新天地アメリカにおける初期ピューリタニズムのグロテスクさ。/ホーンソン著『緋文字』(小川高義訳)
ホーンソン著『緋文字』(小川高義訳/光文社古典新訳文庫) ざっくりとした内容 *17世紀ボストン。三カ月の赤ん坊を胸に抱いた一人の美しい女性が、刑台の上で衆人環視の場に立たされた。彼女の名はヘスター・プリン。不倫をしたうえに不義の子をなした罪で監獄に入れられた彼女は、決して子供の父親の名を明かそうとしない。彼女の胸にあったのは、上質な赤い布を素材にして、絢爛たる金糸の縫い取りを施した「A」の文字だ。この緋文字が胸にある限り、彼女は通常の人間関係の外に置かれることになっていた。 *さらし者にされたヘスター・プリンを遠くから見ていた二人の男がいた。一人は若き教区牧師であるアーサー・ディムズデール。…
忘れたい過去も苦い思い出も、自分自身の一部として存在している。/村上春樹著『ノルウェイの森』(下巻)
村上春樹著『ノルウェイの森』(下巻)(講談社文庫) ざっくりとした内容 *直子の療養所から帰ってきた「僕」は、現実世界に戻って来れない不思議な感覚を覚えていた。そんな「僕」を現実世界に引き戻してくれたのは緑だった。ある日曜日、緑に誘われて「僕」は入院中の緑の父親の元へ訪れることとなる。ぐったりとベッドに横たわり口も満足にきけない緑の父親はもう長くないようだった。そんな父親と「僕」は一時心を通わせる。 *「僕」の寮に住む先輩、永沢は外務省に難なく合格する。東大に入ることも女の子を引っかけて寝ることも彼にとってはただのゲームにしか過ぎない。ある日、永沢の就職祝いという名目で「僕」は食事会に誘われる…
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