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  • 読んでいる人は少ない。でも多くの人に読んでもらいたい名作。/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(12)』『チボー家の人々(13)』

    読んでいる人は少ない。でも多くの人に読んでもらいたい名作。/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(12)』『チボー家の人々(13)』

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(12)エピローグⅠ』『チボー家の人々(13)エピローグⅡ』(山内義雄訳) 『チボー家の人々』第12巻と第13巻「エピローグ」は、第一次世界大戦終結を目前とした1918年5月から始まる。「イペリット・ガス」という名の毒ガスにやられたアントワーヌは南フランスの療養所で過ごしているが、発声障害や呼吸障害が出て容体が思わしくない。そこへ、彼とジャックの育ての親「ヴェーズおばさん」が亡くなったという知らせがくる。葬式に出るため、アントワーヌは久々にパリに向かうのである。 12.エピローグⅠ 13.エピローグⅡ『チボー家の人々』第12巻と第13巻の内容をま…

  • 「死が身の回りから遠ざかっている今だからこそ、この本を読んでもらいたい。」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(11)一九一四年夏Ⅳ』

    「死が身の回りから遠ざかっている今だからこそ、この本を読んでもらいたい。」 ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(11)一九一四年夏Ⅳ』

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(11)一九一四年夏Ⅳ』(山内義雄訳) 「一九一四年夏」の最終巻だ。なぜ戦争は起こるのか、なぜあらゆる反戦勢力は敗れたのか。初めは戦争反対だった大多数の国民が、「自分の国は自分で守れ!」と、ナショナリズムの嵐が巻きこまれていったのはなぜなのか。この本を読めば当時の疑似体験ができる。一度ドミノが倒れてしまったら、あとは引き返せないのだ。 11. 一九一四年夏Ⅳ『チボー家の人々』第11巻のあらすじを紹介する。 1914年8月1日。フランスでついに総動員令が発動された。8月2日日曜日をもって動員発令第1日目とする。外国人は8月2日までにフランスを退去し…

  • 「普通の人々が、どのように戦争に引き込まれていったのか。そのリアルさに震える」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(10)一九一四年夏Ⅲ』

    「普通の人々が、どのように戦争に引き込まれていったのか。そのリアルさに震える」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(10)一九一四年夏Ⅲ』

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(10)一九一四年夏Ⅲ』(山内義雄訳) フランス国民の大多数は戦争反対だった。誰しも戦場で殺し合いなんてしたくなかった。ところがいつの間にかずるずると戦争に引き込まれ、「領土保全のためなら仕方ない」または「正当防衛のためなら仕方がない」と考えるようになる。最後の砦だったインターナショナルの闘士たちも次々と寝返っていく。 普通の人々はこのように戦争に巻き込まれていくのかと、読者自らが追体験できる。正直言って怖い。 10. 一九一四年夏Ⅲ『チボー家の人々』第10巻のあらすじを紹介する。 ジャックはメネストレルの指令でベルリンに向かっていた。オーストリ…

  • 「第一次世界大戦はどうしても避けられなかったのか?」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(9)一九一四年夏Ⅱ』

    「第一次世界大戦はどうしても避けられなかったのか?」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(9)一九一四年夏Ⅱ』

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(9)一九一四年夏Ⅱ』(山内義雄訳) この本を読むと、どうしてもこう問いかけずにはいられない。第一次世界大戦はどうしても避けられなかったのだろうか。避けられたとすれば、どのような手立てがあったのだろうか。『チボー家の人々』は常に民衆目線で当時の様子が書かれている。彼らは「戦争なんて起きるわけないじゃないか」とかなり楽観的だった。戦争なんて他人事だった。おまけにフランス人の多くは戦争を望んでいなかった。 そんな彼らがいつの間にか戦争に巻き込まれてしまう。巻き込まれてしまったら出られない。「戦うのは国民の義務だ」と気持ちを切り替えるしかない。戦争を望…

  • 「なぜ第一次世界大戦は起きたのか。当時のヨーロッパの雰囲気がわかるノーベル賞受賞作品」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(8)一九一四年夏Ⅰ』

    「なぜ第一次世界大戦は起きたのか。当時のヨーロッパの雰囲気がわかるノーベル賞受賞作品」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(8)一九一四年夏Ⅰ』

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(8)一九一四年夏Ⅰ』(山内義雄訳) 『チボー家の人々』の「一九一四年夏」シリーズは、1937年にノーベル文学賞が与えられた作品だ。これを読むと、民衆目線でとらえた第一次世界大戦前前夜の雰囲気がわかる。「オーストリアとセルビア?勝手に喧嘩してろ」と、まるで他人事のようにのんびり構えていた一般市民がとても多かったことがわかる。そして気が付いたときには、自分たちが巻き込まれているのだ。 1914年6月28日サラエボで、オーストリア次期皇帝フランツ・フェルディナントがセルビア人青年に暗殺された事件。この事件がなぜ、どのようにして人類史上初の世界大戦へと…

  • 「死ぬのはこんなにも大変なことなのか?」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(7)ー父の死ー』

    「死ぬのはこんなにも大変なことなのか?」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(7)ー父の死ー』

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(7)ー父の死ー』(山内義雄訳) 人は誰でも死ぬ。死ぬときは安らかに眠るように死んでいきたいものだが、思い通りにいくとは限らない。チボー氏の最期は苦痛に満ちた地獄絵そのものとなってしまう。周囲の人間は「はやく終わって!」と祈るばかりだ。これは本音だろう。ところが人はなかなか死ねないのだ。 7.父の死『チボー家の人々』第7巻のあらすじを紹介する。チボー氏は尿毒症の発作に襲われ、耐えがたい激痛に七転八倒する。ヴェカール司祭は死の恐怖を和らげようと穏やかに話をするが、チボー氏の頭の中は「生きていたい!」という思いしかない。利己主義と虚栄心の中に生きてい…

  • 「人は、すべての過去に結びつけられている。」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(6)ーラ・ソレリーナー』(山内義雄訳)

    「人は、すべての過去に結びつけられている。」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(6)ーラ・ソレリーナー』(山内義雄訳)

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(6)ーラ・ソレリーナー』(山内義雄訳) 行方不明のジャックは、「ラ・ソレリーナ」(イタリア語で「妹」)という小説を変名で雑誌に発表していた。その雑誌からアントワーヌはジャックがスイスのローザンヌにいることをつきとめる。ジャックが行方不明になってからすでに3年の月日がたっていた。アントワーヌ32歳、ジャック23歳だ。 6.ラ・ソレリーナ『チボー家の人々』第6巻のあらすじを紹介する。チボー家の大黒柱チボー氏は、癌のために激痛に苦しめられ、次第に気弱になっていく。権力と名誉と金を手に入れ傲慢だった以前の面影はなく、今では家政婦のおばさんに、子供のよう…

  • 「人間の行動や意思決定で、自ら選び取っているものは案外少ない」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(5)ー診察ー』(山内義雄訳)

    「人間の行動や意思決定で、自ら選び取っているものは案外少ない」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(5)ー診察ー』(山内義雄訳)

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(5)ー診察ー』(山内義雄訳) 時は1913年。第4巻から3年の月日がたった。 32歳になったアントワーヌは医師として充実した日々を過ごしていた。第5巻はそんなアントワーヌのある一日を描写したものとなっている。アントワーヌの自宅兼診療所には、診察を求めて次々と患者が訪れる。この巻に弟のジャックは登場しない。彼は難関エコル・ノルマルに優秀な成績で合格したにもかかわらず、学校には行かず、そのまま行方不明となってしまった。なぜ再び家出をしてしまったのか。その理由はまだ明らかにされていない。 5.診察『チボー家の人々』第5巻のあらすじを紹介する。上記のと…

  • 「暴力で女を支配する男と、ダメ男ぶりで女を支配する男」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(4)ー美しい季節Ⅱー』(山内義雄訳)

    「暴力で女を支配する男と、ダメ男ぶりで女を支配する男」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(4)ー美しい季節Ⅱー』(山内義雄訳)

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(4)ー美しい季節Ⅱー』(山内義雄訳) 4.美しい季節Ⅱ『チボー家の人々』第4巻のあらすじを紹介する。チボー家の長男アントワーヌは29歳。彼は、父親の秘書シャール氏の娘(血縁関係はないが)に人生初の大手術を施し、命を救うことができた。たまたまアントワーヌの手術の助手を務めたことがラシェルはユダヤ系の美女で26歳だ。この手術が縁で、ふたりは恋に落ちる。ラシェルは、アントワーヌが今まで見たことのない世界に住む女性だった。 ラシェルの半生はかなり特殊だ。彼女には実際のモデルがいるのだろうか?彼女は天涯孤独といっていい身の上だ。オペラ座で衣装係をしていた…

  • 「恋はそれぞれ、その当事者に似る」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(3)ー美しい季節Ⅰー』

    「恋はそれぞれ、その当事者に似る」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(3)ー美しい季節Ⅰー』

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(3)ー美しい季節Ⅰー』 「恋はそれぞれ、その当事者に似る」は、巻末の店村新次氏の解説による。ジャックとアントワーヌがふたり暮らしをするようになってから5年がたった。ジャック20歳、アントワーヌ29歳。「ふたり暮らし」といっても、どうやらふたりは父親と同じ建物に住んでいるらしいのだ。チボー氏は上の階、ジャックとアントワーヌは下の階だ。チボー氏は地元の名士で金持ちなので、ものすごい豪邸に住んでいるのかと思いきや・・・いや、パリに住んでいること自体がすでに金持ちの証しなのかもしれない。 3.美しい季節Ⅰ『チボー家の人々』第3巻のあらすじを紹介する。少…

  • 「ハラハラドキドキの展開。少年園の<特別室>に入れられたジャックに何が起こったのか?」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(2)ー少年園ー』(山内義雄訳)

    「ハラハラドキドキの展開。少年園の<特別室>に入れられたジャックに何が起こったのか?」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(2)ー少年園ー』(山内義雄訳)

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(2)ー少年園ー』(山内義雄訳) 第2巻はまるでサスペンスだ。感化院の<特別室>に入れられたジャックの様子がおかしい。いったい何が起こっているのか?兄のアントワーヌは感化院にジャックの様子を探りに行くシーンは、ハラハラドキドキさせられる。施設は清潔だし、園長は愛想がよくて親切だ。ジャックの体にも虐待のあとは見られない。しかし、園長のことばの端々ににじみ出る施設の様子や、ジャックの不自然な受け答えから、徐々に施設の実態が明らかになってくる。「アントワーヌよ、頼むから気付いてくれ!ジャックをここから早く救ってやってくれ!」と祈る気持ちにさせられる。ま…

  • 「『大人たちの束縛から逃げ出せ!やつらに何がわかる!』 二人の少年の家出事件から物語は始まる」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(1)ー灰色のノートー』(山内義雄訳)

    「『大人たちの束縛から逃げ出せ!やつらに何がわかる!』 二人の少年の家出事件から物語は始まる」/ロジェ・マルタン・デュ・ガール著 『チボー家の人々(1)ー灰色のノートー』(山内義雄訳)

    ロジェ・マルタン・デュ・ガール著『チボー家の人々(1)ー灰色のノートー』(山内義雄訳/白水Uブックス) 面白い。面白すぎて止まらない。この本はチボー家の次男、ジャック・チボーをめぐる群像劇だ。しかしほとんどの本屋には置いていないので、日本ではほとんど読まれていないのではないだろうか。そこで、1冊ごとにあらすじを記すことにした。「こんな話だったのか」と少しでも興味を持ってもらえるとうれしい。 1.灰色のノート 『チボー家の人々』は、カトリック系の中学校に通うジャック(14歳)とダニエル(14歳)の家出事件から始まる。ふたりの家出の二日前、ビノ神父はジャックの机から「灰色のノート」を発見した。この…

  • ソポクレス著『オイディプス王』(藤沢令夫訳/岩波文庫)

    ソポクレス著『オイディプス王』(藤沢令夫訳/岩波文庫)

    ソポクレス著『オイディプス王』(藤沢令夫訳/岩波文庫) 「青木の世界史B実況中継」に感化されて読んだ本だ。「実況中継」の表記では「ソフォクレス」になっている。脚本形式だが、非常に読みやすかった。描写が生々しくてグロテスクで迫力がある。 テバイの王ライオスは「やがて生まれてくる自分の子供に、殺されるだろう」というお告げを受ける。これを恐れたライオスは、妃イスカオテとの間に一子が生まれると、羊飼いをしていた下僕にこの子を手渡し、山奥で葬り去るように命じる。しかし、この子を哀れに思った下僕は、コリントスで同じく羊飼いをしていた男にこの子を手渡す。羊飼いが「自分の故郷の、遠い他国へ連れ去る」ことを願っ…

  • ダーウィン著『種の起源』(上・下)(渡辺政隆訳/光文社古典新訳文庫)

    ダーウィン著『種の起源』(上・下)(渡辺政隆訳/光文社古典新訳文庫)

    ダーウィン著『種の起源』(上・下)(渡辺政隆訳/光文社古典新訳文庫) 「人間の祖先は猿だった。猿が進化して人間になったのだ」という説をぶち上げて、世界中の人たちから非難された人。それがダーウィンのイメージだった。 ところが『種の起源』には、そんな記述はこれっぽっちも出てこない。進化論に賛成だの反対だの言っている人たちの中で『種の起源』を読んだ人はどれだけいるのだろう。 ダーウィンがさまざまな観察と考察から導き出した仮説は面白い。すべての動物と植物は、ある一種類の原型に由来しているというのだ。 「動物はせいぜい四種類か五種類の祖先に由来しており、植物はそれと同じかそれよりも少ない数の祖先に由来し…

  • ショーペンハウアー著『読書について』(鈴木芳子訳/光文社古典新訳文庫)

    ショーペンハウアー著『読書について』(鈴木芳子訳/光文社古典新訳文庫)

    ショーペンハウアー著『読書について』(鈴木芳子訳/光文社古典新訳文庫) この本にはガツンとくる、あまりにも有名な部分がある。 読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。他人の心の運びをなぞっているだけだ。(P138-139) こう言われるとぐうの音もでない。まさしくその通りだ。本をたくさん読めば、自分が賢くなったような気になる。しかし、本は、読めば読むほど馬鹿になるともいえる。自分の頭で考えることを忘れてしまい、他人の意見を自分で考えたことのように錯覚してしまうことがあるからだ。では、どうすればいいのか。ショーペンハウアーは思想体系を身につけることの重要性を強調する…

  • 井筒俊彦『イスラーム文化ーその根底にあるものー』(岩波文庫)

    井筒俊彦『イスラーム文化ーその根底にあるものー』(岩波文庫)

    井筒俊彦「イスラーム文化ーその根底にあるものー」(岩波文庫) 井筒先生の解説は本当にわかりやすい。イスラームについて知りたかったら、この本は超おすすめだ。イスラーム教はキリスト教徒よく似ているといわれる。しかしこの本を読んで強く感じたのは、このふたつ、実は全く性格の異なる宗教ではないだろうかということだ。 1.「悪はどこから来るのか?」をやはりイスラームも考えていた。イスラーム教では、キリスト教のように人間を神の子などと考えることはしない。神と人間の関係は「主人と奴隷」の関係だという。何をされようが、ただひたすら神の思いのまま。人間が主体的に努力して救済に至ろうという考えは成立しない。イスラー…

  • 作者未詳『虫めづる姫君 堤中納言物語』(蜂飼耳訳/光文社古典新訳文庫)

    作者未詳『虫めづる姫君 堤中納言物語』(蜂飼耳訳/光文社古典新訳文庫)

    作者未詳『虫めづる姫君 堤中納言物語』(蜂飼耳訳/光文社古典新訳文庫) 平安貴族はいかにもヒマそうだ。書物もなかなか手に入らない時代だ。いったい何をして暮らしているのか?ところが、いかにもヒマそうな平安貴族の物語はとても面白かった。 「堤中納言物語」は十編の物語と一編の断章からなる物語集だ。表題の「虫めづる姫君」は特に印象的な作品だ。主人公は化粧っ気のまったくない風変わりなお姫様。着物の着方も変。眉毛は手入れをしていないからぼうぼうに生えている。お歯黒はしていないから歯は真っ白。虫が大好きで、特に毛虫がお気に入り。色気のないお姫様に大輔という侍女がいろいろ文句を言うと、お姫様はぴしゃりと言う。…

  • 書物と真剣に格闘するということ。/アウグスティヌス著『告白Ⅲ』(山田晶訳/中公文庫)

    書物と真剣に格闘するということ。/アウグスティヌス著『告白Ⅲ』(山田晶訳/中公文庫)

    アウグスティヌス著『告白Ⅲ』(山田晶訳/中公文庫) 最終巻「告白Ⅲ」は哲学的な要素が入ってきて、突然難しくなる。私の読解力(および基礎知識)では理解できないところも多い。それでも懸命に読んでみた。 それにしても、1600年前によくも「時間とは何か」という問いをたてられたものだと驚嘆する。 1.神は天地を創造すると同時に、時間も創造した「神は天地を創造する以前は、何をしていたのか?」という問いに対して、アウグスティヌスは「何もしていなかった」と答える。そんな答えでいいのか?と心配になるほどあっさりしているが、そこには時間に対する考えがある。 「天地の存在する以前には時間も存在しなかったとすると、…

  • この世に悪は実在しない。あるのは「善の欠如」である。/アウグスティヌス著『告白Ⅱ』(山田晶訳/中公文庫)

    この世に悪は実在しない。あるのは「善の欠如」である。/アウグスティヌス著『告白Ⅱ』(山田晶訳/中公文庫)

    アウグスティヌス著『告白Ⅱ』(山田晶訳/中公文庫) アウグスティヌスは北アフリカのタガステに生まれた。カルタゴに遊学し、マニ教に入信。その後、修辞学をカルタゴやローマで教え、そして修辞学教授としてミラノへと渡った。ミラノで出会った司教アンブロシウスの影響で、カトリックの教えに目覚めていく。 1.マニ教のカトリック教会への攻撃に対して反論したアウグスティヌス マニ教は「神がこの世を創造したのなら、この世の悪を創造したのも神なのか?」と、カトリック教会を非難した。この疑問に対するアウグスティヌスの答えはこうだ。 「悪なるものは、つきつめていけば完全な無になってしまうような、善の欠如にほかならない」…

  • 「最大の教父」は「最大のとんでもない悪童」だった/アウグスティヌス著『告白Ⅰ』(山田晶訳/中公文庫)

    「最大の教父」は「最大のとんでもない悪童」だった/アウグスティヌス著『告白Ⅰ』(山田晶訳/中公文庫)

    アウグスティヌス著『告白Ⅰ』(山田晶訳/中公文庫) アウグスティヌスは、古代ローマカトリック教会の教義を確立するために力をつくした「最大の教父」といわれる。全3巻。かなり読み応えがあった。読書日記は1冊ずつアップする。山田晶氏のあとがきは何度読んでも心が震える。それも最後に書くつもりだ。 一分冊目には、「最大の教父」様の子供の頃の悪童ぶりが余すことなく書かれている。大丈夫なのだろうかとはらはらするような告白だ。子供時代から、アウグスティヌスのやんちゃはたいしたものだった。 「遊び好きで、くだらない見せ物を見たがり、芝居のまねをして落ち着かず、数えきれないうそをつき、家庭教師、学校の先生、両親を…

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