急性冠症候群に対するステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション後、国際的な臨床ガイドラインでは、心筋梗塞やステント血栓症を予防するために、アスピリン+P2Y12受容体阻害薬による二重抗血小板療法を12ヵ月間行うことが一般的に推奨され…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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血液透析患者の穿刺時疼痛に対する冷却スプレー vs. リドカインスプレー vs. プラセボスプレー(非盲検クロスオーバーRCT; BMC Anesthesiol. 2023)
血液透析を行うための穿刺時痛(穿刺時疼痛)は主な課題であり、患者の快適性のために疼痛管理技術を必要とする共通の問題です。この問題に対して、鎮痛薬や麻酔薬を含む貼付薬やスプレーが利用されています。スプレーは、麻酔薬を含む軟膏と比較して即効性…
SGLT2阻害薬投与中の糖尿病患者における併用薬の違いは、初期eGFR変化と腎臓転帰へ影響する?(データベース研究; Clin J Am Soc Nephrol. 2023)
2型糖尿病患者において、ナトリウム・グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)の使用初期にfirst dipと呼ばれる推定糸球体濾過量(eGFR)の低下が認められます。このeGFR低下とAKIなど腎アウトカムとの関連性、また併用薬による…
血圧管理における機械学習ベースのハイベネフィットアプローチは心血管リスクを低減できる?(Int J Epidemiol. 2023)
医療では、高リスクの患者は治療により最も恩恵を受けるという暗黙の前提のもと、臨床医が個人を治療する 'high-risk approach'(ハイリスクアプローチ)が用いられます。一方、新しい機械学習法を用いて最も高い利益を推定した個人を…
ICU患者のせん妄に対するオランザピンの効果は?(メタ解析; Ther Adv Psychopharmacol. 2023)
非定型抗精神病薬であるオランザピンは、せん妄抑制に最もよく使用される薬剤の一つです。しかし、重症成人のせん妄抑制に対するオランザピンの有効性と安全性に関する系統的な評価やメタ解析は存在しません。そこで今回は、集中治療室(ICU)に入院中の…
COVID-19入院後の臨床転帰に及ぼすアピキサバンによる血栓予防の影響は?(DB-RCT; Ann Intern Med. 2023)
COVID-19で入院した患者は、サイトカインストームに伴う血栓塞栓症の発生率の高さが報告されています。したがって、血栓予防・治療が行われますが、退院後の血栓予防の延長の役割は不明です。そこで今回は、COVID-19入院後の退院患者におい…
敗血症性ショック患者におけるフルドロコルチゾン +ヒドロコルチゾン vs. ヒドロコルチゾン単独(TTEデザイン; JAMA Intern Med. 2023)
敗血症の重症例では、副腎皮質ホルモンでステロイドの一種であるコルチゾールの分泌が不良となり、これを重症関連コルチコステロイド障害(critical illness-related corticosteroid insufficiency,…
脳卒中二次予防においてはより厳格な降圧の方が良いですか?(メタ解析・メタ回帰; JAMA Neurol. 2023)
高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントを引き起こすことから、血圧コントロールが求められます。特に脳卒中の二次予防においては、より集中的に血圧を下げることが、一般的に血圧を下げることよりもどの程度優れているかは明らかにされていません。…
SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後の心筋炎の予後は?(北欧のコホート研究; BMJ Med. 2023)
SARS-CoV-2ウイルスに対するmRNAワクチンを接種した際に、心筋炎リスクが増加する可能性が報告されています。しかし、COVID-19に伴う心筋炎との臨床転帰の比較については充分に検証されていません。そこで今回は、mRNAワクチン接…
栄養リスクの高い重症患者における高タンパク質投与の効果はどのくらい?(RCT; EFFORT Protein試験; Lancet. 2023)
国際的な重症患者栄養ガイドラインでは、質の低いエビデンスに基づき、様々な量のタンパク質投与を推奨しています。しかし、重症時に高用量タンパク質を投与することの効果については充分に検討されていません。そこで今回は、重症患者に高用量のタンパク質…
駆出率が維持された心不全予備軍(pre-HFpEF)患者の左房容積に対するサクビトリル/バルサルタン vs. バルサルタン(DB-RCT; PARABLE試験; JAMA Cardiol. 2023)
2020年頃から、駆出率の保たれた心不全(HFpEF)の前段階にあたるpre-HFpEFという概念が報告されています。pre-HFpEFの定義は、無症状(心不全の徴候や症状がない)で、左室駆出率(LVEF)が保たれ、心臓の構造異常(HFp…
ポリファーマシーを有する高齢のフレイル外来患者における脱処方を促進する家族会議は有効ですか?(クラスターRCT; COFRAIL試験; JAMA Netw Open. 2023)
フレイル(虚弱)症候群の高齢者にとって、ポリファーマシーを減らす "脱処方・減処方" は、安全性を促進する治療法として有用であると考えられます。しかし、脱処方による患者予後への影響については充分に検討されていません。そこで今回は、ポリファ…
ICU患者のせん妄治療におけるハロペリドールはプラセボより優れていますか?(AID-ICU試験の二次ベイズ分析; Intensive Care Med. 2023)
AID-ICU試験は、せん妄を伴う集中治療室(ICU)に入院した急性期の成人患者を対象に、ハロペリドールとプラセボの効果を検討したランダム化、盲検化、プラセボ対照の試験でした。本試験の主要評価項目は無作為化後90日目の生存日数と退院日数で…
経膣分娩を計画している女性におけるアジスロマイシン投与は敗血症または死亡を予防できますか?(RCT; A-PLUS試験; N Engl J Med. 2023)
アジスロマイシンの使用により、予期していない帝王切開分娩の女性における母体感染症が減少することが報告されています。しかし、計画的な経膣分娩の女性に対する効果は不明です。そこで今回は、分娩期におけるアジスロマイシンの経口単回投与により、母体…
小児の近視発生率に対する低濃度アトロピン点眼薬の効果はどのくらい?(DB-RCT; LAMP2; JAMA. 2023)
近視の早期発症は、その後の強度の近視と関連し、一度発症した近視は不可逆的であることが報告されています。過去の報告で、0.01%濃度のアトロピン点眼により、小児の近視発症を遅らせる可能性が示されていますが、充分に検討されていません。そこで今…
COVID-19ワクチン接種はコロナ後遺症を予防できますか?(システマティックレビュー; BMJ Med. 2023)
SARS-CoV-2ウイルスにより引き起こされるCOVID-19の患者数は増減を繰り返し、感染終息の兆しが見えないことから、コロナとの共存(withコロナ)を迫られています。COVID-19に対する治療薬や感染予防対策が講じられ、感染者数…
更年期に伴う中等度から重度の血管運動症状に対するフェゾリネタントの効果は?(DB-RCT、SKYLIGHT 1試験; Lancet. 2023)
更年期女性の血管運動症状(血管運動神経症状とも:顔のほてり・のぼせ等のホットフラッシュや寝汗、手足の冷え、息切れなど)の治療において、基本的にはホルモン(補充)療法が行われます。しかし、ホルモン療法が実施できない、あるいは実施しない(した…
HFpEF治療におけるSGLT-2阻害剤の費用対効果はどのくらい?(費用対効果分析; JAMA Cardiol. 2023)
駆出率が維持された心不全(HFpEF)患者において、標準治療薬にナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2-I)を追加すると、心不全悪化または心血管死亡の複合転帰のリスクが低下することが報告されていますが、米国のHFpEF患者にお…
日本のオミクロン変異株BA.1およびBA.2流行時のmRNA COVID-19ワクチンの有効性は?(試験陰性症例対照研究; VERSUS試験; Expert Rev Vaccines. 2023)
COVID-19ワクチンの有効性(VE)を国内で評価することは、国のワクチン接種方針を評価・決定する上で極めて重要です。日本におけるワクチンの有効性データは限られています。そこで今回は、国内におけるmRNA COVID-19ワクチンのVE…
非重症COVID-19入院患者における抗凝固戦略は予防的投与と治療的投与、どちらが良いですか?(RCT; FREEDOM COVID試験; J Am Coll Cardiol. 2023)
COVID-19においてみられる凝固異常(COVID-19-associated coagulopathy: CAC)は、感染や炎症に端を発する炎症性サイトカインの産生、免疫血栓(immunothrombosis)形成、補体の活性化、血管…
尿酸降下薬の心血管リスクはどのくらいですか?(データベース研究; Clin Transl Sci. 2023)
高尿酸血症や痛風治療において、尿酸生成抑制薬や尿酸降下薬が用いられます。特に尿酸降下薬が主に使用されていますが、米国において一部の尿酸降下薬による心血管リスク増加が示唆されています。一方、日本においては、尿酸降下薬の使用と心血管イベント発…
下剤の慢性使用と認知症発症の関連性はどのくらい?(コホート研究; Neurology. 2023)
脳-腸-微生物軸(以前は腸脳相関)仮説は、無菌マウスを用いた研究結果から提唱されました。本仮説は、腸内細菌がストレス受容や脳の神経系の発達・成長、そして行動に関わる存在であることを示したものです。具体例として、過敏性腸症候群(IBS)が挙…
心房細動患者の腎関連アウトカムに対するDOACとワルファリンどちらが優れていますか?(PSマッチコホート研究; SCREAM試験; Am J Kidney Dis. 2023)
非弁膜症性心房細動患者の脳卒中予防には、ビタミンK拮抗薬(VKA)に代わって直接経口抗凝固薬(DOAC)が徐々に使用されるようになってきました。VKAと比較して、DOACは出血性合併症の発生が少ないことが報告されています。しかし、その他の…
COVID-19入院患者に対するモルヌピラビルとニルマトレルビル-リトナビルの有効性はどのくらい?(TTE試験; Ann Intern Med. 2023)
COVID-19非入院(外来)患者に対する経口抗ウイルス薬の有効性が示されています。しかし、入院患者にCOVID-19経口抗ウイルス薬が有効であるかどうかについては結論が得られていません。そこで今回は、オミクロンアウトブレイク時のCOVI…
安定冠動脈疾患および急性冠症候群の予防治療に対するインフルエンザワクチン接種の効果はどのくらい?(RCTのメタ解析; Am J Med. 2023)
インフルエンザは、冠動脈疾患患者に大きな負担を与える可能性があります。したがって、インフルエンザワクチン接種により、冠動脈疾患の発症リスクを低減できる可能性があります。そこで今回は、急性冠症候群と安定冠動脈疾患患者におけるインフルエンザワ…
治療抵抗性の老年期うつ病患者における抗うつ薬の増強と切替え、どちらが良いですか?(Open-RCT; OPTIMUM試験; N Engl J Med. 2023)
うつ病に対する治療において、第一選択薬で治療が奏功しない場合があり、これを治療抵抗性うつ病と呼びます。日本の診療ガイドライン(2022年)によれば、第一選択薬による治療に成功しない高齢者のうつ病に対して、抗うつ薬を変更あるいは併用(増強療…
DOACの出血リスク増加とCYP3A4阻害薬との相互作用との関連性はどのくらい?(FAERSデータベース研究; Br J Clin Pharmacol. 2023)
直接経口抗凝固薬(DOAC)とCYP3A4阻害薬は一般的に使用されていますが、その相互作用の可能性に伴う出血リスクについては、充分に検討されておらず、コンセンサスが得られていません。そこで今回は、マクロライド系抗生物質とアゾール系抗菌薬の…
妊娠中のロイコトリエン受容体拮抗薬の使用と子孫の精神神経系イベントとの関連性は?(台湾データベース研究; JAMA Netw Open. 2023)
ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は、喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性気道疾患の治療に使用される薬剤の一種です。米国食品医薬品局(FDA)は、長年にわたり、LTRAの最初の薬剤であるモンテルカストに関連する精神神経系イベントの…
産後高血圧のコントロールにおけるヒドロクロロチアジドとリシノプリル併用療法 vs. ニフェジピン(パイロットRCT; Am J Obstet Gynecol. 2023)
アンジオテンシン変換酵素阻害薬と利尿薬は、妊娠中の催奇形性のため、産後高血圧に対して充分に使用されていない可能性があります。治療薬は出産後も継続され、治療薬が変更されることはほぼありません。したがって、産後高血圧のコントロールにおいて、よ…
ストーマを有する新生児における粘液瘻への注入の効果はどのくらい?(観察研究のメタ解析; Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2023)
粘膜瘻への注入(再給餌:Mucous Fistula Refeeding, MFR)とは、腹部手術後にストーマ(ストマ:ostomy)を活用している場合に、近位ストーマからの排水を遠位粘膜瘻に導入して腸の生理機能を維持することです。このよ…
糖尿病患者のアルブミン尿に対するSGLT-2阻害薬とMR拮抗薬の併用療法は有益ですか?(ネットワークメタ解析; Diabetes Obes Metab. 2023)
糖尿病(Diabetes mellitus:DM)は慢性腎臓病の主要な原因であり、特にアルブミン尿を有している場合、心血管死亡のリスク上昇と関連していることが報告されています。ナトリウム・グルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬とミネ…
小児の抗生物質関連下痢予防のためのプロバイオティクスの効果はどのくらい?(コクランレビュー; CDSR. 2019)
抗生物質は腸内細菌叢のバランスを変化させ、抗生物質関連下痢症(AAD)を引き起こします。特に小児においてはバランスが乱れやすいことから整腸剤などのプロバイオティクスが併用されます。プロバイオティクスは、腸管バリア、腸内細菌叢の回復、および…
デンマークにおけるインフルエンザワクチン接種率向上のための電子ナッジの効果は?(クラスターRCT; Lancet. 2023)
インフルエンザワクチン接種率は、インフルエンザ感染と関連する合併症の予防に有効であるにもかかわらず、依然として最適とは言えません。ワクチン接種は個々人の任意であることから、個人の意思を尊重した接種向上施策が求められます。今回ご紹介するのは…
プロトンポンプ阻害薬の使用と薬剤耐性腸内細菌の獲得リスクとの関連性は?(コホート内症例対照研究; JAMA Netw Open. 2023)
PPI使用は薬剤耐性腸内細菌の獲得リスクと関連しているのか?プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、薬剤耐性菌のコロニー形成リスクと関連していることが報告されています。しかし、生活習慣関連因子や疾患の重症度による交絡の可能性があり、この関連性に疑
冠動脈疾患患者の心血管イベントに対するTreat-to-Target vs. 高強度スタチン(RCT; LODESTAR試験; JAMA. 2023)
冠動脈疾患患者では、LDL-Cを少なくとも50%減少させるために、高強度スタチン系薬による初期スタチン治療を推奨する診療ガイドラインがあります(Fire and Forget)。別のアプローチとしては、中強度のスタチンから開始し、特定のL…
心不全の有無にかかわらず心房細動患者における総・心血管死亡率に対するジゴキシンの効果はどのくらい?(メタ解析; Eur J Clin Pharmacol. 2023)
心不全を伴う心房細動に対してジゴキシンが使用されますが、死亡リスクが増加する報告もあることから、さらなる検証が求められています。そこで今回は、心不全(HF)の有無にかかわらず、心房細動(AF)患者におけるジゴキシン使用に伴う死亡リスクに関…
ヒドロクロロチアジドは腎結石の再発を予防できますか?(RCT; NOSTONE試験; NEJM. 2023)
腎結石症は、腎臓に影響を及ぼす最も一般的な疾患の一つであり、再発のリスクが高いことが特徴です。腎結石の再発予防にはサイアザイド系(チアジド系)利尿薬が広く使われていますが、プラセボと比較した有効性に関するデータは限られています。さらに、用…
高血圧治療における血管内超音波腎除神経術の効果はどのくらいですか?(DB-RCT; RADIANCE II試験; JAMA. 2023)
2件の初期プラセボ対照試験により、軽度から中等度の高血圧および治療抵抗性の高血圧患者において、超音波腎除神経(Endovascular Ultrasound Renal Denervation、腎デナベーション)が血圧(BP)を低下させる…
スタチン不耐患者におけるベンペド酸は心血管アウトカム発生リスクを低減できますか?(DB-RCT; CLEAR Outcomes試験; N Engl J Med. 2023)
ATPクエン酸リアーゼ阻害剤であるBempedoic acid(ベンペド酸)は、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を低下させること、筋肉関連の有害事象の発生率が低いことが示されています。しかし、心血管アウトカムへの影響は不明です。そこで今回は、スタチン系薬剤を服用できない、または服用し…
メタボリックシンドロームを有する性腺機能低下男性における低炭水化物食は勃起機能を改善する?(小規模Open-RCT; BMC Endocr Disord. 2023)
メタボリックシンドロームはいくつかの疾患のリスクファクターです。なかでもメタボリックシンドロームと性腺機能低下症との関係はよく知られています。過去の報告で、テストステロン低下と炭水化物または脂質の摂取量について検証されています。この結果に…
早発性子癇の高リスク妊婦において妊娠24~28週でアスピリンを中止しても問題ない?(Open-RCT; JAMA. 2023)
アスピリンは、子癇(しかん)前症のリスクが高い妊婦において、早発子癇の発生率を62%減少させることが示されています。しかし、アスピリンは周産期出血のリスク上昇と関連する可能性があります。このリスクは、妊娠期(妊娠37週)前にアスピリン…
治療抵抗性うつ病患者におけるシンバスタチンの追加は抑うつ症状を緩和できますか?(DB-RCT; JAMA Netw Open. 2023)
高所得国および低・中所得国(LMIC)における大うつ病性障害(MDD)患者の研究では、最大で3分の1が第一選択薬物療法および第二選択薬物療法に反応しないことが示唆されています(PMID: 17074942、PMID: 34463905)。治療抵抗性うつ病(TRD)に対する現在の薬物療法は、高い確率…
慢性特発性蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬はどれが良いですか?(RCT; Clin Cosmet Investig Dermatol . 2022)
慢性特発性蕁麻疹に対するビラスチン vs. フェキソフェナジン vs. レボセチリジン国内外の診療ガイドラインにおいて、第二世代抗ヒスタミン薬は慢性特発性蕁麻疹(CSU)の第一選択薬とされています。しかし、患者の50%は第二世代抗ヒスタミン
サクビトリル-バルサルタンとレニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAS)阻害剤、血管浮腫リスクが高いのは?(PSマッチコホート研究; J Am Coll Cardiol. 2023)
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)などのレニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAS)系阻害薬の使用により血管浮腫が報告されていますが、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるサクビトリル-バルサルタン使用者における血管浮腫リス…
ChatGPTは米国の医師資格試験を通過する?(PLOS Digit Health. 2023)
ChatGPTと呼ばれる大規模言語モデルの性能を、3つの試験からなるUSMLE(United States Medical Licensing Exam)において評価した。USMLEは、ステップ1、ステップ2CK、ステップ3の3つの試験から構成されている。ChatGPTは、特別なトレーニングや強化…
妊娠中の抗うつ薬使用と出生児の神経発達障害リスクとの関連性はどのくらい?(コホート研究; JAMA Intern Med. 2022)
妊娠中の抗うつ薬の使用は、いくつかの研究において、小児の神経発達障害と関連していることが報告されています。しかし、その結果は、親の精神的健康状態、遺伝、および環境因子による制御不能な交絡によって説明されるかもしれません。つまり、妊娠中の抗うつ薬使用が、小児の神経発達障害リスクの直接的な原因かどうか…
12歳以上のワクチン未接種者およびワクチン接種者におけるCOVID-19罹患率および死亡率の比較(CDC; MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2023)
2022年9月1日、CDCは、12歳以上(※その後、生後6ヵ月以上まで拡大)の患者に対して、前回のワクチン接種により低下した予防効果を回復させ、出現した変異株に対する予防効果を拡大するために、最新の二価COVID-19ワクチンのブースターを推奨しました。これはワクチン承認時の臨床試験やリアルワール…
レボセチリジン5mgに耐性のある慢性蕁麻疹には10mgへの増量と他剤併用どちらが良いですか?(単施設DB-RCT; Indian J Dermatol Venereol Leprol. 2017)
慢性蕁麻疹は、患者にとっても治療する医師にとっても悩ましい問題です。やや古いですが、海外の診療ガイドラインであるEAACI/GA[2]LEN/EDF/WAOガイドラインでは、ロイコトリエン受容体拮抗薬を追加する前に、抗ヒスタミン薬を標準量の4倍まで増量するよう提唱しています。しかし、このような高用…
出血性消化性潰瘍患者における内視鏡治療後のプロトンポンプ阻害薬の高用量投与と非高用量投与、どちらが良さそうですか?(RCTのSR&MA; Arch Intern Med. 2010)
出血性消化潰瘍に対する内視鏡治療は、病勢の持続・再出血を予防し、緊急手術への移行や死亡リスクを低減させるために有用であることが報告されています。また、再出血予防のために内視鏡治療後に高用量プロトンポンプ阻害薬(PPI)(80mgボーラス投与後、8mg/hを72時間持続点滴)が行われます。高用量PP…
オミクロン変異株の流行期におけるニルマトレルビルの効果はどのくらいですか?(後向きコホート研究; Lancet Infect Dis. 2023)
オミクロン変異株の流行時におけるニルマトレルビルの効果はどのくらい?ニルマトルビルはSARS-CoV-2に対してin vitro活性を有するプロテアーゼ阻害剤であり、リトナビルでブーストしたニルマトレルビルは、デルタおよび初期のオミクロン変
枕の高さを厳密に調整すると首の痛みや体感症状にどのように影響しますか?(非対照前向き研究; J Phys Ther Sci. 2023)
就寝中に頭部を支えているのは枕のみです。枕の高さを調節することで身体にどのように影響するのかについては充分に影響されていません。そこで今回は、Set-up for Spinal Sleep法を用いて枕の高さを厳密に調整することで、首の痛みや身体症状などの臨床転帰が改善されるかどうかを確認した非対照…
ダブルチェックよりトリプルチェック以上の方が過誤発生を防げますか?(レビュー)
チェックの回数を増やすとエラーは減るのか?薬剤師業務としての調剤・監査・鑑査では、正しい患者に、正しい薬剤が、正しい目的で、正しい用量、処方されていることを確認しています。その他に薬物相互作用などの安全性評価も行っています。これにより期待す
妊婦におけるmRNA COVID-19ワクチン接種と乳児におけるデルタあるいはオミクロンの感染・入院はどのように関連しているのか?(試験陰性症例対照研究; BMJ. 2023)
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)感染によるCOVID-19患者は世界中から報告されており、感染流行が終息する未来は一向に見えてきません。妊婦などの特定の背景を有する患者におけるエビデンスは限られていますが、非妊婦と比較して、SARS-CoV-2感染により重症化・重篤化…
エンシトレルビルはコロナ後遺症のリスクを低減できますか?(探索的評価; 学会報告; CROI2023)
2023年2月22日、塩野義製薬株式会社が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸(商品名:ゾコーバ錠125mg、以下「エンシトレルビル」)について、第2/3相臨床試験のPhase 3 partより新たに得られた結果を第30回 Conference on Re…
複雑な経皮的冠動脈インターベンション後のDAPT実施期間は1~3ヵ月でも良い?(メタ解析; Sidney-2; J Am Coll Cardiol. 2023)
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、冠動脈が細くなったり詰まったりする状態です。これに対する治療は、血管の狭くなった部分を広げて、血液のスムーズな流れを取り戻すことが目的となります。血管拡張の方法として、薬物治療、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、冠動脈バイパス手術(CABG)の3つがあ…
肝硬変患者におけるプロトンポンプ阻害薬曝露と主要な肝関連アウトカムの関連性はどのくらい?(Veterans Affairs; コホート研究; Gastroenterology. 2022)
食道・胃静脈瘤に対する内視鏡的治療期間中において、出血性胃炎や胃潰瘍の合併頻度が高く、その防止策としてH2ブロッカーや防御因子増強薬、そしてPPIが投与されています。しかし、肝硬変患者の食道胃静脈瘤出血にPPIを普遍的に使用することを支持するコンセンサスやエビデンスは充分ではありません。そこで今回…
進行性IgA腎症患者におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性はどのくらいですか?(PROBE; JAMA Netw Open. 2023)
進行性IgA腎症患者におけるミコフェノール酸モフェチルの効果はどのくらい?免疫グロブリンA腎症(IgA腎症)の治療におけるミコフェノール酸モフェチル(MMF)の役割は、依然として非常に議論の分かれるところです。国内の診療ガイドラインによれば
呼吸器系ウイルスの拡散を阻止または低減するための物理的介入法の効果はどのくらいですか?(SR&MA; Cochrane Database Syst Rev. 2023)
急性呼吸器感染症(ARI)のウイルス性流行またはパンデミックは、世界的な脅威となっています。例えば、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、2009年のH1N1pdm09ウイルスによるインフルエンザ(H1N1)、2019年のSARS-CoV-2によるコロナウイルス症2019(COVID-19…
逆流性食道炎の治癒および治癒の維持に対してボノプラザンとランソプラゾール、どちらが優れていますか?(RCT; Gastroenterology. 2023)
数十年にわたり、プロトンポンプ阻害薬(PPI)がびらん性食道炎の治療の中心的な役割を担ってきました。PPIに対して比較的新しい治療薬であるカリウムイオン競合型アシッドブロッカーのボノプラザンは、PPIよりも強力な酸阻害作用を示すことが報告されていますが、びらん性食道炎に対する有効性に関するデータは…
慢性腎臓病における血管石灰化に対するマグネシウム補給の効果はどのくらいですか?(小規模DB-RCT; MAGiCAL-CKD試験; J Am Soc Nephrol. 2023)
血清マグネシウム濃度の上昇は、CKD患者における心血管イベントのリスク低下と関連していることが報告されています。また、マグネシウム補充はCKD動物モデルにおいて血管の石灰化を防ぐことも報告されています。しかし、より質の高い試験デザインでの検証は充分に行われていません。そこで今回は、マグネシウムの経…
高齢者における患者中心の減処方介入の効果はどのくらいですか?(RCT; Shed-MEDS試験; JAMA Intern Med. 2023)
減処方(deprescribing)は、ポリファーマシーの負担に対処するための有望なアプローチです。ポストアキュートケア(PAC、救急医療後、急性期医療後)施設で継続的なケアを必要とする高齢患者の病院環境における包括的な減処方を開始した研究はありません。そこで今回は、PAC施設に移行または退院する…
2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害剤(vs.DPP-4阻害剤)の有効性と安全性はベースラインHbA1c値により変動しますか?(米国データベース研究; JAMA Intern Med. 2023)
ベースラインのHbA1cにより有効性・安全性に違いは出てくるのか?ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2i)療法は、少数の有害事象を伴うものの、心血管系への恩恵が一貫して認められています。しかし、ベースラインのヘモグロビンA1c
オメガ3系の多価不飽和脂肪酸と慢性腎臓病の発症と関連しているのか?(前向き研究のプール解析; BMJ. 2023)
オメガ3系の多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)バイオマーカー(植物由来のαリノレン酸、魚介類由来のエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸など)の循環レベルと慢性腎臓病(CKD)発症との関連性については充分に検討されていません。そこで今回は、n-3 PUFAとCKD発症との関連性について、前向き…
心房細動および糖尿病を有する高齢者における心不全リスクと抗凝固薬の関連性はどのくらい?(台湾 人口ベース後向き観察研究; Cardiovasc Diabetol. 2023)
使用する抗凝固薬により心不全合併リスクは異なるのか?心不全は、心房細動(AF)や糖尿病(DM)を有する高齢者における重要な合併症です。最近の前臨床研究では、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)が心筋線維化および虚血性心筋症の進行を抑制す
siRNA製剤であるインクリシランは心血管リスクを低減できますか?(ORION試験3件のプール解析; Eur Heart J. 2023)
Inclisiran(インクリシラン:2022年時点では日本未承認)は、年2回投与されるsiRNA製剤であり、第III相試験において、プラセボと比較してLDLコレステロール(LDL-C)を有意に低下させました。しかし、インクリシランによるLDL-Cの低下が心血管イベントのリスク低下につながるかどう…
1日2個のグリーンキウイフルーツの摂取は便秘の改善と腹部快適性をもたらす?(小規模クロスオーバーRCT; Am J Gastroenterol. 2023)
グリーンキウイフルーツの摂取は、便秘を解消することが知られています。また、これまでの研究では、胃腸(GI)快適性の改善も報告されていますが、エビデンスはかぎられています。そこで今回は、グリーンキウイフルーツの摂取がGI機能および快適性に及ぼす影響について調査したクロスオーバーランダム化比較試験の結…
トラネキサム酸関連発作の原因と治療法は?(レビュー; Ann Neurol. 2016)
抗線溶薬は、輸血の必要性を減らし、出血による再手術のリスクを低減し、大外傷後の出血に関連する死亡率を低下させるために世界中で使用されています。最もよく使用されている抗線溶薬は、トラネキサム酸(TXA)、ɛ-アミノカプロン酸(EACA)、アプロチニン1であり、このうちTXAとEACAは、アミノ酸であ…
糖尿病を伴わない過体重または肥満成人におけるセマグルチドとリラグルチド、どちらが良い?(RCT; STEP8試験; JAMA. 2022)
糖尿病を伴わない過体重または肥満成人の体調管理に優れているGLP-1受容体作動薬はどれか?米国では、体重管理に使用可能なグルカゴン様ペプチド-1類似体(GLP-1)としてセマグルチドとリラグルチドがあげられます。しかし、これらを比較した第3
小児の急性咳嗽に対するハチミツの効果はどのくらいですか?(SR&MA; Cochrane Database Syst Rev. 2018)
咳嗽は保護者の悩みの種であり、外来受診の主な原因です。咳は、小児やその親にとって、生活の質に影響を与え、不安を引き起こし、睡眠に影響を与える可能性があります。いくつかの鎮咳薬が販売されていますが、そのほとんどが中枢作用を有していることから、副作用の懸念が残ります。ハチミツは鎮咳作用を有していること…
SARS-CoV-2感染歴とワクチン接種歴を有するハイブリッド免疫はオミクロン変異株感染および重症化予防に有効ですか?(SR&MA; Lancet Infect Dis. 2023)
Omicron (B.1.1.529) variant(オミクロン変異株)の世界的な急増により、多くの人がハイブリッド免疫(SARS-CoV-2感染とワクチン接種の組み合わせにより獲得した免疫)を経験することになりました。しかし、オミクロン変異株に対する防御効果や重症化リスク低減効果については不明…
慢性腎臓病患者における尿素値と心血管疾患との関連性はどのくらい?(前向きコホート研究; CKD-REIN試験; Nephrol Dial Transplant. 2022)
血清尿素値の上昇は、中等度から進行性のCKDによくみられる。いくつかの研究により、尿素は特に心血管疾患に関する直接的および間接的な尿毒症毒素であることが示されています。しかし、充分に検証されていません。そこで今回は、CKD患者における腎代替療法(RRT)前の血清尿素値が有害な心血管イベントおよび死亡と関連するかどうかを目的に実施された前向きコホート研究の結果をご紹介します。
駆出率が保たれた心不全(HFpEF)と糖尿病を併存する患者の長期予後に対するジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤の影響はどのくらい?(日本 人口ベース研究; JACC Asia 2023)
ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤は、動物実験において心不全(HF)に対して多面的な作用を示すことが示されており、予後に影響する可能性がありますが充分に検討されていません。そこで今回は、糖尿病(DM)を有する心不全患者に対するDPP-4阻害薬の影響を検討することを目的と実施された日本…
心拍動下冠動脈バイパス術後の血栓・塞栓予防として二重抗血小板療法が行われます。有効性・安全性の面からアスピリン+クロピドグレルが用いられていますが、クロピドグレル抵抗性を有する患者における治療戦略についてはうエビデンスが限られています。そこで今回は、心拍動下冠動脈バイパス術(off-pump co…
歯学部生の歯垢に対するココナッツオイルプリングの効果はどのくらいですか?(小規模RCT; J Clin Diagn Res. 2017)
オイルプリングは、インドの伝統的な民間療法として、歯科疾患の予防や歯と歯茎の強化に長年にわたり広く使用されています。科学療法的な口腔内疾患予防あるいは歯垢除去方法としては、クロルヘキシジンが使用されていますが、不快な味、歯の着色、味覚の変化などのいくつかの欠点を有していることから代替療法が求められ…
心不全入院後の退院患者におけるトラセミドとフロセミド、どちらが死亡リスクを低下できますか?(Open-RCT; TRANSFORM-HF試験; JAMA. 2023)
ループ利尿薬であるトルセミド(トラセミド)とフロセミドはどちらが優れているのか?フロセミドは心不全患者に最もよく使用されるループ利尿薬ですが、作用時間の違いや心不全入院リスク低減効果の観点からトルセミド(トラセミド)の有用性を示唆する研究も
ポケモンGOの身体活動への影響はどのくらいですか?(SR&MA; Am J Prev Med. 2020)
ポケモンGOは、プレイヤーが仮想キャラクターを捕まえるために様々な場所に移動することを要求する人気のモバイル拡張現実ゲームです。しかし、プレイヤーの身体活動に対する影響については充分に検討されていません。そこで今回は、ポケモンGOがプレイヤーの身体活動へどのような影響を及ぼすのか検討したメタ解析の…
人工膝関節全置換術を受ける患者におけるカルバゾクロムの止血および抗炎症効果はどのくらい?(RCT; J Arthroplasty. 2020)
人工膝関節全置換術(TKA)後の術後回復期には、術後貧血や同種輸血、手術に対するストレス免疫反応などが関与しています。スルホン酸カルバゾクロムナトリウム(カルバゾクロム)はいくつかの機序により出血を抑制することが報告されていますが、TKA後の予後に対するCSSの影響は不明です。そこで今回は、カルバ…
家族性腺腫性ポリポーシスに対するNSAIDsスリンダクの化学的一次予防効果はどれくらい?(小規模DB-RCT; N Engl J Med. 2002)
家族性大腸腺腫症は、大腸腺腫症遺伝子の生殖細胞系列変異により発症することが知られています。数百個の大腸腺腫が発生し、最終的には大腸癌となることが特徴です。非ステロイド性抗炎症薬は腺腫の退縮をもたらしますが、腺腫の予防が可能かどうかは不明です。そこで今回は、遺伝子型的に家族性腺腫性ポリポーシスに罹患…
PCI後の長期維持療法としてのSAPTにはアスピリンよりもクロピドグレルの方が良いですか?(RCT; HOST-EXAM Extended Study; Circulation. 2023)
HOST-EXAM(Harmonizing Optimal Strategy for Treatment of Coronary Artery Stenosis-Extended Antiplatelet Monotherapy)において、経皮的冠動脈インターベンションを受けた虚血性心疾患患者の予…
出血性外傷患者におけるトラネキサム酸+カルバゾクロムスルホン酸ナトリウムの併用効果は、トラネキサム酸単独治療より優れています?(後向き研究; Cureus. 2022)
出血コントロールのためのカルバゾクロム追加はトラネキサム酸単独療法より優れているのか?出血をコントロールするために考えられている薬剤の効果を評価することは重要です。代表的な薬剤として、トラネキサム酸やカルバゾクロムなどが使用されています。ト
骨折後の血栓予防にアスピリンまたは低分子ヘパリン、どちらが良さそうですか?(RCT; PREVENT CLOT試験; N Engl J Med. 2023)
骨折患者に対する血栓予防として、診療ガイドラインでは低分子ヘパリンが推奨されていますが、アスピリンと比較した有効性に関する臨床試験は不足しています。そこで今回は、骨折後の血栓予防薬としてアスピリンと低分子ヘパリンを比較検討したランダム化比較試験の結果をご紹介します。この実用的な多施設共同ランダム化…
ダパグリフロジンはEFが改善した心不全(HFimpEF)患者に対しても有効ですか?(DB-RCTの事前設定解析; DELIVER試験; Nat Med. 2022)
EFが改善した心不全(HFimpEF)に対するSGLT-2阻害薬ダパグリフロジンの効果とは?心臓の収縮機能が低下していることを示す駆出率(EF)が低下した心不全に対する最新の治療により、患者はEFの上昇を示すことがあります。このような心不全
糖尿病患者における収縮期血圧と心血管リスクの関連性にはどのような特徴や傾向があるのか?(前向きコホート研究; Hypertension. 2022)
収縮期血圧(SBP)と心血管疾患のリスクとの関連が単調、つまり直線的な相関性があるのか、それとも至適血圧、つまりJ字やU字と呼ばれるような相関性があるのかについては、依然として議論のあるところです。そこで今回は、糖尿病患者におけるSBPと心血管イベントとの関連を、SBPの全領域にわたって調査したコ…
低骨量または原発性骨粗鬆症患者における骨折予防のための治療法はどれが優れていますか?(SR&NMA; Annals of Internal Medicine 2023)
医療の進歩や環境整備によりヒトの寿命は延び続けています。加齢に伴い骨粗鬆症の有病率が増加しています。そのため、骨粗鬆症あるいは低骨量に対する確実性の高い治療法を明らかにすることが求められます。そこで今回は、骨折を予防するための低骨量と骨粗鬆症に対する治療法を評価したシステマティックレビュー・ネット…
健康な成人における学業ストレス誘発性睡眠障害に対するヤクルトY1000の効果はどのくらいですか?(DB-RCT; Benef Microbes. 2017)
2021年に発売された乳製品乳酸菌飲料「Y1000」は、1mL当たり10億個の生きた「乳酸菌シロタ株」を含む乳製品乳酸菌飲料です。本品は機能性表示食品であり、「乳酸菌シロタ株」には、一時的な精神的ストレスがかかる状況における「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」の機能があることが報告されています。しか…
Open AIツール “ChatGPT” が作成する医学研究抄録は説得力があるのか?(preprint; bioRxiv 2022)
2022年11月30日にOpen AIの無料ツールChatGPT(OpenAI. ChatGPT)がリリースされ、人工知能モデルがコンテンツを生成する能力を実証し、その可能な使用方法(活用シーン)や潜在的な論争に関する記事がすぐに掲載されました(CNET、Digital Trends、The gu…
DOAC服用患者における静脈内血栓溶解療法は出血リスクとなりますか?(後向きコホート研究; JAMA Neurol. 2023)
国際的なガイドラインでは、最近直接経口抗凝固薬(DOAC)を服用した虚血性脳卒中患者に対する静脈内血栓溶解療法(IVT)を回避することが推奨されていますが、DOACを服用していることを知らずにIVTが実施されることもあります。そこで今回は、DOACを最近服用した患者におけるIVTの使用に関連する症…
軽症~中等症のCOVID-19外来患者に対するフルボキサミン使用はプラセボと差がない?(RCT; ACTIV-6試験; JAMA 2023)
フルボキサミンは、強迫性障害の治療薬として1994年に米国食品医薬品局、1995年5月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)によって承認された選択的セロトニン再取り込み阻害剤であり、現在は、社会不安障害やうつ病など様々な精神疾患の治療に使用されています。初期のCOVID-19試験では、フルボキサミン…
高カリウム血症後のRASi中止は死亡や心血管リスクを増加させますか?(観察研究; Am Heart J. 2022)
レニン-アンジオテンシン系阻害薬(RASi)、すなわちアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)は、高血圧、心筋梗塞、心不全、糖尿病およびタンパク尿性腎臓病の治療において広く用いられている基礎的治療法です。しかし、RASiの潜在的な有用性は、高カリウム血症を…
フェブキソスタットの使用と筋障害との関連性はどのくらい?(米国データベースおよびRCTのSR&MA; Br J Clin Pharmacol. 2022)
フェブキソスタットと筋障害との関連を示唆する報告がいくつかあります。しかし、充分に検討されていません。そこで今回は、フェブキソスタットが筋障害のリスクを増加させるかどうかを明らかにした試験の結果をご紹介します。本試験では、米国食品医薬品局有害事象報告システム(FAERS)データベースの解析と、ラン…
慢性ストレスに曝される若年成人におけるCP2305ガセリ菌錠(メンタルサポート ココカラケア)の効果はどのくらい?(DB-RCT; Nutrients. 2019)
CP2305ガセリ菌錠(メンタルサポート ココカラケア)によるストレス軽減効果はどのくらいなのか?Lactobacillus gasseri CP2305(CP2305ガセリ菌、L. gasseri CP2305)の短期投与は、健康な若年成
軽度認知機能障害(MCI)におけるコンピューターゲームとクロスワードトレーニング、どちらが良さそうですか?(短盲検RCT; NEJM Evid 2022)
軽度認知障害(MCI)は、認知症のリスクを高める可能性が報告されています。仮にMCIが認知症リスクを増加させるとした場合、MCIの段階で認知機能の低下を抑えることができれば認知症の進行抑制につながります。しかし、認知機能の低下を抑えるための戦略は確立していません。また、MCI患者に対する認知トレー…
80歳以上の心房細動患者に対する最適な脳卒中予防戦略はどれですか?(SR&MA, NWM; Age Ageing. 2022)
80歳以上の高齢AF患者における脳卒中予防効果が高い治療戦略には何があるのか?80歳以上の心房細動患者に対する最適な抗血栓療法は、エビデンスが限られていることから未だに確立されていません。そこで今回は従来のシステマティックレビューとネットワ
メトホルミン使用は左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)患者の死亡リスクを低下できますか?(観察研究のメタ解析; Cardiovasc Diabetol. 2020)
観察研究では、心不全(HF)患者においてメトホルミンの死亡率改善効果が示唆されています。しかし、左室駆出率が維持された心不全(HFpEF)におけるメトホルミンの有用性については充分に検討されていません。そこで今回は、メトホルミン治療を受けたHF患者において、左室駆出率の差異が死亡率に影響を与えるか…
症候性COVID-19曝露後患者に対するAZD7442(チキサゲビマブ/シルガビマブ)の予防投与の効果はどのくらいですか?(RCT; Clin Infect Dis. 2022)
症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発症予防のための曝露後予防薬としてAZD7442(tixagevimab チキサゲビマブ/cilgavimab シルガビマブ、商品名:エバシェルド筋注セット)が使用できます。今回は、AZD7442の症候性COVID-19暴露後予防投与について検証し…
小児心疾患患者におけるエドキサバンの血栓塞栓症予防効果はどのくらいですか?(RCT; ENNOBLE-ATE試験; J Am Coll Cardiol. 2022)
小児心疾患患者における血栓塞栓症(TE)予防のための標準治療(SOC)抗凝固療法には、低分子ヘパリンまたはビタミンK拮抗薬がもちいられています。代替療法として直接作用型抗凝固薬(OAC)がしょうんん販売されていますが、小児におけるデータは限られています。そこで今回は、小児におけるエドキサバンの安全…
SGLT-2阻害薬の入院前使用は、2型糖尿病患者におけるCOVID-19転帰を改善するかもしれない(SR&MA; Diabetes Res Clin Pract. 2022)
COVID-19を発症した2型糖尿病患者重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)により引き起こされる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年12月に中国武漢で初めて報告された呼吸器感染症です。本疾患は
高齢者の認知機能に対するマインドフルネス・トレーニングとエクササイズの効果はどのくらいか?(RCT; JAMA. 2022)
エピソード記憶と実行機能は、加齢とともに低下する認知機能の重要な側面です。脳科学時点によれば、エピソード記憶とは、陳述記憶の一つで、「個人が経験した出来事に関する記憶」であり、出来事の内容 (「何」を経験したか)に加えて、出来事を経験したときのさまざまな付随情報(周囲の環境すなわち時間・空間的文脈…
日本における6つの急性心疾患の院内死亡率に及ぼす肥満度の影響はどのくらい?(日本データベース研究; Sci Rep. 2022)
Body mass index(BMI)分布と心血管疾患(CVD)への影響は、アジアと欧米の集団で異なりますが、充分に検証されていません。そこで今回は、日本人のCVD患者における肥満と低体重の有病率およびBMIの安全域の時間的な傾向を明らかにすることを目的に実施された日本のデータベース研究の結果を…
心房細動や脳卒中の既往のない患者における左房の機械的機能障害の評価は虚血性脳卒中リスクを予測できますか?(前向きコホート研究; ARIC試験; Ann Intern Med. 2022)
左房機能には左室収縮期に肺静脈から血流を受けるReservoir機能、左室拡張早期に左房から左室へ血液が移動するConduit機能、左室拡張末期に心房収縮により左房内血液を押し出すContractile機能の3つが存在します。そこで今回は、心エコーによる左房機能(reservoir、conduit…
糖尿病予備軍および2型糖尿病患者の心血管死亡率および全死亡率に対する生活習慣への2年以上の長期的介入の効果はどのくらいですか?(SR&MA; Diabetes Care. 2022)
生活習慣への介入効果はどのくらいなのか?2型糖尿病は遺伝的・環境的要因により発症する高血糖状態を伴う内分泌疾患です。持続的な高血糖状態は神経障害や網膜症、腎症の他、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こし、死亡リスクを高めます。2型糖尿病における生
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急性冠症候群に対するステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション後、国際的な臨床ガイドラインでは、心筋梗塞やステント血栓症を予防するために、アスピリン+P2Y12受容体阻害薬による二重抗血小板療法を12ヵ月間行うことが一般的に推奨され…
急性冠症候群や心臓突然死は、脂質に富むアテローム性動脈硬化プラーク(脆弱プラークと呼ばれる)の破裂や血栓症によって引き起こされることが多く、その多くは非流動制限性(non-flow-limiting)です。脆弱プラークに対する経皮的冠動脈…
妊娠中のアセトアミノフェン(パラセタモール)使用は、小児の神経発達障害のリスクを増加させる可能性があることを示唆する研究がいくつかあります。これが事実であれば、妊娠中の疼痛や発熱の管理に大きな影響を及ぼすことになることから、更なる検証が求…
妊娠中のバルプロ酸塩の母親の使用は、小児の神経発達障害のリスク上昇と関連していることが報告されています。他の抗てんかん薬に関するほとんどの研究では、これらの障害のリスク増加は示されていないものの、母親のトピラマート使用に関連した自閉症スペ…
座っている時間(座位時間)が長いと、血行不良と代謝低下が引き起こされ、死亡率増加や循環器疾患発症と関わることが報告されています。特に座位時間が長くなりやすい高齢者において、心代謝系の健康を改善するための実践的な健康増進戦略が求められていま…
冠動脈性心疾患患者は心血管イベントの発生リスクが高いことから、手術や薬物療法が行われます。一方、酸素消費量、QOL、死亡率に対するさまざまな運動療法の効果については充分に検証されていません。そこで今回は、冠動脈性心疾患を有する成人を対象に…
心筋梗塞後のβ遮断薬治療の有用性を示した試験のほとんどは、大規模心筋梗塞患者を対象としており、現代のバイオマーカーに基づく心筋梗塞診断や経皮的冠動脈インターベンション、抗血栓薬、高強度スタチン、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系拮…
エンパグリフロジンは心不全患者、心血管リスクの高い2型糖尿病患者、慢性腎臓病患者の心血管転帰を改善することが報告されています。しかし、急性心筋梗塞患者におけるエンパグリフロジンの安全性と有効性は不明です。そこで今回は、急性心筋梗塞で入院し…
急性心不全に対するダパグルフロジンの効果はどのくらい? 急性心不全(AHF)入院中の主な目標は、うっ血およびガイドラインに基づいた薬物療法(GDMT)の最適化です。利尿薬や他のGDMTとは異なり、ダパグリフロジンの早期投与はAHFの両目標を
慢性痛の管理は依然として不充分です。没入型技術(すなわち、バーチャルリアリティ[VR])と神経科学に基づく原理を統合することで、痛みを維持する認知的・情動的神経過程を標的とし、痛みの慢性化や増幅に関連する神経生物学的回路を変化させる可能性…
Los AngelesグレードC/D食道炎は胃食道逆流症の重篤な症状であり、積極的な治療と綿密な経過観察が必要とされています。カリウム競合的アシッドブロッカー(Potassium Competitive Acid Blockers, P-…
高血圧は認知症のリスク増加と関連してい流ことが報告されています。また降圧治療により血圧を下げると認知症のリスクが減少するというエビデンスも存在します。しかし、このエビデンスの一般的な高齢患者に対する一般化可能性は不明です。そこで今回は、降…
左室駆出率(EF)の異なる心不全(HF)入院患者におけるサクビトリル/バルサルタンの有効性と安全性についてはこれまでに報告されていません。そこで今回は、EF40%以下の心不全患者(PIONEER-HF[Comparison of Sacu…
ナイアシンによる心血管リスクはどのくらいなのか? ナイアシンは、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称であり、ビタミンB₃とも呼ばれています。水溶性ビタミンの1つでありビタミンB複合体に分類されています。糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠であ
心臓がポンプとして動くためには心臓自身にも酸素や栄養分が必要です。そのため心臓の周りには冠動脈があり、心臓が送り出した血液の一部が冠動脈を通して血液中の酸素や栄養分を心臓へ届けています。虚血性心疾患患者においては、この冠動脈の流れが悪くな…
動脈硬化性心血管病(ASCVD)の一次予防に関するガイドラインでは、主要有害心血管イベント(MACE)の10年リスクを推定するためのリスク推定として、ASCVDリスクスコアが推奨されています。近年、AI、特にディープラーニングによる将来の…
高出血リスク(High bleeding risk, HBR)と急性冠症候群(acute coronary syndrome, ACS)のサブタイプは経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary interv…
広範な感染症と心血管系の転帰との関連は依然として不明です。そこで今回は、広範な感染症に関連する心血管リスクプロファイルを提供し、感染症が寿命を縮める程度を探ることを目的に実施された英国のコホート研究の結果をご紹介します。本研究では、UK …
変形性股関節症および変形性膝関節症は、世界的な身体障害の主な原因のひとつであり、その治療の主な目的のひとつは身体機能を改善することです。治療の主体は鎮痛薬ですが、この鎮痛薬が身体機能を改善するかは不明です。そこで今回は、鎮痛薬が身体機能(…
機能性表示食品のランダム化比較試験の実際の結果と表現に大きな乖離がある? 機能性表示食品市場は著しい成長を遂げ、医薬品開発業務受託機関(CRO)による臨床試験が増加しています。しかし、CROが管理する臨床試験および臨床試験結果の消費者市場へ
血液透析を行うための穿刺時痛(穿刺時疼痛)は主な課題であり、患者の快適性のために疼痛管理技術を必要とする共通の問題です。この問題に対して、鎮痛薬や麻酔薬を含む貼付薬やスプレーが利用されています。スプレーは、麻酔薬を含む軟膏と比較して即効性…
2型糖尿病患者において、ナトリウム・グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)の使用初期にfirst dipと呼ばれる推定糸球体濾過量(eGFR)の低下が認められます。このeGFR低下とAKIなど腎アウトカムとの関連性、また併用薬による…
医療では、高リスクの患者は治療により最も恩恵を受けるという暗黙の前提のもと、臨床医が個人を治療する 'high-risk approach'(ハイリスクアプローチ)が用いられます。一方、新しい機械学習法を用いて最も高い利益を推定した個人を…
非定型抗精神病薬であるオランザピンは、せん妄抑制に最もよく使用される薬剤の一つです。しかし、重症成人のせん妄抑制に対するオランザピンの有効性と安全性に関する系統的な評価やメタ解析は存在しません。そこで今回は、集中治療室(ICU)に入院中の…
COVID-19で入院した患者は、サイトカインストームに伴う血栓塞栓症の発生率の高さが報告されています。したがって、血栓予防・治療が行われますが、退院後の血栓予防の延長の役割は不明です。そこで今回は、COVID-19入院後の退院患者におい…
敗血症の重症例では、副腎皮質ホルモンでステロイドの一種であるコルチゾールの分泌が不良となり、これを重症関連コルチコステロイド障害(critical illness-related corticosteroid insufficiency,…
高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントを引き起こすことから、血圧コントロールが求められます。特に脳卒中の二次予防においては、より集中的に血圧を下げることが、一般的に血圧を下げることよりもどの程度優れているかは明らかにされていません。…
SARS-CoV-2ウイルスに対するmRNAワクチンを接種した際に、心筋炎リスクが増加する可能性が報告されています。しかし、COVID-19に伴う心筋炎との臨床転帰の比較については充分に検証されていません。そこで今回は、mRNAワクチン接…
国際的な重症患者栄養ガイドラインでは、質の低いエビデンスに基づき、様々な量のタンパク質投与を推奨しています。しかし、重症時に高用量タンパク質を投与することの効果については充分に検討されていません。そこで今回は、重症患者に高用量のタンパク質…
2020年頃から、駆出率の保たれた心不全(HFpEF)の前段階にあたるpre-HFpEFという概念が報告されています。pre-HFpEFの定義は、無症状(心不全の徴候や症状がない)で、左室駆出率(LVEF)が保たれ、心臓の構造異常(HFp…
フレイル(虚弱)症候群の高齢者にとって、ポリファーマシーを減らす "脱処方・減処方" は、安全性を促進する治療法として有用であると考えられます。しかし、脱処方による患者予後への影響については充分に検討されていません。そこで今回は、ポリファ…
AID-ICU試験は、せん妄を伴う集中治療室(ICU)に入院した急性期の成人患者を対象に、ハロペリドールとプラセボの効果を検討したランダム化、盲検化、プラセボ対照の試験でした。本試験の主要評価項目は無作為化後90日目の生存日数と退院日数で…
アジスロマイシンの使用により、予期していない帝王切開分娩の女性における母体感染症が減少することが報告されています。しかし、計画的な経膣分娩の女性に対する効果は不明です。そこで今回は、分娩期におけるアジスロマイシンの経口単回投与により、母体…
近視の早期発症は、その後の強度の近視と関連し、一度発症した近視は不可逆的であることが報告されています。過去の報告で、0.01%濃度のアトロピン点眼により、小児の近視発症を遅らせる可能性が示されていますが、充分に検討されていません。そこで今…
SARS-CoV-2ウイルスにより引き起こされるCOVID-19の患者数は増減を繰り返し、感染終息の兆しが見えないことから、コロナとの共存(withコロナ)を迫られています。COVID-19に対する治療薬や感染予防対策が講じられ、感染者数…
更年期女性の血管運動症状(血管運動神経症状とも:顔のほてり・のぼせ等のホットフラッシュや寝汗、手足の冷え、息切れなど)の治療において、基本的にはホルモン(補充)療法が行われます。しかし、ホルモン療法が実施できない、あるいは実施しない(した…
駆出率が維持された心不全(HFpEF)患者において、標準治療薬にナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2-I)を追加すると、心不全悪化または心血管死亡の複合転帰のリスクが低下することが報告されていますが、米国のHFpEF患者にお…
COVID-19ワクチンの有効性(VE)を国内で評価することは、国のワクチン接種方針を評価・決定する上で極めて重要です。日本におけるワクチンの有効性データは限られています。そこで今回は、国内におけるmRNA COVID-19ワクチンのVE…
COVID-19においてみられる凝固異常(COVID-19-associated coagulopathy: CAC)は、感染や炎症に端を発する炎症性サイトカインの産生、免疫血栓(immunothrombosis)形成、補体の活性化、血管…
高尿酸血症や痛風治療において、尿酸生成抑制薬や尿酸降下薬が用いられます。特に尿酸降下薬が主に使用されていますが、米国において一部の尿酸降下薬による心血管リスク増加が示唆されています。一方、日本においては、尿酸降下薬の使用と心血管イベント発…