土蜘蛛蜘蛛の糸は天井からのものであるがまったく見えなかった。毒雲が一匹まっすぐ机の上の今開いているノートに落ちてきたがまったくわたしを気にすることもなくい...
文学小説 創作の部屋 小説と詩を書いています。 元大阪文学学校 チューター 参加同人誌は、詩的現代 時刻表 メランジュ
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土蜘蛛蜘蛛の糸は天井からのものであるがまったく見えなかった。毒雲が一匹まっすぐ机の上の今開いているノートに落ちてきたがまったくわたしを気にすることもなくい...
エズラ・パウンド (勉強会レジュメ)二十世紀のオデッセイア マイケル・レック著 を読む。 その人生は1885年10月30日にアメリカ合衆国西部のアイダホ州...
青銅の魔人 「モリヤだ。みなさい。次代の王はこの谷を石と土で埋め、ここからあそこまで丘と丘の間をならして道をつけダビデの町に主が住めるようにするのだ」彼(...
推論カフカの審判の世界 日本語に翻訳されたカフカの「審判」は原文のドイツ語のタイトルでは「Der Process」で「訴訟」を意味するが「手順」「手続」「...
フランツ・カフカの『城』を測量士Kが主人公の小説として読むと不可解でおもしろいが、作家カフカの本業である保険調査士が書いた読物として読むと小説の味わいが随...
ヘルベルト詩集を読む 翻訳は詩であるとはすでに言われていることであるが、付け加えるなら詩の翻訳は詩人にしかできないともいえる。この二つの意味ではヘルベル...
水源 高木敏克昔の林田区池田村惣谷は谷であるかぎり川はながれていて川海老や冬菇の類が川底の砂にはりついていて水は豚飼...
水脈調査員 風鈴が光を砕いて風を通している午後調査員に追われて帰ったわたしは縁側で死んだふりをして眠ることにした タイミングを計る調査員は吃音うちわがはた...
月も震える夜 人通りのない坂道を僕はゆっくりと登っていった。暗闇の中から家々の窓を見上げると、光に閉じ込められた幸福な家庭の姿があちこちに浮かんでいて何...
水脈 夜の坂道には様々な影法師が張り付いていた。だが、ぼくが近づくとそれは起き上がって歩き出すのだった。坂道はうねっていて、何度も何度も起き上がる影法師...
世界の構造 自転車乗りに振り落とされた間抜けな影法師がとぼとぼと歩いてぼくに近付いてきた。ぼくが気味悪がって足を竦ませている隙にそいつは何とも悔しそうな...
トンネルの門番 過去を売ったら楽になるはずの心が、過去の中にどんどんと落ちて行く。これはどうしてだろう。過去を売ってからと言うもの、逆に過去が生きてくる...
波止場から 海辺の喫茶店でぼくは人を待つような顔をして読み掛けの文庫本を三十分読んだ。それから空き地に置いてきた車のところに一旦戻った。空き地には夕日が...
風の曲がり角 道の両側は煉瓦塀の壁が高く長く続いていた。煉瓦色に挟まれた青空は限りなく遠くまで輝いていた。そのあっけらかんとした明るさにも関わらず、そこ...
銀の海 ドアの外には誰もいなかった。風のいたずらなのか、猫のいたずらなのか分からなかった。あるいは、誰かが覗いていたのかもしれなかった。いずれにせよ逃...
臨海列車 あんなに静かな海岸を列車が走るなんて想像できるだろうか?実際この目で見た後でもそれが現実だとは思えない。まるで記憶さえも空想のように思えてくる...
西部黄土地帯 岬のある峰は半島に延び、半島の西側には小さな丘が小島のように点在していた。それが西部黄土地帯だ。ぼくはこの乾燥した大地から蛇のように生まれ...
卒業単位 年末になると、いろんなことを思いだす。龍にとってもそれは同じで、思い出は悪夢になって蘇る。どうしても受講を忘れてしまう卒業単位が夢に残る。龍はそ...
地質調査員 風鈴が光を砕いて風を通している午後地質調査員に追われて帰ったわたしは縁側で死んだふりをして眠ることにした タイミングを計る調査員は吃音うちわが...
幽霊作家 その日曜日、朝から僕の膝が痛んでいた。半月板の当たりの軟骨がすり減っているのだと思った。それは単なる想像かもしれないが、練習しすぎると軟骨が擦...
『白痴』の登場人物 レフ・ニコラエヴィチ・ムイシュキン (ムイシュキン公爵)主人公。ムイシュキン家の末裔。ブロンドで真っ白な顎ひげをはやしている。てんかん...
ドストエフスキイ「地下室の手記」第二幕「ぼた雪にちなんで」 「地下室の手記」は大きく二部に分かれていて第一部「地下室」第二部「ぼた雪にちなんで」となってい...
ドストエフスキイの「地下室のネズミとAIの関係」 ドストエフスキイにおいては勧善懲悪の考えは完全に消えている。性善説を唱える人は果たして善人なのか、性悪説...
「地下生活者の手記」を読む。「永遠の夫」は1870年に「悪霊」とともに起稿されているが(レーニンが生まれた年)、処女作「貧しき人々」(1846年作)「死...
埴谷雄高のドストエフスキイ 詩人にして小説家である埴谷雄高は私の師匠ともいえる航空母艦のような存在です。彼は「ドストエフスキイと私」という論文の最後に次の...
「貧しき人々」を読むとドストエフスキーが蘇りつつあるような現代が読めてきます。人はみずからすすんで貧乏になろうとしているのだろうかと思えてくる。貧困を熟知...
ドストエフスキーの「永遠の夫」新潮文庫〇千種堅訳を読む。わたしの解釈はこれまでの一般的な解釈と異なります。この小説を既読のかたも未読の方もこういう解釈はさ...
観音山である。朝からここで本を読んでいた。鶯の鳴き声とギターの音色しかない。iPhoneの電池も切れたのでまばらな桜の木を仰ぎながら池田小学校の裏門に降り...
神戸の湊川というのは川ではあるが歴史を語る名前でもあり、風が吹くと様々な合戦の物語が琵琶の音と共に聞こえてくる空耳の川。今はもう歴史上の川は埋められて新開...
六甲 耳鳴りのする高度でヒルクライマーたちが蝶々を追っている雷雲が追ってくる山肌を包むように 包囲しようとして包囲されていたのだたしかに山は鳴っている 解...
建物の一階は大きな駐車場になっていた。だが車は見あたらず、灰色の空洞が何処までも続いているように見えた。我々はすっかり影に包まれている気分になった。ひんや...
灰色の海からは無数の光の針が首を出し、何かの恨みでもはらすかのように踊り回っていた。雲が空を覆っていた。風の中で耳は鳴り続けていた。光は風に吹き飛ばされ...
東淡路島の由良港から南淡路の吹き上げ浜に抜ける猿ガ峡には猿が出るそうだ。吹き上げ浜には絶えず潮が吹き上げて、慣れないドライバーには危険だといわれていた。あ...
メイカップをする君は、実は世界を塗り替えようとしている。鏡の中を明るいパステルで塗っているのは、真っ暗な瞳孔の中から世界を塗り尽くそうとするもう一人の君だ...
暗室の天窓から見える風景 ゆるやかな風は海岸線を白く消しさるように吹いた。カラフルなロードレーサーの一列が消えかけた海岸線を引きなおすように走...
薄暮が迫ってくると遠くに光が点り始める。小さな光が命の在りか示すのだが、岬の闇がまっすぐ伸びて島につながっていた。見るかぎり先端は島なのか岬なのかわからな...
ライダー 高橋は蛇の木峠のトンネルを出たところで右目の端に黒い石積みのダムを見つけたところで目が眩み、ハンドルを切り損ねて車体をバウンドさせて横転し、バイ...
闇族 ドライブウェイを登ってくる時には確かに見えていたのに、下るときには見えなくなる石積みのダムがある。その昔、そこには山間の部族がひっそりと暮らしていた...
恐るべき子供たちは恐るべき詩人たちでもある。子供たちの純粋を象徴するかのある雪の日、死の国からの合図が白い雪球となって、ポールの胸元に届けられる。それを投...
随分と連絡が遅くなりましたが、半どんの会文化賞を受賞いたしました。これを機会に更なる努力を積み重ね、生涯の仕事を完成させます。みなさまありがとうございます。