離婚して5年の私が綴る物語。離婚して良かったこと、困ったこと、結婚時代の悩みや想い出など。離婚した方も、思いとどまってる方もどうぞ。
2019年4月
隅田川沿いの桜は、もう黄緑色の葉っぱが目立っていた。 「もう少し早かったら良かったのにな。」 残念そうに言うそのひとに、笑いながら私は言う。 「このくらいが丁度いいよ。」 「ん?もう散りそうなのがいいの?」 「うん。だって似合ってるじゃん、うちらに。葉桜。」 そのひとも声をたてて笑った。 「そっか。葉桜って感じね。」 延々降り続く花吹雪は、逆光で、嘘みたいに綺麗だった。 「ちょっと待って」 そのひとの声に立ち止まり振り返る。 黙って、私の髪に絡んだ花びらを指でつまんだ。 突然、全身を、羞恥と幸福が駆け巡る。 誰にも祝福されない、はじまりの日。
テレビは、何時間でも観ている。 2メートル離れた、テレビの真ん前の特等席で、 無言でひたすらテレビを観ている。 私が時折テレビに視線をやると、 夫の後頭部が見える。 同じテレビ番組を観て、笑いあったのは遠い昔。 背中に声を掛ける気なんて起きない。 もちろん夫にも、振り返る気持ちなど全くなかっただろう。 何をするにも夫は受け身だった。 彼の意思が確認出来る時は、 物欲か性欲に突き動かされている時のみ。 それ以外は、提案も決定権も、私に委ねられていた。 「なんでもいいよ」 「どっちでもいいよ」 「決めていいよ」 それが楽な時もあったが、 「それじゃ困るんだけど」と言うと、 ひたすら黙り込むのだ。 …
私が療育している子ども達の約半数は、 自閉スペクトラム障がいの疑い、 若しくは確定診断が付いている。 そのほとんどが、アスペルガー症候群である。 幼児期の子どもの保護者の多くは、 健診で指摘されたものの、 医療機関を受診することに躊躇いがあり、 確定診断を先延ばしにしている。 我が子の困難さを、 障がいと取るか、個性と取るか。 幼児期ではまだ判断が付かないというのもある。 風変わりな子どもではあるが、 3歳にして漢字が読めてしまうような、 IQの高い我が子を障がい児と認めたくない。 その気持ちはよくわかる。 幼稚園に息子を迎えに行くと、 玄関に入る前から大きな泣き声が聞こえる。 毎日毎日、息子…
2019年4月
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