メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
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糖尿病に関連する用語の検索結果の5件に1件が誤報?(IDF news 2022年7月6日)
糖尿病に関する情報検索の結果は信頼性が低い?糖尿病患者数は世界中で増え続けており、国際糖尿病連合(IDF)の最新の推計では、2030年までに成人の9人に1人が糖尿病を患うとされています。このため、新型コロナウイルスの世界的な大流行から2年が
新規発症または未治療の2型糖尿病患者の心血管系および腎臓アウトカムに対する血糖降下薬は最初から複数併用した方が良いですか?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2022)
新規に診断された2型糖尿病(T2D)に対する初期併用療法と段階的アプローチ(単剤の使用から開始し、徐々に併用薬を追加する)の有効性と安全性については充分に検討されていません。そこで今回は、観察的コホート研究およびランダム化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ解析を行うことにより評価した試験の結…
2型糖尿病を有する大腸がん患者の生存率に対するメトホルミンの効果はどのくらい?(単施設の後向き研究; Sci Rep. 2022)
これまでの研究から、大腸がん(CRC)患者におけるメトホルミンの保護作用が示唆されています。しかし、データは限られており、更なる検証が求められています。そこで今回は、2型糖尿病(DM)を有するCRC患者におけるメトホルミン使用と全生存(OS)および無病生存(DFS)の関連性を検討した後向き研究の結…
医療従事者におけるファイザー社製BNT162b2ワクチン接種はコロナ後遺症を予防できますか?(コホート研究; JAMA. 2022)
ワクチン接種によりコロナ後遺症を予防できるのか?COVID-19の生存者は、長期にわたる症状を呈することがあります(PMID: 34643720)。入院を含むCOVID後の状態(long COVID、コロナ後遺症とも呼ばれる:PMID: 3
デノスマブ投与中止後の椎体骨折リスクはどのくらい?(FREEDOM及びExtension試験の事後解析; JBMR2018)
デノスマブは骨吸収を抑制し、椎体および非椎体骨折のリスクを低減します。これまでの報告によれば、デノスマブ(商品名:プラリア)による治療を中止することにより、予定投与が省略された3ヵ月後に骨代謝マーカーが上昇し、6ヵ月後にはベースライン以上のレベルに達し、12ヵ月後には骨密度(BMD)がベースライン…
冠動脈疾患患者の予後における脂質低下療法の服薬アドヒアランスは80%以上が良い?(JAHA 2022)
冠動脈疾患(CHD)が確立した患者は、その後の心血管イベントおよび死亡率が高いため、効果的な脂質低下療法(LLT)を含む標的リスク管理戦略(心血管二次予防)を必要とします。臨床試験では、スタチンによる治療、特に高強度スタチンによる治療、および必要に応じて非スタチンLLTによるさらなる強化の有益性が…
2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害剤使用による高カリウム血症リスクはどのくらい?(RCTのメタ解析; Circulation. 2022)
高カリウム血症は、不整脈や死亡のリスクを高め、慢性腎臓病や収縮期心不全の患者の臨床転帰を改善するレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害薬やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の使用を制限する要因となっています。ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤は、心血管リスクの高い2型糖尿病…
動物とヒトにおけるおける催奇形性結果の一致率は?(文献調査; FDA 1980)
なぜ動物実験の結果を鵜呑みにできないのか?医薬品が承認されるまでの過程において、主に動物を用いた前臨床試験(非臨床試験)と呼ばれる段階があります。医薬品になる前の段階では化学物質と呼ばれますが、この化学物質の評価項目は多岐に渡ります。生殖発
SARS-CoV-2の長距離空気感染における要因とは?(システマティックレビュー; BMJ. 2022)
SARS-CoV-2の長距離空気感染が起こる要因には何があるのか?COVID-19パンデミックの初期段階とスーパースプレッダーイベントの最初の報告以来(PMID:32407303、PMID:32198088)、エアロゾル生成手順がない場合の
ゾレドロン酸(リクラスト)は経口アレンドロン酸より費用対効果に優れるのか?(日本; Osteoporos Int. 2017)
骨粗鬆症性骨折の中でも特に股関節骨折は、患者のQOLや健康状態を悪化させるという臨床的負担だけでなく、治療や介護のための医療費という社会経済的負担も大きいとされています。股関節骨折の生存率は、骨折後1年目 81%、5年目 49%、10年目 26%と、一般人口に比べて低いことが報告されています。また…
尿管結石に対するミラベグロンの有効性はどのくらい?(SR&MA; Int J Clin Pract. 2022)
尿路結石症は、すべての国の主要な健康問題であり、その有病率は数十年にわたり増加し続けています。尿管結石と診断された場合、結石の臨床的特徴に応じて、観察、衝撃波結石破砕術、ドレナージ、または尿管鏡検査などの治療が行われます。しかし、結石の大きさが大きくなり、結石の位置が変わると、結石が自然に排出され…
冠動脈疾患患者の予後における脂質低下療法の服薬アドヒアランスは80%以上が良い?(JAHA 2022)
冠動脈疾患(CHD)が確立した患者は、その後の心血管イベントおよび死亡率が高いため、効果的な脂質低下療法(LLT)を含む標的リスク管理戦略(心血管二次予防)を必要とします。臨床試験では、スタチンによる治療、特に高強度スタチンによる治療、および必要に応じて非スタチンLLTによるさらなる強化の有益性が…
高齢の2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害剤と急性腎不全リスクとの関連性は?(コホート研究; Am J Kidney Dis. 2022)
SGLT2阻害薬が急性腎障害(AKI)リスクとなるのか?ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤は、2型糖尿病患者にとって多くの利点があることが明らかにされています。しかし、SGLT2阻害薬が急性腎障害(AKI)のリスクを増加さ
SARS-CoV-2オミクロンおよびデルタ変異株に対するモデルナ社製ワクチンmRNA-1273の有効性は?(試験陰性症例対照研究; Nat Med. 2022)
2021年12月に出現したSARS-CoV-2 オミクロン(B.1.1.529)変異株は、複数の新規スパイクタンパク質変異を含んでおり、自然獲得免疫またはワクチン誘発免疫からの逃避が懸念されています。いくつかのin vitro研究では、オミクロンに対するワクチン誘発中和活性の低下が報告されています…
先天性心疾患手術を受けた幼小児における一酸化窒素の追加投与は有効ですか?(DB-RCT; NITRIC試験; JAMA. 2022)
低心拍出量症候群(LOS)は、心臓手術後の循環管理の要になる合併症です。LOSは、心臓手術後に心拍出量を規定する4つの因子(心拍数、前負荷、後負荷、心収縮力)が障害され、心拍出量低下によって身体の酸素消費量と供給量のバランスが崩れてしまうことで発現します。術後LOSでは末梢組織が酸素供給不足となり…
男性における心筋梗塞既往の有無とアルコール摂取による長期的死亡率への影響は?(コホート研究; JACC試験; J Atheroscler Thromb. 2022)
軽度から中等度のアルコール摂取は、高密度リポタンパク質コレステロールの血中濃度とその機能的能力を高め、血小板および凝固因子の活性化および凝集を減少させ、内皮機能、インスリン感受性を向上させることから、心血管を健康に保ちために有益であるとされています。 健康な男性において、軽度から中等度のアルコール…
急性代償性心不全患者におけるエンパグリフロジンの早期投与による作用と腎機能への影響は?(代用のアウトカム; RCT; EMPAG-HF; Circulation. 2022)
急性非代償性心不全(acute decompensated heart failure: ADHF)とは、慢性心不全症状の急性増悪を指し、急激な肺うっ血を来すことが多い疾患です。大半のADHF症例は先行する心不全症状を伴っており、心不全と診断され ていなかった症例は20%以下であることが報告されて…
幼児における早期食物介入あるいは保湿剤の使用は食物アレルギーを予防できますか?(RCT; PreventADALL試験; Lancet 2022)
早期食物介入あるいは保湿剤の使用は食物アレルギーを予防できるのか?食物アレルギーの一次予防において、アレルゲン食品の早期導入は有望と考えられています。しかし、食品の種類によって試験結果が異なるため、一貫した結果は得られていません。そこで今回
カフェインレスエナジードリンクを摂取する元気になれますか?(ランダム化クロスオーバー試験; Am J Clin Nutr. 2020)
エナジードリンク(カフェインレス)の効果はどのくらいか?エナジードリンクやショットは一般に販売されており、米国では1997年の発売以来、消費量が伸びています(PMID: 33467819)。メーカーは、これらの製品が、覚醒度の向上、認知能力
軽度の低酸素症COVID-19患者における高流量経鼻酸素の効果はどのくらい?(RCT; COVID-HIGH試験; Thorax. 2022)
COVID-19 の入院患者の約80%は酸素療法を必要とし、全体の3分の1までが重症肺炎を発症し、非侵襲的呼吸補助や侵襲的人工呼吸(IMV)を必要とする場合があります。中等度から重度の急性低酸素血症呼吸不全患者において、高流量経鼻酸素療法(HFNO)は、従来の酸素療法(COT)と比較して、酸素化(…
ストロングスタチンによる新規の糖尿病発症リスクはどのくらい?(コホート研究のメタ解析; Cardiovasc Diabetol. 2022)
スタチンは血中コレステロール値を低下させ、心血管疾患の一次予防または二次予防に広く使用されています。スタチン治療は一般的に安全であると考えられていますが、最近のいくつかの研究では、スタチンによる治療が新規発症糖尿病(NODM)のリスクを増加させることが示唆されています。全体として、スタチンはNOD…
2型糖尿病患者におけるバレニクリンの禁煙に対する有効性と安全性は?(RCT; JAMA Netw Open. 2022)
糖尿病患者における効果的な禁煙介入に関するエビデンスは限られています。2型糖尿病の喫煙者特有の行動や代謝の特徴から、禁煙補助薬であるバレニクリンの安全性や有効性の検証が求められます。そこで今回は禁煙を計画している2型糖尿病患者を対象に、バレニクリンの有効性と安全性を評価したランダム化比較試験の結果…
心不全で入院歴のある患者に対してインセンティブを付与した1年間の集中遠隔モニタリングにより再入院や死亡を減らせますか?(PROBE; EMPOWER試験; JAMA Intern Med. 2022)
心不全の管理は、薬物療法、ライフスタイルの変更、フォローアップケア、患者の参加など、複雑な要素で構成されています。臨床医は、体重や服薬アドヒアランスの微妙な変化をタイムリーに認識し、臨床症状が悪化する前に介入する必要がありますが、こうした指標は通常、視界に入りません。その結果、HF再入院までの過程…
ボノプラザンによる腎毒性はどのくらい?(JADER; Kidney International 2022)
P-CABであるボノプラザンによる腎毒性リスクは?ボノプラザンは、新しい作用機序を有するカリウム競合型アシッドブロッカー(P-CAB)で、酸関連疾患の治療薬として2015年に日本で初めて承認されました。ボノプラザンは、胃壁の細胞における酸分
SGLT2阻害薬とループ利尿薬の併用による体液量減少イベントのリスクはどのくらい?(自己対照症例シリーズ研究; Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2022)
グルコース共輸送担体2阻害薬(SGLT2i)は、2型糖尿病(T2DM)の心血管合併症の予防に使用されていますが、新たに慢性腎臓病(CKD)や心不全(HF)についても適応を有しています。ループ利尿薬は、HFの体液量過多を管理するために一般的に処方されますが、実際の臨床では体液量減少のリスクを高める可…
母親におけるワクチン接種により乳児のCOVID-19入院リスクを低減できますか?(症例対照試験陰性デザイン; N Engl J Med. 2022)
妊娠中のコロナウイルス症2019(COVID-19)は、重症化、入院、死亡に加え、妊娠中の有害事象や新生児合併症のリスク上昇と関連しています。一般集団におけるCOVID-19の多くの合併症は、ワクチン接種によって予防可能です。研究により、mRNAワクチン(BNT162b2[ファイザー・ビオンテック…
60歳以上の高血圧患者における集中的な血圧低下治療が臨床的に有益となるまでの時間は?(RCTの2次解析; JAMA Intern Med. 2022)
血圧の管理に関する診療ガイドラインの推奨には矛盾がありますが、65歳以上の高血圧患者を対象とした4試験のメタ解析から、厳格な血圧管理によって心血管イベントのリスクを低減できることが示されました。このことは、すべての年齢層で収縮期血圧の低下が心血管疾患の予後改善につながることを示した別の2報のメタ解…
心不全(HFrEF)におけるSGLT2阻害薬の副作用と治療開始の障壁とは?(SR&MA; Eur J Heart Fail. 2022)
ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬はユニークな作用機序からさまざまな効果を示すことで、糖尿病だけでなく慢性腎臓病(CKD)や心不全にも使用されています。心不全のタイプはNYHAクラス分類の他、左室駆出率(LVEF)で分けられます。駆出率が低下した心不全患者(HFrEF)に対して、…
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メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…
肥満は世界的な公衆衛生の問題になっており、中国は世界で最も多くの罹患者を抱えていることが知られています。持続性GIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチドは、副作用として紹介症状や体重減少をもたらしますが、肥満患者における有効性・安全…
混合型高脂血症患者では、中性脂肪(トリグリセリド、トリグリセライド)に富むリポ蛋白中の残存コレステロールに起因する非高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値の上昇により、アテローム性動脈硬化性心血管系疾患のリスクがあります。トリグリセリド…
心不全(HF)の基本的な治療薬として、β遮断薬、ACE阻害薬/ARB、そしてミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MA拮抗薬)が使用されていますが、腎機能障害の併存は、しばしば救命のためのHF治療の開始や継続を躊躇させます。そこで今回は、著し…
慢性腎臓病、2型糖尿病、高血圧(the kidney-dysfunction triad; 腎機能障害の3要素)を有する患者に対する有効な治療法があるにもかかわらず、この集団における死亡や合併症のリスクを減少させるためのガイドラインに沿っ…
シスプラチンは様々ながんに対する有効な第一選択療法です。シスプラチンは催吐性が強く、その結果生じる体液量の減少は急性腎障害(acute kidney injury, AKI)リスクの一因となります。この合併症を予防するために、5-ヒドロキ…
小児期の長期間にわたる短時間睡眠は、精神病の発症を含む長期的な精神的健康に有害な影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの関連性の潜在的な基礎となる機序は依然として不明です。そこで今回は、小児期の持続的な夜間睡眠時間の短縮と、24歳時…
リラクゼーション介入による母乳保育の効果は? 母乳保育は、乳児と母親・両親の健康を最適化するための重要な公衆衛生目標ですが、世界の授乳成績は推奨される授乳期間と排他性を満たしていません。また、授乳と精神的健康の関連性が報告されていますが、リ
75歳以上の成人における心血管疾患(CVD)および全死亡の一次予防にスタチンを使用することについては、ランダム化比較試験におけるこの集団の割合が低いため、ほとんどコンセンサスが得られていません。そこで今回は、高齢者(75~84歳)および超…
COPD患者に対するβ1選択的遮断薬ビソプロロールの影響は? 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界的に罹患率と死亡率の主要な原因です。観察研究では、β遮断薬の使用はCOPD増悪リスクの低下と関連する可能性があると報告されています。しかし、最近
変形性膝関節症は障害をもたらしますが、有効な治療法はほとんどありません。クリルオイル(オキアミ油)のサプリメントは膝の痛みを改善することが予備的に示唆しましたが、変形性膝関節症に対する効果は不明です。そこで今回は、著しい膝関節痛と滲出液-…
頭痛はプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用に伴う有害事象です。近年、片頭痛がPPI使用に伴う潜在的有害事象としてより具体的に浮上してきました。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、既存のデータを活用し、片頭痛および…
尿路感染症(UTI)の生涯罹患率は女性で50%以上である。尿路感染症の臨床的、生理的、生活習慣的な危険因子は多岐にわたりますが、トイレ後の肛門や会陰の衛生習慣、特にトイレットペーパーで拭く方向と尿路感染症の危険性との正確な関係はまだ調査さ…
アセトアミノフェン(パラセタモール)には、無細胞ヘモグロビンによる脂質やその他の基質の酸化を抑制するなど、敗血症に有益と思われる多くの薬理作用がありますが、その効果については充分に検証されていません。そこで今回は、アセトアミノフェンがプラ…
2型糖尿病患者において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬とナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬の併用が、どちらか一方の薬物クラスのみの併用と比較して、主要有害心血管イベントおよび重篤な腎イベントのリスク…
スチュワードシップ(Stewardship)とは本来、管理運用、管理責任などの意味を有していますが、こと医療においては、抗菌薬の適正使用推進を指します。多剤耐性菌の発生を防いだり、資源として確保したり、今ある抗菌薬を適切に大事に使ってもら…
2型炎症を伴うCOPD患者におけるデュピルマブの有用性はどのくらいなのか? デュピルマブは、2型炎症の主要かつ中心的な促進因子であるインターロイキン-4とインターロイキン-13の共有受容体成分を遮断する完全ヒト型モノクローナル抗体です。 慢
低血圧は、重症患者や周術期の患者における有害な転帰と関連しています。しかし、これらの仮定は観察研究によって支持されていることから、更なる検証が求められます。そこで今回は、死亡率に対する血圧目標値の低値と高値の影響を比較することも目的に実施…
米国内科学会(American College of Physicians, ACP)は、2型糖尿病の新しい薬理学的治療に関する推奨事項を更新するために、診療ガイドラインを作成しました。本ガイドラインは、有効性、有益性と有害性の比較、患者…
足底部悪性黒色腫と関連する疾患はあるのか? 足底部悪性黒色腫(AMF, メラノーマ)の臨床的特徴および病態は充分に解明されていません。 足部の臨床的または不顕性持続性炎症は、足の皮膚糸状菌症(dermatophytosis of the f
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と帯状疱疹との関連性が報告されていますが、SARS-CoV-2感染からの回復後の帯状疱疹の長期リスクは不明です。そこで今回は、COVID-19患者における帯状疱疹リスクを評価したレトロスペクティ…
アトピー性皮膚炎(AD)と複数の心血管疾患との関連は、慢性全身性炎症に関する病態機序と血管への影響の可能性から調査されてきました。しかしながら、成人期におけるADと静脈血栓塞栓症(VTE)発症との関連はほとんど知られていません。そこで今回…
骨粗鬆症の治療法として最も広く用いられているのが抗骨吸収剤です。デノスマブは、核因子κB(eceptor activator of nuclear factor κ, RANK)リガンド(RANK ligand, RANKL)に対するヒト…
CYP2B6遺伝子多型がクロピドグレルに及ぼす影響はどのくらいか?In vitro試験において、クロピドグレルの薬物代謝酵素としてCYP2C19、1A2、2B6、2C9、そして3A4/5が関与していると報告されています(Drug Metab
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の全体的な拡散には、特にエアロゾルと呼ばれる小さな粒子を介した空気感染が重要であることを示す証拠が増えつつあります。しかし、SARS-CoV-2の感染に対する学校環境の寄与はまだ…
脳卒中の発生予防のために抗凝固療法が実施されますが、実施タイミングの比較に関するエビデンスは充分ではありません。そこで今回は、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者における直接経口抗凝固薬(DOAC)の投与開始時期が早い場合と遅い場合の効…
骨粗鬆症に対する基本的治療薬としてビスホスホネート系薬が使用されており、診療ガイドラインにおいても第一選択薬とされています。比較的新しい治療薬として骨同化薬であるアバロパラチドやロモソズマブが挙げられますが、閉経後女性の骨折リスク低減に対…
早期の重症呼吸器シンシチアルウイルス(respiratory syncytial virus, RSV)感染は、小児期の喘息疾患の発症と関連している可能性が報告されています。しかし、この関連性の検証は充分ではありません。そこで今回は、乳幼…
ピーナッツアレルギー患者に対する表皮免疫療法の効果は?幼児、小児の食物アレルギーの原因として、卵、牛乳、小麦、ピーナッツなどが挙げられます。米国ではピーナッツバターの使用量が多く、ピーナッツ(落花生)は関心の高いアレルゲンの一つです。日本に
慢性腎臓病(CKD)患者における腎機能の縦断的な軌跡は、心血管イベントと関連していることが報告されています。しかし、CKDを有さない患者における腎機能の変化パターンは、まだ報告されていません。そこで今回は、CKDを有さない集団における腎機…
五十肩の管理については、これまで多くの治療戦略が考案されてきました。しかし、これまでのところ、運動と経口コルチコステロイド(ステロイド)の有効性を直接比較したランダム化比較試験はありません。そこで今回は、五十肩患者を運動療法と経口ステロイ…
ブレクスピプラゾールは、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用及びドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を併せ持つ特徴的な薬剤です。日本では「統合失調症」の保険適応を取得しています(2…
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれる抗うつ薬の一つであるデュロキセチン(Duloxetine)は、中枢性感作を抑制することで疼痛緩和作用も有していることから、鎮痛緩和を目的として以下の疾患にも用いられています。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃酸関連疾患の治療薬として広く使用されていますが、腸内細菌叢に影響を与える可能性があります。2型糖尿病は血管内皮細胞の機能低下に起因する血糖コントロール異常を特徴としますが、腸内細菌叢へ影響することも報告さ…
ワクチン接種後の突然死の原因とは?2022年8月10日、14歳の女子中学生がファイザー製ワクチンの3回目接種を受けました。 女子中学生は翌日、37.9度の発熱を認めましたが、夕方には下がりました。 夜に息苦しさを訴えながらも眠りについていま
尿酸値が基準値7.0mg/dLよりも高い高尿酸血症について、日本では、腎臓や心血管アウトカムの発生リスク増加の懸念から早期治療を推奨しています。一方で、米国や欧州では痛風発作がなければ治療の対象としないとするスタンスが一般的です。しかし、…
血糖値の変動が大きいと血管への負荷が大きくなり、血管合併症のリスク増加の可能性が報告されています(PMID: 30040822)。したがって、グルコーススパイクなどの血糖変動が大きくなることと、患者の予後不良が関連している可能性があります…
新規の断続的断食+早期時間制限食アプローチの効果とは?断続的断食(Intermittent fasting)は、ヒトの健康を改善するためのカロリー制限(calorie restriction, CR)に代わる同等の方法と考えられます。しかし
アミオダロンはP糖蛋白やCYP3A4阻害作用を有していることから、薬物相互作用により併用薬剤の排泄を遅延させる可能性があります。しかし、この相互作用による患者予後については充分に検討されていません。そこで今回は、アピキサバンまたはリバーロ…
2型糖尿病は慢性腎臓病など多くの合併症を引き起こし、患者予後を悪化させます。多くの糖尿病治療薬が使用されていますが、患者予後に優れる薬剤の検証については充分に行われていません。そこで今回は、ナトリウムグルコース共輸送体2阻害薬(SGLT-…