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kame710のブログ https://kame710.hatenablog.com/

55歳の時 胃がんと仕事中に頭部外傷、の人生の大きな転機があり、後遺症とつきあいながら まるで「カメ」のような歩みでここに至っています 出来ることは少ないけれど 日々の想いを書き連ねています

カメキチ
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2019/02/15

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  • 2025.4.25 差別(続き③)

    やっと本の紹介です。 強く感じた四つのことだけ書きます。 ーーーーーーーーーー ① 〈アイデンティティからシティズンシップへ〉 ひとびとは、自分は本当に差別していないか、と省みることなく、差別者を批判している。 … 「足を踏んだ者には、踏まれた者の痛みがわからない」とはマイノリティがマジョリティにたいして しばしば非難の意味を込めて向ける抗議であり、論理である。 … アイデンティティをそう簡単に取りかえることはできない … シティズンシップの論理は、もしかしたら差別をしているかもしれないとみずからに問いなおすこと 差別とは何か、と考えるきっかけを失わせている。 ② 〈道徳としての「現代的レイシ…

  • 2025.4.22 差別(続き②)

    この本を読んでつくづく思った。 人は誰でも「個人」として存在しているけれど、ある特定の社会の中で 生きているわけだからその社会の人、「社会人」でもある。 「個人」でいるだけなら問題にならないことでも、「社会」の中では単なる差異、 区別が差別にされてしまうことがある。 (社会には確実に、差別は存在する。 差別することにより得をする人たちがいる限り、差別はなくならない。 自分が差別で得をする加害者側、傷つき損をする被害者側、どちらになるのかはケースバイケース。 分からない) ーーーーー 人には社会に還元できない個人としてのあり方、姿(アイデンティティ)があり それは人間の本質、原点だ。 その本質か…

  • 2025.4.18 差別

    ここまで生きても、「あれっ?…」「そうだったのか!」と思うことが 新たに起きる。 知っていたつもりの大切なことが、実は間違っていたと気づく。 (訂正しなければならないのだから悔しいはずだけど《若いときだったらそうかもしれない》 こんな高齢になると逆に新鮮さを感じる) 「差別」もそう。 『「差別はいけない」とみんなはいうけれど。』 綿野恵太・著 (グーグル画像より) 「差別はいけない」と頭ではわかっていても、実際はどうなんだろう? 本には考えさせることがとてもたくさんあった。 (肝心の本の内容に関しては次々回に紹介します。 今日と次回は、「差別」についての私個人の思うことを書きます) ーーーーー…

  • 2025.4.15 「分人」という考えかた

    最後の今日は平野啓一郎さんです。 ーーーーーーーーーー 「〈共感や同情ではなく、人権を権利の問題として捉える教育が必要〉 かわいそうかどうかという共感の次元で捉えてしまってい(てはいけない) すべての人の基本的人権を尊重するという大前提(がなければならない) 人間には生まれながらにして権利があるという話は、フィクションといえばフィクションですけど、 それをたくましい努力で守り抜こうとする思想は、偉大です」 「〈社会の分断と対立の始まり〉 (インドのノーベル賞受賞者の経済学者アマルティア・センは)個人を一つのアイデンティティに 縛りつけてしまうことがすべての社会の分断と対立の始まりだと分析… セ…

  • 2025.4.11 「魂の仕事」ほか

    今日は若松英輔さんです。 テーマは「光は、ときに悲しみを伴う」 (「光」はすべての命の元。 明るく、希望の輝きだけども、「ときに悲しみを伴う」という。 何となくわかる気がする) ーーーーーーーーーー 「〈社会的な仕事と魂の仕事〉 社会的な仕事と魂の仕事とは、「生活の仕事」と「人生の仕事」 事実、私たちは、「社会的な仕事」に忙殺されて、「たましいの仕事」の意味と重みを忘れてしまう 「たましい」が深く響き合う時、人は涙を流す … 〈恩寵の訪れ〉 恩寵はしばしば、それだとわからない姿で私たちに寄り添うのではないでしょうか。 それは時に苦しみや悲しみという姿を取ることもある。 … 〈「伝える」とはどう…

  • 2025.4.8 ニ . 五人称の視点

    自分の命より大事と思う人に自死されたり、強盗や通り魔に襲われ亡くしたとき 自分だったら…と想像してみる。 (けれど、想像できない。 というよりかそんなこと想像したくないので、すぐ止める) 2000年12月30日の「世田谷一家殺害事件」はあまりに酷かったので、 四半世紀たったいまも忘れられない。 その被害家族(宮澤みきおさん《44》、妻・泰子さん《41》、長女・にいなちゃん《8》、 長男・礼くん《6》)泰子さんのお姉さん(入江杏さん)が編集された本を読んだ。 『悲しみとともにどう生きるか』 入江 杏 編集 (グーグル画像より) 心に響いた柳田邦男さん、若松英輔さん、平野啓一郎さんの言葉を紹介し …

  • 2025.4.4 ケアとセラピー…

    最後の今日は、④「ケアとセラピー」、⑤「アジールとアサイラム」です。 ーーーーーーーーーー ④「ケアとセラピー」 「ケアの基本は痛みを取り除いたり、やわらげたりすることだと思うのだけど、 セラピーでは傷つきや困難に向き合うことが価値を持つ。痛みと向き合う。 しっかり悩み、しっかり落ち込む」 「ケアとはそのときどきのニーズに応えることで、相手を傷つけないことです。 そうやって、彼らの依存を引き受けること… ケアとは基本的に個体が変わるのではなく、環境が変わること →(つまり、「あなたはそのままでいいよ」と言えるようにその人の周りを変え、整えること。 言い方を換えれば「居場所」を用意すること) ……

  • 2025.4.1 「こらだ」 「依存労働」

    今日は第二回目、続きです。 (②「こらだ」 ③依存労働) ーーーーーーーーーー ②「こらだ」 「こらだ」という言葉は精神科医中井久夫の造語で、「〈こころ〉と〈からだ〉」を 合わせたものを意味するという。 中井久夫さんによれば、「こらだ」の状態、つまり「〈こころ〉と〈からだ〉」が合体し、 「〈こころ〉と〈からだ〉」の見境がつかなくなると「おかしなことになる」という。 「調子が悪くなって、「おかしな」状態になるとき、心と体の境界線は焼け落ちる。 そのとき、心と体は「こらだ」になってしまう」という。 そして、「こらだが現われるとき、自分で自分をコントロールできなくなってしまう… こらだは暴走する。……

  • 2025.3.28 「いる」と「する」

    すばらしい本に出あった。 (ある程度の「当たり」をつけ借りるけど外れもよくある。パラパラめくるだけで返すのも多い) 『居るのはつらいよ-ケアとセラピーについての覚書』 東畑開人 著 (グーグル画像より) 著者は臨床心理(前々回の河合隼雄さんは大先輩)の仕事をしたくて、 臨床心理士になりたくて大学院までいって学んだ熱い人。 晴れて臨床心理士になったのはいいけれど、いざ就職となると非常に厳しく、 人並みに食えて生活できればいいということで、住んでいる東京を離れ、 はるばる沖縄の小さなデイケア施設で働くことにした熱い人。 (その「小さなデイケア施設」の利用者は、精神病棟に入院するほどではない程度の心…

  • 2025.3.25 米の超バカ値

    「米の値段がこんなに高くなった! どうしよう?」 どうしよう?と言われても、どうしようもない。 食べるしかない。 高くても買うしかない。 (しかし、どうなっていくんだろう?気になる。 職場は児童福祉施設だったので子どもたちといっしょに食べていた。 あるとき、生まれて初めて外米を食べることになり、ちょっと驚いた。 《家ではどうしたのか覚えていない。高くても購入し-標準米-食べていたのだろうか》 そのときのことは忘れていたが、こんどの「騒ぎ」で思い出す羽目になった。 急遽、タイからの輸入米が給食に出された。 長くて先端が尖ったような「インディカ米」《米というと私は日本のもの-「ジャポニカ米」- し…

  • 2025.3.21 しりたいねん

    この詩をお読みください。 (これに出あっただけでこの本を読んでよかったと思ったほど) しりたいねん あたし おとうちゃんと おかあちゃんが どうしてすきになったか しりたいねん それから みあいか れんあいか しりたいねん それから どうして すきになったのに けんかばかりしてんのか しりたいねん (小学3年生の女の子) 『河合隼雄の幸福論』 河合隼雄 著 (グーグル画像より) 上の詩はこの本の「物語」という項目に載っていたものです。 (本は「幸福」ということについて、著者の思い考える「幸福」をいろいろな言葉で 述べられています。 「物語」の項では、「話を聞いているうちに私はその人を「対象」と…

  • 2025.3.18 「風土」と「環世界」

    今日は残り⑤から⑦です。 ーーーーーーーーーー ⑤ 「〈風土と環世界〉 (著者は、和辻哲郎の「風土」という考え方はユスキュルのいう「環世界」《広義での「環境」》 というベルクの考えに強く同意し、生きものにはそれぞれ固有の「環世界」があり、彼らはそれを 精いっぱい生きているという事実を、常に意識して見なければならないという) 生きものそれぞれに…環世界があることを知らずに、人間の尺度だけで考えると問題が起きる… 「エコな暮らしをしましょう」などという面白みのない、スローガンばかりになってしまいます。 環境との関わりは本来「問題」として捉えるものではないでしょう。 もっと主体的に感じるもの(→「風…

  • 2025.3.14 「生きもの」であることを忘れた人間

    パラパラとめくっていたら、「「生きもの」であることを忘れた人間」という 一文が目につき、それに惹き込まれてみな読んだ。 一般向けの新書本で本当にわかりやすく、やさしく書かれてあり、 なんども深くうなずかされた。 (著者中村桂子さんのお人柄が伝わってきた) 『科学者が人間であること』 中村桂子・著 (グーグル画像より) 生きるうえで、宗教的であること(前回、仏教のことを書いたばかりですが)、 科学的であることは反しないということを強く感じた。 (「反しない」どころか両立させなければならないものだと痛感させられた いつものように、強く感じた部分だけ引用・紹介し、感想を書きます。 全部で七つあり、今…

  • 2025.3.

    生きておればいろいろな思わぬこと、理不尽なことが起き、 「何で自分が…(家族が…)」と悩む。 (私も障害者になったとき、胃ガンになったとき、人並みに悩んだ。 悩みは少しでも減らしたい。 先ずは自分に起きた事実は事実としてきちんと受けとめる。つまり納得する。 次に、これからそういう身体で生きていかなければならないが、「どうしよう?」… 何か心の支えになることが書かれたものはないかと立ち寄った本屋さんで、 たまたま山積みされていたので手に取りやすかったということで、禅語の文庫本を見つけた。 パラパラめくっただけですごく気に入り、買った。 《それは偶然のことだったが、「偶然」ということでは障害を負っ…

  • 2025.3.7 ひきこもり(後)

    今日は(後)、終わりです。 長い紹介・引用ですが、とても大切なことが語りかけるように、 やさしく書かれています。 ((「ひきこもり」なんて自分には関係ない《あるとすれば孫、続く世代》と思っていたが、 大いに関係あると思いなおした) ーーーーーーーーーー ④ 「〈就労=ゴールと考えるべきではない〉 ・自信を持つことさえできればゴール ・本人はひきこもりの状態を決して楽しんでいませんし、肯定もしていません。 ・現状をネガティブに考え、自責の念もある ・説得、アドバイスより「マイルドなお節介」 ・私は就労支援における最大のネックは「動機づけ」であると考えています。… むしろ孤立する自由、ひきこもる自…

  • 2025.3.4 ひきこもり(前)

    「ひきこもり」という言葉を初めて聞いたのは、たぶん、その言葉が世間で ふつうにいわれるようになる前、もう25年くらいの昔だったと思う。 社会福祉という仕事がらか職場で聞いた。 聞いた当初はヘンな言葉だと違和感があったけれど、いまはそういう状態にある 人たちをいちばん簡潔に表わした言葉だと思うようになった。 『中高年ひきこもり』 斎藤 環・著 (グーグル画像より) 著者は初めにいう。 原因は不登校、仕事に就いても対人関係がうまくいかず悩んで辞めるなど いろいろでも、それらがきっかけで家に閉じこもるようになり、一旦そうすると 外に出るのが億劫になり、ますます閉じこもるという「悪循環」に陥りやすい。…

  • 2025.2.28 社会的に人の上に立つ者

    社会的に人の上に立つ者、リーダーと呼ばれる者(例えば政治家、知事、市長村長、 《何らかの団体・会の》団長・会長、相手は子どもでも)、学校の先生は、 清廉潔白な人でなければならない(と私は思う。 そんなことはない、凡人、俗人、どんな人間だっていいという考えもあるだろうけど、 子どもたちが「あんな人になりたい」と思うような人であってほしい) 「清濁併せ吞む」という言葉がある。(あるネットによれば) 「心が広く、善でも悪でも分け隔てなく受け入れる。度量の大きいこと」 ふつう肯定的にいわれる。 だが、「心が広く」「度量の大きい」ことはいいが 「善でも悪でも分け隔てなく受け入れる」というのどんなもんだろ…

  • 2025.2.25 二つの鉄道旅

    池上彰さんの『おとなの教養3-私たちはどんな未来を生きるのか?』の 経済的「格差」の是正の具体的方法、「社会的共通資本」という考えに 強く惹かれた。 (ともにこれからの資本主義、ポスト資本主義ということを考えれば決して避けて通れない) それで、あらためて「資本主義」について思った。 ーーーーー 現在のパレスチナやウクライナに当たりそうな、半世紀以上も前のベトナム。 (戦争を始める側にも、それなりの理由は見つけられるけれど、戦争を仕掛けられた側が相手国の 「それなりの理由」を受け入れるわけにはいかないとき、抵抗し、戦争は始まる。 そして犠牲になるのは常に前線の兵士、一般民衆) 私はベトナム戦争で…

  • 2025.2.21 ベーシックインカム 社会的共通資本

    今日は最後、⑤と⑥です。 私が「ベーシックインカム」という言葉を初めて聞いたのは、10年近く前。 このブログのある方の記事でだった。 意味を知り、正直、おどろいた。 (で、考えてみた。 「ベーシックインカム」というのは生活保護を全国民に徹底したようなものだろうか? それはいいけれど、働かない人、怠ける人が大勢出るのでは?と多くの人が心配しそうなことを 《私は自分を顧みて》思ったが、以後、人間と社会について、それなりの本を読んで思うことは 《広い意味での》働くこと・労働は人の本性、本質ということ。 2割はいつも働かないというアリ社会の「働きアリ」にも、存在の意味があるという話があるけれど 人間に…

  • 2025.2.18 ひどい格差はなくせる

    今日は③と④を書きます。貧困、格差。 生きていて最も気になる。 子どものころも年取ったいまも、自分が貧困だとは思っていないけど、 あえて「普通」を0とし、プラスを富裕、マイナスを貧困に大別すれば、 マイナスに属しそう。 (ともかくちゃんと食えて寝られているので「絶対的貧困」ではない「相対的貧困」。 気になるのは他人。世の中には「子ども食堂」が欠かせないという家族がいる。 それはその家族の「自己責任」と誰が言えよう!) ーーーーーーーーーー ③ ポスト資本主義 - なぜ格差や貧困はなくならないのか? 「東西冷戦の時代には、社会主義国が存在したことが、 資本主義の行き過ぎにブレーキをかける役目をは…

  • 2025.2.14 私たちが生きている時代、社会は?

    テレビでおなじみの池上彰さんの本を読んだ。 実際の語り口そのままを文字にした感じ。 とてもわかりやすかった。 『おとなの教養3-私たちはどんな未来を生きるのか?』 (グーグル画像より) すぐ可能で有効な対策を具体的に示す格差の話、ベーシックインカムの話、 社会的共通資本の話は強く心を打った。 (今日は、①私たちが生きている時代、社会は? ②産業構造の大転換が起きている 次回に、③格差 ④ 格差が広がると経済は発展しない 最後に⑤ベーシックインカム ⑥ 社会的共通資本を書きます) ーーーーーーーーーー ① 私たちが生きている時代、社会は? 「私たちは…未来を現在の延長線上にあるものとしてイメージ…

  • 2025.2.11 『人口減少社会のデザイン』の最後

    『人口減少社会のデザイン』 広井良典・著というこの本は 現代の日本について、本当に(著者名ではないけど)広い視野から書かれています。 大切な内容が多くて私にはとても紹介しきれず、最後の今日も いちばん胸に響いたごくごく一部だけを書きます。 ① その誕生に見える資本主義の本質(のようなこと) ② 持続可能な福祉社会 ③ 「欧米」といういい方をしない ーーーーーーーーーー ① 「(歴史家ブローデルが「「資本主義」イコール「市場経済」ではない」と述べていることを挙げ 「市場経済」は「資本主義」より大きな概念だという。 確かに、近代「資本主義」社会が成立する18世紀以前からずっと「市場経済」は存在して…

  • 2025.2.7 コミュニティとローカライゼーション

    日本の「持続可能性」を考えたとき、著者もAIも「コミュニティ」の大切さを 指摘する。 ということで、今日は「格差」に続いて「コミュニティ」です。 (初めにすごく感じたところだけ引用、紹介します) ーーーーーーーーーー ①「〈コミュニティという”あいまいな”存在〉 コミュニティがなくとも人間の社会は成り立つというのが近代的なパラダイムだった。 … 近年に至り、様々な背景から、そうした「個人-社会」、「私-公」、「市塲-政府」 といった二元的枠組みでは、現在生じている種々の問題の解決は…不可能(だとわかった。 たとえば「私-公」の間に「共」が加わるらなければならない。 そして「共」とはまさしく「コ…

  • 2025.2.4 2050年、日本は持続可能か?

    前回は肝心の本の話に移ろうという段になり、トランプの顔が頭をちらつき始め そのつもりはなかったのに感情にまかせ吐き出すように、彼の悪口など書いた。 (アメリカ国民ではなくともこれからの4年間が気になる) ーーーーー 著者のものは前にも読んだ。 (それがよかったのでまた読んだわけです) 専門は「公共政策」「科学哲学」とのことだが、社会のさまざまな問題を 生命、死など人生の視点から深く切り込む態度・姿勢に強く惹かれる。 (この本も期待にたがわず本当によかった。 日本の社会のあり方が、多岐にわたる観点からたくさん述べられていた。 どれも紹介したいのですが、いちばん感じたことだけに絞って書きます) ー…

  • 2025.1.31 『人口減少社会の…』がクソトランプに

    『人口減少社会のデザイン』 広井良典・著 (グーグル画像より) 読みたい本を探すときの私の尺度のいちばんは、分野はいろいろでも 「生きる」ことを感じたり考えさせてくれること。 (あくまでも「いちばん」) 若いとき人生の名言・格言を知り、「すばらしい!」と感激するだけどまりで 実践されず達成されず、「自分ってダメだなぁ」と自信を喪失してばかり。 これ以上、自分を信じられないことになりたくないので、できそうにないことは 初めから諦めた。 でも、「できる/できない」というのは他ならぬ自分自身のこと。 その自分が生きているという事実、死んでいない限り生きているという現実だけは しっかり、ていねいに見つ…

  • 2025.1.28 森永卓郎氏からの…

    私の敬愛するブログ「recoca1940のブログ」の4日前の記事を 是非ともクリックしてください。 recoca1940.hatenablog.com (ずっと前、『ニュースステーション』というテレビ番組を観ていたときコメンテーターとして キャスターの久米宏さんの相手になっておられました。 ちょっと角ばった丸顔で、笑顔のステキな、ゆっくりと穏やかなしゃべり方をされていたのが 印象に残っています。 私は『ニュースステーション』より筑地哲也さんの『ニュース23』の方をよく観ていたが、 障害者になってからは10時過ぎには寝るようになったのでどっちも観ないようになりました。 お名前を久しぶりに聞くこと…

  • 2025.1.24 慈悲の心

    この前、「小欲知足」を書いたばかりだったけれど、読みたいものを図書館の HPで探していたところ、「サンデル」「中国哲学」という言葉を見つけた。 (「サンデル」はどうでもよかったけれど「儒教」がとてもよかった) 『サンデル教授、中国哲学に出会う』 (グーグル画像より) 中学生のとき国語で教わった孔子の言葉の一つ「巧言令色鮮し仁」。 語感の調子が心地好くて「バカの一つ覚え」のように覚えていた。 (子どものころのこういう「バカ…」をは大切なものだと大人になって気がついた。 語感の好さだけではなく、「巧言令色…」とやるたびに意味が思われ自分を律してくれた。 すぐに思い出すもう一つ、小学2年生のとき、当…

  • 2025.1.21 ボケたらごめんね

    今日は「ボケたらごめんね」です。 「誰もが人に迷惑をかけている。 (だから)「ボケたらごめんね」でいいんです。 … いまのうちに、嫁や娘たちに、”ボケたらごめんね、 でもボケるかボケないかは仏さまの決めることで…許してね…”」 ーーーーーーーーーー 「ボケたらごめんね」 すばらしい言葉、言い方を教えてもらった気分! 漫才なら別だけど、普通は自分の意思で、好んでボケになれるわけじゃない。 ボケ、認知症は病気だから仕方のないことなのだ。 (広い意味で「不可抗力」。 自分で責任をとれることではない) まだなったわけじゃなく、これからなるかどうかは「仏さまの決めること」なので わからない。 (なった「…

  • 2025.1.17 競争なんて捨てよう

    ひろさちやさんの本は、現代社会で否応なく誰もが出あうような身近な悩み、 悲しみ苦しみに、仏さんはどうおっしゃるか、仏の教えは何かということを ほんとうにわかりやすく、ときにはユーモアもまじえて語られる。 (とても面白いので、よくこの方の本を読み、取り上げます。 拙記事をお読みの方は「またか」と思われるでしょうが、心でうなずく簡単なことも、 行動、態度にまでにはならない自分への言い聞かせのつもりで繰り返し書いています。 ひろさんはもう故人となられました。 今日は阪神淡路大震災30年目。合掌) 『ポケットに仏さまを』 ひろさちや (「グーグル画像」より) 「競争なんて捨てよう」と「ボケたらごめんね…

  • 2025.1.14 俳句と人間

    気に入った俳句を記事の終わりに載せている。 自分で作った時期もあったけど、納得のできるものが作れずいつのまにかやめた。 やめても俳句も短歌も好き。 18年前、長く入院していたときベッドで短歌をよく詠んだ。 自分の気持ちを五・七・五・七・七の言葉で表してみると、その自分を もう一人の自分が見ている感じがし、何だかおもしかった。 (上手いとか下手とかはどうでもよかったので、巧拙にこだわることはあまりなかった。 『一握の砂』など啄木に惹かれていたので真似してみたわけだが、退院してからそのときの わが「作品」を見ると、つまらながくてガッカリした。 床に就いていたときはただ作る、詠うこと自体に必死だった…

  • 2025.1.10 「小欲知足」を思う ③

    働いていたとき、職場は子どもの生活施設だったので、彼らを通して地域の姿、 移り変わりが本当によく見えた。 (自分の若かったころは地域には人が多く、子どももよく見かけた。 が、だんだんと人は減り、子どもも減って《残念ながら施設に入ってくる子どもたちは減らない》 地域の祭の際、神輿かつぎの子どもが足りないので《それまで施設は地域に疎まれることもあった のに》施設の子どもたちを出してほしいと頼まれるまでになった。 「人口減少」は、もちろん働いていた地域だけのことではなく全国的な「問題」となっていた。 どういうわけで日本国では《戦争もないのに》人が減ったのだろうか? 《国ともあろうものが、私が子どもの…

  • 2025.1.7 「小欲知足」を思う ②

    「小欲知足」を初めて知ったときすばらしい! そうありたいと心から思った。 そのときは真実思ったけれど、翌日には忘れていた。 忘れても心を打った言葉はときどき思い出す。 思い出しても若いころは心の中で言い訳し、実行は棚上げした。 老いとともに意図しなくても自然に(自分流だが)「小欲知足」できるようになった。 (欲望が減ったというより、たぶん、欲望を持つことが面倒くさくなったのだと思う。 そう思えば欲がある、ギラギラしているのは生のエネルギーに満ちあふれているから。 枯れつつあるいまの自分を顧みて思う。 だけど天気に晴れだけでなく曇り、雨…それぞれあるように、老いは老いだけのもの。 《と、こんなこ…

  • 2025.1.3 「小欲知足」を思う ①

    明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 ブログはやっぱり日記のようなものと思うので(特に社会、国に対しては) 老人的な怒りに支配された一方的な主張をし、読者の方はいろいろな思い、考えを お持ちなことを忘れたかのような書き方をし、エラそうな奴、イヤな奴、不快だ! とお感じになることがあるかと思いますが、どうぞお許しください。 (そう思っているなら言わなきゃ、書かなきゃあいいのに、ということですが、 「言う《書く》」ことは大切だと思うし、何事かを言おうとしたら考えなければなりません。 《屁理屈かもしれないけれど》「思考停止」に陥りたくないのです) ーーーーー ときどき、いま…

  • 2024.12.31 感謝 いのち

    2024年も大晦日を迎えました。 今日はちょうど火曜日。定期的な更新日となったのでお礼のご挨拶を。 ほんとうにありがとうございました。 人に限りませんが生命というものの危うさ、曖昧さを、齢ともに痛感しています。 (病気でたいへんな障害の身体になった大事なオクさま《愛称「松ちゃん」》がいつか少しでも 良くなるようにと信じ、看病・介護に一生懸命がんばっておられたダンナさまの《ご自分も愛称で 呼ばれ「寺ちゃん」》10年もの長いあいだ毎日欠かさず更新の愛読ブログが終わりを迎えました。 つい先日、松ちゃんが亡くなられたのです。 お書きになっていることは《松ちゃんの容態が悪くなったときは別》いつもと変わら…

  • 2024.12.27 土地は誰のものか④

    最後の④です。 「〈「商品」から「幸福」へ〉 ■ 司馬遼太郎の土地「公」有論 (彼の問題意識→地価高騰の原因は)「土地所有権の私有制が原因である。 したがってこの私有制を廃止しない限り土地の病気は治療できない」 ■ 金のなる木としての土地と、厄介物でしかない土地が極端な形で併存しているのが日本の実態 〈資本主義の危機と現代総有の登場…〉 (「現代総有」とは、「個人の所有権は尊重するが、その利用は結束した共同体が主体とな 共同で行うというもの」) ■(資本主義の特徴は) ・ 絶えず競争しながら経済の成長を目指すシステム ・ グローバルな国家や企業の経済競争だけでなく、個人にも他人より優位に立ちた…

  • 2024.12.24 土地は誰のものか ③

    私が強く感じた三つのこと、「東京の一極集中」「建築確認と建築許可」 「「商品」から「幸福」へ」のうち、今日は初めの二つを書き、終わりの一つは 次回(④)にします。 「■ 土地という「魔法の宝」 かつての住む場所や生産の拠点であった土地を、何よりも値上がりが期待される最大の資産・ 商品に転換させた ■ バブルの時代 国富は泡でできている… バブルとは決して違法なものではなく合法的な産物であったことに注目(しなければならない。 つまり国が合法的に起こしたもの)… ■ 近代的土地所有権の限界 ■ 管理の発想の限界 東京の一極集中の是正と同時並行的に地方の再生策が図られなばならないのに、 管理にはその…

  • 2024.12.20 土地は誰のものか ②

    「〈はじめに〉 司馬遼太郎の警告 土地のあり方が、人々の生活や行動に大きく影響を与えることはもちろんであるが、 それだけでなく国家のあり方や存亡に関わるということを、…危機感をもって警告したのが、 あの国民的作家司馬遼太郎であった。… 旧土地基本制定の背景となった田中角栄の「日本列島改造論」とその後のバブルなどによる 「地価高騰」の影響を目の当たりにしながら、政府の無策とそれによる人心の荒廃は 「私は、太平洋戦争を起こし、負けて降伏したあの事態よりももっと深刻なのではないか、 日本は再び敗戦を迎えたのではないか…」 … 空き家は…実は全国に850万戸もあり、間もなく1000万戸になるという。……

  • 2024.12.17 土地は誰のものか ①

    散歩をしていると玄関回りが荒れていたり、いつも雨戸が閉まっていたり、 庭が草ぼうぼう、人が住んでいなそうな家、空き家をよく見かける。 (表札に目をやるとないので空き家になってこと間違いない。 ときには不動産屋の幟が出ている) 住居機能にはすぐれ快適でも、あまり面白みが感じられない画一的な新興住宅地域 ではなく、古くからの地域の民家、古い家だ。 歩くコースは圧倒的に古い地域が多い。 たいていの民家は広さはまちまちでも庭があり、樹木、花が植えられているので 季節の移ろいを感じさせてもらえ、心の中で「ありがとうございます」と呟く。 (新興住宅は駐車場は備えられていても庭があまりなく、あっても子育てに…

  • 2024.13 ゆるく考える

    また東浩紀さんのものを読んだ。 こんどは、 『ゆるく考える』 という。 (グーグル画像より) 「ゆるく考える」。 「ゆるく」とは「張りつめていない」こと。 「余裕」がなければできない。 で、逆なことを想ってみた。 いつも張りつめていなければならない戦争。 戦争のような極限の状態ではなくとも会社や学校など社会での競争状態。 (本には多くのいろいろな話がありましたが、いちばん心にピンときた一つだけを書きます) ーーーーーーーーーー 「問題は、みなが信じる大きな物語がなくなったことにあるのではない。 「みなが信じる大きな物語があるべきだ」とみなが信じなくなっていること … 現代社会は、彼らがそれらの…

  • 2024.12.10 人工知能民主主義

    最後③は「人工知能民主主義」という話です。 「人工知能民主主義」とは初めて聞いた。 驚いた。そして「おもしろい」と思った。 (人類史を総体として見れば、ほんのわずかにしてもみんなが幸せに生きられる方向に進んでいる と思うけど、ボタン一つで核戦争を始め《ほかのあらゆる生きものを巻きこんで》死に絶える、 生存の持続自体が危ぶまれる時代に突入している。 世界は、地球は昔よりずっとグローバルになっている。 いまだに戦争を克服していない人類のこと。 三度目の世界大戦が起きても何の不思議もない。 《戦争は最大の不幸せ》 ーーー 民主主義の尊重で戦争がなくなるのだろうか? 果たして人工知能、AIによって民主…

  • 2024.12.6 「持続する公共性へ」

    今日は②「持続する公共性へ」。 この本は著者が哲学者として書いたものなので、一般向けとはいい 小むずかしい言葉や話が多く、私には福島原発事故跡の「観光化」のように とっつきやすい、わかりやすいものではなかった。 が、とてもおもしろかった。 「持続する公共性へ」を考えるとき、アメリカ大統領になったトランプを想うと わかりやすいと思った。 アメリカという「公共性」をトランプが「持続する」ものにできるか否か? (「分断政治」が「持続する公共性へ」になるだろうか? アメリカのような「二大政党」が《誰が言ったか》望ましいと、小さな政党であっても 国会議員に選んでもらいやすいそれまでの中選挙区制から、いま…

  • 2024.12.3 間違えた(と気づいた)ら直せばいい

    前に福島原発事故跡の観光化というアイデアを述べられていた東浩紀さん。 発想がとても面白いと思った。 (「チェルノブイリ原発事故跡観光ツァー」はすでに実施されている) 著者は本業の「ゲンロン」という会社の社長と、現代思想の批評や哲学の大学と 兼務しておられる。 『訂正可能性の哲学』 (「グーグル画像」より) 本の趣旨を一言でいえば、人は誰でも誤るので「誤ったら、間違ったら訂正、 やり直しすればいい」ということ。 (「訂正」《「改善」「改正」》したつもりでも、後になってから初めのほうが正しかった、 そもそもどっちが正しいのか誤っているのかさえよくわからないことがありますが、 一応その時点で「こうだ…

  • 2024.11.29 時節因縁

    ひろさちやさんという仏教(学)者の説く仏教はとてもわかりやすいので ときどき読みたくなります。 (わかりやすい、やさしい道理でも私はすぐ忘れる。ときどきは強制的にでも 外から吹き込まなければならない) 『わからないことがわかるということが悟り 道元 正法眼蔵』 ひろさちや・著 (「グーグル画像」より) 曹洞宗のエキスが開祖道元の著した『正法眼蔵』にある。 (そもそも自分がブログをしようと思いついたのは禅にすごく惹かれたから。 障害者になったとき、禅語に救われた思いがしたという体験があるからです) けれども難しそうでこれまで読んだことない。 (けれどもこの解説本を読んでわかった気がしています) …

  • 2024.11.26 14歳からの哲学

    『14歳からの哲学入門』 飲茶 著 (「飲茶」は「ヤムチャ」。著者名です) 14歳といえば中学生。 哲学は、日本は中学校にも高等学校にない。 この本を読み終え、哲学は「あったほうがよい」でなく「あるべき」だと痛感した。 (個人差はあっても誰でも哲学的なことは思い、考える。 「人生」「社会」「自分と他人」など、誰もが一度は迷い悩む。 そういう大事な問題を義務教育のうちに学ぶ意義はとても大きい。 いじめや自殺をよく聞くようになった現代こそ、強く求められていると思う) 「すべての哲学は、十四歳レベルの発想、…からできている」 と、この本は言う。 (特に理解力がないとは思わないけど《あるかも》大人の私…

  • 2024.11.猫の陰口 おらぁ観光客だ

    『暮らしの手帖』という昔から長く続いている生活雑誌からのエッセイ集 『居心地のいい場所へ』という本の中の二つの話がとてもよかった。 (グーグル画像より 写真は「3」とありますが、紹介のエッセイは「2」だったかもしれません) ーーーーーーーーーー 「〈猫の陰口 岸 政彦〉 私たちは、飼っている猫や犬が、どれくらいかわいいか、美しいか、賢いかについて 相手がうんざりするほど語る。あるいは、…愚痴をもらす。 しかし、…真面目に陰口を言うことはない。 私はここに、なにかとても大きな大切な秘密が隠されているような気がしてずっと考えているのだが いまだによくわからない。 たとえば私たちは、猫とうわべだけで…

  • 2024.11.19 人生に必要なのは勇気と想像力、そして少しのお金

    遠い昔の本や映画の内容、あらすじなど余程の印象がないと忘れている。 数少ない覚えていることにチャップリンの映画のセリフ(字幕)がある。 若いころ観た『ライムライト』の中の言葉、 「人生に必要なのは、勇気と想像力、そして少しのお金」 (人生に絶望した若い踊り子にチャップリン扮する老道化師が声を掛け、元気づける) (グーグル画像より)ーーーーー 衝撃ともいってよいほどの強い印象を受け、とくに「少しのお金」が心に刺さり、 抜けることなく人生の信条になり、自分を支えた。 「勇気」も「想像力」も人生に必要な、大切なものだけど、 チャップリンは「少しのお金」も必要だと言った。 (多くは要らない。少しだけで…

  • 2024.11.15 『43回の殺意-川崎中1男子生徒殺害事件の深層』

    気になりながらも忘れていた事件を扱ったルポルタージュがあるのを最近知り、 読んだ。 『43回の殺意-川崎中1男子生徒殺害事件の深層』 石井光太・著 という。 作家の宮部みゆきさんが本の帯に 「自分がこの事件の細部の多くを誤解していたことに気づいて驚いた」 「本書を読めば、おそらく多くの方が様々な点で、私と同じように驚いたり、 あらためて恐れたり悲しんだりすると思う。そして遼太君の記憶を新たにする。 本書はそのために書かれたのであり、こういう仕事をする人々がジャーナリスト なのである」と書かれている。 (9年前のこの事件に私もすごい衝撃を受けた。 でも、初めのしばらくの間だけだった。 当時、仕事…

  • 2024.11.12 「正義の味方が苦手です」

    「正義の味方が苦手」という書名に惹かれて読んだ。著者は古市研寿さん。 『正義の味方が苦手です』 (「グーグル画像」より) 「正義の味方」という言葉を聞くことはさすがに大人になってからはないけれど、 子どものころは『月光仮面』などのヒーローが自分を名乗る前にそう言った。 子どもは単純だから「正義」は心によく届いた。 「正義の味方」は正しい。「正義の敵」は必ず悪者で、子どもでも見ればすぐに 見分けがつく。 悪者は恐ろしい格好をし顔も怖いものに仕立てあげられていた。 人は大人になっていくにしたがい、現実世界には「正義」(=善)・「悪」と単純に 決めつけてはいけない複雑な物事があることを知っていく。 …

  • 2024.11.8 「.天然知能」

    これからのアメリカ大統領はトランプに決まった。 アメリカの二大政党というのはどっちになっても政治自体はあまり変わらない。 (政治というのは「政策」が問われるからそっちがいちばん大切なことで、人柄はどうでもよい のかもしれないが、ただ、あちこちで悪く言われるような人が国のリーダーになれるということが 私にはわからない。 そのわからなさ《不思議さ》がアメリカという大国のふところの広さ深さなのだろうか。 島国日本の自分には理解できない。 ともかく、トランプがああいう人物でも彼の言う政策に、ハリス以上に人々は支持したわけだ。 日本はといえば、先日の衆議院議員選挙のときなど実現は無理だと自分がいちばんよ…

  • 2024.11.5 生きているだけで大仕事

    『苦しくて切ないすべての人たちへ』 南 直哉・著 (グーグル画像より) いまの自分は幸い「苦しくて切ない」ことはないけれど、いつそうなる かもしれない。 著者南さんは恐山のお坊さん。 (まだ中学生のころから自分が生きているということ、自分の存在にひどく不安を感じ、 それを問うような少年だった。その答えを求めて《家は寺ではなかったけれど》出家し、 曹洞宗の本山「永平寺」で長く修行された) 強く感じたことところだけ紹介し、感想を書きます。 ーーーーーーーーーー 「〈生きているだけで大仕事〉 問答無用でこの世界に投げ出され、一方的に体と名前を押し付けられて、「自分」にさせられる。 まさに不本意なまま…

  • 2024.11.1 こころが折れそうになったとき(後)

    今日は残りの三話。 「〈道徳の手がかり〉 (これも話の具体的な内容はほとんど忘れており、メモしたとこだけ紹介します) 高度成長期で育った自分の来し方をふり返り、著者はその特徴を四つ挙げてみる。 ①生活が物質的によくなった ②すべての欲望が肯定されるようになった ③カジュアル化 ④グローバル化… なかでも過去の文化的規制をかなぐり捨てて、ばく進してきた感じがするのは欲望の肯定だ。 「金を儲けたい」「もてたい」「有名になりたい」…昔ならば口にするのもはばかられるようなこと… 「なぜ、人を殺してはいけないのか」という問いにさえ向き合わなければならな(くなった)… (リーマンショックという米国経済危機…

  • 2024.10.29 こころが折れそうになったとき(前)

    上原隆という人の本を初めて知り読んだ。 (ウィキペディアにはエッセイスト、コラムニストとあります。 この本は、上原さんがどこかで見聞きした人、自分の人生《あるいは出来事》の話を聞いてほしい という現実の人を取材し、上原さんがそのままのその人の生き様を伝え、ご自分の感想や考えなどを 交え、一人一話としてまとめたもの。 ルポルタージュとも違う形式の書きものでとてもよかったです) 『こころが折れそうになったとき』 (グーグル画像より) 著者は人の話を聴き(その人の)生き様、人生を文章化される。 ひとり一人の話は具体的で細かく、私の力量ではとても要領よくまとめて紹介 できそうにはないのでそれはやめ(是…

  • 2024.10.25 ⑦ ロボット革命 ⑧ 人と動物の未来

    最後の今日は ⑦ ロボット革命 ⑧ 人と動物の未来 です。 ーーーーーーーーーー 「⑦ ロボット革命 〈サイボーグ昆虫の誕生〉 動物のサイボーグ化は倫理的に許されるのか?… 動物たちの脳は人質にとられ、神経系は無理やり人間の計画に協力させられる。… 野生動物追跡プロジェクトとはわけがちがい、サイボーグの昆虫やネズミを戦場に駆り出しても、 その動物のためになることはまったくない… 人間の目的のために動物を利用することをすべて禁じないかぎり、苦しみと得るものを秤にかけながら ケースバイケースで判断していくしか方法はない。 … 〈世界初のサイボーグゴキブリ〉 (アメリカでは誰でも作れるプラモデルのよ…

  • 2024.10.22 ④「絶滅の危機はコピーで乗り切る」⑤「情報収集は動物にまかせた」 ⑥「イルカを救った人工ビレ」

    今日は ④「絶滅の危機はコピーで乗り切る」 ⑤「情報収集は動物にまかせた」 ⑥「イルカを救った人工ビレ」 三つの話です。 ーーーーーーーーーーー 「④ 絶滅の危機はコピーで乗り切る 絶滅危惧種の場合には、なお押し進めるだけのやむにやまれぬ理由がある。 絶滅危惧種をクローニングする…クローンを野生に放つ… (いつか完璧なクローニング技術が開発されても、絶滅危惧種「アフリカヤマネコ」の例を挙げて 著者は「そもそもこの小さな外国産のヤマネコを窮地に追いやったのは、生息地の破壊をはじめとする さまざまな人間の干渉であることを考えれば、…クローンは自然界での生活を自然保護区ではじめ なければならないかも…

  • 2024.10.18 ③ペットのクローン作ります

    今日は③ 〈ペットのクローン作ります〉。 クローンというと、私はすぐに「ソメイヨシノ」を想います。 「ソメイヨシノ」は日本各地にあまりに多く普及したせいで、いまは桜の代名詞の ように扱われ、「桜前線」として春の到来を告げる指標になっている。 その「ソメイヨシノ」。(いまでは多くの人がはクローンと知っているけれども)実は近年、 1995年に分ったといいます(全然、知らんかった)。 (ちなみに「ウィキペディア」によれば 「接ぎ木を主流として増殖されたと考えられている…。遺伝子研究の結果、ソメイヨシノは、 エドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた単一の樹を始源とする栽培品種のクローンである …

  • 2024.10.15 ② 命を救うヤギミルク

    2回目の今日は、②「命を救うヤギミルク」です。 ーーーーーーーーーー ② 「〈命を救うヤギミルク〉 医学研究の枠を広げて人間の命も救えるファーミング(薬学を意味する言葉と農業のそれとを 組合せた造語)用動物が登場した(その遺伝子組み換えヤギもそうで、そのヤギから出るミルクが 人の命を救う)… 各家庭がふつうのヤギの…代わりに遺伝子組み換えヤギを育てれれば、そのヤギのミルクを飲む者は 誰でも、増強されたリゾチームの恩恵を受けることになるだろう。 … (ところが)命を救うことは異論のない取り組みのように思えるのに、 そのために遺伝子組み換え技術を利用すると聞くと、多くの人は落ち着かなくなってしまう…

  • 2024.10.11 サイボーグ化する動物たち ①グローフィッシュ

    いつかニュースのトピックで「昆虫兵器」をやっていた。 (「そこまでやるか!…」とため息をついたが、そこまでやるのがヒトだった) 「昆虫兵器」への関心から、 『サイボーグ化する動物たち-ペットのクローンから昆虫のドローンまで』 エミリー・アンテス ・著 という本を読んだ。 (グーグル画像より) 書名に出てくる「昆虫のドローン」とは、昆虫を真似たドローン兵器かと「期待」 したけれど、そういう話は述べられていなかった。 (それはなかったが、初めて知る話題がいっぱいあり、とても面白かった。 《関心を持たれた方は是非とも本を読んでみてください》 この本にはなかったけれど科学技術の進歩を殺人兵器として利用…

  • 2024.10.8 「華厳」という見方

    『華厳という見方』 玄侑宗久・著 著者は禅宗の僧侶。 (玄侑さんの本には人間や人生を考えさせられることが多く、これまでもいくつか読んだけれど これもよかった) 日本の仏教のほとんどの教派で重んじられている『華厳経』の教えのエキスが 述べられています。 ①「みんな「雑」で序列はない」 ②「一滴の雫が大宇宙宿している」 ③「自他が礙(さまたげ)なく溶け合う「事事無礙法界(じじむげほうかい)」」 ④「話し合いの結果、必ずしも結論を出すことを求めない」 ⑤「ある種の必然は「偶然の顔」をしてやってくる」 (書かれていた順に、私の心にピンときたもの上の五つだけ紹介します) ーーーーーーーーーー① 「みんな…

  • 2024.10.4 「情報」とは空気みたいなもの

    『デジタル社会の罠』 西垣 通 (グーグル画像より) 「情報」。 人が生きていく上で不可欠な空気みたいなものだから、 ケータイ(スマホ)がなかった昔は、何かを知る必要に迫られたら人に聞いたり、 図書館で調べたり、ラジオ・テレビから情報を得ればよかった。 何かを伝えようとするなら、手紙を書いたり、電話かければよかった。 (それで困るわけではなかった。みんなそうしていたから。 スマホは手軽(移動可能)なすばらしい情報入手・娯楽・コミュニケーションの道具だけど、 私は家の外で必要になることは滅多にないのでガラケーだけで間に合っている) ーーーーーーーーーー 「〈情報とは何かー生きる上で大切な「意味」…

  • 2024.10.1 いつもの場所で

    益田ミリさんの 『今日の人生3 いつもの場所で』 を読んだ。 益田さんの絵を見、短い文を読むと心がホンワカする。 小学生でも描けそうな素朴な絵(漫画というかイラストというか)で、その日の出来事 感じたことを「今日の人生」として記した絵日記ふうな、やさしい本。 (絵だからこその雰囲気が伝わり、添えられた文も生きるというものですが、 絵が紹介できなくても文だけでも紹介《引用》したくなった) ーーーーーーーーーー 「ぼんやりしないことのほうがもったいない」 益田さんはまだまだ働き盛り。 仕事がら、編集者との打ち合わせとか時間に追われることが多い。 「忙中閑あり」ではないけれど、ある日、知らぬうちにぼ…

  • 2024.9.27 老年期的超越

    もう過ぎたけど、9月15日は「老人の日」だった。 何年も前、保育園児だった孫から、本人の手形がスタンプされたカードに 「おばあちゃん、おじいちゃんげんきでね」と(拙いけど私よりずっとマシな)文字で 書かれたメッセージが届いたときは涙が出そうになったが、はぁ~僕らはジジイ ババアなんだとの感をあらためて強くした。 自分が若かったとき、親たちは生きていたし、老人は周りにいたけれど、 どっちも仕事や生活の忙しさにかまけ、人生についての話はしたことがなかった。 (私はそうだったけど、多くの人もたいして変わらないのではと思う。 いまになって、聞いておけばよかったと悔やむ) 当然、「老人になってどんな思い…

  • 2024.9.24 神も仏もありませぬ

    前のがおもしろかったのでまた、佐野洋子さんのものを読んだ。 『神も仏もありませぬ』 という。 (グーグル画像より) 「神も仏も…」とは世の中は思うようにはいかない、無情を嘆いて言う言葉だが、 あまりに世の真実を突いていて「そうだ、そうだ!」と言いたくなった。 (けれど《予想に反し》幸運が転がり込むこもある。そのときは)「神さま仏さまのお蔭」 と思う。 (まことに自分勝手だが、それが私) 「自分も一庶民」という確かな自覚を、佐野さんのエッセイは随所に感じさせる。 とてもユーモアがあり、爽やか。 (〈これはペテンか?〉 ①~③、〈今日でなくてもいい〉の二つだけ引用・紹介します。 ーーーーーーーーー…

  • 2024.9.17 富裕層向け高級ホテル

    先日、地域のテレビニュースで大阪駅に隣接した大規模なエリアの再開発のことが 伝えられていた。 (車《人々》が行き交う道路のそばに、「駅」という言葉をつけた「道の駅」という、市場というか たくさんの店が集まった場所が全国各地にあり、多くの人が気軽に休め買い物などを楽しめる。 駅とは交通の要所。多くの人が行き交う公共の場所、みんなの場所だ。 その駅という場所に隣接したエリアがたとえ私的な所有地であろうと、再開発という利用の仕方を 市民の立場から大阪市は意見しなければならないと私は思う。 必要なら行政権力をもって規制し《出来なければ所有者から買い取ってでも》市民が気楽に楽しめる ものにしなければなら…

  • 2024.9.13 弱いつながり(後)

    心に残った四つの話だけを紹介し、感想を書きます。 ①「〈グーグルが予測できない言葉で検索〉 (私たちは)環境に規定されています。「かけがえのない個人」などというものは存在しません。… ぼくたちが考えること、思いつくこと、欲望することは、たいてい環境から予測可能なことでしかない →個人はパラメータの集合でしかない それでも、多くの人は、たったいちどの人生を、かけがえのないものとして生きたいと願っている… 環境から統計的に予測されたるだけの人生なんてうんざり… →外側から見れば単なる環境の産物にすぎないのに、内側から見れば「「かけがえのない自分」」 ②「〈「弱い絆」→「偶然」の大切さ〉」 ③「〈観…

  • 2024.9.10 弱いつながり(前)

    前回の記事に「図書館の教育的機能」ということを書いた。 「図書館」はタダで読みたい本を借りて読めるところくらいしか思っていなかった が、内田さんの本に「教育的機能」とあり、そういう見方に深くうなずいた。 本に新たな世界を発見し、驚いたり、新鮮な気もちになる。 (もちろんそうでないのもあります。私なんか借りても初めの何ページかを読んでイヤになり、 もちろんそこで止めて返すものもよくある) ーーーーー 「知る」ことは読書だけではないけれど、仕事からリタイアすると圧倒的に 人間関係は薄くなり、そこからの情報は期待できなくなる(人が多いと思う)。 でも圧倒的にヒマな(というか自由な)時間ができるので、…

  • 2024.9.6 「愛する」ことと「傷つけないこと」 「思い上がりを叱る」という仕掛け

    今日は残りの二つの話です。 「〈「愛する」ことと「傷つけないこと」〉 「どうやって子どもを愛そうか」を工夫するより、「どうやって子どもを傷つけないようにするか」を 工夫するほうが大切 … 私は子どもに対して「敬意を持つ」ことに決めた。 この子の中には私の理解や共感を絶した理念や感情がひそんでいる。そのことを素直に認める。 そして、無理をしてそれを理解したり、共感しようとしたりしない。 … (「お前のために、これだけ愛情を注いできた」ようなことを子どもに言うと、子どもは) 「貸しがある」という気分になる。「貸し」があれば、どこかで「回収」したくなる。… 私はそれよりも「敬意を抱く」ことのほうが感…

  • 2024.9.3 人生は「問題解決のため」にあるわけではない

    今日は一つ〈人生は「問題解決のため」にあるわけではない〉です。 ③ 〈人生は「問題解決のため」にあるわけではない〉 「解決できない問題を抱え込んでいても、人は生きていける。 生きていけるどころか、その問題を足場にして人間的成熟を遂げることができる。 (たとえば、人が見ていようと見ていまいと、自分が正しいと信じていることを行う。 他人、社会は見ていなくとも「「お天道さまが見ている」という信仰のかたち」で自分を律し、 人間的に成熟してゆく、と著者はいう。 その「人間的成熟」ということで、著者内田さんは友人の平川克美さんがある本の「人生相談」で 述べられていたことが哲学思想学者としての自分の専門のレ…

  • 2024.8.30「貧乏」と「貧乏くささ」

    『だからあれほど言ったのに』 内田 樹・著 という本を読んだ。 (グーグル画像より) ものごとの肝心かなめを見極めようとされる内田樹さん。 著者の視点を強く感じ、考えさせることが多かった。 (本にはいろいろな話があったが、強く印象に残った五つだけ書きます。 3回に分け、今日は二つです。次回一つ。残りの二つは最終回) ーーーーーーーーーー ①「〈「貧乏」と「貧乏くささ」の違い〉 (初めに「1950…60年代の日本人は「貧乏」だったけれど、「『貧乏くさく』」はなかった」ことを 指して作家の関川夏央さんが「共和的な貧しさ」と呼んだことが紹介される)… 皮肉なことだが、1964年の東京オリンピックの頃…

  • 2024.8.27 おもしろかった、暑かった旅③

    (続き 今回で終わりです) 翌日もカンカン照り。 これからの予定。 初めはJR「名松線」に乗ること。 「伊勢八知」駅でディーゼル車(一両)に乗り、二駅先の終点「伊勢奥津」駅で降り あまり時間がないので駅周辺でちょっと過ごし、再び(先ほど乗ったディーゼルで) 折り返し、こんどは終点の「松坂」までの車窓を楽しむ。 (名松線→「名」は「名張」。 当初は、「松」の「松坂」を結ぶ予定でしたが事情があって変更、 「伊勢奥津」が終点となった) 次。 松坂駅から近鉄電車で「伊勢中川」駅経由で「榊原温泉」駅で下車し、 迎えのワゴン車で榊原温泉の「榊原館」という宿へ行き、宿泊。 最後の日。 榊原温泉からの帰りに室…

  • 2024.8.23 おもしろかった、暑かった旅②

    (初日の続き) 外はカンカン照り。 だけど、昼食に唐揚げ定食、カレーを食べたら、フロントに荷を預け外に出た。 (フラフラしても、まだ「夏ノ暑サニモ負ケヌ丈夫ナカラダ」を持っているとは信じ、 部屋に入れる3時までの2時間余、近くの散策《自然や街の観察》を楽しむのだ) 陽射しを受けるだけで、玉のような汗が噴き出す。 けれど、散策は(絶対に痩せ我慢でなく)おもしろかった。 (そうはいってもやっぱりカンカン日照りの中を歩いたので、楽《ラク》した思いはない。 で、「楽しんだ」というより「おもしろかった」という感覚) ーーーーー ところで、旅の計画はいつもツレがしてくれる。 (もちろん私の希望を聞いてくれ…

  • 2024.8.20 おもしろかった、暑かった旅①

    7月10日は私の(障害者にはなったけど)生還記念日ということで、 だいたい毎年、その前後に旅をする。 (前に書いたように、私たちの旅はNHKの番組「小さな旅」のように素朴で華やかではないけど、 旅の途中で気になったこと見つけても「いま何をしているんですか?」と図々しく聞くことはない) 伊勢方面(伊勢神宮ではありません)に行った。 1泊2日で初日は「火の谷温泉」、翌日は「榊原温泉」。帰り「室生寺」へ寄った (火の谷温泉と榊原温泉は、お隣同士というくらい近い。室生寺も帰り道に寄るのに便利だった。 室生寺は有名ですが、温泉は二つとも全国的には知名度は低いと思う) 旅はホント、おもしろかった。 そして…

  • 2024.8.16 『生きなおすのにもってこいの日』(後)

    今日は残り二つの話です。 (ちょっとおどろおどろしい感じ) 「〈死体をバラす理由〉 現代人は精神的ストレスが過剰に大きい…石器時代の人々と…質は違うがどちらもストレスであり、… ストレスによって肉体、あるいは精神に起こる変化は共通している。 … 獣への恐怖であれ、上司への憎悪であれ、強いストレスによって相手を殺そうとする衝動が発動する。 殺さなければ死ぬという条件反射は、人間が科学文明をもたずに生きてきた長い歴史のなかで 脳にインプットされている。 … 動物の屠殺…バラバラ殺人はいつの時代にもあり、それは「死体を隠すため」とか「運ぶため」という 理由をつけられてきたが、殺して解体するのは、それ…

  • 2024.8.13 『生きなおすのにもってこいの日』(中)

    今日も二つの話です。 「〈同じ穴のムジナ〉 支援を目的にした支援は、ほんとうに被支援者を食い物にしていく。 そういう構造が出来てしまうのであって、誰が悪いということではない。 すべての人間が善意であっても構造が悪を生みだす。 … 就労を支援することが、このNPOの目的だからだ。目的が就労支援だから就職支援をする。 就職以外の選択肢については触れない、それは目的の外だから。 … 誰が悪いというのでもないが、支援を目的にしていると、だんだんと支援者の方が主役になっていく。 支援する者は善であり正義であり、支援者はいつも正しくて、支援される方がへりくだっていなければ ならなくなる。…支援どころではな…

  • 2024.8.9 『生きなおすのにもってこいの日』(前)

    お名前だけは聞いたことのある田口ランディさんの本を読んでみた。 『生きなおすのにもってこいの日』 という。 私は「生きなおす」にはあまりに歳をとり過ぎているので、自分のことを思うと 「死ぬのにもってこい」のほうがいい。 書かれていることは(死がテーマであっても)生きることを深く考えさせる話が多く 年齢なんか勘定に入れずに読め、ウンウン…何度も深くうなずいた。 (印象に残った話は六つありました。一つの記事に二つ触れ、3回に分けて書きます) ーーーーーーーーーー 「〈けして一般的ではないものの見方〉 被害者として生きるかどうかは、その人が自分で決めることで、 私はあまり誰が被害者で、誰が加害者かと…

  • 2024.8.6 なにも願わない手を合わせる

    『なにも願わない手を合わせる』 藤原新也・著 を読んだ。 藤原新也さんは人々が暮らし、生活する場所なら何でも題材にされる写真家。 何かを自分の心が感じれば、シャッターを押す。 本は、著者が家族(とくにお兄さん)の死を弔って四国八十八寺巡礼の旅をされた とき感じ、思い、考えたことを著したもの。 いろいろな話があった。 どの話も、人が生きるということを温かいまなざしで見つめられたもの。 (いろいろあったなかで、私にいちばん印象深かった「童顔」と、本題にもなっている「なにも…」 についての感想のみ書きます) 「〈童顔〉 この世に生を授かったすべての生き物は、罪を重ねずして生きて行くことはできない… …

  • 2024.8.2 南木佳士(後)

    前回の最後で書いた「人権」思想。 「人間は全能だから、人間が人間を自己統治することもできるという考え方も 含まれています」ということ。 唸るだけではなく、後から何度もため息をついた。 ーーーーー 検査と治療の「アンバランス」を、「星のアレンジをしている」神さまが、 「自分勝手に死さえも制御できると思いあがった人間たちに課している試練」と 入院中の癌患者は言う。 考えれば、検査と治療の「アンバランス」のようなことは「イタチごっこ」。 「全能」の人間はいつかは問題を解決し、また新たな問題を迎えるけど、いつかは それを解決し、またまた新たな問題を迎える。 (こういうのも人間の「宿業」?) ーーーーー…

  • 2024.7.30 南木佳士(前)

    佐野洋子さんの生まれ育った家と真反対で、わが家には本はなかった。 (学校の図書室にはあったはずだが、遊びしか頭になく目に入らなかった。 読み物といえば教科書とたまに買ってもらった少年雑誌) 長じて、社会の不合理、矛盾が目についてならず、そういう関係の本ばかり。 (物語など小説は指で数えられるくらい) 仕事をやめ、時間ができ、小説やエッセイも読むようになった。 (あまりに多く選択に迷う。たまたまの出会い、ウンに任せている) そんな私でも若いときに知り、いつかは読みたいと思っていたものがあった。 南木佳士 『ダイヤモンドダスト』 最近やっと読んだ。 強く感じ考えさせられたことだけ(前・後と2回)書…

  • 2024.7.23 階級というものは… 年寄りは…

    佐野洋子さんの『問題があります』の続き(終り)です。 ーーーーーーーーーー 「(中学生のとき佐野さんが『アンナ・カレーニナ』を読んでいて思ったこと) 階級というものは、国籍の違いよりももっと大きい。 「年寄りは年寄りでいい」 (「アンチエイジング」のCMに出てくる若者みたいな年寄りやマスコミの元気・活気にあふれた 老人を称える記事や報道に対して)私はみにくいと思う。 年齢に負けるとか勝つとかむかむかする。 年寄りは年寄りでいいではないか」 ーーーーー 小さいころから本の虫だった佐野さんは、目に入ればどんな本でも読んでいた。 子どもが理解するにはあまりに難しい小説、たとえば同じロシアの『罪と罰』…

  • 2024.7.16 あれは見るもの

    『問題があります』 佐野洋子・著 を読んだ。 あれとは月。 佐野洋子さんといえば(私は読んだことないが題名は聞いたことがある)有名な絵本 『100万回生きたねこ』の作者だ。 エッセイをたくさん書かれている。たまたま『問題があります』に出あった。 その中の一つの話の「お月様」 「一番嫌いな写真はふくらんだ銀色のフーセンみたいな洋服(?)を着た人間が月面を歩いている 写真だ。 テレビで見たときも、「あんた、何しに行ってるの、用もないのに」としか思えなかったが、 男たちは興奮していた。… あれは見るものである。 この地上に現れた人間が何兆人いたか知らないが、全ての人間が月を見てあれこれ思いにふけった…

  • 2024.7.12「差別」を考える(後)

    今日は終わりの方(後)です。 ④ 「〈人間に序列はつけられるのだろうか〉 「特別な」人間なんているのだろうか 「穢れている」人間っているのだろうか (「血」に対する「穢れ」意識は、農耕が生業の中心の日本文化だけの固有の因習、 伝統的な意識のあらわれ) … 教えられていない部落差別問題 →知っておくべき知識を教えず「ないこと」にしてしまう。 〈「あるカテゴリー」を生きる人を理解するということ〉 (部落差別問題では)彼ら自身の活動や運動が小中高校の教育の中で「現代社会」や「現代史」、 「国語」などで紹介されその意義が生徒に伝えられているとは言えない現状があります。… (エイズ差別問題では)すでにあ…

  • 2024.7.9 「差別」を考える(前)

    ほとんどの人は、「差別していない」思っている。 しかし、差別的な行為そのものはしていなくても、 差別的なまなざし、心で他人の仕草を見ていることがある。 (私はある。そういう自分はイヤなので、これは「差別」ではなく「区別」と弁解するけど、 実のところわからない) ーーーーー 『他者を感じる社会学-差別から考える』 好井裕明・著という本を読んだ。 私たちの生活している資本主義社会という現実の構造自体に階級・階層がある 明らかなピラミッド社会だから、口ではお題目のようにみな「平等」と唱えても、 客観的なピラミッド構造による経済格差の存在(「富裕・貧乏」は相対的な言いまわし だから、社会全体が富めばい…

  • 2024.7.5 『断片的なものの社会学』③

    今日は最後。 再度、初めに引用した、本の最初の言葉を書いておきます。 「人生は、断片的なものが集まってできている 私の手のひらに乗っていたあの小石は、それぞれかけがえのない、 世界にひとつしかないものだった。 そして世界にひとつしかないものが、世界中の路上に無数に転がっている」 ーーーーー ここからは今日の引用です。 「生活史のインタビューでいつも感銘を受けるのは、目の前にいるほかでもない「このひと」のなかを 自分のものとは違う長い時間が流れてきた、という事実である。… 私たちのなかでそれぞれが孤独であること、そしてそこにそれぞれの時間が流れていること、 そしてその時間こそが私たちなのであると…

  • 2024.7.2 『断片的なものの社会学』②

    今日は①で述べた、 「辛いときの反社的な笑いも、当事者によってネタにされた自虐的な笑いも、 どちらも私は、人間の自由というもの、そのものだと思う。 人間の自由は、無限の可能性や、かけげのない自己実現などといったお題目とは 関係がない。…勇ましい物語のなかにはない」を、 その前後で述べられていることを含めて書きます。 ーーーーー 引用文の前にこうあった。 「笑いと自由 私たちは、人生のなかでどうしても折り合いのつかないことを、笑ってやりすごすことができる。… 自分というこのどうしようもないものとなんとか付き合っていける」 後には 「もっとも辛いそのときに、笑う自由がある。 もっとも辛い状況のまっ…

  • 2024.6.28 『断片的なものの社会学』①

    (先の記事にも書いた)「人間の無限の可能性」ということ。 漠然としているが、人生への勇気を与える言葉であることはあっちこっちで聞くし 間違いない(と思う)。 (しかし、この言葉に勇気をもらったということは《そもそも自分の可能性を確かめる試み、 挑戦のような努力を必要とすることをやったことないので》私にはない。 それに昔は、「自分の可能性を確かめる試み、挑戦のような努力を」しようにもモノや情報が少なく、 「可能性」「自分探し」どころではなかった) いまは、それなりに長く生きてきてわかったことがある。 「人間」とひと口にいっても具体的にはいろいろあり、「無限の可能性」を信じて 努力する人間もいれば…

  • 2024.6.25 『AI倫理-人工知能は「責任」をとれるのか』④

    今日は最後、「第三章 情報圏とAI」と「第四章 AI倫理のラフスケッチ」です。 (大切と思われることがたくさんあったのですが、深く感じたことだけ羅列します。 あとで、自分の感想を書くつもりなので便宜的に番号をふりました) 「第三章 情報圏とAI ① 擬似人格としてのAIは、アニミズムに惹かれる人々の心性につよく訴えかける ② 「意味」抜きの情報処理 情報と言っても記号(デジタル信号)の量であって、それが表わす意味の量(そんなものが 計量できるとして)とは本来まったく無関係なことに注意しなくてはならない。 ③ 人間が生物の一種であること、そして、ほとんどの生物が論理的な推論より、 むしろ直観や本…

  • 2024.6.21 『AI倫理-人工知能は「責任」をとれるのか』③

    著者は「AI倫理」とは書いても「AI道徳」とは書かれていません。 (「倫理」と「道徳」の違いをネットで調べたら 倫理が「人間として社会的に守るべき規範」であるのに対し、 道徳は「社会または個人の正義に基づく行為範囲」と認識されていますとありました。 《あまり違いがピンとこず、説得力を感じませんでした》 どうでもいいですが、私は「倫理」は自発的、自律的なもの、「道徳」は外から押しつけられた 強制されたイメージ、ニュアンスがあり、ネットにもそうあるかなと思ったのすが) 本では「倫理」を問題にする限り、「自由」を論じることは避けられない とあります。 初めに倫理の前提でもある「自由」との関係が歴史的…

  • 2024.6.18 『AI倫理-人工知能は「責任」をとれるのか』②

    今日から本題。 (引用は「まえがき」からです) ーーーーーーーーーー 「〈周囲環境の安定が前提 予測不能 事故が起きたときの「責任」の問題〉 (何よりいちばんに)倫理的かつ法的な問題を解決しなくてなならない。 (しかるに現状は)とかく経済効果やビジネスへの配慮が先行 … 人間は実社会で必ずしも論理的厳密性にこだわって活動しているわけではない。… 「間違いはあってもだいたい合ってい(ればよい」と考えるのが現実的。 現在の《AIの》第三次ブームの技術革新の中核は「深層学習」とよばれる「パターン認識システム」。 だが、これは「単なる統計計算」にすぎない) ーーーーー 本では初めに、「AI」技術はすで…

  • 2024.6.14 『AI倫理-人工知能は「責任」をとれるのか』①

    これからの世界、未来のことは、もはや「AI」抜きには(「先進文明社会」では) 考えられない。 科学・技術文明はただただ前に進むほかない。後戻りできない。 そういう在り方は、「人類の(非科学的な表現だけど)宿命」みたいなもの。 科学・技術はあらゆる場面で「使い方次第」ということがいわれる。 それ自体は「中立」的存在で、使われ方で人を幸福にも不幸にもする。 AIもそう。 (先日、「生成AI」を悪用した全国初の犯罪があったことをニュースで知った。 少し前には視覚障害者の助けになるAIアプリの開発というニュースを知ったばかりだったのに) AIの原理自体はコンピューターの機能・働きだから、人間みたいな感…

  • 2024.6.11 『マネー資本主義』

    私はおカネはほどほどにあればいいと思い、実際そうだったので満足している。 (「豪遊」という人生の楽しみもあるらしいが、余分なおカネはないので客観的に「できない」 というのが当たっている。だからその魅力を知らないのだろうが、知りたいとは思わないし、 「したい」と望むこともない) 一度は持った家も手放し、今はまた若いころと同じくアパート暮らしだけど、 不満はない。 そうは言え、「おカネでは買えない大事なものがいっぱいある」とはわかって いても、「いまの日本」で暮らしている限りは年寄りでも欲望はそそられるし、 おカネはあるに越したことないので、やっぱり多ければ多いほどいい。 そうは言え、詐欺を働く才…

  • 2024.5.31 『痴呆を生きるということ』(後)

    今日で終わりです。 (⑯から⑱まで) ーーーーーーーーーー 「⑯〈痴呆を抱えて暮らす困難〉 「わたし」が壊れる →単にこれまでできていたことができなくなったと感じるだけではなく、 「わたし」が壊れていく、と感じられる →(「わたし」が指揮者なのに「奏者をまときれない感じ」) … 認知の障害、情動反応性の保持 自分が引き起こしたつまずきに自己の責任で対処することの困難という認知レベルの障害と、 自分が遭遇している事態を危機と感じ取り、さらには適切に対処できないことに不安や焦燥を抱く という情動反応性の保持との間のズレが存在する。 →周辺症状を生む源になる ⑰〈妄想の成り立ち〉 新たな生き方への強…

  • 2024.5.28 『痴呆を生きるということ』(中)

    (前回は⑫〈徘徊の出現〉まで。 今日はその続き ⑬から) ーーーーーーーーーー ⑬〈時を駆けることができない〉 彼ら(認知症者、痴呆者)は「今・ここ」で暮らしていることを何となく居住まいが悪いと感じ… かつてこころ安らかに過ごし、プライドをもって生きていた時代に戻りたいのだろう。… 彼らが「帰る」「行く」とき、付き添って歩き、昔話に興じる。 そのとき彼らは、過去をもう一度生き直すのである。 … ⑭〈過去への執着〉 痴呆へのはじまりの時期にあって、痴呆を病むひとたちは未来への不安に怯えていた。 しかし、現在を生き生きと過ごせるようになれば、彼らの不安は消え、妄想は消える。 妄想を生み出さざるをえ…

  • 2024.5.24 『痴呆を生きるということ』(前)

    認知症。 私が若いときはいまほどいわれていなかった。 (昔は長生きする人が多くはなかった。 その昔は「痴呆」と呼ばれていた。そっちの方が私には馴染みぶかくピッタリくる。 どう呼ぼうと、頭、脳が「痴呆」状態になったから、結果として「認識」「認知」がむずかしくなった ということだ。 そういえば議員さんが「認識にございません」「記憶にない」と言うのは、よく考えれば 「自分は痴呆状態」だから理解できない、忘れたと表明しているようなものだろう。 だったら即刻、議員は辞めるべきだと思う。 「秘書が勝手にやった」というのも、管理能力がない、あっても衰えたということで、痴呆状態までは 至っていないにしても、や…

  • 2024.5.21 『人類学者…が森に入って考えたこと』⑤

    今日で終わりです。 「〈「贈与」ということ〉 ムラブリ…の間では「ある(持っている)人」がない(持っていない)にあげることは普通のこと 見返りを求めない… (たとえば「お米」の話)→ お米が太陽からの贈り物であるという視座、太陽の視座とでも言いますか、 ぼくらのコントロールできない存在によって全ての物事は存在するという感性からすれば、 みんなhave (持っている)であると同時に与えられるしかない点ではhave not (持っていない)… →(要するに平等)奢るとか奢られる(贈与するとかされる)は、特別なことではなくなる。 「あなたも私も太陽に生かされているんだから」 資本主義というのは、所有…

  • 2024.5.17 『人類学者…が森に入って考えたこと』④

    人間、自分、生きるということ、世の中のことについて、子どもから大人へ 成長するなかで、誰でもそれなりに思い、考える。 そういうときだけ「哲学者」になる。 私もそうだったけど、それは自分の知っている世界の中だけの「井の中の蛙」 だったことを、仕事をやめ、自由に読書できるようになった今、「人類学」を 知ってつくづく思う。 ーーーーー 同じ地球人でありながら、たまたま生まれたところが「先進文明」からは 遥かに離れた、「進歩」とは無縁、昔ながらの生活、暮らしを(それ以外はあり得ない かのように)続けているラオスのムラブリやインドネシアのブナンの人々。 そんな人々と現地での生活、暮らしをともにすることに…

  • 2024.5.14 『人類学者…が森に入って考えたこと』③

    前回は本の順番に沿って「パースペクティヴィズム」ということについて書いた けれど、ページの離れたところでまた言及されていた。 (とても大切なことがいわれていると感じ付箋でチェックしていたが、すっかり忘れていた。 あらためて何度か読み返し、また考えさせられた) 「〈パースペクティヴィズムと客観的事実〉 (「パースペクティヴィズム」にこだわれば) 人の数だけ世界があり、動物や虫など人以外の世界も無数にある。… パースペクティヴィズムを隙間なく適応すると、→「相手の立場にはなれない」 客観的事実がなくなり科学的基盤はなくなる→共通の言語の意味がなくなる … ーーーーーーーーーー 「パースペクティヴィ…

  • 2024.5.10 『人類学者…が森に入って考えたこと』②

    本は次に「パースペクティヴィズム」ということについて述べられる。 ここもとても考えさせられた。 (あるネットで検索するとこの言葉の出どころはニーチェとのこと。 「ニーチェのパースペクティヴィズムとは、見られるものからの視点や視座から、 見 ているものを捉える見方…。 しかし、視点や視座を管理し、自分の自らのものにしていると考える意識は、 ニーチェによると 「共同体的かつ群畜的な本性」に属しているので、いかに個人が視座を我が物としているように 考えようとも「共同体的かつ群畜的な本性」の ことに無自覚になっている…」) ーーーーーーーーーー 本には、 「他者の観点に立って、自分たちが見ている世界と…

  • 2024.5.7

    8回にわたって「ブルトシップ・ジョブ」の本を紹介し、思ったことを述べてきた けれど、少しほど前に 『人類学者と言語学者が森に入って考えたこと』 奥野克己 伊藤雄馬 ・著 というのを読んでいた。 奥野さん(人類学)伊東さん(言語学)というお二人が、それぞれ異なる場所 (奥野さんはインドネシア、伊東さんはラオス)に行き、一緒に暮らすという(頭で思考する 机上の学問としてではなく)フィールドワークを通して、「人間とは?生きるとは? 生活するとは?」と問い、見えてくるものを学ぼうとする。 その見えたこと、気づいたこと、学んだことが述べられていた。 (その本から刺激されたことが多くあり、「ブルトシップ・…

  • 2024.5.3 ブルトシップ・ジョブ⑧

    今日は最終の第8講 ブルトシップ・ジョブとベーシック・インカム です。 ーーーーーーーーーー 第8講 ブルトシップ・ジョブとベーシック・インカム 〈エッセンシャル・ワークとジェンダー〉 労働が主要にモノの生産にかかわるものとみなされ、女性はその生産過程から排除され、 「私的領域」つまり家庭内で、その労働力を生産(出産、いわゆる「生む機械」)し、 再生産する(養育し世話をする)役割へと還元されていく。… 「愛の名のもとに」無償化される … 〈「家事労働に賃金を」〉 家事労働に対して賃金を要求することによって、「家事」の意味は一挙に「労働」へと転換する (「家事労働」は家庭の問題であるけれど、ジェ…

  • 2024.4.30 ブルトシップ・ジョブ⑦

    今日は第6講と第7講。 (最終第8講は次。 今日も述べられていることのうち、とても強く刺激されたことだけに触れます) ーーーーーーーー 「第6講 ブルトシップ・ジョブが増殖する構造 (「マネー資本主義」といわれているように現代の資本主義は) 金融、保険、不動産の比重が高まる… 現代の資本主義は「レント資本主義」(でもある) もともと自然のめぐみとして存在する土地にはそれ自体の価値が存在します。… (封建時代の「レント(地代)」が変質し)概念がより拡張され抽象的になる… (「土地」はそもそも「大地」として誰にも開かれた共有地、みんなのものであったのに、 「囲い込んで」特定の誰かの所有物となった。…

  • 2024.4.26 ブルトシップ・ジョブ⑥

    前記事を書いたすぐ後、最新の「世界の防衛費」をニュースで知ることになった。 ネットで検索すると → 世界の軍事費、昨年7%増で09年以降で最大の伸び 国際情勢を反映 [ストックホルム 22日 ロイター] - スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は22日、2023年の世界の軍事費が 前年比で実質7%増の総額2兆4430億ドル(約378兆円)になったと発表した。 国際的な緊張の高まりや、安全保障環境の悪化が背景にある。 378兆円 私は日本国憲法の前文、九条を信奉しているので、そこにあるよう、他の国などで 暮らしている人々を信じ、軍備は持たない方がよい(持てば信じていないか脅し…

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