chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
小さじ一杯の魔法
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2018/04/23

arrow_drop_down
  • 前進、もしくは後退に値するもの・2

    そうして、春が来た現在も私たちは距離を置きながら形式上は付き合っていたけれど翔に携帯電話へ電話してもメールを送っても返事が返ってくることは一切なかった好きな子と逢っているのかもそう考えると無性に泣けてきて私は距離を置くとうことは二人の仲を修復するためのものなんかではなく別れの準備をする期間だと実感していたそう考えるとおり返事のないメールや電話が繰り返されるとそれが当たり前のようにすら感じ段々と泣くことがなくなったがそれは翔に対する愛情が薄れたためだとは思いたくなかった私たちの間にはまだ細く細い糸が張り詰められていてまだ切れてなどなくどこかで繋がっているからやがて、桜が満開になり私はひとりで近所の桜並木を歩きながら翔と出会った日のことを思い出す私たちの出会いは今でも不思議でならないその頃、別々の恋人がいて夏の花火...前進、もしくは後退に値するもの・2

  • 前進、もしくは後退に値するもの・1

    「亜美は弱いな」そう翔によく言われた今までの恋人たちには「どこか冷めているよね」とか「ひとりでも生きていけそうだよね」そう言われてきたけれどそれは本来の私ではなかったのかもしれない翔の前ではまるで子どものように涙したり、大声で笑ったり嫌なことには嫌だとはっきり言うことが出来たともかく、翔は私が泣くたびに大きくてごつごつとした右手で私を抱き寄せもう片方の左手で髪の毛を撫でられる度に私たちは深く愛し合っているという実感で満たされていた3週間振りに逢った日の終盤に車を河川敷の駐車場に停めて真冬の澄んだ空の下星を眺めていると「星が綺麗だね」そう言うのと同じくらいの口調で「俺たち、別れないか?」そう言われた時には一瞬意味が解らなかった少し間が空き、彼がもう一度ゆっくりと「ごめん、好きな子が出来たんだ」そう告げられた時に私...前進、もしくは後退に値するもの・1

  • 靴底

    ―これで逢うのは最後にしよう。今回こそ、そう告げようと考えながら健太に会うのはこれで何度目だろうか。1度や2度目どころではない。半年ほど前から何度も何度も同じことを考えたけれど―健太に遊ぼうって誘われたら会いたいし仕方ないよね。という結論に至るのだ。健太とは付き合っているわけではなく彼に言わせれば私は趣味も好みも合う最高に気の合う友だちで私に言わせれば彼は友だちじゃ物足りなく恋人として寄り添っていきたい存在なのに友情か愛情か述べようにも述べられないそんな関係を18歳からかれこれ5年は続けていた。「香奈子は最高の友だちだ」初めてそう言われた時は純粋に嬉しかったけどこの5年の間には彼には恋人が2人いた。その間に私は3度は告白しているにも関わらず靴底についてしまったガムの様に頑固で「YES」と言われたことはなくその時...靴底

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、小さじ一杯の魔法さんをフォローしませんか?

ハンドル名
小さじ一杯の魔法さん
ブログタイトル
小さじ一杯の魔法
フォロー
小さじ一杯の魔法

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用