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  • 夏雲

    毎日雲がすごくいい

  • 黄昏雨

    昨日もひどい夏日だった。ぎらぎらと蒸し暑く陽炎はゆらゆら。日中はそんな様子だったけど、夕方突然暗雲がたちこめはじめて、わくわくが止まらなかった。暗い雲の、遠く上のほうからゴロゴロと稲妻の轟。台風の前みたいな黄昏色の空気! 興奮する。結局、雨は振りはじめて、ぽつぽつ、しとしと、さあさあ、ざんざんとグラデーションして、でも空は晴れていた。夕方で、西から差す太陽が橙色で。スーパーに買い出しに寄って、店から外に出ると、空から光がよく見えた。夕日が差す中まっすぐに雨が降って、雨の一本一本が太陽を反射して光っていて、きれいだった。トタンに雨音のぶつかるガラン、ゴロンという音がよく聞こえた。踏み切りで遮断器…

  • 退屈とひゃくまんえん

    暑。なんかもう夏っていうか地獄。ひたすら灼熱。クーラーなしじゃマジで死ぬ。昔はエアコン使うこと自体に環境汚染…電気代…みたいな罪悪感あって痩せ我慢してたけどアカンわもう。 新型コロナウイルス感染症が流行りだしてからはや半年? 勤め先は通常運転。えらいひとが売上減るのを恐れてピリピリしてます。こわいですね。電車通勤だけど、以前と比べると満員電車が7/10員電車くらいになった気がする。 先日、体調が怪しくなって休みを取る機会があった。発熱はないけど喉が痛いとか倦怠感があるとかの症状が出たので。医者曰く、ただの喉風邪。一応回復後も一週間様子見てから復帰したけど、自分がほぼ無症状の感染者だった場合を考…

  • バトン

    めためた久しぶりに更新。生きてます。 定期的にブログになにごとか書き殴りたくなる周期はあったものの、実際に書き殴るに至らないで衝動が失せるばかりだったので、失せるに任せていたら半年経ってるっていうね。夏だね。相変わらずインターネットは毎日みてるしだらだら延命してます。 本題。 hasriqさん(id:hasriq)がブロガーバトンなるものをやっていて、僕の名前も挙げてくれていた。ので、せっかくなんでやってみようかと思い腰を上げた次第です。 ていうか僕の紹介文読んだけど美化されまくりでキョドる。そんな深いものの見方とか全然できていないが。いやいや、hasriqさんからそう見えているならhasri…

  • 陽だまり

    昨日通りを歩いていたときに見たポスト。コンクリのブロック塀と投函口が一体化しているタイプの郵便受け。風が吹いていて、その影響なのか、かんかんかんと鳴る。一定のリズムで音がするので、なにかと思い近寄って、見ると、口の部分がパタパタと開閉している。 眠っても眠っても、ひどく眠く、ずっと寝ている。寝る前の外の色と、起きてからの外の色が同じなので、昨日と今日と明日の境目がなくなる。 ツイッターを開いて、タイムラインを眺めてみる。見覚えのあるアイコン、見覚えのある名前。でも、なにを喋ってるのかわからない。みんなして、なんの話をしているの、それって?このツイートを、一秒前に見た気がする。一分前か、一週間前…

  • おめでとう

    すごく春って感じの天気だった。 バイトの帰りに近場の公園や大通りをたらたらと歩いた。ぼんやりしていて暖かで、のどかすぎて気絶しそうだ。 公園を挟んで、印刷会社がいくつも建っている通り。日陰になったゆるやかな上り坂を歩いていく。ガードレールの反対側からなにか匂いがする。冷たく甘く、清廉な匂い。水色という概念を香りにするとこういう匂いになるだろうか。水色と、それに少し桃色。水色と桃色の匂いがする、その言葉の並びを、何度か反芻。 空が淡く霞んで、天辺には白い月が見える。10年も昔に書いた、一編の詩を思い出す。二羽のカラスと、舟と、湖、午睡の気配に、煙、白昼の月を切り取った詩。 見上げるほど高くそびえ…

  • どうでもいい

    労働ってなんなんでしょうか。 ていうかみんななんで生きてるの?ねぇ? 理由がないと生きていけないと思ってるから多分つらいんだよね。 理由なくても生きられるし、ていうか理由とか別にない。 理由を求めるのって理性が因果関係をはっきりさせようとする習性がもたらす弊害だよ、悪癖だよ。 無意味に生きて無意味に死ぬんだよ。 こう……手のひらがあって、その上に意識がある。 手のひらの上の範囲のものしか意識には世界が見えない、手のひらの外にあるものは見えてない。 そうじゃないですか? それで、手のひらの上に乗り続けているために苦心するのってなんのためなんですか? なんで自分は手のひらの上に居続けねばならないと…

  • 日記

    地下鉄駅の地上出口を抜けると、ひたいに一滴雨粒。いつも必ず待つ信号が青だった。高級な制服を着用した小学生が、同級生と会話。取材の受け答えに応じる業界人じみた口調。証明写真の撮影ボックス。ピンクのカーテンの前に壮年の女が一人。白いコート。目があったと思った。少しもあってはいなかった。 駅前のアナウンスで、なぜかエンヤがかかっている。 ポニーテール。手の中の空のペットボトル、丸めたチリ紙。ユメカワカラーの靴と鞄。ジャンパーを羽織る背中。ハンドルに視線を落としながら三輪車を走らせる女児。ギンギラ銀のハンドバッグ。片手離しの原付き。チャイルドシート付き自転車を漕ぐマスクの男。大学生の集団。「疲れたあ」…

  • ニャン

    後光 顛末 相似

  • きさらぎ

    退職届、出してしばらく経つけど、まあ次のあてないんですけどねアハハとか言ってたらせっかく仕事覚えて戦力になったところなのにもったいないし、退職撤回していいからせめて決まるまで居たらと引き止められて、それもそうっすねとおもって、撤回してまだ今のところで働いています、なにをやってんでしょうか。言動ふわふわすぎ優柔不断すぎ。はい。別の仕事、と思い、ハローワーク、ネットのバイト求人などを眺め、唯一ここよさげダナーと思ったところに応募し、面接に行き、順当に落ち、振り出しに戻ったりしていた。退職届出したときも辞めたあとどうするのって聞かれまくったけど考えてねーー。なんかいろいろ試したり経験してみたいとは思…

  • ねじまき鳥クロニクル

    栞 「ねえ、ねじまき鳥さん、あなたがあそこの井戸の底にいるあいだ、私はだいたいここに寝ころんで日光浴をしていたのよ。ここから空き家の庭を見ながら、体を焼いて、井戸の底にいるあなたのことを考えていたの。あそこにねじまき鳥さんがいるんだって。あの深い暗闇の中であなたがお腹をすかせて、ちょっとずつちょっとずつ死に向かって近づいているんだって。あなたはあそこから出られない、あなたがあそこにいることは私しか知らない。そう思うと、私はあなたの苦痛やら不安やら恐怖やらをものすごくありありと感じていることができたの。ねえ、わかるかな? そうすることによって、私はねじまき鳥さんという人間にものすごく近くまで近づ…

  • ツイッターで収集したツイート下半期編 ストリートビューの写真、画像処理で人消してると思うんだけど微妙に輪郭が出てて光学迷彩っぽさある。 pic.twitter.com/uPD9mkHuJi — ryomatsu@🇰🇭Cambodia (@ryomatsu) 2019年9月4日 「オーパーツ」「ウーバーイーツ」みたいな全ての音の間に伸ばし棒が入ってる言葉が好きで集めています。「ソーラーカーレース」と「イージーオーダースーツ」が殿堂入りしています。 — 石像@年賀状交換してください (@chicottaiyo) 2019年10月6日 pic.twitter.com/dmQxcmPSkp — Arc…

  • 冬蒲公英

    昨日は暖かかった いつもの川原を歩いた 和菓子屋でいもようかんを衝動買して食べた それとおにぎり 散歩中に食べもの食べるとおいしいのなんでだろう 乾燥してるからただの水道水もうまい 一転して今日は曇り 空気も冷えてた 恥と罪悪感とみじめさで息のしかたを忘れた、そこに居るための居かたがわからないので。 念仏を唱えてみる。幸福がありますように。誰もなにも恨まなくてすみますように。不満を持ったり物事を恨んだりすることを許せますように。 さっぱりした人間になりたいな…青空みたいにさっぱりした人間に… イライラしたかと思うと極限の悲痛が襲ってきて、そうかと思うとぼんやりしたのどかな時間が流れてくる、落ち…

  • 意識は流体だけど文字に焼き付けると固体になる

    気分に左右される 流動的なもの でもその一瞬一瞬は固定的に感じられる 一定であることと、不定であることの境 正常と狂気の境目 ものを書いているとき僕は、ある状態、ある気分を固定しようと思っていると思う なんのためにか 離れるために 例えば体中を、毒虫が這いずり回っているときの気分、そいつを固定することによって、そこから切り離れることができる、第二宇宙速度で はしゃいだ気分も、悲壮な恥も、憂鬱も陶酔も癇癪も、意識全体を占める感覚から意識の一部を占めるパーツに変わる 無重力下の自分が地上にいる自分を観察して言う "それはそれとして" 人格、認識、自我 意識 腸内フローラをおもう 毒を帯びた自分、浮…

  • 辞表も書いて今のところを辞めることは決まった。 この先なんもあてないけど…。 次なにやるの?いや…まだなにも未定です。やばいんじゃないのそれ。そうですよね。もうさ親に頼るわけにもいかないでしょ。そうですよね。次選ぶときは近場がいいよ、移動時間なんて無駄でしかないでしょ、無駄だよ無駄。ははは、そうですね。 という会話をした。 移動時間は本読んだりネット見たりして楽しいから僕は別に退屈じゃないしだいたい無駄とかいい始めたら人の一生そのものなんか無駄の塊でしかないのではとか思ってたけど会話続けるのだるくて喋るの放棄してしまいましたすいませんでした。すぐ自分の内側に籠もる逃げる。 はーあてがね~。 う…

  • ガラスの街

    栞 言うまでもなく、クインはとっくの昔に、自分をリアルだと考えることをやめていた。もしいまも自分が世界のなかで少しでも生きているとすれば、その生のマックス・ワークの架空の身体を介した一段へだたった生である。それに対して、彼の探偵は、必然的にリアルでなければならない。探偵小説の本質がそれを要求している。クイン自身は、自分が消えるままに任せ、 隠者めいた奇妙な生活の奥にこもっていく一方、ワークは他者たちの世界で生きつづけた。クインが消えれば消えるほど、その世界でのワークの存在はますます堅固になっていった。 クインはどこにいても場違いな気まずさを感じがちだが、ワークは何ごとにも動じず、舌の回転が速く…

  • 多分僕は親切な人間になりたいんだと思う。 自然な手助け。困っている人を手伝ったり声をかけたりすることが当たり前にできるような。それはやりたくてやっているのだから、当然相手になんの見返りも期待しない。自分の期待、相手の問題が解決されるという結果が得られなくても、それはあくまで自分の勝手な期待なのだから、拒まれたり非難されたりしても、失望も逆恨みもない。相手の意向を無視して押し売りするような形でも、独善的でもない、単に不足を補うだけの、淡泊なほどに自然な関わり。 僕は自分が僕の思い描くような親切な人間ではないから、いつも自分に怒っているんだろうか。だから自分の期待からはずれた、似たような親切でない…

  • ブログ開設してから1年経過した。 はてなブログは概要の詳細ページを開くと、こよみモードという画面に切り替えることができる。一年前のその月に書いた記事を、さかのぼって表示してくれる機能がついていて、それで、ブログをはじめて一番最初に書いた記事を読み返していた。これね。 脳から直接転写したみたいなお喋り。お得意の雑なやつ。まあそれでいい。目的は中身を開陳することだから。なにも見えないなにも言えない、精神性の聾唖状態から脱したい。そのために書くという行為の薬効を頼ってる。でも書くことのハードルを上げると書くこと自体がおっくうになる。おっくうになるとすぐに放り投げる。体裁を保って、目的を意識してそれに…

  • ぼんやりモードだ。 思考の流れが濁って感じる。意識が明瞭なとき頭の中の運河は澄んでいて、大小の石も砂の粒も藻類もなにもかもくっきりはっきり見える、ような気がする。そういうときとの見え方の差を比較して濁っていると感じる。 白濁。 結局自分や、自我というものは、環境に対して反応を返すだけの、なにか単純で難しいところなどなにもないちっぽけななにかです。それを変に難しく複雑にしたり、生地を引き伸ばして重ねて層を作るのを繰り返すから、わざわざ混乱さしている気がする。 もっとシンプルに物事をとらえられると思う。 考えることがなにもない。 ただ体が意識の外で死と生を絶え間なく繰り返していて意識は蚊帳の外です…

  • 悩みは、何に悩んでいるのかを言語化できたらほとんど解決したようなものだとよく言うけど、言うか?言うということにしておいて、それは本当にそうですねと思った。目をつぶったまま、どうして暗いんだろうどうしてなにも見えないんだろうと思っているのが悩んでいる状態で、まぶたを開ければいいじゃないかと気づけることが解決で、暗くてなにも見えないのは自分がまぶたを閉じているからじゃないかと気づくことができるかどうかが肝で……。 何に苦悩しているのかをうまく掴むことは僕にとって難しい。苦しいときはまず、ただ苦しいという感覚だけがひたすら強く感じられて、なにがどう苦しいのかをよく見ようとしたり、言葉にしようとすると…

  • 特に変化のない毎日を過ごしている。 変化。変化変化。そうだな。最近朝目覚ましで起きたときの廃人度が下がった。不快だけど一時期のようなこの世を呪いたくなるほどのものじゃない。あんまり夜更ししなくなったからかな。夜更しをしなくなったのはちゃんと風呂に浸かるようになってからだと思う。前までは面倒だったからシャワーで済ませていたけど、湯船で温もると疲労度の回復が違うことに気づいてしまった。あと気休め程度に簡易温冷交代浴的な感じで冷水を浴びるのもやっていて、意識的に心臓を刺激するようにしているのも影響があるかもしれない。 時間通り、予定通りに行動しないといけないのはいつまで経っても慣れない。慣れないって…

  • 鬱の友人と何度かやり取りが続いている。僕はやっぱりグループの人達のように、保護者みたく気にかけたり、気さくに四六時中構い倒したりすることはできないけど。気にはなり続けている。そもそも話しかけようと思ったのもそのとき躁入ってたからしたことで、その勢いがなかったら傍観し続けていたと思う。今も話しかけるときはすごく腰が重い。人格を切り替えないとなにも言えないし喋れない。文字通り人が変わる。僕はへんに陽気で明るくバカっぽく振る舞う。そうじゃないと気分が引きずられる。藁ごと一緒に沈んでどうする。なにができるっていうんだよ。自分のことでいっぱいいっぱいになってるのに。応答ができる。ときどきは。彼女はずっと…

  • 性嫌悪

    なんだ、まだ火がついてるのか。怒りの火が。恐れの炎が。 薪をくべ続けているな。 今日は生々しい体のことを書く。 これは他の誰の人の話でもなくすべて僕の感覚の話。 怒りと恨み、ルサンチマンがこもっている。 自分がどこまで認めたり受け入れたりできるようになっているかを確認する。 書けることができるかどうかを確認する。 どこまで書けるかを。 書くことは確認する作業。 そこになにがあるのかを見るための儀式。 はっきり言って性欲がおぞましい。 特に男性が女性に向ける性欲。 セックスをすると女性は妊娠して子供を産む。 僕の体には子供を妊娠するための機能が備わっている。 体はサイクルに従って機能する。 体は…

  • あのーマジで今更すぎる注意喚起していいですか。しますね。では、おほん。このブログを閲覧することで、あなたが不快になる可能性がありますから気をつけてください。すべてのものごとにおいて不快になる可能性があるのと同程度に気をつけてください。でも読んでみるまでは不快になるかどうかわからないですからね。ちょっと読んでみて、危ないと思ったらご自分の判断で離れてください。以上です。これ前は似たようなことくどいほど警告してた記憶があるが、読むな!気をつけろ!いや読んでくれ!みたいなことを。いや記憶違いかもしれん。とにかくきっちりと明言はしていなかったかもしれない。すぐに好き嫌いの明暗がはっきりわかれるよう、人…

  • お土産

    お土産 - 頭の隙間のダイアログ

  • ああ落ち着く。この白い画面。記事編集画面のでかい白紙。 また頭がおかしくなってきた。情緒の乱れが激しい。情緒っていうか認識。認識が乱れる。認知の乱視。 起きたことを振り返ってみよう。 今日も出勤した。なぜだかとても気分がよかった。当たりのきつい人から当たりのきつい注意を受けた。でも心から愛想よく自分の不手際を改めてくれてありがと~という気持ちでニコニコと受け答えをしていた。口うるせえなおまえがそういう責めるような口調で俺を責めるっつーならこっちだってそれに応戦して殴り返してもいいんだぞわかってんのか?という青黒い気持ちは1ミリしか沸かなかった。1ミリは湧くんかい。ぼんやりとベールのかかった安寧…

  • 年齢による区切りを昔より意識しなくなってると思う。前はもっと特別な感じがした。特別な日がもっとたくさんあった。クリスマスや正月も、迎えることに緊張と期待がみなぎる日だった。祭り。ハレの日。毎日は惰性と習慣でケを帯びたまま繰り返される。365日を一周したからなんなんだ。あの高揚感と輝きはなんだったのか。今はただ区切って数を数える。ある状態とある状態を切り分ける。ひとつのものをひとつ以上にする。そうやって数えられるものにしていく。作業じみてる。なにもかも新しく感じられたから印象も鮮やかだった。時間を数えてこれだけの年数生きのびたとわかることは自分にとってどういう意味を持ってるんだろう。節目としての…

  • 気分が悪い。 駅の階段を降りていたら、階下から蝶が一羽のぼってきた、背が黒く、その反対が暗い橙色の羽。 妙齢の女性に相づちを打つ。そうなんですね、うんうん、ああ、そうなんですか、などの鳴き声の、調律を巧みに操作して演奏するように声を弾く。僕に意味はわからない。内容が一ミリも頭に入ってこない。ぼんやりしている。全身に膜ができる。つついて破れたら膿んだ血と糞と吐瀉がはじけ出る膜。笑っている。婦人は上品な仕草でゆっくりと絶えることなく喋る、語り、伝えたいことを言葉にする。相づちの合間に、それは素敵なことですね、これってこういうことですよね、解釈と感想を挟んでみる、一瞬困ったように眉をハの字にして微笑…

  • 冬の夜ひとりの旅人が

    栞 だが重要なのは小説が強調する体の細部描写、例えば歯で噛み切ったブロンコの爪とか、ブリクドの頬のうぶ毛とか、それにそれぞれの身振りや、また肉を叩き伸ばす木槌、唐辛子用のすり鉢、バターを渦巻き状に押し出す道具などそれぞれの人物によって扱われる台所用品だとかなのだ、このようにしてそれぞれの人物はこうした身振りやシンボルによってもう最初に特定されるばかりでなく、読者をしてもっと深くその人物を知りたいと思わせるようになるのだ、最初の章でバター押し出し器を手にして登場してきた人物の性格や運命がそのバター押し出し器によって決定されでもするかのように、そして読者のあなたは小説の途中でその人物が現れるたびに…

  • もう11月やんけ。今日は休みで本を整理したり洗濯したり掃除機かけたり昼寝して夜まで寝たりしていた。穏やかな一日だった。年中こう穏やかだといいけど人波に揉まれているとそうもいかない。ひとりでいると落ち着くのは結局こういう平穏を独り占めできるからそれが嬉しいんだな。ひとり以上になるとこのようにはいかない。孤独は贅沢品で、僕は独占して、誰にもこの平穏を分け与えたくなどないと思うわけですね、吝嗇家だね。なんでもシェアの時代ですよ。孤独もシェアしていかないとね。続きはウェブでね。ってここがウェブじゃい。ちゃんちゃん。 去年の誕生日には一泊二日で旅行に行っていた。塾やめてからなんもしないまま一年近くアパー…

  • 秋晴れ。帰りに見た雲の流れが早かった。いろいろな形の雲がどんどん流れていく。ひとつに目を止めて連想ゲームをする。砂時計が、火にくべられて燃え踊る人影、メビウスの輪、ドラゴンが絡みついた剣のキーホルダーと変化する。あれはなにかを手繰り寄せる手、なにかを乞う手、柔らかいさざなみ、山の峰。リスカ痕、ハンバーグの焦げ目、飛んでいく無数の戦闘機。どうして紙に広がるインクの染みに、インクの染み以上のなにかを連想するんだろうな。カギ十字はただのカギ十字。座っている女の子はただの座っている女の子。女の乳房はただの女の乳房。それ以上でもそれ以下でもないのに。でもそうはいかないらしい。シンボル。アイコン。記号。言…

  • 奉納

    「居場所」と銘打たれた居場所に居場所をみいだせた試しがない。 中島義道がどっかの本で長々書いてた。ずっと親の手足みたいに生きてきて自分の感情の所在をなくした。自分の手元に自分の感情を取り戻すために片端から怒りを表現した。どんな些細なことでも。ヒステリーの様相で演技過剰に。それで怒りと、怒り方と、自尊心を取り戻した。そんな感じの話。それを昔に読んだ。 怒っている人を見るととてもどきどきする。心臓が早鐘を打つ。全身が震える。みぞおちが縮こまる。喉が固くなる。涙が分泌される。自分自身が怒っているときにはそんな風にはならないのに。 怒っている人を見ると萎縮する。萎縮するのが嫌だから怒っている人を避けよ…

  • おやすみなさい

    帰りの電車の窓から見た空はねずみ色だった。少し黄みがかって重い空気。湿気を含んでいて暗い。こういう天気のことをすごく好きだ。嫌いな天気というものがないから取り分けて一番というわけではないけどすごくいい。 電車から降りたら窓から見ていたのと反対側の空が夕焼けで桃色になっていた。ぬるい赤が暗い雲から染み出して大気の半分が暖まっているようだ。ねぇねぇ見て、すごく綺麗だよ。プラットホームを歩く人々に声をかけてまわりたくなった。人々は、まっすぐ前を向いて、スマホを覗き込みながら、連れ合いと喋りながら、階段へ向かい、黄色い線の内側へ向かう。なんだよ。僕は、そうだな、よそ見をしながら歩くは危ないからね、と思…

  • 辟易の途中ですがここで上半期ツイッター上で観測した至極のオモシロ・ツイートを査収していただきます。 pic.twitter.com/8r5OMrTm9Q — 川崎 (@_rotaren_) January 8, 2019 千葉県船橋市の習志野牧場で今年もタワシが放牧がはじまりました。関係者によると今年のタワシも発育が良く、元気に走り回っているということです。普段は見ることができませんが、日曜日に特別に一般に公開されるということです。#空挺降下訓練始め #習志野 pic.twitter.com/tYg7t7F54v — いわん (@iwan0730) January 10, 2019 「俺がマク…

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