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風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に https://blog.goo.ne.jp/tonodera0916

短歌や俳句の鑑賞を楽しみ、歴史上のエピソード等を楽しみます。 比べて面白い 比べて響き合う 比べて

風天道人の詩歌、歴史を酒の肴に
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2018/02/17

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  • あはせつる 西行(比歌句 50 左)

    あはせつる木居(こゐ)のはし鷹すばえかし犬飼人(いぬかいびと)の声しきりなり西行(さいぎょう)この歌を現代語に訳してみました。獲物に向かって放った止まり木のはし鷹よ、素早やく獲物を捕らえよ。捕えた獲物を追う犬の飼育係りの声がしきりに聞こえて来る。<鷹狩というと鷹匠が腕に鷹を乗せ、獲物を見つけると鷹匠が腕を前に滑らせる。すると、鷹が獲物目掛けて飛び立つ。>というイメージを持っていたが、古い時代は、(多分)鷹は止まり木に乗せられていたのだと、この歌を読んで思いました。但し、西行は鷹狩りを見てはいない。犬飼人の声が聞こえただけだ。犬飼人の声を聞こえてきて、出家前の鷹狩りの状況が鮮明に蘇ってきた。そういう歌だと思います。正統な解釈は以下のブログでどうぞ。山家集の研究http://sanka11.sakura.ne.jp...あはせつる西行(比歌句50左)

  • 久方の 正岡子規(比歌句 50 右)

    久方のアメリカ人のはじめにしベースボールは見れど飽かぬかも正岡子規(まさおかしき)俳句や短歌を詠む人は、なかなかスポーツを貶せない。それは、子規が野球が大好きだったからだ。虚子や碧梧桐も子規の勧めで野球をやったことがあるようだ。“久方の”天や空に掛かる枕言葉だが、アメリカに掛ける自由奔放さ。だけれども、船でしか海を渡れなかった時代、確かにアメリカは久方にある国だった。それにしても、子規の愛した野球は将に草野球だった。ベースボールの歌から打ち揚ぐるボールは高く雲に入りて又落ち来きたる人の手の中にいやあ、外野フライですね。しかし、のどかに楽しんでいる打者、外野手、そして歌人。どの本に書いてあったのか失念していて申し訳ないのだが、「野球」という言葉も子規の考案らしい。しかも、“野”と“球(ボール”を合わせてノボール・...久方の正岡子規(比歌句50右)

  • 大いなる 高浜虚子(比歌句 49 左)

    大いなるものが過ぎ行く野分かな高浜虚子(たかはまきょし)暴風に晒されたが、どうやら台風は過ぎ去るところだ。ひっきりなしに荒れ狂っていた風の音が、時折聞こえて来る程度になった。そんな状況の中で、虚子は台風を巨大な生命体のように感じ、畏怖している。<吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ>は、嵐が治まった後の挨拶だが、虚子は自分の安堵感を句にしたのだと思う。大いなる高浜虚子(比歌句49左)

  • 吹くからに 文屋康秀(比歌句 49 右)

    吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ文屋康秀(ふんやのやすひで)山から強い風が吹いてくると秋の草木は萎れてしまいますね、だから、その山風のことを嵐と書くんですね。そして、野原も荒らされてしまうわけですよ。この歌は漢字を嵐という文字の成り立ちを、今更ながら面白可笑しく歌っている。この歌の真意は何なのか?<昨夜の嵐は凄かったですが、皆さんご無事で良かったですね。>という挨拶の歌ではないだろうか。嵐が去った後で聞くと、心を和ませる不思議な魅力を持った歌です。本日の台風13号は、上陸せずに関東の海岸線を舐めるように進んでる。これからまだ、大雨の心配はあるのかもしれないが、嵐が吹き荒れた地方の皆様への挨拶代わりです。吹くからに文屋康秀(比歌句49右)

  • 短夜や 竹下しづの女(比歌句 48 左)

    短夜や乳(ち)ぜり泣く児を須可捨焉乎(すてつちまをか)竹下しづの女(たけしたしづのじょ)この句を読んだ時、勇気をもって子育ての大変な思いを詠ったのだと思った。だけれども、<須可捨焉乎>と表記したのは何故だろう?まあ、この句のポイントはそこだと思った。心には浮かんだけれど、面と向かって人には言いにくいことだからなのだろうか。でも、<すてつちまをか>は、下卑た(投げやりな表現の)俗語だ。待てよ。しづの女に、暗号めいた<須可捨焉乎>の文字が浮かんできて、それを解き明かしたら、<すてつちまをか>だったのではないだろうか。この<すてつちまをか>は確かに下品だが、限りなく大らかで明るい響きがある。育児ノイローゼ(今は言い方が違うのかもしれないが。)を吹き飛ばすような明るさだ。この<すてつちまをか>は、子育てに疲れた人の気持...短夜や竹下しづの女(比歌句48左)

  • おうた子に 斯波園女(比歌句 48 右)

    おうた子に髪なぶらるゝ暑さ哉斯波園女(しばそのめ)いやあ、今年の夏は暑い。日本の夏、金鳥の夏なんて言っている余裕はない。私事だが、私の職場にはエアコンがない(隣室にはあるので、まるっきりの劣悪状況とは言えないのだろうが)。小さな扇風機が一台。毎日、大量の汗を掻きどうしだ。それもあって、比歌句46で定家の<行きなやむ牛のあゆみにたつ塵の風さへあつき夏の小車>を挙げた。しかし、子育てしているお母さんは、もっと大変なんだろうなと思う。掲句は「おんぶしている子に髷をいじられてより一層の暑さを感じる」ということだ。推測すれば、この子は生後五か月以上十二か月ほどの児ではないかと思う。理由は、赤んぼの目が見えるようになるのが生後三か月からだが、積極的に物をいじくりだす月齢がそのころからではなかろうかと考えたからだ。そして、一...おうた子に斯波園女(比歌句48右)

  • ゆるやかに 桂信子(比歌句 47 左)

    ゆるやかに着てひとと逢ふ螢の夜桂信子(かつらのぶこ)和服を緩やかに着なおしました。だって、これからあの人と一緒に蛍狩りに行くんですもの。おおらかに散文に直せば、こうなると思った。で、まあ、投稿しようと思ったのだが、何かが引っかかる。その何かが分からなかった。夕顔や女子(をなご)の肌の見ゆる時と並べて面白いので、それで良いと思った。でも、気になる。何だろう?そう思った。千代女は、明るく色っぽい。信子の句は、色っぽさに気品がある。今日、昼寝をしていたら、急に何が分からないのかに気づいた。そうだ。着物を緩やかに着こなしている女性を知らないからだ。目にする着物を上げてみる。花嫁衣裳、結婚式に招かれた女性の着物姿(ここ20年ほどめっきりと減ったが。)、成人式に向かう乙女(まるで、昔のキャバレーのホステスさんような化粧だ。...ゆるやかに桂信子(比歌句47左)

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