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2019/03/23

1件〜100件

  • ● 百恵芳紀15歳 映画:『伊豆の踊子』(西河克己監督)

    1974年東宝、ホリプロ94分 山口百恵の映画初主演作であり、のちに夫婦となった三浦友和との映画共演第一作。 西河監督は吉永小百合主演ですでに『伊豆の踊子』を撮っており、脚本や基本的な演出は前回と“ほぼ”同じである。 『ひと夏の経験』の大ヒットで超多忙となった

  • ● 映画:『ザ・コーヴ』(ルイ・シホヨス監督)

    2009年アメリカ91分 和歌山県太地町のイルカ追い込み漁を批判的に描いたドキュメンタリー。 コーヴ(cove)とは「入り江」の意。 主役はリック・オバリーという名のアメリカ人。 ソルティも幼少時に楽しんで観ていたTVドラマ『わんぱくフィリッパー』に出演していたイル

  • ● 日本の黒い霧ふたたび2 本:『赤報隊の秘密』(鈴木邦男著)

    1990年エスエル出版会1999年復刻版 副題は「朝日新聞連続襲撃事件の真相」 朝日新聞記者であった樋田毅が被害者の身内の立場から赤報隊の正体を探ったのに対し、本書のポイントは、加害者と目された右翼の立場から、しかも当初警察によって作られた“最も怪しい容疑者9人リ

  • ● 日本の黒い霧ふたたび 本:『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』(樋田毅著)

    2018年岩波新書 先ごろ大宅壮一ノンフィクション賞をとった『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(文藝春秋)の著者による、「人生のテーマ」となったと言うもう一つの事件を描いた渾身のノンフィクション。 早大キャンパスに自由と平和を取り戻すべく、仲

  • ● あの日見た花の名前をぼくは知っている

     埼玉県の小鹿野ハイキングの際に見かけた道端の花で、名前が判明しないものがあった。 これである。 記事を読んでくれた数人から、「それはサフランモドキではないか」というコメントをいただいた。 ネットで検索してみたら、まさにそう、ドンピシャ。サフランモドキ(

  • ● 大人は判ってくれない 本:『連合赤軍少年A』(加藤倫教著)

    2003年新潮社 1972年2月に起きた連合赤軍事件の当事者による手記。 加藤倫教(のりみち)は兄弟3人で連合赤軍に加わり、兄を山岳アジトにおける集団リンチで失う。 その後、警察に追われて山中を逃げ回ったあげく、弟を含む他の4人と共にあさま山荘に人質を取って立て籠も

  • ● 変しい変しいサユリ様 映画:『青い山脈』(西河克己監督)

    1963年日活93分、カラー 石坂洋次郎原作『青い山脈』は過去に5回映画化されている。 それぞれの監督と主要登場人物の配役を並べると、監督(制作年・制作会社) ① 今井正(1949東宝) ② 松林宗恵(1957東宝) ③ 西河克己(1963日活) ④ 河崎義祐(1975東宝) ⑤

  • ● もっともだあ! 本:『天皇陛下の味方です 国体としての天皇リベラリズム』(鈴木邦男著)

    2017年(株)バジリコ 『右翼は言論の敵か』を読んで鈴木邦男という男に興味をもった。 現在出ているもっとも新しい著書を読んでみた。 本書は鈴木邦男の天皇論であり、明治から大正、昭和、平成に至る近代天皇たちのスケッチであり、天皇への熱烈なるラブレターである。

  • ● 一番幸福だった時 映画:『レミニセンス』(リサ・ジョイ監督)

    2021年アメリカ116分 50代半ばで亡くなった人気作家栗本薫(1953-2009)の膨大な作品の中に『時の石』というSF短編がある。 宇宙から落ちてきた謎の石を手にすると、自分が一番幸福だった「時」の記憶が生々しくよみがえり、その中に埋没できる。ただし、石を使いすぎると

  • ● 映画:『チャイコフスキー』(イーゴリ・タランキン監督)

    1970年ソ連157分 ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)の半生を描いた伝記映画。 1970年制作ということはブレジネフ書記長時代のソ連。 東西冷戦たけなわの頃である。 ソ連が崩壊するなんて世界中の誰も思いもしなかった、まだまだ勢いある時代に、国家

  • ● 本:『墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便』(飯塚訓著)

    1998年講談社2001年文庫化 単独の航空機によるものとして史上最多の犠牲者を出したJAL(日本航空)123便の墜落事故が起こったのは、今から37年前、1985年8月12日の19時頃だった。 ソルティの場合、実家で20時から日本テレビ『ザ・トップテン』を観ている最中に臨時ニュース

  • ● ジェンダーギャップ・コメディ 本:『よりぬきウッドハウス1』(P・G・ウッドハウス著)

    初出1900~30年代2013年国書刊行会(森村たまき訳) 天才執事ジーブズシリーズで日本でも人気沸騰のP・G・ウッドハウス(1881-1975)の初期から中期の短編集。 18の短編の中には、ウッドハウスが生まれてはじめて原稿料をもらった『ゲームキャプテンであることの諸問題』ほ

  • ● 永遠の小美人 ザ・ピーナッツ2

     キング・レコード発売『ザ・ピーナッツ~恋のフーガ』 『ザ・ピーナッツ~恋のバカンス』に続く2枚目。 今回も『恋のフーガ』『銀色の道』『ウナ・セラ・ディ東京』『スター・ダスト』など有名な曲が収録され、聴きどころたっぷり。 60~70年代和製ポップスならではの単

  • ● ひばり芳紀17歳 映画:『伊豆の踊子』(野村芳太郎監督)

    1954年松竹98分、白黒 美空ひばり主演ということで、旅芸人の少女に扮したひばりが、伊豆の名所をバックに子供離れした歌を披露するアイドル歌謡映画を想定していた。 が、見事に裏切られた。 これまた非常に質の高い一篇に仕上がっている。 ひばりの歌はBGM風に2曲ほど

  • ● サユリ芳紀18歳 映画:『伊豆の踊子』(西河克己監督)

    1963年日活87分、カラー ソルティにとって『伊豆の踊子』と言えば山口百恵なのであるが、この川端康成の名作は過去6回も映画化されていて、その時代のトップアイドルが主役の少女・薫と相手役の学生を演じるのがお約束であった。 公開年(制作会社)、薫、相手役の学生、監

  • ● 本:『無自己の体験』(バーナデット・ロバーツ著)

    1982年原著刊行1993年増補版刊行2021年ナチュラルスピリット社(訳者:立花あゆみ) 本書の第1部「旅」は、1989年に『自己喪失の体験』というタイトルで紀伊国屋書店から刊行された。(訳者:雨宮一郎、志賀ミチ) ソルティはスピリチュアル・ショッピングをしていた30代

  • ● 盛夏の小鹿野・花と崖めぐり

     2018年の秩父34観音札所巡礼の際の心残りは、32番法性寺の奥の院に登った時、曇っていたことであった。 晴れていたら、周囲を山と森に囲まれた目くるめくような岩山の頂きから、どんな景色が見えるのだろうと思った。 また、小鹿野名物「ようばけ」も遍路道沿いに遠くか

  • ● 人の世に熱あれ、人間に光あれ 本:『西光万吉』(師岡佑行著)

    1992年清水書院 現在、島崎藤村『破戒』の3度目の映画化作品が公開されているが、今年2022年は部落解放同盟の母体である全国水平社創立100周年なのである。 水平社設立の発起人の一人であり、日本初の人権宣言とも言われる『水平社創立宣言』の起草者が、西光万吉である。

  • ● 安藤サクラ、巨大化す 映画:『愛と誠』(三池崇史監督)

    2012年日本134分 「原作者の梶原一騎が生きていたら、この映画を許さないだろうなあ~」と思いながら観ていた。 なんとミュージカルコメディ仕立て『愛と誠』である。 太賀誠が、早乙女愛が、石清水弘が、蔵王権太が、歌って踊ってボケをかます。 それも『激しい恋』(西

  • ● 本:『オッサンの壁』(佐藤千矢子著)

    2022年講談社現代新書 ソルティは自他ともに認めるオジサンであるが、4割くらいオバサンも入っていると思う。 でありながら、周囲のオジサン、オバサンの非常識でハタ迷惑な言動を見聞きするにつけ、「これだからオジサンは・・・」「まったくオバサンだな・・・」と心の中

  • ● 英雄と死の舞踏 :西東京フィルハーモニーオーケストラ 第32回定期演奏会

    日時: 2022年7月10日(日)会場: 保谷こもれびホール(東京都保谷市)曲目:サン=サーンス: 死の舞踏グラズノフ: 組曲「中世より」シューマン: 交響曲第2番(アンコール)エルガー: エニグマ変奏曲より第9変奏「ニムロッド」指揮: 和田一樹 久しぶりの和田一樹。 コ

  • ● きっと貴方もひっくりカエル 映画:『フロッグ』(アダム・ランドール監督)

    2021年アメリカ109分 フロッグとは「カエル」のこと。原題は I See You 驚嘆のスリラーで、本当にひっくりカエル! あまたのどんでん返しミステリー&サスペンス映画を観てきたソルティでさえ、見抜けなかった。  海のほとりの豪華な邸宅に住む、ベテラン刑事と美しい妻

  • ● 映画:『世界で一番美しい少年』(クリスティーナ・リンドストロム&クリスティアン・ペトリ監督)

    2021年スウェーデン98分 「鏡よ鏡、この世で一番美しい少年はだーれ?」 「それは1971年のビョルン・アンドレセンです」 スウェーデン生まれの音楽好きのナイーブな少年が、たった一本の映画出演によって世界的アイドルになった。 それは彼の演技力のためでなく、ただた

  • ● 一回100万円ほどになります 本:『日本の呪術』(繁田信一著)

    2021年MdN新書 MdNとは(株)エムディエヌコーポレーションのこと。 1992年に設立した出版社で、「雑誌・書籍・ムック・インターネット・イベントを通して、グラフィックデザインやWebデザインのノウハウと可能性を伝える」(MdN公式ホームページより抜粋) 『大人の塗り

  • ● 尾瀬まるごとデトックス(第2日)

    尾瀬の朝湿原に立ち込めた霧は朝日が射すと舞い上がる(燧小屋の窓から)燧小屋の1階廊下朝食最近では珍しく、ご飯をお代わりした高級ホテルの豪華で盛沢山の食事より、こういったメニューが好きさあ、出発!至仏山(2,228m)を目指して尾瀬ヶ原に踏み入る● 歩行日 2022年7

  • ● 尾瀬まるごとデトックス(第1日)

     猛暑続きの首都圏から一時的に逃がれ、鋭気を養うべく、4年ぶり2度目の尾瀬に行った。 前回は、浅草から東武特急リバティに乗って会津高原駅下車。 バスに乗り換え、奥会津の秘境・檜枝岐村を通過して沼山峠に。 そこから尾瀬沼、見晴(みはらし)、尾瀬ヶ原、三条の滝

  • ● アプリーレ・ミッロの時代2 オペラライヴDVD:ヴェルディ作曲『アイーダ』

    収録年 1989年10月場所  メトロポリタン歌劇場(ニューヨーク)指揮  ジェイムズ・レヴァイン映像監督 ブライアン・ラージ演奏  メトロポリタン歌劇団管弦楽団合唱  同合唱団キャスト アイーダ : アプリーレ・ミッロ(ソプラノ) ラダメス : プラシド・ドミ

  • ● 漫画:『古事記』1~7巻(久松文雄・画)

    2009年~2019年青林堂 久松文雄は1943年名古屋生まれの漫画家。 『スーパージェッター』『冒険ガボテン島』が代表作らしいが、ソルティは読んだことがない。 癖のない見やすい揺るぎないデッサンとシンプルなコマ割りは、こうした歴史物の漫画化にはもってこいである。 

  • ● 晴海のチャイコ : オーケストラ・モデルネ・東京 第3回演奏会

    日時: 2022年6月26日(日)会場: 第一生命ホール(晴海トリトンスクエア)曲目:  ヒンデミット:交響曲「画家マティス」  チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」ロ短調 作品74指揮:篠﨑靖男 第一生命ホールに行くのは初めて。 地下鉄・都営大江戸線の勝どき駅から歩い

  • ● 眠れぬ夜のしもべ 本:『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻』(P・G・ウッドハウス著)

    原著発表1916~1922年2011年文春文庫(岩永正勝・小山太一邦訳) 最近、よく眠れなくなった(気がする)。 寝つきが悪くなり、眠りも浅い。 若い頃のような「ぐっすり寝た」感覚が得られにくくなった。 パターンとして、夕食1時間後に急な睡魔に襲われ、2時間ほど仮眠し

  • ● 映画:『海街diary』(是枝裕和監督)

    2015年日本126分 原作は吉田秋生の同名コミック。 鎌倉の古い家で暮らす四姉妹のありふれた日常を描く。 谷崎潤一郎『細雪』、オルコット『若草物語』、向田邦子『阿修羅のごとく』、橋田寿賀子『渡る世間は鬼ばかり』の例に見るように、四姉妹ものは面白い。 二姉妹、三

  • ● 一俵の価値 本:『カムイ伝講義』(田中優子著)

    2008年小学館 田中優子は刊行当時、法政大学社会学部教授だった。 江戸時代をテーマとする授業において白土三平『カムイ伝』を使用するという画期的な試みをした。 その過程で生まれたのが本書である。  『カムイ伝』には江戸時代の庶民(百姓、穢多、非人、山の民、海

  • ● 永遠の小美人 ザ・ピーナッツ

     ここ最近、やけにザ・ピーナッツが聴きたくてCDを探していたら、近くのホームセンターのレジ横のワゴンで見つけた。 キング・レコード発売の『ザ・ピーナッツ~恋のバカンス』1500円。  ザ・ピーナッツはソルティの最も初期の記憶に刻まれている歌手の一人(二人)であ

  • ● 日本一ふんどしの似合う役者 映画:『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』(矢口史靖監督)

    2014年日本116分 異文化と遭遇した若者が、困難を乗り越え成長していく青春ドラマ。 都会育ちの青年が携帯の電波の入らない山間の村に研修に行くという筋書きは、『ブータン 山の教室』(パオ・チョニン・ドルジ監督、2019)と同様。 『ブータン』では青年は小学校教師と

  • ● 本:『右翼は言論の敵か』(鈴木邦男著)  

    2009年ちくま新書 最寄り駅に街宣車がやって来た。 一時間近く、大音量で檄を飛ばし、「9条廃止」「赤旗せん滅」と繰り返し唱和し、軍歌を流していた。 現行憲法で保障されている言論・表現の自由があるので、どういった思想であれ、公共の場で喧伝する権利を認めるにや

  • ● セカイ系、それとも唯識? 映画:『君の名は。』(新海誠監督)

    2016年日本107分 SF恋愛ファンタジーアニメ。 大林亘彦監督『時をかける少女』と『転校生』、塩田明彦監督『黄泉がえり』(2013)を合体させて「セカイ系」にしたような作品である。 東京で暮らす社会人の瀧と三葉、2人の主人公が新宿にある須賀神社の石段で名前を問い合

  • ● 白土三平作画『カムイ伝』を読む 3

    1964~1971年『月刊漫画ガロ』連載1989年小学館叢書11~15巻 第一部完読。 凄絶で希望のないラストに暗澹たる思いがした。 グロテスクなまでの残虐と徹底的な正義の敗北に永井豪『デビルマン』を想起した。 百姓一揆の首謀者たちが役人から拷問を受ける場面は、これほど

  • ● 四万十川の大文字焼き 本:『忍びの者 その正体』(筒井功著)

    2021年河出書房新社 ソルティにとって忍者と言ったら、「サスケ、カムイ、赤影、花のピュンピュン丸、風車の弥七、服部半蔵、忍者ハットリくん」あたりであるが、ウィキ「忍者」の項をみると「忍者をテーマにした代表的な漫画は『NARUTO ーナルトー』」とあり、ちょっとビッ

  • ● 天然子役 映画:『お早う』(小津安二郎監督)

    1959年松竹94分 ずいぶん昔に観て白黒映画と記憶していたのだが、カラーであった。 『彼岸花』に続き2作目のカラー作品という。 デジタルリマスター修復による画面の鮮明さに驚いた。 小津監督の色彩感覚の鋭敏さがうかがえる逸品である。 土手下の新興住宅地で起こるご

  • ● 本:『四国辺土 幻の草遍路と路地巡礼』(上原善広著)

    2021年KADOKAWA 『今日もあの子が机にいない』『断薬記』と上原の本が続いているが、本作こそまさにソルティのツボにはまった一作。 むろん、自分が四国歩き遍路をしているからである。 本文に出てくる地名や札所の名前から周辺の情景がさあっと目の前に立ち上がってくる

  • ● 映画:『苦役列車』(山下敦弘監督)

    2012年114分 原作は今年2月に54歳で亡くなった西村賢太の同名小説。 芥川賞を受賞している。 著者の貧しくみじめでブザマな青春時代を描いた私小説である。 西村をモデルとする主人公の北町貫多を、森山未來が演じている。 森山未來の芝居の巧さは李相日監督『怒り』(2

  • ● 歴史リテラシー 本:『百姓の江戸時代』(田中圭一著)

    2001年ちくま新書  田中圭一(1931-2018)は新潟県佐渡生まれの歴史学者。高校教諭を経て、筑波大学、群馬県立女子大学の教授を歴任。専門は近世史。 「どこかで聞いたような名前・・・・」と思ったら、『うつヌケ』『ペンと箸』の漫画家と同姓同名であった。 『日本の歴

  • ● 白土三平作画『カムイ伝』を読む 2

    1964~1971年『月刊漫画ガロ』連載1988~1989年小学館叢書6~10巻 最近『ゴールデンカムイ』という漫画が人気らしいが、これは白土の『カムイ伝』とはまったく関係ないらしい。江戸時代が舞台でもないし、忍者物でもない。 ウィキによれば、『週刊ヤング・ジャンプ』に掲載

  • ● オペラライブ : ビゼー作曲『カルメン』

    日時 2022年6月5日(日)15:00~17:00会場 ルネこだいら大ホール(東京都小平市)指揮 佐々木 克仁演出 山田 大輔合唱 オペラアーツ合唱団エレクトーン 西岡 奈津子、小倉 里恵打楽器 大野 美音、金丸 寛キャスト カルメン: 善田 美紀(メゾソプラノ) ドン・ホセ

  • ● Remember 映画:『手紙は憶えている』(アトム・エゴヤン監督)

    2015年カナダ、ドイツ95分 ナチスのアウシュビッツ大量虐殺をテーマにしたミステリーサスペンス。 原題は Remember 過去の記憶が欠落した認知症の老人ゼヴ・グッドマンを主役に据えた点に、この物語のポイントがある。 彼の腕にはアウシュビッツにいた時に刻まれた囚人番

  • ● 本:『断薬記 私がうつ病の薬をやめた理由』(上原善広著)

    2020年新潮新書 高齢者介護施設で働き始めたときにソルティが驚きあきれたことの一つは、入居者が日々飲んでいる薬の多さであった。 毎食後10錠、一日20~30錠はあたりまえで、「こんなにいろんな薬をいっぺんに体に入れて大丈夫なのか?」と不審に思いながら服薬介助を行

  • ● マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々』を読む 7

    第1~13巻(1922~1940年発表)1952年白水社より邦訳刊行1984年白水Uブックス 前回6で『チボー家』の記事は終わりにするつもりだったが、全巻読み終わって(ブログを書き終わって)しばらくしてから、何か言い足りないことがあるような気がした。 それは、「『チボー家』

  • ● 映画評論家の意義 映画:『岸辺の旅』(黒沢清監督)

    2015年128分 オカルトファンタジーとでもいった作品。 生者と死者との不思議な交流というテーマから、ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』やガス・ヴァン・サントの『追憶の森』を想起した。 原作は湯本香樹実の同名小説。 薮内瑞希(深津絵里)のもとにある日

  • ● この山は誰のもの? 武甲山(1304m)に登る

     とうとう武甲山に登った! 秩父札所巡りや秩父リトリートの間、ずっと山麓から仰いできた雄大なる秩父のシンボルに、石灰岩採掘のために削りまくられ無残な姿を晒している甚大なる自然破壊のシンボルに、ついに足を運んだ。 1000m以上の山に登ったのは実に3年ぶり。 201

  • ● マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々』を読む 6

    第12、13巻『エピローグ』(1940年発表)1952年白水社より邦訳刊行1984年白水Uブックス ついに全巻踏破! 二か月くらいはかかると思っていたら、一ヶ月で達成した。 ゴールデンウィーク中の乗りテツ読書が効いたとは思うが、なにより小説自体が面白くて、ぐいぐいページが

  • ● 墨の下の日本 映画:『教育と愛国』(斉加尚代監督)

    2022年日本107分 この映画のもとになったのは、2017年に大阪・毎日放送(MBS)で放送されたドキュメンタリー番組『教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか~』。 2017年にギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞するなど大きな反響を呼び、2019年に書籍化、その後、追加

  • ● 白土三平作画『カムイ伝』を読む 1

    1964~1971年『月刊漫画ガロ』連載1988年小学館叢書1~5巻 「いつか時間があったら読もう」と思っていたボリュームある小説や漫画のうちの一つであった。 『神聖喜劇(漫画版)』といい『橋のない川』といい『チボー家の人々』といい、ソルティにとって今がその「いつか」

  • ● 映画:『私は、マリア・カラス』(トム・ヴォルフ監督)

    2018年フランス113分原題:Maria by Callas 20世紀最高の歌姫マリア・カラスの人生を、映像と朗読と彼女自身の歌声でつづったドキュメンタリー。 カラスが書き残した未完の自叙伝(そんなものがあったのか!)や友人に宛てた手紙を、自身映画『永遠のマリア・カラス』(200

  • ● マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々』を読む 5

    第11巻『1914年夏Ⅳ』(1936年発表)1952年白水社より邦訳刊行1984年白水Uブックス ジャックが死んでしまった!! 墜落事故により重傷を負い、戦場を《こわれもの》として担架で運ばれる苦痛と屈辱の末、一兵卒の手で銃殺されてしまった! もとより、社会主義者の反戦活動

  • ● 鮮烈なる工藤夕貴 映画:『ヒマラヤ杉に降る雪』(スコット・ヒックス監督)

    1999年アメリカ127分 工藤夕貴(1973- )は好きなアイドルの一人であった。 ハウス食品のラーメンCM 「お湯をかける少女」で一躍人気者になり、『野性時代』で歌手デビューを果たし、石井聰互監督『逆噴射家族』、相米慎二監督『台風クラブ』の鮮烈な演技で女優としての可

  • ● 寝た子を起こすな? 本:『今日もあの子が机にいない 同和教育と解放教育』(上原善広著)

    2014年『差別と教育と私』のタイトルで文藝春秋より刊行2018年河出書房新社で文庫化 上原善広は『日本の路地を旅する』など被差別部落をテーマにした本を多く書いている1973年生まれのノンフィクションライター。本人も大阪府松原市の被差別部落出身である。 本書は副題の

  • ● マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々』を読む 4

    第10巻『1914年夏Ⅲ』(1936年発表)1952年白水社より邦訳刊行1984年白水Uブックス 物語もいよいよ佳境に入った。 第10巻は、オーストリアがセルビアに宣戦布告した1914年7月28日から、オーストリア支援のドイツが、セルビア支援のロシアが、それぞれ動員を開始し、ドイツ

  • ● 映画:『愛のお荷物』(川島雄三監督)

    1955年日活110分、モノクロ 「愛のお荷物」とは赤ちゃんのことであった。 戦後ベビーブーマー時代を背景に、ある大臣一家に起こる恋と受胎の騒動を軽妙なタッチで描くコメディ。 人口過剰問題の対策を先頭に立ってはかるべき新木厚生大臣の家庭において、本人夫婦はじめご

  • ● 本:『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)

    2011年原著刊行2016年河出書房新社(訳:柴田裕之) 数ヶ月前に図書館予約しておいたのだが、ちょうど連休直前に順番が回ってきたのはラッキーと言うほかない。 外出自粛中のたっぷりの時間を、難しそうで分厚い(上下巻で500ページ強)本書に当てることができた。 読み始

  • ● 平岡家のマナー 映画:『三島由紀夫vs東大全共闘50年目の真実』(豊島圭介監督)

    2020年108分 今から半世紀以上前の1969年(昭和44年)5月13日に東京大学駒場キャンパス900番教室(現・講堂)で行われた、三島由紀夫と東大全共闘の討論会のドキュメンタリー。 TBSが録画保存していたフィルムをもとに、スタッフによる注釈や三島をよく知る作家や学者など

  • ● 漫画:『嵐電』(うらたじゅん・作画)

    2006年北冬書房初出2001~2006年『幻燈』表題作含み全11編 一瞬、「みうらじゅん」かと思った。 1954(昭和29)年大阪生まれの女性漫画家である。 その存在をはじめて知った。 いや、その非在をはじめて知った。 2019年にがんで亡くなっている。  エッセイ風漫画とい

  • ● 映画史上最も醜悪なカット 映画:『マンディンゴ』(リチャード・フライシャー監督)

    1975年アメリカ127分 現在、日本各地で46年ぶりにリバイバル上映されている話題作である。 宣伝資材には「映画史上最大の問題作」、「呪われた大作」、「最悪の映画」などセンセーショナルな煽り文句が冠されている。 実際、酷い映画である。 正視できない場面も少なから

  • ● 本:『三島由紀夫 石原慎太郎 全対話』

    2020年中公文庫 1956年から69年に誌上で行われた三島由紀夫と石原慎太郎の全対話9編、併せて1970年の毎日新聞紙上での論争を収録している。 「戦後日本を象徴する二大スタア作家の競演」という裏表紙の謳い文句に偽りはない。 上記の写真は1956年撮影と注釈にあるから、お

  • ● フェミニスト、ホームズ 本:『シャーロック・ホームズのクロニカル』(ジューン・トムスン著)

    1992年原著刊行1993年創元推理文庫(押田由起 訳) 『シャーロック・ホームズのドキュメント』に続き、2冊目のトムスン・パスティーシュ。 ワトスン手記による7つの短編が収録されている。 どれも小粒だがよく出来ていて、コナン・ドイルの“聖典”を彷彿するパスティーシ

  • ● 日活的な笠智衆 映画:『花形選手』(清水宏監督)

    1937年松竹64分、モノクロ 関口宏の父親で天下の二枚目として名を馳せた25歳の佐野周二と、8つ年上の笠智衆とが、同じ大学の陸上部のライバルにして親友を演じるコメディ。 この二人、小津安二郎の『父ありき』(1942)では父と息子を演じて、まったく違和感なかった。 老

  • ● 本:『やっぱりかわいくないフィンランド』(芹澤桂著)

    2021年幻冬舎文庫 著者は1983年生まれ。フィンランド人と結婚、ヘルシンキ在住の2児の母。 タイトルに「やっぱり」とあるのは、『ほんとはかわいくないフィンランド』という前著があるから。 亭主との馴れ初めや移住の話なんかは、おそらくそっちに書かれているのだろう

  • ● 牧歌的滑稽の系譜 映画:『小原庄助さん』(清水宏監督)

    1949年新東宝97分、モノクロ 小原庄助さんは民謡「会津磐梯(ばんだい)山」の囃子詞に登場する人物。 「朝寝・朝酒・朝湯が大好きで、それで身上(しんしょう)つぶした」というが、モデルとなった人物については不明である。 その小原庄助を地で行くような村の旧家のあ

  • ● 本:『完璧な家』(B・A・ハリス著)

    2016年原著刊行2017年ハーパーコリンズ・ジャパン発行 原題は Behind Closed Doors  イギリス生まれフランス在住の女性作家。 デビュー作である本書は、英国で100万部を超えるベストセラーになったそうだ。  負け知らずの有能な弁護士でハリウッドスター並みのルックス

  • ● 行為は意志に先立つ? 本:『マインド・タイム 脳と意識の時間』(ベンジャミン・リベット著)

    2004年原著刊行2005年岩波書店より邦訳発行2021年岩波現代文庫(訳・下條信輔、安納令奈) ベンジャミン・リベット(1916-2007)はアメリカの生理学者、医師。 彼の主著である本書には、パラダイムを一新し、我々の世界観・人間観を根底から覆すような衝撃の科学的発見が記

  • ● 〽なのにこの同じ空のし~た~ TVドラマ:『犬神家の一族』(演出・工藤栄一)

    放映年月 1977年4月放映局  TBS系放映時間 225分(45分×5回)  最高視聴率45%を超えた古谷一行主演「金田一耕助シリーズ」の第一作にして記念碑的作品である。 茶木みやこがねっとりと唄ったテーマ曲「まぼろしの人」(第1シリーズ)、「あざみの如く棘あれば」(第

  • ● ロマンチックが止まらない 映画:『ラ・ラ・ランド』(デミアン・チャゼル監督)

    2016年アメリカ 記事のタイトルは、1985年1月にリリースされたC-C-Bのシングル曲。 中山美穂と木村一八主演のちょっとエッチな性春ドラマ『毎度お騒がせします』(TBS系列)のテーマソングであった。 ドラマの内容から言えば、「妄想が止まらない」に近かったが・・・。 

  • ● 春の秩父リトリート 後編

     今回のリトリートの目的の一つに、秩父美術館があった。 ここは個人(故人)の収集品をもとに作られた私立美術館なのだが、中で興味深いのは仏教資料館が併設されている点である。 日本のみならずアジア各地の珍しい仏像や仏具、古い経典などが展示されていて、ソルティ

  • ● 春の秩父リトリート 前編

     三泊四日の秩父リトリートを行なった。 一日のスケジュールはおおむね前回通り。9時間の瞑想、4時間のウォーキングである。 ウォーキングは気晴らし&骨折した足のリハビリが主目的であるが、長時間の瞑想の余波を受けて、ウォーキングの最中も自然と瞑想モードな意識状

  • ● 本:『シャーロック・ホームズのドキュメント』(ジューン・トムスン著)

    1997年原著刊行2000年創元推理文庫(押田由起・訳) ジューン・トムスン(1930- )は、イギリスの推理作家。 ジャック・フィンチ主席警部シリーズが代表作だが、邦訳されているのはいまのところ2作品だけ。 むしろ、筋金入りのシャーロキアンを証明してあまりあるシャーロ

  • ● 映画:『盲目のメロディ ~インド式殺人狂騒曲~』(シュリラーム・ラガヴァン監督)

    2018年インド138分、ヒンディー語 いつものごとく長~いインド映画であるが、本作については長さをまったく感じなかった。 発想が面白く、脚本に優れ、役者陣も魅力的、インド歌謡とピアノをミックスさせた音楽もいい。 第一級のスリラー&ブラックコメディに仕上がってい

  • ● 50歳以上お気の毒さま 本:『白い病』(カール・チャペック著)

    1937年原著刊行1992年邦訳初出2020年岩波文庫(阿部賢一訳) 3幕の戯曲。 カール・チャペック(1890-1938)は、今は無きチェコスロバキア共和国のジャーナリスト&作家。 チェコスロバキアは1918年オーストリア=ハンガリー帝国から独立して建国、1960年以降は共産党独裁

  • ● ウ・ジョーティカの『自由への旅 マインドフルネス瞑想実践講義』を読む 8

    2006年原著刊行2016年新潮社(魚川祐司訳) 今日では多くの人々が、とくに西洋では、あなたが忙しくしていないと、何か問題があるんじゃないかと言ってきます。 彼らの考えるところでは、「なんと、君は何もしていないのか? 週末には何をしてるんだい?」「いやいや! 

  • ● 大映ドラマの原型 映画:『セックス・チェック 第二の性』(増村保造監督)

    1968年大映89分 増村監督は70年代後半にお茶の間の人気をさらったTBS「赤いシリーズ」の演出や、堀ちえみ&片平なぎさの『スチュワーデス物語』、小泉今日子&石立鉄男の『少女に何が起ったか』の脚本などを手掛け、いわゆる大映ドラマの基盤をつくり上げた人である。 その

  • ● ソ連消滅30周年 本:『ソヴィエト旅行記』(アンドレ・ジッド著)

    1936、1937年原著刊行1937年邦訳初出2019年光文社古典新訳文庫 ソヴィエト、ソ連という国が地上から消えてすでに30年経つ。 あんなに大きな、あれだけ威勢を誇った、あれほどアメリカはじめ西側諸国を脅威に陥れた国が一夜にして無くなるとは、まさに晴天の霹靂であった。

  • ● 映画:『猫と正造と二人のをんな』(豊田四郎監督)

    1956年東京映画103分、モノクロ 東京映画なんてレーベルがあったことを知らなかった。 1952年~1983年に存在した東宝系の制作会社だったらしい。 森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺の三人が主演の「喜劇駅前シリーズ」が最大のヒット作とか・・・。(ソルティ未見) 原作

  • ● ユダヤのフェミニズム 映画:『ザ・ゴーレム』(ドロン&ヨアブ・パズ監督)

    2018年イスラエル95分 イスラエル(ユダヤ教圏)のホラー映画を観るのは初めて。 『アンダー・ザ・シャドウ』(ババク・アンバリ監督、2018)に見るように、イスラム教圏の代表的なモンスターと言えば精霊ジンであるが、ユダヤ教でそれに相当するのがゴーレムである。 ウ

  • ● ズームイン仏教 本:『脳と瞑想』(プラユキ・ナラテボー&篠浦伸禎著)

    2014年(株)サンガ2016年サンガ新書 副題が長い。 「最先端脳外科医とタイの瞑想指導者が解き明かす苦しみをなくす脳と心の科学」 脳外科医とあるのが1958年生まれで都立駒込病院脳神経外科部長をつとめる篠浦伸禎で、一方、瞑想指導者とあるのが1962年生まれで88年タイ

  • ● 映画:『河内山宗俊』(山中貞雄監督)

    1936年日活87分、白黒 河内山宗俊(宗春とも)は実在した江戸時代後期の茶坊主にして侠客。茶坊主とは、将軍や大名の周囲で、茶の湯の手配や給仕、来訪者の案内接待をはじめ、城中のあらゆる雑用に従事した。刀を帯びず、また剃髪していたため「坊主」と呼ばれているが僧で

  • ● 漫画:『てるてる坊主食堂 末期すい臓がんからの復活』(のりぽきーと・作画)

    2019年風濤社 若くして夫を亡くした女将と、パリで国際結婚のち離婚した娘(のりぽきーと)。 母娘二人で切り回す地域密着の美味しい「てるてる坊主食堂」(埼玉県が舞台らしい)。 地元民に愛され、儲かりはしなくとも楽しく充実した日々を送っていた母娘に、悲劇は突然

  • ● 大川小学校の悲劇 本:『津波の霊たち 3.11死と生の物語』(リチャード・ロイド・パリ―著)

    2017年原著 Ghosts of the Tsunami 刊行2018年早川書房2021年ハヤカワ・ノンフィクション文庫 著者は1969年生まれの英国人ジャーナリスト。 『ザ・タイムズ』東京支局長として1995年より日本に住む。 2000年に神奈川県逗子で起きた英国女性ルーシ・ブラックマンさん殺害事

  • ● 唐田えりかを推す 映画:『寝ても覚めても』(濱口竜介監督)

    2018年日本、フランス119分 先日、第71回ベルリン国際映画祭の審査員グランプリを『偶然と想像』で受賞した濱口竜介監督の商業映画デビュー作であり、蓮實重彦が『見るレッスン 映画史特別講義』で称賛していた監督&映画であり、そして何と言っても、不倫で一躍時の人とな

  • ● 汝、だまされるなかれ 本:『十日間の不思議』(エラリー・クイーン著)

    1948年刊行2021年早川書房(越前敏弥・訳) 新訳である。 高校時代に旧訳版を読んだはずなのだが、どんな話で、どんなトリックで、誰が犯人か、すっかり忘れていた。 途中、エラリーが、恐喝された友人を助けるために泥棒の片棒をかつぐという愚かしい真似をして、どんど

  • ● ラピュタ阿佐ヶ谷に行く 映画:『雪国』(豊田四郎監督)

    1957年東宝133分、白黒 ちょっと前に「豊田四郎監督の映画が観たいなあ」と呟いたら、なんとラピュタ阿佐ヶ谷で特集(3/14~5/1)が組まれた。 ソルティが観た『夫婦善哉』や、川端康成原作の『雪国』はじめ、29本一挙上映である。 ラピュタにも一度行ってみたかった。 

  • ● 黒い団扇の秘密 映画:『残菊物語』(溝口健二監督)

    1939年松竹146分原作 村松梢風脚本 依田義賢 これも蓮實重彦が『見るレッスン 映画史特別講座』の中で絶賛していた。 新派の名優・花柳章太郎(1894-1965)が、実在した歌舞伎役者・二代目尾上菊之助を演じている。 芸道物語であり、悲恋物語であり、溝口お得意の転落物語

  • ● 映画:『セインツ 約束の果て』(デヴィッド・ロウリー監督)

    2013年アメリカ98分 『見るレッスン 映画史特別講義』の中で蓮實重彦がベタ褒めしていた監督&作品である。 70年代のテキサスを舞台に、銀行強盗を働いた若いカップルの愛と死別を描く。 というと、アーサー・ペン監督『俺たちに明日はない』(1967)のボニー&クライドを

  • ● 本:『正統の哲学 異端の思想 「人権」「平等」「民主」の禍毒』(中川八洋著)

    1996年徳間書店 ネットのツイッターやコメントなんかを読んでいると、「人権」「平等」「民主主義」といった言葉が大嫌いな人たちが結構いることに気づく。大概がネトウヨと呼ばれる保守的・愛国的な思想の持ち主のよう。 人権も平等も民主主義も、ソルティもその一人であ

  • ● ウ・ジョーティカの『自由への旅 マインドフルネス瞑想実践講義』を読む 7

    2006年原著刊行2016年新潮社(魚川祐司訳) たいていの人はさみしさを感じていますが、独りで生きているわけではありません。 彼らはただすごくさみしく感じているだけで、独りで生きているわけではないのです。 独りで生きていてもさみしくならないということが、あなた

  • ● 映画:『ジュディ 虹の彼方に』(ルパート・グールド監督)

    2019年イギリス、アメリカ118分 ルキノ・ヴィスコンティ『ベニスに死す』(1971)で絶世の美少年タドズオを演じたビョルン・アンドレセンが、65歳の最近になって、少年の彼を性的搾取したとしてヴィスコンティや祖母や周囲の大人たちを告発したことが話題となっている。 撮

  • ● 映画:『千年の愉楽』(若松孝二監督)

    2013年118分 原作は中上健次の同名小説。 中上言うところの“路地”、すなわち海辺の被差別部落を舞台とする、不吉な伝承に囚われたある一族の美しき男たちの生き様、死に様が描かれる。 夭折した芥川賞作家・中上健次と『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007年)

  • ● 漫画化希望! 本:『橋のない川 第七部』(住井すゑ著)

    1992年新潮社 住井すゑが30年以上にわたり書き続けてきた大作を、一ヶ月半にわたって読んできて、ようやく完読した。 住井は第七部を出したばかりの90歳時の講演で、「第八部を書きたい」と言っていたが、ままならず、95歳の生涯を終えた。 とは言え、本作は未完というわ

  • ● 瞑想なる映画 本:『見るレッスン 映画史特別講義』(蓮實重彦著)

    2020年光文社新書 映画を見る際に重要なのは、自分が異質なものにさらされたと感じることです。自分の想像力や理解を超えたものに出会った時に、何だろうという居心地の悪さや葛藤を覚える。そういう瞬間が必ず映画にはあるのです。今までの自分の価値観とは相容れないもの

  • ● 世紀の不倫 映画:『美女ありき』(アレクサンダー・コルダ監督)

    1941年アメリカ128分、白黒 原題は That Hamilton Woman イギリス史上最大の英雄といわれるホレイショ・ネルソン海軍提督と、イギリス外交官サー・ウィリアム・ハミルトンの奥方であったエマ・ハミルトンの運命的な出会いと別れを描く。 史実にあった有名な不倫である。 

  • ● 泥土を衝け 映画:『吶喊』(岡本喜八監督)

    1975年93分 「とつかん」と読む。 小学館『大辞林』によれば、「ときの声を上げて、敵陣へ突き進むこと」。 戊辰戦争を舞台とする青春痛快時代劇である。 薩摩・長州・土佐藩らを中核とし錦の御旗を掲げる新政府軍と、旧幕府軍および奥羽越列藩同盟との熾烈な戦いが繰り

  • ● 母性的小説? 本:『橋のない川 第六部』(住井すゑ著)

    1973年新潮社 第六部前半は、1923年(大正12年)9月1日に起きた関東大震災後の混乱、とくに流言に踊らされた自警団による朝鮮人虐殺の模様が描かれる。 この頃、著者の住井すゑは東京で暮らし、結婚&作家生活をスタートしていたので、実際にその身で震災を体験し、あちこ

  • ● 孤高なる美 映画:『アンナ・クリスティ』(クラレンス・ブラウン監督)

    1931年アメリカ89分 ミステリー作家の伝記? いやそれは、アガサ・クリスティ。 アメリカの劇作家ユージン・オニール原作の若い女性を主人公とした人情ドラマである。 このヒロイン、アンナを25歳のグレタ・ガルボが演じている。  公開時のキャッチコピーが Garbo talk

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