムよりも重い元素のことを“重元素”と呼び、水素に対する重元素の割合は重元素量と呼ばれています。その重元素は、恒星内部の核融合反応により鉄までの元素が生成され、恒星の死に伴い星間空間へと放出されます。なので、星の生と死のサイクルが十分に繰り返されていない初期の宇宙では、現在の宇宙に比べて重元素量が低かったと考えられています。一方、超新星爆発や中性子星同士の衝突(※1)といった、超高エネルギーの天文現象によって生成されると考えられているのが、金やウランなどの重元素です。その重元素の詳細な生成プロセスを理解することは、原子核全般の性質や、中性子星内部のような極端な環境を知ることに繋がる重要な研究になります。※1.太陽のおよそ8倍以上の質量を持った恒星が、進化の最終段階で鉄の中心核を作ると...120憶℃以上の環境では存在可能な原子核の総数が増える!超高温環境での新たな原子核の性質が判明

  • JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”が運用を再開! 月の起源の解明に期待

    JAXAの小型月着陸実証機“SLIM(SmartLanderforInvestigatingMoon)”が2024年1月28日夜に運用を再開しました。この発表は“SLIM”の公式X(旧Twitter)アカウントによるもの。投稿によると、日本時間1月28日夜に通信を確立。早速、マルチバンド分光カメラによる科学観測を開始し、10バンド高解像度分光観測の初撮像(ファーストライト)まで終えています。“SLIM”は1月20日に日本初の月面着陸、および世界初となるピンポイント月面着陸に成功していました。でも、高度50メートル付近で2基のメインエンジンのうち1基を失い、当初の着陸目標地点から東へ約55メートル離れた地点に着陸。接地時の降下速度は1.4m/s程度と仕様範囲より低速でしたが、横方向の速度や姿勢などの接地条件...JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”が運用を再開!月の起源の解明に期待

  • JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”は片方のエンジンを失った状態で月面着陸を成功させていた! その結果や成果など

    JAXAは、2024年1月20日午前0:20(日本標準時)に小型月着陸実証機“SLIM(SmartLanderforInvestigatingMoon)”を月面面に着陸させ、地球との通信を確立。“LEV(LunarExcursionVehicle)”と呼ばれる2機の小型プローブの放出に成功しています。でも、着陸時の姿勢などが計画通りではなく、“SLIM”は太陽電池からの電力発生ができない状態に…バッテリーが過放電して探査機を失うリスクを避けるため、同日午前2:57には地上からのコマンドにより電源をオフにしています。ちなみに電源オフ時点でのバッテリー残量は12%だったそうです。ただ、着陸後に地上との通信を確立できていること、太陽電池だけが損傷するような状況は考えにくいんですねーこれらの理由からJAXAが判断...JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”は片方のエンジンを失った状態で月面着陸を成功させていた!その結果や成果など

  • 表面を覆う氷の下に海を持つ太陽系外惑星は存在している? 一部は間欠泉活動の観測で見つかるかもしれない

    木星の衛星エウロパや土星のエンケラドスのように、太陽系にある氷で覆われた天体の一部には、地下に広大な海が存在していると予測されています。その中には、地下海の有力な証拠と考えられる間欠泉が確認されている天体もあるんですねー今回の研究では、似たような環境を持つ太陽系外惑星が存在する可能性を探るため、17の惑星について調査を実施。その結果、いくつかの惑星には氷の下に海が存在する可能性があることを突き止めています。また、“プロキシマ・ケンタウリb”や“LHS1140b”など一部の惑星では激しい間欠泉活動が起きている可能性があり、噴出した水や、水に含まれる分子の存在を望遠鏡で観測できる可能性があるようです。この研究は、NASAのゴダード宇宙飛行センターのLynnaeC.Quickさんたちの研究チームが進めています。...表面を覆う氷の下に海を持つ太陽系外惑星は存在している?一部は間欠泉活動の観測で見つかるかもしれない

  • r過程により生成された原子量260以上の原子核の痕跡を古い年代の恒星で発見

    鉄より重い元素が、宇宙でどのように生成されるのかはよく分かっていません。ただ、生成過程を調べるヒントの1つに、古い年代の恒星に含まれている元素の比率があり、生成過程を考察する上で注目されています。今回の研究では、天の川銀河にある42個の恒星の恒星元素存在量を詳しく調べ、元素の生成過程を推定しています。その結果、“r過程”によって原子量260以上(※1)の原子核が大量に生成され、その後の自発核分裂で銀や重いランタノイド(※2)などの中程度の重さの元素が生成されたことが分かりました。このことは重い元素の生成過程を調べる上で重要な発見になるようです。※1.原子核に含まれる陽子と中性子の合計数を原子量と呼ぶ。※2.ランタン(原子番号57)からルテチウム(原子番号71)までの元素の総称。液晶ディスプレイや永久磁石な...r過程により生成された原子量260以上の原子核の痕跡を古い年代の恒星で発見

  • 宇宙最大の爆発現象“ガンマ線バースト”はジェット内部を逆方向に進む衝撃波が放射に寄与していた

    今回の研究では、NASAが運用中の高エネルギーガンマ線天文衛星“フェルミ”と、広島大学宇宙科学センターが運用する東広島天文台の“かなた望遠鏡”を用いて、宇宙最大の爆発現象“ガンマ線バースト”を観測しています。観測では、ガンマ線と可視光線の同時観測に成功。さらに、ジェット内部を逆方向に進む衝撃波がガンマ線放射に寄与していることを確認しました。この研究成果は、金沢大学理工研究域先端宇宙理工学研究センター/数物科学系の有本真淳教授、東京大学宇宙線研究所高エネルギー宇宙線研究部門の浅野勝晃教授、広島大学宇宙科学センターの川端弘治教授、東北大学学際科学フロンティア研究所の當真賢二教授たちの国際共同研究チームによるもの。詳細は、英科学誌“Nature”系の天文学術誌“NatureAstronomy”に掲載されました。...宇宙最大の爆発現象“ガンマ線バースト”はジェット内部を逆方向に進む衝撃波が放射に寄与していた

  • なぜ、土星の衛星タイタンの湖には一時的に魔法の島が現れるのか? 原因は多孔質構造の有機化合物にあるようです

    土星の衛星タンタンの表面には、広大な液体メタンの湖が存在しています。この湖にはいくつかの島がありますが、中には一時的に観測された後に消えてしまう“魔法の島(MagicIslands)”も見つかっています。魔法の島がどのように出現するのかは、これまでのところ不明でした。今回の研究では、有機物の多孔質な塊がメタンの湖に浮かぶ条件を探索。その結果、魔法の島として観測される条件を満たしていることを示しています。この魔法の島は、地球の海で一時的に出現し、最終的に沈んで消えてしまう軽石でできた幻の島に似ているようです。この研究は、テキサス大学サンアントニオ校のXintingYuさんたちの研究チームが進めています。図1.タイタンのリゲイア海で観測された“魔法の島”。右上にある恒久的な地形と違い、一時的に出現したように見...なぜ、土星の衛星タイタンの湖には一時的に魔法の島が現れるのか?原因は多孔質構造の有機化合物にあるようです

  • なぜ、恒星が存在しない孤立した褐色矮星でオーロラが発生するのか?

    美しい天文現象“オーロラ”は地球以外の天体でも観測されています。オーロラは恒星から放出される電気を帯びた粒子“荷電粒子”と大気との衝突で発生する現象。なので、近くに恒星が無い天体でのオーロラの発生は、予測されていませんでした。今回の研究では、恒星の周辺を公転していない孤立した褐色矮星“W1935”に、オーロラと思われる赤外線の発光を観測しています。孤立した褐色矮星でオーロラが観測されたのは、今回が初めてのこと。この発見は予想外なことであり、その発生理由が注目されています。この研究は、アメリカ自然史博物館のJackieFahertyさんたちの研究チームが進めています。図1.赤外線で輝くオーロラを持つ“W1935”のイメージ図。(Credit:NASA,ESA,CSA&LeahHustak(STScI))恒星...なぜ、恒星が存在しない孤立した褐色矮星でオーロラが発生するのか?

  • 史上初めて撮影に成功したブラックホールの1年後を観測 明るく見える場所の変化は乱流状に振る舞う周辺の物質の影響

    国際研究チーム“イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション”は、史上初の撮影に成功した楕円銀河M87の巨大ブラックホールについて、新たな観測画像を公開しました。今回公開された画像は、初撮影が行われた2017年4月の観測から約1年後の2018年4月に観測されたもの(※1)。この2018年の観測では、新たにグリーンランド望遠鏡がネットワークに参加し、またデータ記録速度が向上したことでM87ブラックホールの新たな姿が明らかになっています。※1.M87中心核の観測は、2018年4月21日、22日、25日、28日(日本時間)の合計4回行われた。新規参入のグリーンランド望遠鏡を含めて、地球上に点在する6か所8台の電波望遠鏡でM87中心核を観測している。1年後の画像では、2017年に観測されたものと...史上初めて撮影に成功したブラックホールの1年後を観測明るく見える場所の変化は乱流状に振る舞う周辺の物質の影響

  • 天の川銀河の磁場の三次元分布が初めて明らかに! 活発な星形成を引き起こすガスの集積過程が明らかになるかも

    天の川銀河の“いて座銀河腕”内部の磁場構造を初めて三次元的に解明。(Credit:UniversityofTokyo)今回の研究では、天の川銀河の渦巻き腕(注1)の一つ“いて座銀河腕”の内部の磁場構造を、三次元的に明らかにすることに世界で初めて成功しています。注1.天の川銀河は全体がゆっくり回転していて、回転する方向に巻き込まれるような渦巻構造をしていると考えられている(“渦巻銀河”と呼ばれる)。渦巻きの濃く見える部分を“渦巻き腕”と呼び、渦巻き腕にはガスや塵が多く集まっていて、この内部で盛んに新しい星が生まれている。研究では、いて座の天の川方向の184個の星を広島大学かなた望遠鏡(注2)を用いて精密に観測。注2.かなた望遠鏡は、広島大学東広島天文台が所有する口径1.5メートルの光学望遠鏡。可視光・赤外線...天の川銀河の磁場の三次元分布が初めて明らかに!活発な星形成を引き起こすガスの集積過程が明らかになるかも

  • 第2の地球を探すには? 大気中の二酸化炭素の少なさとオゾンの検出がカギになるようです

    地球のように生命に適した環境を持つ惑星を見つける方法はいくつも提案されていますが、そのほとんどが現状の技術では困難なものといえます。そこで、今回の研究では、地球のような環境の惑星を見つける新たな指標として、大気中の“二酸化炭素の少なさ”と“オゾンの検出”を提案しています。これらは惑星の表面に大量の液体の水、そして大気中に酸素が含まれていることを示す強力な証拠となるもの。ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を駆使すれば観測可能だと、研究チームでは考えているようです。この研究は、バーミンガム大学のAmauryH.M.J.Triaudさんたちの研究チームが進めています。図1.“トラピスト1”惑星系のイラスト。惑星の表面に液体の水が存在するかどうかは、一般的に恒星からの距離に依存する。ただ、実際に液体の水が存在することを...第2の地球を探すには?大気中の二酸化炭素の少なさとオゾンの検出がカギになるようです

  • いよいよ月面着陸へ! JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”が着陸降下準備フェーズに移行 1月19日23時からライブ配信あります

    JAXAは、小型月着陸実証機“SLIM(SmartLanderforInvestigatingMoon)”の月周回軌道投入以降の運用結果や計画を踏まえて、準備が整ったことを確認したので、2024年1月10日に着陸効果準備フェーズへ移行することを決定しました。すでに“SLIM”は、1月14日17時32分(日本標準時)に遠月点降下マヌーバ(※1)を正常に実施・完了。その後、高度約600キロの円軌道に予定通り投入されたことが確認されています。遠月点は軌道上で月から最も遠ざかる地点、近月点は軌道上で最も月に近づく地点。マヌーバは、宇宙機に搭載されている推進剤を噴射して、位置や姿勢を制御すること。現在、“SLIM”は正常に動作していて、今後は近月点降下マヌーバを実施し、2024年1月19日に近月点は高度15キロまで...いよいよ月面着陸へ!JAXAの小型月着陸実証機“SLIM”が着陸降下準備フェーズに移行1月19日23時からライブ配信あります

  • 空飛ぶ天文台“SOFIA”が金星の昼側で単独の状態で存在する酸素原子の観測に成功! なぜ、これまでの観測では見つからなかったのか?

    金星の大気中には“原子状酸素”という、単独の原子の状態となった酸素が存在すると考えられています。でも、これまでの観測では、太陽光のあたる昼側で原子状酸素は見つかっていませんでした。今回の研究では成層圏赤外線天文台“SOFIA”によって金星を観測。金星の昼側では、初めて原子状酸素を観測することに成功しています。その観測結果は、原子状酸素の発生に関する事前の予測と一致するものでした。この研究は、ドイツ航空宇宙センター(DLR)のHeinz-WilhelmHobersさんたちの研究チームが進めています。図1.金星探査機“あかつき”によって赤外線および紫外線で撮影された金星の合成画像。(Credit:KevinM.Gill)昼側では見つからない原子状酸素の謎金星は、約97%が二酸化炭素で構成された非常に分厚い大気...空飛ぶ天文台“SOFIA”が金星の昼側で単独の状態で存在する酸素原子の観測に成功!なぜ、これまでの観測では見つからなかったのか?

  • 初期の宇宙に、予想以上に窒素の比率が多い銀河を発見! 天の川銀河と比較しても3倍以上の多さになるようです

    今回の研究では、129億年~134億年までの宇宙にある3つの銀河で、炭素と酸素に対して窒素が異常に多いことを明らかにしています。研究では、ジェーズムウェッブ宇宙望遠鏡による赤外線観測で得られた非常に高い精度のデータを詳しく解析。すると、測定された酸素、炭素に対する窒素の存在比(※1)が、現在の太陽系はもとより、私たちの天の川銀河と比べても3倍以上になりました。※1.ガスを構成する炭素と窒素、酸素の原子の個数の比率を意味する。このことが意味するのは、これまで一般的に考えられていた“恒星の内部で元素が作られ超新星爆発で宇宙空間に拡散する”といった、元素の主な供給メカニズムとは異なるプロセスが初期の宇宙で起こっていること。ビッグバン直後の宇宙に新たな謎がもたらされたことになります。この研究は、東京大学宇宙線研究...初期の宇宙に、予想以上に窒素の比率が多い銀河を発見!天の川銀河と比較しても3倍以上の多さになるようです

  • 宇宙誕生の直後に生まれた非常に小さな原始ブラクックホールは恒星の中心部に存在している?

    宇宙誕生の直後、非常に小さな質量の“原始ブラックホール”が生成されたという説があります。でも、その実物は現在1つも発見されていないんですねーでは、仮に恒星が原始ブラックホールを捕獲し、中心部に保持して発見を難しくしているとしら…その恒星では、どのようなことが起き、その現象は観測可能なのでしょうか?今回の研究では、太陽の中心部に原始ブラックホールがあると仮定した場合に、どのような影響があるのかをシミュレーションしています。その結果、原始ブラックホールが小さい場合には、太陽に観測可能な変化を及ぼすことなく存在できることが分かりました。さらに、条件によっては恒星に変化をもたらすことも分かってきました。このことから、恒星の観測を通じて、間接的に原始ブラックホールの数を推定することができるようになるのかもしれません...宇宙誕生の直後に生まれた非常に小さな原始ブラクックホールは恒星の中心部に存在している?

  • ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが新型ロケット“ヴァルカン”の打ち上げに成功! 次は“ドリーム・チェイサー”搭載へ

    アメリカの民間宇宙企業ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は日本時間2024年1月8日、新型ロケット“ヴァルカン(Vulcan)”初号機の打ち上げミッション“Certification-1(Cert-1)”に成功しました。ヴァルカンにはアメリカの民間宇宙企業アストロボティック(Astrobotic)の月着陸船“ペレグリン(Peregrine)”が搭載されていました。図1.ケープカナベラル宇宙軍基地第41発射施設から打ち上げられるヴァルカンロケット。(Credit:ULA)ヴァルカン初号機の打ち上げミッションに成功ペレグリンを搭載したヴァルカンロケットは日本時間の2024年1月8日16時18分(米国東部標準時同日2時18分)、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第41発射施設を離床。打...ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが新型ロケット“ヴァルカン”の打ち上げに成功!次は“ドリーム・チェイサー”搭載へ

  • 準惑星エリスにも地下に海が存在する? 放射性元素の崩壊熱で氷の外殻に対流が生じているようです

    冥王星を惑星から外す大きな要因となった準惑星エリス(Eris)とその衛星ディスノミア(Dysnomia)のお話し。エリスは、海王星より外側を公転し、冥王星(Pluto)と同じような氷でできた準惑星。第10惑星と呼ばれていた頃もありました。ハッブル宇宙望遠鏡の“掃天観測用高性能カメラ(ACS)”が撮影した画像(2006年8月30日撮影)では、エリス(中央の明るい光点)や、ディスノミアに(その左やや下にある小さな光点)を確認することが出来ます。図1.2006年8月にハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された準惑星エリスとその衛星ディスノミア。(Credit:NASA,ESA,andM.Brown(CaliforniaInstituteofTechnology))エリスの直径は冥王星とほぼ...準惑星エリスにも地下に海が存在する?放射性元素の崩壊熱で氷の外殻に対流が生じているようです

  • なぜ、公転軌道が変化しにくい軌道共鳴の状態にある系外惑星の公転軌道が傾いているのか?

    惑星同士の公転軌道の傾きは、どのように生じているのでしょうか?このことは惑星科学における謎の1つになっています。有力視されているメカニズムの1つに、惑星同士の重力相互作用による公転軌道の変化があります。でも、このメカニズムの詳細については判明していない点があります。今回の研究では、太陽系外惑星“TOI-2202b”の公転軌道の傾きを測定。その結果、“TOI-2202b”の公転軌道の傾きが、約26度とかなり傾いていること分かりました。ただ、“TOI-2202b”は、公転軌道が変化しにくい軌道共鳴の状態にあると予測されているんですねーこのため、今回の研究成果は、重力相互作用によって軌道が傾くという仮説とは一致しない、とても重要な発見になるそうです。この研究は、イェール大学のMalenaRiceさんたちの研究チ...なぜ、公転軌道が変化しにくい軌道共鳴の状態にある系外惑星の公転軌道が傾いているのか?

  • 土星の衛星エンケラドスの地下海の水からアミノ酸の源として重視される“シアン化水素”を発見! 生命誕生の環境条件は存在する?

    厚い氷の層に覆われた海を持つ土星の小さな衛星“エンケラドス”。エンケラドスではプルーム(間欠泉、水柱)が観測されていて、地表にある割れ目から宇宙空間に向けて海水を噴き上げているんですねーそのプルームに含まれる物質は、NASAの土星探査機“カッシーニ”による観測から、その中には生命との関連が指摘されている炭素化合物がいくつか見つかっています。ただ、プルームを分析した機器の1つ“INMS(イオン・中性質量分析器)”のデータから推定される分子の種類の組み合わせは無数にあるんですねーなので、これまでの研究では議論の余地が少ないいくつかの物質が同定されているだけでした。そこで、今回の研究では、“INMS”のデータを分析。無数に考えられる分子の組み合わせの中から、最も妥当と思われるものを決定しています。この研究で一番...土星の衛星エンケラドスの地下海の水からアミノ酸の源として重視される“シアン化水素”を発見!生命誕生の環境条件は存在する?

  • 地球のマントル深部には原始の地球に衝突した天体“テイアの残骸”が眠っている? 月形成の原因ジャイアントインパクトの痕跡

    地球唯一の衛星“月”は、どうやって形成されたのでしょうか?長年の研究により、月が形成される原因として最も有力なのは“ジャイアントインパクト(巨大衝突)”説になります。この説によれば、、45億年前に火星サイズの天体“テイア”が、作られて間もない原始の地球に衝突。この衝突から生まれた破片が、かなり急速(おそらく数百万年強の間)に分離し、地球と月を形成したと考えられています。でも、この衝突の直接的な証拠を見つけることは困難なことなんですねー今回の研究では、地球のマントル深部に存在する巨大な塊“LLVP”が、ジャイアントインパクトで衝突した“テイア”の残骸ではないかということを、シミュレーションにより明らかにしています。この研究が正しい場合、どうやって形成されたのかが明らかになっていない月とLLVPの両方を説明で...地球のマントル深部には原始の地球に衝突した天体“テイアの残骸”が眠っている?月形成の原因ジャイアントインパクトの痕跡

  • 金星誕生から10億年間の活発なプレートテクトニクスが分厚い大気を作った? プレートテクトニクスは大気が濃くなり過ぎて停止した

    地球の内側を公転し、その大きさや質量が地球と似ていることから、しばしば地球の双子星と呼ばれる金星。でも、その大気や環境は地球とは全く異なっていて、金星には二酸化炭素を主体とする非常に分厚い大気があり、プレートテクトニクスは存在しないことになっています。同じ岩石惑星なのに、どうしてこのような違いが生じたのでしょうか?この謎は今も議論が続いているんですねー今回の研究では、金星の大気に関するコンピューターモデルを使用して、この謎を解明しようとしています。その結果分かってきたのは、金星のプレートテクトニクスは少なくとも10億年の間は活発でなければ、現在の分厚い大気を生み出すことができないということでした。このことは、「金星の分厚い大気はプレートテクトニクスがほぼ存在しなかったから存在する」っという、これまでの見方...金星誕生から10億年間の活発なプレートテクトニクスが分厚い大気を作った?プレートテクトニクスは大気が濃くなり過ぎて停止した

  • 銀河円盤内で地震のように垂直に運動する振動波を検出! ガスの流入により活発に星を作る銀河のダイナミックな成長

    今回の研究では、南米チリにある“アルマ望遠鏡”を用いて、宇宙が現在の年齢のわずか10%だった頃に存在する活発に星を作っている銀河“BRI1355-0417”を観測。銀河“BRI1355-0417”内の細かなガスの動きを調べ、銀河の平坦な円盤構造に地震のように垂直に運動する振動波(銀震)が形成されていることを明らかにしています。この振動運動は、外部から新たなガスが銀河に流入するか、他の小さな銀河との衝突によって生じると考えられます。どちらの場合もガスが円盤に流れ込み、星形成の原材料になります。この発見が示しているのは、ガスの流入により活発に星を作り、姿を変えている銀河のダイナミックな成長。宇宙初期の銀河成長の理解の手掛かりになります。この研究は、オーストラリア国立大学の津久井崇史さんが率いる国際研究チームが...銀河円盤内で地震のように垂直に運動する振動波を検出!ガスの流入により活発に星を作る銀河のダイナミックな成長

  • 同一の恒星を公転する全ての隣り合う惑星の公転周期比が、簡単な整数比となる6つ子の惑星系を発見

    宇宙と地上の望遠鏡を用いた連携観測により、かみのけ座の方向約100光年彼方に位置する、太陽の約8割の質量と半径を持つ恒星“HD110067”の周りで、6つ子の“トランジット惑星”を発見したことが、東京大学、アストロバイオロジーセンター、科学技術振興機構の3者が共同で発表しました。この成果は、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻の成田憲保教授(同・研究科付属先進科学研究機構教授/ABC客員教授兼任)、同・福井暁彦特任助教たちを含む、多色同時撮像カメラ“MuSCAT”シリーズを開発した研究チーム(※1)によるもの。詳細は、英科学誌“Nauture”に掲載されました。※1.岡山県の188センチ望遠鏡(MuSCAT)、スペインのテネリフェ島の1.52メートル望遠鏡(MuSCAT2)、アメリカのマウイ島の2メー...同一の恒星を公転する全ての隣り合う惑星の公転周期比が、簡単な整数比となる6つ子の惑星系を発見

  • 2024年の年始めは“しぶんぎ座流星群”から! 見ごろはいつ? どこを見ればいいの?

    1年の最初を飾る流星群“しぶんぎ座流星群”は、8月の“ペルセウス座流星群”、12月の“ふたご座流星群”と並ぶ三大流星群のひとつです。でも、流星の出現数は年によってかなりムラがあり、どのくらい流れるかを予測するのが難しい流星群でもあるんですねーこのため、熟練した観察者によって1時間当たり100個程度の流星が見られた年もありますが、通常は1時間当たり20~50個程度の出現になります。毎年安定して多くの流星が出現する“ペルセウス座流星群”や“ふたご座流星群”と比べると、“しぶんぎ座流星群”は活動が活発な期間が短いことや、年によって出現数が変化しやすいことから、流星が多く見える年は限られてしまいます。“しぶんぎ座流星群”と放射点(2024年1月4日、5日3時頃の東京の星空)(Credit:国立天文台)月明かりの影...2024年の年始めは“しぶんぎ座流星群”から!見ごろはいつ?どこを見ればいいの?

  • 宇宙の夜明けに存在していたクエーサーになる直前のブルドッグを発見! すばる望遠鏡が見出した超大質量ブラックホールの急成長

    銀河の中心でまばゆく輝く、超大質量ブラックホールに物質が落ち込む過程で生み出される莫大なエネルギーによって輝く天体“クエーサー”は、どのようにしてできたでしょうか?このことは、現代天文学における大きな謎の一つになっています。今回の研究では、すばる望遠鏡の大規模サーベイ“すばるHSC戦略枠観測プログラム(HSC-SSP)”から、クエーサーの前身であるチリで覆われた銀河“ドッグ”を大量に発見。そのうちの8天体は、まさにチリを吹き飛ばしてクエーサーになろうとしている天体“ブルドッグ”であることを突き止めています。さらに研究チームでは、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が見つけた遠方にある極めて赤い天体種族が、クエーサーになる直前のアウトフロー段階にいる“ブルドッグ”のような天体であることを明らかにしました。“ブルドッ...宇宙の夜明けに存在していたクエーサーになる直前のブルドッグを発見!すばる望遠鏡が見出した超大質量ブラックホールの急成長

  • 天の川銀河を公転している銀河の中で最もく暗い矮小銀河を発見! この小さな銀河には大量の暗黒物質が含まれているようです

    銀河全体の恒星の数や質量などを正確に測定するには、暗くて見えにくい恒星の集団も見つける必要があります。このような恒星の集団の多くは、本体の銀河を中心に公転している“伴銀河”の中に存在しています。今回の研究では、紫外近赤外光学北方サーベイ(UNIONS;UltravioletNearInfraredOpticalNorthernSurvey)のデータから、天の川銀河の伴銀河“おおぐま座矮小銀河III”を発見しています。分かってきた“おおぐま座矮小銀河III”の明るさは絶対等級で2.2等級。これは知られている中で最も暗い天の川銀河の伴銀河になるようです。この研究は、ビクトリア大学のSimonE.T.Smithさんたちの研究チームが進めています。図1.“おおぐま座矮小銀河III”を中心とした恒星の分布図。点線の...天の川銀河を公転している銀河の中で最もく暗い矮小銀河を発見!この小さな銀河には大量の暗黒物質が含まれているようです

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