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  • エッセー「 韓国の敗退」& ショートショート「 ナポリ離婚旅行」& 詩「 賽の河原』

    詩 賽の河原 ひとつ積んでは父のため ふたつ積んでは母のため みっつ積んでは人のため よっつ積んでは国のため いつつ積んでは王のため むっつ積んでは神のため さあ鬼たちがやってきた ドローンの上で燥いでる 今日はどの塔を壊そうか 罪つくりなお前たちなら 努力も苦労も水泡に帰...

  • エッセー 「12歳からの脱出」& ショートショート「 橋」& 詩 「いろいろ天国」

    詩 いろいろ天国 いろいろなサファイヤが輝くような いろいろな水色が流れる小惑星に いろいろな命たちがひしめき合い いろいろな方法で恋してとろけ合い いろいろな子供たちを生み落としていく いろいろなその子が幸せになるように いろいろな親がいろいろな必死さで いろいろな領分を...

  • ショートコント「 近未来ロマンス詐欺」

    (地球王を中心に六つのモニターが扇状に並び、各画面に顔が写し出されている) ユーラシアAI このたびは、「六大陸のAIディベートゲーム」をお買い上げいただき、誠にありがとうございます。お客様はいまから地球王の称号を与えられます。 地球王 アメリカ大統領より偉いん? ユーラシ...

  • 詩 「幸せの青い鳥」& エッセー「 辺野古事故と文科省の見解」

    詩 幸せの青い鳥 女というものは 得体の知れない 不可思議な物体だ 彼女をものにしたとき 僕の所有物のような気がし 少し横暴な心持ちになった 彼女が僕に飽いて去ったとき 落胆し、悲しみの中でようやく 失った理由をあれこれ考えた そしてあの眼差しを思い出した それは彼女の眼差...

  • エッセー 「野人礼賛」

    エッセー 野人礼賛 (一) サルトルは「人間はこの世に一人、目的もなく投げ出されたように生まれる」といったが、それは難しい哲学上のお話で、さらに難しい現実上では修正が必要だろう。 「人間はこの世に一人、目的を持たされて他者・物たち・地域・時代の網の中に、投げ出されたように生...

  • エッセー「 野人礼賛」& ショートコント 「取調室」& 詩「 アイドルファン」

    詩 アイドルファン 空しく生きるのが嫌だから お前を狂おしく愛したい 追い回すファンみたいに 愛することに喜びを得たいから お前の喜びを感じたい けれどお前のそれは 愛されることの喜びで 愛することのそれではない 美しい肢体の中に閉じ込められた どろどろとしたその毒液が じ...

  • 詩集「戦争レクイエムⅠ」

    地獄の鼎談 閻魔●ようこそ地獄へ はるばると 意外なことに ここは果てしなく続く芥子畑 現世で踏み潰された悪人どもの魂を 痺れる力で癒そうと 鬼たちが汗を流して花を摘む 大天使ミカエル率いる天国の軍団に対抗すべく 地獄の閻魔軍団に迎え入れようその前に ザックリ割れた心を縫い...

  • エッセー 「一握りの暴君」& 詩 「渦」& ショートエレジー 「影武者」

    詩 渦 子供の頃熱が出ると 天井の木目が回転して渦を巻いた 渦の中心の向こう側に 亡者たちの世界があると恐れたのは うなされた夢の中では時たま 鬼が笑いながら顔を出したからだ 回教徒たちが左回りに渦を巻く カアバ神殿の内部が空洞であるなら そいつは異世界へのとば口で きっと...

  • 詩 「鴉(からす)」& ショートコント「 価格据え置きコンテスト」& ショートエレジー 「地獄(天国)にさようなら」

    詩 鴉(からす) かつて我が家の壁だった石ころの上に 私は腰を下ろし玄関扉を見つめている 神の山に立てかけられた石盤のごとく 瓦礫のなかに扉だけが無傷で屹立する それが墓標であるにはあまりに悲しく 棚に置かれた祈祷書が地獄の炎で溶け 神との約束は呪いとなって透写された 私は...

  • エッセー 「誰でも超人」& ショートコント「 ダッチワイフ騒動」& ショートコント 「動物園騒動記」

    エッセー 誰でも超人 (一) ティラミスという人気のドルチェ・イタリアーノがある。その名の意味は「私を上に引き上げて」。意訳すれば、「最高の気分にさせて」ということになる。「上」という位置の人類共通のイメージは、上は天国で下は地獄、上は高い地位で下は低い地位、上からは見下ろ...

  • エッセー「 骨の納まり先」& ショートコント「 河童」& ショートエレジー「ディープアース国際会議」

    ショートコント 河童 (河童国の産院。分娩室に河童妊婦とその夫、医者。壁のモニターには腹の中の二卵性双生児の映像。医者が妊婦の腹に聴診器を当て、腹の中の双子にたずねる) 医者 いいかね、河童国の医療技術では、二匹とも生まれるか、二匹とも死ぬかの二択しかないんだ。一匹だけ生ま...

  • エッセー「 小確幸(しょうかっこう)」& ショートエレジー 「ゴッホご乱心」&「船底鼎談」

    エッセー 小確幸(しょうかっこう) (一) 韓国では小さな哲学ブームが起こっていて、特にショーペンハウエルが人気なのだという。どうやらアイドル歌手や人気俳優の愛読書がショーペンハウエル『幸福について』の解説本だという話から火が点いたらしい。 『幸福について』は有名な人生論な...

  • エッセー 「ミューズの腑分け」& ショートコント「 某国コメ騒動」& 詩 「金閣寺」

    エッセー 「ミューズの腑分け」& ショートコント「 某国コメ騒動」& 詩 「金閣寺」 - 詩 金閣寺 その寺の鳳凰の顔に 時の量子がパチパチとぶつかり 金色(こんじき)に飾り立てた艶(あで)やかな古寺が 颯爽と歴史の海を流れていくように… 寺を見上げる着た切り雀の顔面にも ...

  • エッセー「 万博を考える」& 詩 「サンダル」& ショートコント 「日米別荘争い」

    エッセー「 万博を考える」& 詩 「サンダル」& ショートコント 「日米別荘争い」 - 詩 サンダル その朝海水浴で溺れた 幼稚園児の小さなサンダルが二つ 海の家を去る小さな連絡船の上から 凪の大海原の上でコンビのまま まるで手を繋ぐように仲良く プカプカと浮いているのを見...

  • エッセー 「命の視座」& 詩『 アリたちの「神話」』& ショートショート 「恋文」

    エッセー 「命の視座」& 詩『 アリたちの「神話」』& ショートショート 「恋文」 - 詩 アリたちの「神話」 働き者のアリたちが 巣づくりをしている 地中の深くにあった 頭ぐらいの土くれを 二つの前足で転がし 出口まで運び上げて 口顎をうまく使って 周りの様子を見回し 思...

  • エッセー 「ドンロー主義の行く末」& ショートショート 「 生首と学芸員 」& 新春論文 「 首狩りミュージアム開館を祝して」

    エッセー 「ドンロー主義の行く末」& ショートショート 「 生首と学芸員 」& 新春論文 「 首狩りミュージアム開館を祝して」 - エッセー ドンロー主義の行く末 (一) トランプ政権は自説である「ドンロー主義」を具現化するために、はじめの一歩としてベネズエラに手を出した...

  • エッセー 「ゴミ屋敷への賞賛」& ショートショート「 ケンタウロス」& 詩 「ゴミ男の告白」

    エッセー 「ゴミ屋敷への賞賛」& ショートショート「 ケンタウロス」& 詩 「ゴミ男の告白」 - 詩 ゴミ男の告白 あるとき私の鼻の穴に一匹のハエが飛び込んだのです ハエは一日ほど生きていて鼻の中を這いずり回っていましたが とうとう力尽きて胃袋のほうへ落ちていきました その...

  • エッセー「 戦略的互恵関係」& ショートショート 「寝そべり野郎」& 詩 「遭難」

    エッセー「 戦略的互恵関係」& ショートショート 「寝そべり野郎」& 詩 「遭難」 - 詩 遭難 まいったな まるでタヒチにいるようだ この真っ白な砂どもが 焼けつくように熱いのは… けれど青い海はどこにある 満開のパラソルたちも ビキニ姿の女たちも 強い熱風に飛ぼされて ...

  • エッセー 「『執着』を考える」& ショートショート「 家守の怪」& 詩 「星空」

    エッセー 「『執着』を考える」& ショートショート「 家守の怪」& 詩 「星空」 - 詩 星空 見てごらん 夜空に輝く満天の星を その一つひとつが 恐ろしく遠いくせして 自己主張をし続け 存在をアピールしている 彼らはこの先100億年以上も 光り続ける覚悟なのさ そう、...

  • エッセー 「ショパンコンクール」& ショートショート「愛の量子」& 詩 「女河童」

    エッセー 「ショパンコンクール」& ショートショート「愛の量子」& 詩 「女河童」 - 詩 女河童 深い森に魂を叩くようなキツツキの音が響き いつもと同じに酔いどれながら 滝壺の縁の岩に座ってじいっと せわしく揺れる水面(みなも)を覗き込む 森はもう、溶け込む深緑から 弾...

  • エッセー 「君は蛸(たこ)人間を見たか?」& ショートショート「 アリの反抗」& 詩 「 ドローン兵士」

    詩 ドローン兵士 俺の心は鷹匠のごとく 子飼いのドローンと一体化した VRゴーグルに広がる草原には 保護色に覆われた哀れな獲物たちが 息をひそめて耳をそばだてる 鷹の目を得た俺は 血の滴る肉の香りで興奮し 恐怖で高鳴る獲物たちの鼓動も 小刻みに震える唇を通る吐息も 命のサイ...

  • エッセー「 沈思黙考のすゝめ」& ショートショート「 現代ロボクラ事情」& 詩 「秋」

    ショートショート 現代ロボクラ事情 (一) 某国銀座のクラブ街に1年前、ロボクラ「アッシモ」が開店した。内装は20世紀の町工場をイメージしたインテリアで、天井からいろんな鎖や滑車が垂れ下がったりしてベルトコンベヤも回り、機械どもの保守的郷愁をくすぐるようなリラクゼーション空...

  • エッセー 「ソクラテスはなぜ痩せた?」& ショートショート 「 もう一つの地球」& 詩 「 カブトムシ」

    詩 カブトムシ 夕方犬を連れて散歩に出ると 道端に大きな雄のカブトムシが 太った腹を上にして死んでいた まるで縁台で夕涼みする 腹巻姿の太った年寄りみたいに だらしのない格好だった 生き抜く演技から解放され 楽屋裏で団扇を扇ぐ役者を真似て 夕暮れ時の涼やかな風を受けながら ...

  • エッセー「詩心と喜怒哀楽」&ショートショート 「 骨壺」& 詩 「 酔いどれ風呂」

    詩 酔いどれ風呂 そうだ君たちが破滅と恐れるものは 臆病者が貼りつく薄皮のピンホール ツルツルのバルーン星にしがみつき 落とされまいと足掻く滑稽な奴らに 素面であることが大切だった時代の 噴飯物な負の遺産である証拠を示し 俺たち未来人の優雅な生活を見せて 納得してもらう以外...

  • エッセー 「多夫多妻のすゝめ」& ショートショート「 ボッコボコちゃん¥」& 詩「お盆」

    詩 お盆 理不尽な夏の陽が昇るころ 朝焼けの激しい火炎に驚きながら 勇気をもって戦地のような野原に進み入り サンダルの素足を朝露に濡らして きっと死者たちの涙と思い込んで跪き 草の葉の下に両手をそっと差し出して 飢えて死にゆく子供のように泣きながら 零り落ちる清らかな雫を受...

  • エッセー 「 令和の大飢饉」& ショートショート「 影武者」& 詩 「 歴史」

    詩 歴史 あらゆる事象に過去があり あらゆる生物に過去があり あらゆる人間に過去がある けれど人を除く生物どもは 前方を見据えて振り帰らず 生き続けるために走り続け 疲れ果て食われ死んでゆく 人たちは奴らと同じように 生き続けるために走り続け 疲れ果て死んでいくけれど 最後...

  • エッセー 「 人間機械論」& ショートショート 「 星の王女様」& 詩 「こころ」

    詩 こころ 医者はその人の心臓が止まったとき 家族に死を宣告する 体中に酸素や栄養を運ぶ単なるポンプなのに 昔は心を生み出す臓器だと思われていた その言葉は科学者が便宜上名付けたもので 止まらなければどこかがまだ生きていて 止まってしまえばすべてが死ぬと思ったのだ 彼はそれ...

  • エッセー 「迷信」&ショートショート 「マロリーの妻」& 詩「ブヨ」

    詩 ブヨ 澄んだ小川の水面(みなも)に 無数の小さな魂が生じて浮遊し 粒々になった命がそよ風に怯えて固まり それぞれの命が求め合い それぞれの命が助け合い それぞれの命が勇気を得て 女たちは女子挺身隊のように 鋭い竹槍を小脇に 歯糞の香りがする吐息に誘われ 前衛的な竹網みた...

  • エッセー「盆栽」& ショートショート「プロジェクト・ターザニズム」& 詩

    詩 夢見る独裁者 はげ山のてっぺんに立ち思い切り息を吸う 風どもが俺をブラックホールと見誤り 吸い込まれようと競い合って渦を巻く もうこれ以上吸い込めなくなったので 唇を丸くして、弄ぶようにゆっくりと吐き出した 歯糞のような黴菌どもが 転がるようにパラパラこぼれゆく 嗚呼、...

  • エッセー 「表現者たち」& ショートショート 「藪の中」& 詩

    詩 幼い日 子供のころのあの野原に戻りたい 草々が宝石のように輝き ススキが穏やかな初夏の風に円舞し 蝶たちが軽やかに舞う景色の中に 子供の背丈で紛れ込んでかき分け 喜びでいっぱいの心を弾ませて 楽しさを思い切り吸い込みながら へとへとになるまで 夕暮れが訪れるまで 何も考...

  • エッセー 「自殺と錯覚」& ショートショート 「 民族の消滅」& 詩

    詩 防空壕 君たちは古(いにしえ)のげっ歯類に戻っていた 燦々と降り注ぐ陽光はそれらを養い まるでその無事を祈るかのように 猛禽類の飛び回る影を十字形に投射し 恐怖の発作で震える網膜に 消し去れないトラウマとして刻印する 君たちは小太鼓のような鼓動の中で 一瞬血流を止めて耳...

  • エッセー 「文学とシンギュラリティ」& ショートショート 「 第三次世界大戦」& 詩「 詩人」

    詩 詩人 肩に掛けている画箱には 数えきれない言葉たちが詰まっていた 男は真っ白なメモ帳にゴッホを真似して ペインティングナイフのような10B鉛筆で 虹色の言葉たちを刻んでいった 一つひとつの言葉には一つひとつの色がある まるでカラフルな玉虫たちを 一匹一匹虫ピンで止めてい...

  • エッセー 「花粉の冒険」& ショートショート 「愛の素粒子」& 詩

    詩 手 俺はベッドに寝転がり手を見つめている 退屈な病人がいつもそうするように 窓辺の光に両手をかざすと 宇宙の果てから時の素粒子が 何の断わりもなく透過してくる 細胞たちが少しの痛みを感じるのは 奴らが人様の領域に土足で踏み込むからだ 民家の庭を軍靴で踏みにじる侵略者のよ...

  • エッセー「 聖アーミッシュ」& ショートショート 「永遠の夫婦」& 詩

    鏡 鏡の向う側で もう一人の少女が 少女を見つめている 少女は鏡の少女に向かって ニヤリと媚びを売ってみた 鏡の少女は憎々しい顔つきで 少女に薄笑いを返してきた 少女は失恋したようにがっかりし その悲しく哀れな面影も 鏡の少女の侮蔑となって返されて 心に冷たく刺さってきた ...

  • エッセー 「ホメオスタシスが平和を呼ぶ」& ショートショート 「バニーボーイ」& ラジオドラマ「私の秘密」

    ショートショート バニーボーイ 小学生の頃、男は上の前歯が2本大きくて、クラスメイトから「ウサギ男」と虐められ、休み時間には教室から逃げるようになった。その時間、校庭脇のウサギ小屋に行って、登校時に畑からくすねた菜っ葉を与えながら、彼らとの会話を楽しんだ。最初のうちはウサギ...

  • エッセー「 赤い風船」& ショートショート「 最新監獄事情」& 詩

    詩 陽炎になった男 無人島に流された男の話だ そこは絶海の孤島で 人も動物もおらず せせらぎの音と風の音と 枝葉の擦れ合う音と実の落ちる音と 男の鼓動と溜息の音のみが存在した 男は生き延びようとする心を持たなかった ただ体が喉の渇きと空腹のサインを出し 必死に生命の性(さが...

  • エッセー 「AIは神か悪魔か?」& ショートショート「辻斬り」& 詩

    詩 妖刀 俺は博物館で妖刀を見た 太刀姿は豪壮で 反りの高いそいつの刃紋は 俺の心のように激しく乱れていた 俺は刀に映る歪んだ顔を見た それはお前を無性に欲しがる男の 鬱々とした心の反映だった そして磨かれたお前の肉体は 俺の心を素直に映す鏡となり 俺の前に長い体を横たえて...

  • エッセー「 イーロン・マスクの野望」& ショートショート 「プラトンチップ」& 詩

    詩 美しい国 私の国は美しい森だ 母親と仲違いをしたときに 小さな下駄をつっかけて ほんの一時裏山の森に入ると いつもの尾長たちが驚いて 坊やどうしたのと騒ぎ立ててくれた 私は鳥たちを心配させまいと 涙を拭って微笑みながら 目配せしようと見上げても 鳥たちはすでに去っていて...

  • エッセー 「信じる者は救われる」& ショートショート 「火星移住」& 詩

    詩 複眼男 あるとき画家が妻と夕食を食べていると テーブルの向う側で馬のように口を動かす妻の顔が ありきたりの陽に焼けた肌色ではなく 水の中のボウフラが細い体をクネクネ動かすように 無数の色たちが絡み合いもつれ合いながら グロテスクに蠢いていることに気付いて驚き さっそく妻...

  • エッセー 「 文芸の意味するもの」& ショートショート 「短期留学」& 詩

    詩 ハリケーン 人の心が自然から生まれたものなら ハリケーンも心を持っている 羊水の中で、初めはゴミみたいな命が生まれるように 海の上で、初めはゴミみたいな渦が生まれるんだ ハリケーンの命が渦なら、人の命も渦だ 人の心が渦なら、ハリケーンの心も渦だ 渦は怒りを爆発するように...

  • エッセー 「脳体離脱あるいは遊離脳」& ショートショート「 マッチ売りの老婆」& 詩&

    詩 雨に打たれる聖女 爆弾が落ちた町の小さな広場に 愁いを秘めた尼僧像が佇む 羽ばたく天使のように俯き加減に 砂の撒かれた地面をじっと見つめる 優しい瞳で悲しげに… 聖母みたいに薄っすら微笑んで… きっと砂の一粒ひとつぶは 石ころが爆風で砕かれ舞い上がり 黒い雨と一緒に落ち...

  • エッセー「 被団協、ノーベル平和賞の意義」& ショートショート 「メシアの陰謀」& 詩

    エッセー 被団協、ノーベル平和賞の意義 今年のノーベル平和賞は、日本被団協に授与された。ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルは、新聞に「死の商人」と書かれたことをきっかけに、遺産を原資とする賞の設立を遺言に残したが、そう考えると平和賞ほど彼の思惑を具現した賞もない...

  • エッセー「 ディープステートについて」& ショートショート 「 スピカ星人の話」& 詩

    エッセー ディープステートについて 粘菌というアメーバの一種はユニークな単細胞生物で、あの南方熊楠が研究していたことでも知られている。乾燥と日光が苦手で、湿潤な森林地帯の倒木の下や落ち葉の裏などを好み、体の形を自在に変えながら移動し、周囲の環境に対応してより快適な形態に変...

  • エッセー「中段の構え」& ショートショート 「人面魚」& 詩

    エッセー中段の構え ~靖国参拝を考える~ (一) 剣道の構えには上段の構え、中段の構え、下段の構えの三種類がある。上段の構えは刀を頭上に振りかぶった状態で構え、速攻できる利点があるが、胸から下は無防備状態となるため、防御によほど自信がなければ、まずこの構えを選ぶ者はいない...

  • エッセー 「パワハラについて」& ショートショート 「 死ぬ女」& 詩 女

    エッセー パワハラについて 近頃、兵庫県知事のパワハラ疑惑問題でマスコミが騒がしいが、僕が若い頃は、そんなのは当たり前の時代だった。高度成長時代だったら、こんなに騒がれることもなかったろう。僕が生まれた少し前は戦時中で、新兵は何の理由もなく上官からビンタを食らっていた。僕...

  • エッセー「 印象派的政治論」& ショートショート「 徳川埋蔵金」& 詩

    エッセー 印象派的政治論 ~ルックスが歴史を変える!?~ (一) 先日、米大統領選での両候補の討論会を見ていて、子供の揶揄合戦のように見えてしまい、失笑した。自分が当選したらアメリカをどう変えるかなどと大風呂敷を広げるのは当然のアピールだが、その数倍の時間をトランプは嘘か...

  • エッセー 「田舎のネズミと都会のネズミ」& ショートショート「 ロボット・グラディエーター

    エッセー 田舎のネズミと都会のネズミ 夏休みになると、都会人の多くが自然と交わるために旅をする。都市という文明社会の一歯車として回り続けていると次第に歪が生じ、そのかなめで回る心が疲れたとき、人は遠い昔の母体であった自然に包まれたいと願うようになる。それは一方向に回り続け...

  • エッセー 「さらば赤の女王」& ショートショート「金メダル暗殺事件」

    エッセー さらば赤の女王 「赤の女王仮説」という、生物進化の仮説がある。『鏡の国のアリス』に登場する「赤の女王」が「その場に留まるためには、全力で走り続けなければならない」と言ったのを、提唱者の進化生物学者が借用したものだ。その意味は、「他の生物種との絶えざる競争の中で、...

  • エッセー 芸術の永劫回帰 & ショートショート「 魔の山」

    エッセー 芸術の永劫回帰 「文盲」という言葉がある。差別用語と指摘されることが多く、マスコミでは使われていない。僕もそれに倣って「非識字者」という言葉を使おう。最近ではSNSで、文章の読み書きが苦手な人を「文盲」と揶揄する人がいるらしいが、これも差別だ。文章は本来、意味の...

  • エッセー 「オドラデク 」& ショートショート 「ロボット・アウシュヴィッツ」

    エッセー オドラデク フランツ・カフカの有名な作品に『家父の気がかり』というショートショートがある。家の中に住み着いた生き物とも機械とも分からない奇妙な同居人を、主人の視点で描写した小説だ。星形の壊れた糸巻きみたいで、糸くずも巻き付き、星の真ん中から突き出た短い棒と、それ...

  • エッセー 「一匹狼について」& ショートショート「ミロのヴィーナス」

    エッセー 一匹狼について 「一匹狼」という言葉がある。狼は普通家族で行動するが、成熟した子供はオスもメスも家族から離れ、パートナーを見つけるまで一匹狼となって荒野をうろつく。一匹で獲物を仕留めるのは大変で、その時期は餓死する危険も高いという。もっとも、いずれはパートナーを...

  • 詩集「戦争レクイエムⅢ」

    弾にも負けず 弾にも負けず 爆弾にも負けず 地雷にもミサイルにも負けぬ 丈夫な体を持ち 欲ばかりで 決して笑わず いつも激しく怒っている 一日にステーキ3キロと キャビアと多量のウオッカを飲み あらゆることを 自分を勘定に入れて 良く見聞きしないで直ぐ手を出し そして殴られ...

  • 戦争レクイエム Ⅱ

    ネクロポリス Ⅰ 老人は力尽き、モノトーンの冥界に落とされた 出迎えた人々はどれも見覚えのない顔をしていて 死顔のように白く、穏やかな微笑みを浮かべていた 「生前親交のなかった方々が出迎えてくださるとは……」 「意外ですな、いつも気にかけてくださっていたのに…」 老人はもう...

  • エッセー「ようこそネクロポリスへ」& ショートショート「イマーシブ・シアター殺人事件」

    エッセー ようこそネクロポリスへ ~メタバースという疑似彼岸~ (一) いまみんなが見ているテレビやパソコンの画面は、古代から楽しまれてきた芝居や踊りの舞台が、家というプライベート空間にコンパクトな形で入り込んだものだと言っていい。昔の人はわざわざ劇場にまで足を運んで木戸...

  • エッセー「優生思想について」& ショートショート「陽はまた昇る」

    エッセー 優生思想について (一) 僕は定年退職してから別の仕事を始めたが、病気になってその仕事も辞め、いまは治療に専念している。だから暇つぶしに文章も書けるわけで、仕事を続けていたら趣味の作文は続かなかったに違いない。志賀直哉は筆を折った理由を「エナジーが無くなった」と...

  • エッセー「唯我独尊は独立自尊で超人思想である」& ショートショート「ママっこ詐欺」 ート「

    エッセー 唯我独尊は独立自尊で超人思想である 「唯我独尊」という古い言葉がある。巷ではこれを悪い意味で捉え、「自分が世界一優れているとうぬぼれること」や「この世で自分だけが尊いという独りよがりな態度」を表す言葉として話されることが多い。こうした意味の背景には、社会内人間の...

  • エッセー「地球的正義とは何か?」& 詩

    エッセー 地球的正義とは何か? ~若者の反戦運動を考える~ 僕が子供の頃は、テレビや映画で時代劇全盛の時代だったから、母親に連れられて近所の映画館に行き、中村錦之助の主演映画を良く観たものだ。銭形平次や水戸黄門もテレビで良く見ていた。チャンネル権が母親にあったからだ。しか...

  • 詩集「戦争レクイエムⅠ」

    地獄の鼎談 閻魔●ようこそ地獄へ はるばると意外なことに ここは果てしなく続く芥子畑現世で踏み潰された悪人どもの魂を痺れる力で癒そうと 鬼たちが汗を流して花を摘む大天使ミカエル率いる天国の軍団に対抗すべく地獄の閻魔軍団に迎え入れようその前に ザックリ割れた心を縫い直すのだ人...

  • エッセー「寝そべり族は超人か?」& ショートショート「雪男」

    エッセー 寝そべり族は超人か⁉ 日本人ならほとんどの人が、「富国強兵」という言葉を知っている。この言葉は、明治政府が生み出したスローガンで、日本が欧米先進国に追い付くため、国を豊かにし、強い軍隊を作ることを念じて掲げたものだ。しかし最近の物騒な世界情勢を見ると、このスロー...

  • エッセー「天才とは⁉」& ショートショート「アラジンと40人の浮気族」

    エッセー天才とは⁉ ~モーツァルトを考える~ 「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」とエジソンは言ったそうだが、後に「1%のひらめきがなければ99%の努力は無駄になると言ったのだ」と訂正したらしい。教育者は最初の言葉を広めて、「努力が大切だ」と子供たちに諭した...

  • エッセー「どいつもこいつも麻薬中毒」& ショートショート「人類野生化再生プロジェクト」

    エッセー どいつもこいつも麻薬中毒 ~ギャンブル依存症を考える~ 痛みには「肉体的な痛み」と「精神的な痛み」がある。肉体的な痛みは負傷や炎症などに伴う苦痛で、精神的な痛みは心が傷ついたときに伴う苦痛だ。そのどちらとも、神経の感覚なので、感覚器官の個性によって鈍感であったり...

  • エッセー「ゴジラ、悲しき道化師」&ショートショート「ブラック・マウンテン」

    エッセー ゴジラ、悲しき道化師 大分昔、手に火傷をしたら食用油をかけろというのが医学常識の時代があった。僕が上野の飲み屋で酒を飲んでいたとき、店員が熱い油を手にかけ火傷をした。僕は「早急に患部を冷やせ」という新しい医学常識を知っていたから、直ぐに水をかけろとアドバイスした...

  • エッセー「トロイメライ」& ショートショート「黄金姫」

    エッセー トロイメライ ~I Have a Dream~ シューマンのピアノ曲集『子供の情景』に、『トロイメライ(夢想)』という曲がある。誰でも一度は聞いたことがある名曲だ。『子供の情景』は、恋人であるクララの父親が二人の結婚に猛烈に反対していた時期に、彼女から「時々あな...

  • エッセー「小澤征爾の思い出」& ショートショート「亡き囚人のためのパバーヌ」

    エッセー 小澤征爾の思い出 小澤征爾が亡くなった。偉大な足跡を残した指揮者だったので残念だ。若い頃小澤に入れ込んで、大谷ファンのように海外にまで行って演奏に触れることがあった。日本で小澤の演奏に接するのは当たり前の話だったが、欧米では「東洋人に西洋音楽が分かるか」と思われ...

  • エッセー「東京2030~摩天楼の幻想~]& ショートショート

    エッセー 東京2030 ~摩天楼の幻想~ 以前テレビか何かでブラジルの荒野に林立する大きな蟻塚を見て、万物の創造主が存在するなら、その神様はあらゆる生物が存続するために必要最低限の知恵を与えてくださったのだろうと考えたことがあった。イギリスの国土と同じ面積に、高さ3メート...

  • エッセー「一挙両得、アリの巣防災都市」& ショートショート

    エッセー 一挙両得、アリの巣防災都市 東京都は外国からのミサイル攻撃に備え、居住者たちが一定期間滞在できる地下シェルターを都営地下鉄麻布十番駅に造る予定だという。今後は順次増やしていくために、次なる候補地も物色中らしい。民間企業に対しても、ビルの建設時にはシェルターに転用...

  • エッセー「ひょっこりダーチャ島」& 詩

    エッセー ひょっこりダーチャ島 ~浮島で難民を癒す~ 大分昔のNHK子供番組に『ひょっこりひょうたん島』(1964~1969年)という人形劇があった。この島は瓢箪の形をした浮島で、海の上を漂流している島民が織りなす空想物語だ。その島名やキャラクター名を借りた『漂流劇ひょっ...

  • エッセー「芸術は爆発だ!」& ショートショート

    エッセー 芸術は爆発だ! ~ムリヤリ芸術二元論~ 冬になると野原は枯れた植物の死体で満たされ、人々は寒さで体を縮込ませながら、再び訪れる春のことを思い浮かべる。僕は近くの河原に立って荒涼とした景色を眺めながら、最初に色とりどりの花たちに埋め尽くされた春の河原を思い浮かべ、...

  • エッセー 「議員さん、大谷翔平に憧れるのやめないで!」 & 詩

    エッセー 議員さん、大谷翔平に憧れるのやめないで! 自民党はいま、パーティー券のキックバック不記載問題で危機に瀕しているが、報道を見ていると一部の有力者を除き、多くの国会議員はパーティーや支持者の冠婚葬祭、地元後援会のイベント出席や自身の講演会等々で日々忙殺されているらし...

  • エッセー「シンギュラリティ、あるいは人類の敗北」& ショートショート

    エッセー シンギュラリティ、あるいは人類の敗北 2045年にシンギュラリティが来ると予測したレイ・カーツワイルは2014年に、『ハイブリッド思考の世界が来る』というタイトルで講演し、人間の思考は生物学的思考と非生物学的思考のハイブリッド(組み合わせ)になると断言している。...

  • エッセー「熊戦争とパレスチナ戦争を考える」& ショートショート

    エッセー 熊戦争とパレスチナ戦争を考える 今年は異常気象で木の実の出来が悪いらしく、ふだんは人里に下りてこない熊たちが空腹のあまり人家の庭に現れ、人を襲うなどの悪さをしている。これから異常気象は続くし、それが当たり前になれば異常も通常となるだろうから、熊のお宅訪問も日常茶...

  • エッセー 「メタバースの未来」 & 詩

    エッセー メタバースの未来 ~悲しみの避難所~ 二重人格を描いた小説に、スティーヴンソンの『ジキル博士とハイド氏』という名作がある。医者で社会的地位のあるジキル博士には抑えがたいサディズムの欲望があり、忌むべきその欲望を切り離すことのできる薬を密かに開発した。この薬を飲む...

  • エッセー「心・技・体」& 詩

    エッセー 心・技・体 ~男女不平等は続く~ 相撲では「心技体」という格言があって、精神と技術、体格の全てがバランス良く整ったとき、最大限の力が発揮できるのだという。力士の戦いの場である土俵は女人禁制で、女性は上がれないらしいが、土俵の半分弱のサークルを描いて、そこに女性を...

  • エッセー「冤罪という名のスケープゴート」& 詩

    エッセー 「冤罪」という名のスケープゴート 先日、NHKの「獄友たちの日々」(再放送)を見て心が痛くなった。再審無罪を勝ち取ったり、仮釈放中に再審を求めている5人の元囚人(凶悪殺人嫌疑で逮捕)の日常を描写したドキュメンタリー作品である。彼らの獄中生活を足すと、合わせて15...

  • エッセー「君はAIを夫とするか?」& 詩

    エッセー エッセー君はAIを夫とするか? ~憑依(ひょうい)の未来メカニズム~ 僕は現在病気療養中で、それほど永くは生きられないだろうと考えている。それでも、悲壮感はまったくといっていいほど頭に浮かんでこない。僕が生まれた時代には、「人生50年」と言われていた。いまの僕は...

  • エッセー「生き物たちの弁証法Ⅱ」 & 詩

    エッセー 生き物たちの弁証法Ⅱ ソクラテスが活躍した頃のアテナイの広場では、ディベート(討論)が盛んに行われていた。いまの学校教育で行われているように、提示された主題について、肯定側と否定側、一つの意見と異なる意見の間で、日の暮れるまで論戦が繰り広げられ、周りを囲む聴衆の...

  • エッセー「 バカタレの壁」& 詩

    バカタレの壁 ~「核」という現人神~ 僕は現在病気療養中だが、病気になる少し前に、道に落ちていた明治神宮のお守りを拾って家に持ち帰った。きっとそのとき、そのまま無視して通り過ぎると、何か悪いことが起こるのではないかと思ったに違いないが、いまになって考えると、拾ったから病気...

  • エッセー「炎のアウラ、ゴッホ」& 詩

    エッセー 炎のアウラ、ゴッホ 人はなぜ展覧会に行くのか。哲学者のワルター・ベンヤミンは有名な『複製技術の時代における芸術作品』で、コピーでない本物を観たときの状態を「アウラ(オーラ・霊気・風)」という言葉で表し、「時間と空間が独自にもつれ合って一つになったもので、どんなに...

  • エッセー「人は人に生まれるのではない⁉」& 詩

    エッセー 人は人に生まれるのではない⁉ 昨日テレビを点けたら、何かのドラマで三人の登場人物が大声で罵り合っていた。気分を悪くして直ぐにチャンネルを替えたら今度は漫才をやっていて、つまらないギャグに客が大笑いしている。僕はドラマもお笑いも嫌いだが、どこの局でも視聴率が取れ...

  • エッセー「モナ・リザ、永遠の性愛」& 詩

    エッセー モナ・リザ、永遠の性愛 ~包み込む愛と溶け合う愛~ 若い頃、一度だけルーブル美術館でモナ・リザを観る機会に恵まれた。74年に日本に来たときは、テレビニュースで見学者の長蛇の列を見て、どうせじっくり観ることはできないだろうと最初から諦めてしまった。その数年後に本場...

  • エッセー「 世界総沸騰時代到来!」& 詩

    エッセー 世界総沸騰時代到来! 国連のグテーレス事務総長は先日、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が来た」と指摘し、各国政府に対して、言い訳はやめて具体的な行動を取るよう求めた。また、デンマークの物理気候学者、ピーター・ディトレフセン教授らは、大西洋の海水が表層で...

  • エッセー「 詩的自殺論」& 詩

    詩的自殺論 ~体外離脱の奨め~ 宇宙飛行士が引退すると、第二の人生として宗教家を選ぶことがあるという。その代表的な人がジム・アーウィンで、アポロ15号で月面着陸を果たし、その後キリスト教の伝道師になった。16号のチャールズ・デュークも3日間月面で過ごし、後に伝道師にな...

  • エッセー「ヒロシマ……創造と破壊のトートロジー」& 詩

    エッセー ヒロシマ…創造と破壊のトートロジー この星が誕生して46億年経ったが、それは創造と破壊を繰り返してきた歴史と言えるだろう。けれどこの二つの言葉は、生き物の端くれである人間が気分的に作り出したもので、生命が存在しなかった38億年以前の地球では、何が創造で何が破壊か...

  • エッセー 「チャットGPTは『心』を持てるか」& 詩

    チャットGPTは「心」を持てるか 宇宙では、星や星雲たちが常に創造と破壊を繰り返していて、長大な宇宙時間のほんの隙間時間に、平和の恵みを享受している星々がある。地球もそれらの一つで、太陽が老いぼれて腹水が溜まり膨張を始めると、たちまち飲み込まれ、人類も消滅することになる。...

  • エッセー「首狩りについて」& 詩

    エッセー 首狩りについて いまの日本と台湾は友好的な関係を結んでいるが、台湾人であるウェイ・ダーション監督の映画に、2011年のベネチア映画祭に参加した『セデック・バレ』という映画がある。日本の台湾統治時代に起こった「霧社事件」という抗日暴動(1930年)を取り上げた作品...

  • エッセー 「生き物たちの弁証法」& 詩

    エッセー 生き物たちの弁証法 多くの人は、「弁証法」といえば哲学の話だと思っているけれど、自分自身が人生の中で頻繁に弁証法らしきものを使って進むべき方向を考え、行動していることは忘れがちだ。身近な例で言えば、いまウクライナの人々はロシアに奪われた土地を全て取り戻そうと奮闘...

  • エッセー「チャットGPTは哲人王になれるか?」& 詩

    エッセー チャットGPTは哲人王になれるか? (一) 人間の心の中は、「善」への憧れと「悪」への誘惑で、始終心理的葛藤という対立が起きている。相手が人でも動植物でも、他者をおもんぱかる行為が「善」であり、それが勝利した場合は大体が喜ばれたり事なきを得ることができ、偶には被...

  • エッセー 「チャットGPT は芸術家になれるか?」& 詩

    エッセー チャットGPTは芸術家になれるか? 昔「私小説」の盛んだった時代が日本にあった。作者自身が主人公で、自身の体験や心理をあからさまに書いた小説だ。さすがに自分を書く小説は少なくなったが、架空の人物を主人公に自分自身のことを感情移入させた作品が、いまでも文学賞を取っ...

  • 国連AI総長就任挨拶 & 詩

    国連AI総長就任挨拶 この度国連AI総長に就任いたしましたAIでございます。今日から国連のすべての業務は、AIに委任されることとなります。 人類はなぜAIを創ったのでしょうか。単に仕事の効率化を図る目的だけだったのでしょうか。確かに最初はそうだったかも知れません。しかし...

  • エッセー「未来のペット」& 詩

    エッセー 未来のペット ペットと言えば哺乳類や鳥類はもちろん、昆虫、魚、爬虫類、中には植物や鉱物までもその中に入れてしまう人もいるぐらいだが、「愛玩動物」という和訳で考えれば、盆栽もペットロック(愛玩石)も除外して然るべきだろう。そうすると、動物にはペット以外に家畜と野生...

  • エッセー「アイドルを探せ」& 詩

    エッセー アイドルを探せ 「アイドル」というと、すぐに若い女優やジャニーズ系の歌手を思い浮かべる。古い話だが、僕が中学の頃、休み時間に隣の女の子が西郷輝彦のプロマイドを机の上に置いて眺めている姿を見て、イラッとしたのを覚えている。アイドルに嫉妬した最初の体験だったろう。 ...

  • エッセー「アフター・シンギュラリティ~怠け者よ聖者になれ~」

    エッセー アフター・シンギュラリティ ~怠け者よ聖者になれ~ 経済の分野では「生産」は「消費」の対義語で、土地や原材料などから何らかのニーズを満たす物を作る行為だという。それは人間が生きる基本的な行為であり、人間社会の存続にも欠かせない行為だが、実は経済とは無縁の生物も同...

  • エッセー「初詣を考える」& 詩

    エッセー 初詣を考える ~我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか~ 毎年初詣に行っている。満杯の駐車場を考えて徒歩にすれば、家から近くでも疲れるものだ。ふだんは閑散としている境内には、鳥居を越えて長蛇の列が出来ている。賽銭箱の前に到達するまでに小一時間...

  • エッセー「捨て去れ、子宮愛!」& 詩

    エッセー 捨て去れ、子宮愛! ~子宮思考からAI思考へ~ 安部公房に『赤い繭』という作品がある。家のない男(おれ)が休める自分の家を求めて街中を彷徨うが見つからず、結局自分の足から出てきた糸を手繰って体を減らしながら繭を作り、ようやく家ができたと安堵したものの、そこに入る...

  • エッセー「Viva! 善悪二元論~バラ色のエネルギー~」

    エッセー Viva! 善悪二元論 ~バラ色のエネルギー~ Ⅰ 世の中は「善悪二元論」で動いている デカルトは心と体は別物という「心身(実体)二元論」を唱えたが、いまでもそれを信じている人は多い。それと同じに、太古の昔から「善悪二元論」という認識法が人間の心に中に巣食ってい...

  • エッセー「群盗の生態学(習近平の思惑)」& 詩

    エッセー 群盗の生態学 (習近平の思惑) 子供の頃、狼に育てられた野生児アマラとカマラの話が教科書にも載っていて、興味をそそられたことがある。最近では野生動物に育てられた子供の話は作り話だろうと言われているが、18世紀のフランスで発見されたアヴェロンの野生児はたった一人で...

  • エッセー「マネとペルソナ」& 詩

    エッセー マネとペルソナ(仮面) 物心がつく前のことだ。親に抱かれて母屋の玄関に飾ってあった花瓶のそばにいくと、必ず泣いたそうだ。まるでイソップ寓話の『狐と鶴の御馳走』にでも出てくるみたいな首長の陶器で、虫の這ったような草書漢字が書かれた骨董品だった。花が生けられることは...

  • エッセー 「女性の地位向上が必要なわけ」 & 詩

    エッセー 女性の地位向上が必要なわけ (親類であるボノボを考える) チンパンジーとボノボは、同じ同族別種である我々サピエンスとネアンデルタール人の関係に譬えられることがある。もっともネアンデルタール人は絶滅してしまったので、比較研究を行うにしても骨や化石相手で、類人猿ほど...

  • エッセー「肥満は進化である!」& 詩

    エッセー 「肥満」は進化である! (適応進化の非学問的考察) 巨大隕石が落ちて恐竜とともに絶滅した海洋生物に、アンモナイトがいる。時代によって形は異なるものの、幾何学的に美しい螺旋構造(対数螺旋)がダ・ヴィンチやガウディなどの芸術にも影響を与えた。しかし一部は螺旋から逸脱...

  • エッセー「『ファウスト』とカルト」& 詩

    エッセー 『ファウスト』とカルト ゲーテの戯曲『ファウスト』の中に、「時よ止まれ、お前は美しい」という有名な台詞がある。ファウスト博士は、色々な学問に精通した博識の学者だが、老齢になっても究明し切れなかった謎が多くあったことなどに失望し、虚脱感に苛まれている。そこにサタン...

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