ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRA)の長期使用から不眠症の認知行動療法(cognitive behavioral therapy for insomnia, CBTI)への移行を可能にする高齢患者への直接介入は、BZRAの使用および関…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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鎮静剤使用を減らし睡眠を改善するための患者自己指導介入の効果は?(Open-RCT; YAWNS NB試験; JAMA Psychiatry. 2024)
ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRA)の長期使用から不眠症の認知行動療法(cognitive behavioral therapy for insomnia, CBTI)への移行を可能にする高齢患者への直接介入は、BZRAの使用および関…
人工甘味料エリスリトールと心血管イベントリスクとの関連性は?(メタボロミクス研究; Nat Med. 2023)
人工甘味料は砂糖の代用品として広く使用されていますが、その長期的な心代謝疾患リスクへの影響についてはほとんど知られていません。そこで今回は、一般的に使用されている代用糖(人工甘味料)エリスリトールとアテローム血栓性疾患リスクについて検討し…
台湾の2型糖尿病患者におけるスルホニルウレア薬の長期使用と低血糖の自覚障害(横断研究; Ann Fam Med. 2024)
低血糖は、重篤な不整脈、血管障害、一時的な局所障害、認知機能障害、死亡など多くの合併症を引き起こす可能性があります。また、低血糖は自動車事故や転倒など、様々な有害事象の比較的高いリスクとも関連しています。低血糖を自覚することでブドウ糖の摂…
運動ニューロン疾患に対するメマンチンとトラゾドンの安全性と有効性は?(DB-RCTの中間解析; MND SMART試験; Lancet Neurol. 2024)
運動ニューロン疾患は、運動ニューロンの選択的な喪失を特徴とする進行性の難病であり、効果的な疾患修飾療法の迅速な同定が急務です。MND SMART試験は、有望な治療法の安全性と有効性を、同時期に行われたプラセボ対照群に対して、効率的かつ決定…
成人における食事からのビタミンC摂取と片頭痛との関連性は?(横断研究; J Hum Nutr Diet. 2024)
ビタミンCの摂取量により片頭痛の発生リスクは異なるのか? これまでの研究で、ビタミンCは片頭痛の発生や強さを減少させる可能性があることが示されていますが、サンプル数が少ないためエビデンスは限られています。 そこで今回は、一般集団における食事
肥満は早期関節リウマチにおける治療効果不良の危険因子?(RCT; NORD-STAR研究; RMD Open. 2024)
関節リウマチ(RA)における治療失敗は、長期合併症のリスクの増加、患者QOLの低下、社会的経済的負担の増大と関連しています。肥満はRA発症の確立された危険因子です。さらに、過体重または肥満を有するRA患者では、正常体重RA患者と比較して、…
アルツハイマーを有する高齢者における看護師主導の段階的総合芸術ベースの認知介入効果(RCT; Int J Nurs Stud. 2024)
複合的な芸術活動は、感情、認知、行動に関与する様々な脳領域内の神経ネットワーク機能を改善し、それによって認知機能の低下を予防または逆転させることができます。しかし、その効果を系統的に検討した研究はほとんどありません。さらに、看護師主導によ…
妊娠中および授乳期のプレバイオティクス補給が乳児のアレルギー疾患に及ぼす影響(DB-RCT;
プレバイオティクス摂取によりアレルギー性 妊娠中および授乳期のプレバイオティクスの摂取は、発育中の胎児および乳児の免疫系に免疫調節効果をもたらし、アレルギー疾患のリスクを軽減する食事戦略の可能性があります。 そこで今回は、母親による食事性プ
PSAとMRIによる前立腺癌スクリーニングの4年後の結果(RCT; GÖTEBORG-2試験; N Engl J Med. 2024)
前立腺がんスクリーニングとして、マーカーであるPSAが用いられています。しかし、前立腺炎や喫煙、射精などの影響により上昇することから、更なる検査方法の確立が求められています。なかでも磁気共鳴画像法(MRI)による前立腺がんスクリーニングの…
急性心不全におけるコルヒチンの効果は?(DB-RCT; COLICA試験; Eur Heart J. 2024)
急性心不全(AHF)は炎症の活性化を促進し、予後の悪化と関連しています。コルヒチンは炎症の活性化を特徴とする他の心血管系疾患では有効であることが証明されていますが、AHFでは評価されたことがありません。そこで今回は、左室駆出率(LVEF)…
変形性膝関節症および2型糖尿病患者におけるトリアムシノロンアセトニドの徐放製剤と即時放出製剤の比較(事後解析; J Arthroplasty. 2024)
関節内コルチコステロイド注射は高血糖(グルコース値 180mg/dL以上)を引き起こす可能性があります。変形性膝関節症および2型糖尿病を有する患者33例を対象とした第2相試験において、トリアムシノロンアセトニド徐放製剤(, TA-ER)は…
維持透析を受けているCOVID-19患者の臨床経過と重症罹患率および死亡率と相関する因子(コホート研究; Intern Med. 2024)
維持透析を受けている患者は、一般集団に比べて重症コロナウイルス感染症(COVID-19)による罹患率および死亡率のハイリスクであることが報告されています。しかし、この患者集団に関する縦断的データは不足しています。そこで今回は、2020年か…
中等度慢性腎臓病の心血管転帰に対する低用量スピロノラクトンの効果は?(RCT; BARACK-D試験; Nat Med. 2024)
ステージ3bのCKD患者におけるスピロノラクトン25mg投与の効果は? 慢性腎臓病(CKD)は、末期腎臓病への進行と血管イベントのかなりのリスクと関連していることが報告されています。 非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)
レストレスレッグス症候群に対するジピリダモールの効果はどのくらい?(クロスオーバー試験; Mov Disord. 2021)
むずむず脚症候群にジピリダモールは有効なのか? レストレスレッグス症候群には新しい薬理学的標的が必要とされています。前臨床データは、アデノシン作動性低下状態が病態に重要な役割を果たしていることが示唆されています。 そこで今回は、平衡ヌクレオ
早期筋萎縮性側索硬化症における超高用量メチルコバラミン投与の有効性と安全性(DB-RCT; JETALS試験; JAMA Neurol. 2022)
現在承認されている筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬の有効性は限られており、さらなる治療法の開発が必要とされています。初期の研究で、超高用量メチルコバラミンが有望な薬剤であることが示されていますが、再現性の確認も含めて、より大規模な検証が…
がん性悪液質治療におけるポンセグロマブの効果はどのくらい?(RCT; N Engl J Med. 2024)
悪液質は、がんの一般的な合併症であり、死亡リスクの増加と関連しています。循環性サイトカインである増殖分化因子15(growth differentiation factor 15, GDF-15)のレベルは、がん性悪液質で上昇することが知…
経皮的冠動脈インターベンション後のアスピリン単剤療法とクロピドグレル単剤療法(STOPDAPT-3試験の1年追跡調査; Eur Heart J. 2024)
薬剤溶出ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の短期間の二重抗血小板療法(DAPT)後に、アスピリン単剤療法とP2Y12阻害薬単剤療法を比較した試験は過去にありません。そこで今回は、急性冠症候群(ACS)また…
慢性腰痛に対する非盲検プラセボ注射と機能的神経画像との関連性は?(RCT; JAMA Netw Open. 2024)
慢性背部痛(Chronic Back Pain, CBP)は身体障害の主要な原因です。プラセボ治療はしばしば、ステロイド注射のような善意の治療と同程度の疼痛緩和をもたらすことが報告されています。オープンラベル(正直に処方される)プラセボ(…
植物性・動物性脂肪の摂取と全死亡・心血管疾患関連死亡との関連性は?(前向きコホート研究; JAMA Intern Med. 2024)
長期的なヒトの健康に対する食事脂肪摂取の影響は、多くの研究者の関心を集めており、多様な食事脂肪の健康への影響は、利用可能な食物源に依存しています。しかし、特定の食品源からの食事脂肪と健康との関連を解明するデータは多くありません。そこで今回…
2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬の有効性と安全性に対する虚弱(フレイル)の影響(後向き全国縦断研究; Lancet Healthy Longev. 2024)
GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬はランダム化比較試験の結果に基づいて2型糖尿病患者に使用されるようになってきていますが、実臨床において虚弱が臨床転帰に影響を及ぼすかどうかについてはほとんど知られていません。そこで今回は、2型糖尿病…
COVID-19ワクチン拒否は意図的な無知と認知の歪みによって引き起こされる(NPJ Vaccines. 2024)
情報に対する処理方法がワクチン拒否の一要因? COVID-19パンデミックの際、ワクチン接種のためらいは大きな課題です。ワクチン接種のためらいを減らすための一般的な介入は、ワクチンの有効性、副反応、関連する確率に関する情報を提供することです
患者の社会的背景の評価が看護ケアに与える影響はどのくらい?(質的研究; J Gen Fam Med. 2023)
看護師は臨床の場で健康の社会的決定要因(the social determinants of health, SDH)に取り組むことが期待されているが、SDHの臨床実践への統合に関する第一線の看護師の視点は依然として不明確である。この統合…
心不全におけるミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の効果は?(患者レベルのメタ解析; Lancet. 2024)
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)は駆出率が低下した心不全患者(HFrEF)における入院や死亡を減少させますが、軽度の駆出率低下した心不全患者(HFmrEF)や駆出率が維持された心不全患者(HFpEF)における有用性は不明です。そ…
慢性腎臓病を有する糖尿病患者の心不全アウトカムに対するセマグルチドの効果は?(RCTの事後解析; FLOW試験; J Am Coll Cardiol. 2024)
2型糖尿病(T2D)と慢性腎臓病(CKD)を有する患者は、心不全(HF)と心血管疾患(CV)による早期死亡のリスクが高いことが報告されています。2型糖尿病と慢性腎臓病の患者を対象としたFLOW試験(Research Study To Se…
高齢者におけるインフルエンザワクチン接種と急性腎障害との関連性は?(自己対照症例シリーズ; Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2024)
インフルエンザワクチン接種は急性腎障害リスクと関連しているのか? インフルエンザワクチン接種後に急性腎障害(AKI)を含む腎合併症が発生した症例が複数報告されていますが、関連性は証明されていません。 そこで今回は、2018~2019年および
インスリン治療歴のない2型糖尿病患者におけるインスリンエフシトラα vs. デグルデク(オープンRCT; QWINT-2試験; N Engl J Med. 2024)
インスリンエフシトラα(Insulin efsitora alfa;エフシトラ)は週1回投与の新しい基礎インスリン製剤です。安全性と有効性に関するデータは、小規模の第1相または第2相試験に限られています。そこで今回は、インスリン治療歴のな…
ビスホスホネート療法は骨粗鬆症患者の全死亡率を減少させますか?(RCTのメタ解析; Clin Orthop Relat Res. 2024)
骨粗鬆症患者において、ビスホスホネート系薬による治療は骨折のリスクを減少させますが、死亡率減少に対する効果は依然として不明です。このテーマに関する先行研究では相反する結果が得られており、一般にビスホスホネート療法が死亡率を低下させるかどう…
【理解度チェック問題】後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について
2024年10月1日から開始される「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養」の理解度チェック問題を作成しました。ぜひご活用ください。なお、本問題集は2024年9月21日までの情報を基に作成しています。今後も疑義解釈資料等が公表…
非心臓手術を受ける冠動脈ステント留置安定患者におけるアスピリン単剤療法 vs. 抗血小板療法なし(オープンRCT; ASSURE-DES試験; J Am Coll Cardiol. 2024)
現在のガイドラインでは、非心臓手術を受ける冠動脈薬剤溶出性ステント(DES)留置患者において、周術期にアスピリンを継続投与することが推奨されています。しかし、それを支持するエビデンスは限られています。そこで今回は、DES植込み歴のある患者…
幼児期のタブレット使用と易怒性との関連性は?(前向き横断研究; JAMA Pediatr. 2024)
未就学児におけるタブレット端末の使用は増加の一途をたどっています。モバイル機器の使用は、子どもの情動調節障害と関連していますが、子どものタブレット使用と自己調節能力の発達との間に明確な関連性の方向性を示すことができた研究はほとんどありませ…
心房細動患者におけるアスンデキサンとアピキサバンの比較(DB-RCT; OCEANIC-AF試験; N Engl J Med. 2024)
心房細動患者における直接作用型経口抗凝固薬による脳卒中予防は出血のリスクを伴うため、その使用は制限されています。Asundexian(アスンデキサン)は、開発中の活性化血液凝固第XI因子(XIa)阻害薬であり、Xa阻害薬よりも出血リスクが…
第一世代抗ヒスタミン薬による興奮・せん妄予防効果はどのくらい?(系統的レビュー; Eur J Clin Pharmacol. 2024)
第一世代抗ヒスタミン薬による術後の興奮(agitation)やせん妄の予防効果は不明です。第一世代抗ヒスタミン薬の術後効果を明らかにすることで、患者の安全管理に重要な知見が得られる可能性があります。そこで今回は、術後の第一世代抗ヒスタミン…
がん患者におけるオピオイド誘発性便秘に対するナルデメミンの予防効果は?(DB-RCT; J Clin Oncol. 2024)
オピオイド誘発性便秘は、オピオイド鎮痛において最も頻度が高く、非自己限定的な副作用であり、服薬アドヒアランスを低下させ、疼痛緩和を妨げることが知られています。最近、ナルデメジンやナロキセゴール(naloxegol)のような経口末梢作用性μ…
心房細動患者における経口抗凝固薬のアドヒアランスと重篤な臨床転帰との関連は?(後向きコホート研究; J Am Heart Assoc. 2024)
心房細動患者において、脳卒中および全身性塞栓症(SSE)予防のために処方された経口抗凝固薬(OAC)のアドヒアランスが低いことが多いとされています。OACのアドヒアランスと心房細動の臨床転帰との関係を、これまでこの問題に適用されていなかっ…
認可されているmRNA COVID-19ワクチンは、SARS-CoV-2特異的反応を持続させるためにブースター接種が必要であり、より免疫原性の広い新規ワクチンの必要性が生じています。そこで今回は、ARCT-154(SARS-CoV-2 D…
慢性腎臓病患者における便秘と末期腎不全リスクとの関連性は?(PSマッチコホート研究; BMC Nephrol. 2019)
CKD患者における便秘は腎機能低下と関連するのか? 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)は、公衆衛生上の大きな問題となっています。 多くの危険因子が同定され、それぞれに応じた介入が行われましたが、末期腎疾患(e
HFpEF患者における退院後のトルセミド vs. フロセミド(後向き研究; ESC Heart Fail. 2024)
駆出率が維持された心不全(HFpEF)患者の予後に対する退院後のトルセミドとフロセミドの効果に焦点を当てた研究はほとんどありません。そこで今回は、HFpEF患者における退院後のトラセミド(トルセミド)とフロセミドの全死亡および心不全による…
膿尿または細菌尿のある高齢者のせん妄に対する抗生物質の効果は?(系統的レビュー; J Am Geriatr Soc. 2024)
せん妄転帰と抗生物質との関連性は? せん妄は高齢者によく見られる神経精神症候群で、認知機能と注意力の急激で変動的な変化が特徴です。せん妄は、死亡、施設入所、認知症のリスク増加など、深刻な長期的合併症を伴う医学的緊急事態であることから、対症療
腰痛と変形性関節症に対するアセトアミノフェン併用療法の効果は?(メタ解析; Drugs. 2024)
パラセタモール(アセトアミノフェン)を他の鎮痛薬と併用することで、一部の疼痛疾患では疼痛強度を軽減することができますが、腰痛症や変形性関節症の管理における有効性は不明です。そこで今回は、腰痛症や変形性関節症において、アセトアミノフェン併用…
非心臓大手術前のレニン-アンジオテンシン系阻害薬の継続 vs. 中止(RCT; Stop-or-Not試験; JAMA. 2024)
手術前にレニン-アンジオテンシン系阻害薬(RASI)(アンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬)を服用している患者を管理する最良の戦略は不明です。エビデンスの欠如が相反するガイドラインを生んでいます。そこで今回は、…
入院高齢者患者のせん妄軽減にスボレキサントは有効ですか?(DB-RCT; Suvorexant 085試験; JAMA Netw Open. 2024)
高齢入院患者のせん妄に対するスボレキサントの効果は? せん妄は入院中の高齢者によくみられます。せん妄は当面の管理問題を提示するだけでなく、認知症、施設入所、死亡の長期的リスクを高める可能性があり対策が求められています。 せん妄は睡眠障害と関
抗うつ薬の中止症状の発生率はどのくらい?(メタ解析; Lancet Psychiatry. 2024)
抗うつ薬中止後の有害症状の出現は、精神医学における研究のトピックになりつつあり、臨床現場や患者、一般メディアでも注目されています。抗うつ薬中止症候群は、代わりに症状群を示し、様々な方法で定義されています(例えば、中止緊急徴候・症状尺度[D…
軽度に駆出率が低下または維持された心不全におけるフィネレノンの効果はどのくらい?(DB-RCT; FINEARTS-HF試験; N Engl J Med. 2024)
ステロイド系ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者の罹患率と死亡率を減少させることが示されています。一方、駆出率が軽度低下または維持された心不全(HFmrEF/HEpEF)患者における有効性は確立され…
持続的気道陽圧治療と妊娠中の高血圧有害転帰との関連性は?(メタ解析; JAMA Netw Open. 2024)
妊娠は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea, OSA)の発症や増悪を助長し、妊娠合併症のリスクを高める可能性があります。持続陽圧呼吸療法(Continuous positive airway press…
心筋梗塞後におけるβ遮断薬の中断と継続どちらが良い?(OPen-RCT; ABYSS試験; N Engl J Med. 2024)
心筋梗塞後のβ遮断薬による適切な治療期間は不明です。合併症を有さない心筋梗塞既往の患者において、副作用を軽減しQOLを改善するために長期間のβ遮断薬治療を中断した場合の安全性と有効性に関するデータが求められています。そこで今回は、心筋梗塞…
治療中の成人2型糖尿病患者におけるエンパグリフロジンとダパグリフロジンの心血管効果の比較(標的試験のエミュレーション; Circulation. 2024)
エンパグリフロジンとダパグリフロジンは心血管リスクの高い2型糖尿病患者において心血管への有用性が証明されています。しかし、2剤間の比較有効性は不明です。そこで今回は、2型糖尿病患者に対するエンパグリフロジンとダパグリフロジンの有効性につい…
更年期に伴う血管運動症状に対するエリンザネタントの効果はどのくらい?(RCT; OASIS試験; JAMA. 2024)
更年期血管運動症状(VMS)は、更年期にホルモンの変化によって引き起こされる症状群です。主な症状には、ホットフラッシュ(突然の熱感と発汗)、ナイトスウェット(夜間の発汗)、動悸(心臓の鼓動の異常感)、不眠(睡眠の質の低下)があり、日常生活…
小児の術後急性疼痛に対するイブプロフェンの有効性・安全性は?(コクランレビュー; Cochrane Database Syst Rev. 2024)
小児は手術後、苦痛を避けるために疼痛管理を必要とすることが多いことは想像に難くありません。効果的な疼痛管理は治癒期間と生活の質(QOL)に影響を及ぼすことから関心の高い研究領域です。小児によく使用される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs…
日本におけるKDIGOヒートマップによる心血管、腎、死亡リスク(データベース研究; Clin Kidney J. 2024)
KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)は、国際的腎臓病ガイドライン機構と訳され、急性腎障害(AKI)や慢性腎臓病(CKD)に関する診療ガイドラインや基準を提唱しています。その中にCK…
1ヵ月の二重抗血小板療法は、ステント血栓症のない長期治療と比較して大出血を減少させる(RCTのメタ解析; Am J Cardiol. 2024)
二重抗血小板療法(DAPT)は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた患者では依然としてゴールドスタンダードです。しかし、DAPTの至適期間については依然として明らかとなっていません。そこで今回は、薬剤溶出ステント(DES)を用い…
催吐性が中等度の化学療法に対するオランザピンの効果はどのくらい?(RCT; JAMA Netw Open. 2024)
ニューロキニン-1受容体拮抗薬を併用する、または併用しない中等度催吐性化学療法(moderately emetogenic chemotherapy, MEC)レジメンにおけるオランザピンの役割は、充分に評価されていません。そこで今回は、…
ハイリスク因子を有さない高齢者におけるアスピリンの中止は有用ですか?(標的試験エミュレーション; ASPREE試験; BMC Med. 2024)
アスピリンの中止が有益となる高齢者像とは? 高齢者におけるアスピリン中止の正味の有益性は依然として不明ですが、倫理的な側面から大規模なランダム化比較試験での検証は困難であると考えられます。 アスピリンを中止することが安全かどうかについては、
急性薬物過剰使用の有無にかかわらず慢性片頭痛におけるアトゲパントは有効?(DB-RCT; PROGRESS試験; Neurology. 2024)
急性の薬物過剰使用は、しばしば慢性片頭痛と関連し、痛みの強さ、障害の大きさ、24時間鎮痛アウトカムの悪化と関連していることが報告されています。また、エピソード性片頭痛(episodic migraine, EM)から慢性片頭痛(chron…
高尿酸血症と心血管疾患リスクとの関連性はどのくらい?(前向き研究; Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases 2024)
危険因子の修飾は心血管疾患(CVD)のリスクを低下させる可能性があります。しかし、高尿酸血症がCVDに及ぼす影響を危険因子の修飾によって軽減できるかどうかは不明です。そこで今回は、高尿酸血症を有する人のCVDリスクを、高尿酸血症を有さない…
フレイル(虚弱)は30日死亡率と関連する?(観察研究; Emerg Med J. 2024)
フレイル(虚弱)と死亡リスクとの関連性は? 虚弱を有する高齢患者は有害事象のリスクが高いことが報告されています。 Clinical Frailty Scale(CFS)は9段階の虚弱度評価尺度であり、有害転帰のリスクが高い虚弱な救急外来(E
経口抗生物質と重篤な皮膚有害反応リスクとの関連性は?(コホート内症例対照研究; JAMA. 2024)
重篤な皮膚薬物有害反応(cutaneous adverse drug reactions, cADR)は、皮膚や内臓を巻き込んだ生命を脅かす可能性のある薬物過敏反応です。抗生物質はこれらの反応の原因として認識されていますが、抗生物質のクラ…
内視鏡的止血成功後の高リスク消化性潰瘍再出血予防におけるPPI静脈内投与 vs. ボノプラザン(RCT; Gastroenterology. 2024)
高リスク消化性潰瘍(PU)の止血後の再出血を予防するために、高用量のプロトンポンプ阻害薬(PPI)療法が推奨されています。ボノプラザンは様々な酸関連疾患においてPPIに劣らないことが証明されていますが、高リスクPU患者における再出血予防に…
2型糖尿病の血糖コントロール、体重、脂質プロファイルに対するGLP-1受容体作動薬の比較有効性(SR&NWM; BMJ. 2024)
GLP-1受容体作動薬の中で優れているものはどれか? 成人2型糖尿病患者において、血糖コントロール、体重、脂質プロファイルに対するグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)の有効性と安全性については、充分に比較検討されていません
コロナ後遺症(long-COVID)発症後に対するワクチン接種の有効性は?(前向きコホート研究; Int J Infect Dis. 2023)
ワクチン接種はCOVID-19の重篤な症状を予防することが多くの研究結果から示されています。COVID-19罹患後状態(PCC)またはlong-COVIDの患者については、COVID-19ワクチン接種が症状の進展、免疫応答、ウイルスの持続…
孤立性下肢表在静脈血栓症の治療に対する抗凝固薬の効果どのくらい?(RCTのベイジアンネットワークメタ解析; Thromb Res. 2024)
孤立性表在静脈血栓症(isolated superficial vein thrombosis、iSVT)は、体内の他の血管や深部静脈に影響を及ぼさない、限局した表在静脈に発生する血栓症を指します。通常、表在静脈血栓症は、深部静脈血栓症(…
スタチン系薬剤は中止したほうが良い?それとも継続した方が良い?(系統的レビュー; J Am Geriatr Soc. 2024)
臨床医と患者はしばしばスタチンを継続するか中止するか決断する場面に直面します。しかし、将来のリスクを的確に評価することは困難です。そこで今回は、スタチンの中止が臨床転帰(全死亡、心血管[CV]死亡、CVイベント、QOL)に及ぼす影響を継続…
高齢者の転倒と傷害を予防するための中枢神経系作用薬の減量は有効ですか?(クラスターRCT; JAMA Netw Open. 2024)
有害な健康転帰の一因となる高リスクの薬剤が高齢者に処方されることは多いことが報告されています。非処方介入はこれらの薬剤の使用を減少させますが、研究はしばしば患者に関連する健康転帰に対する効果を検討するようにはデザインされていません。そこで…
血液透析患者におけるプロトンポンプ阻害薬と赤血球造血刺激因子製剤の低反応性との関連性は?(J-DOPPS横断研究; Am J Nephrol. 2024)
ESA低反応性に関連する因子の一つにPPI使用? 赤血球造血刺激因子(ESA)に対する反応性低下は透析患者における重要な問題です。ESAの使用用量が増加すると、高血圧症や血栓塞栓症、赤芽球癆の発生リスク増加が懸念されます。 プロトンポンプ阻
SARS-CoV-2感染後の糖尿病発症率とCOVID-19ワクチン接種の意義は?(後向きコホート研究; Lancet Diabetes Endocrinol. 2024)
COVID-19後の2型糖尿病の発症リスクはワクチン接種でリスク低減できるのか? COVID-19の診断後に2型糖尿病の発症率が増加することを示した研究もありますが、決定的な証拠ではありません。また、この関連に対するCOVID-19ワクチン
成人気管支拡張症に対する吸入抗生物質の有効性と安全性(メタ解析; Chest. 2024)
気管支拡張症患者の治療において、吸入抗生物質は国際的な気管支拡張症ガイドラインで条件付きで推奨されていますが、個々の研究の結果は一貫していません。以前のメタ解析では、気管支拡張症における吸入抗生物質の有効性と安全性に関して有望な結果が示さ…
中等度から重度のアトピー性皮膚炎を有する青年および成人患者を対象としたネモリズマブと外用併用療法の効果はどのくらい?(DB-RCT; ARCADIA試験; Lancet. 2024)
インターロイキン(IL)-31受容体サブユニットα拮抗薬であるネモリズマブは、アトピー性皮膚炎におけるIL-31経路を阻害することでかゆみと皮膚炎症を鎮めます。今回ご紹介するのは、アトピー性皮膚炎におけるネモリズマブの有効性と安全性を評価…
肥満関連駆出率維持心不全におけるセマグルチドと利尿薬の使用が患者転帰に及ぼす影響は?(2試験の併合解析; Eur Heart J. 2024)
セマグルチド使用において、利尿薬の使用量で患者転帰は変化するのか? STEP-HFpEF試験プログラムにおいて、肥満に関連する駆出率維持心不全(HFpEF)患者でセマグルチドによる治療が複数の有益な効果をもたらしました。一方、この有効性はベ
いびきと認知症リスクとの関連性はどのくらい?(前向きコホートおよびメンデルランダム化研究; Sleep. 2024)
いびきは年齢や体格指数(BMI)とともに増加し、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)や心代謝性疾患と関連することが多いことが知られています。しかし、いびきと認知症との関連性に関する研究エビデンスは乏しく、議論の余地があります。メンデルランダ…
2型糖尿病患者におけるセマグルチドとタバコ使用障害との関連性はどのくらい?(標的試験エミュレーション研究; Ann Intern Med. 2024)
グルカゴン様ペプチド受容体作動薬(GLP-1RA)の2型糖尿病(T2DM)および肥満治療薬であるセマグルチド(semaglutide)を投与された患者において、喫煙欲求が減少したという報告があり、タバコ使用障害(tobacco use d…
カフェインとアデノシンを含むシャンプーの抗脱毛効果はどのくらい?(介入研究; J Cosmet Dermatol. 2024)
抜け毛は、多くの人に影響を及ぼす広範な健康問題であり、加齢、睡眠不足、ストレス、内分泌系の問題などと関連しています。カフェインは、特に摂取後に様々な薬理作用を発揮します。カフェインによるホスホジエステラーゼの阻害は、細胞内のcAMP濃度を…
ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬使用者と非使用者の腎予後の比較(日本のデータベース研究; Diabetes Obes Metab. 2024)
ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬(DPP-4is)は、日本では2型糖尿病患者の第一選択薬として広く処方されており、その使用率はアジア人の高い血糖降下作用により60%を超えています(PMID: 34309213)。しかし、DPP-4isに…
変形性膝関節症に対するメトトレキサート経口投与による疼痛軽減効果は?(RCT; Ann Intern Med. 2024)
変形性関節症(OA)の治療法は限られています。これまでの小規模な研究から、抗リウマチ薬であるメトトレキサートがOA疼痛の治療薬となりうる可能性が示唆されていますが、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、膝関節OA(KOA)…
蕁麻疹治療における抗ヒスタミン薬へのロイコトリエン受容体拮抗薬の追加は有効ですか?(RCTのメタ解析; J Allergy Clin Immunol. 2024)
蕁麻疹(じんましん、かゆみ、血管浮腫)の治療において、H1抗ヒスタミン薬(AH)に抗ロイコトリエン薬を追加することの有益性と有害性は、依然として不明です。そこで今回は、急性および慢性の蕁麻疹に対する抗ロイコトリエン薬とAHの併用療法とAH…
血液分布異常性ショック治療におけるアンギオテンシンIIの有効性は?(SR&MA; Shock. 2024)
ノルエピネフリン不応性ショックのレスキュー療法として非ノルエピネフリン系昇圧薬が使用されるようになってきているが、その有効性に関するデータは限られています。そこで今回は、血液分布異常性ショック(distributive shock)におけ…
軽症慢性高血圧の妊婦におけるニフェジピンとラベタロールの安全性比較(RCTの事後解析; CHAP試験; Obstet Gynecol. 2024)
妊婦そして新生児において、降圧薬による安全性評価のデータは限られています。そこで今回は、ランダム化比較試験CHAP(Chronic Hypertension in Pregnancy)試験参加者において、使用した降圧薬の種類別に母体および…
ポリファーマシーが心不全患者の3年死亡率に及ぼす影響は?(単施設の後向き研究; J Pharm Health Care Sci. 2024)
ガイドラインに沿った薬物療法(GDMT)は心不全管理において重要ですが、ポリファーマシー自体が心不全に影響を与える可能性があります。ポリファーマシーに対する対策は必要ですが、一方的な薬剤漸減(漸減すべき薬剤を含む)に関する現在の議論は不充…
2型糖尿病における週1回投与イコデックと1日投与インスリンアナログ製剤との比較(メタ解析; ONWARDS試験; Diabetes Obes Metab. 2024)
2型糖尿病(T2D)患者の多くは、長期にわたってインスリンを必要とします。基礎インスリン治療を開始し、適切に漸増すれば血糖値を下げるのに有効ですが、基礎インスリン治療には低血糖に陥るリスクが内在しています。そのため、インスリンによる糖尿病…
小児呼吸器感染症の発症におけるSRウイルスと肺炎球菌の相互作用とは?(系統的レビュー; Lancet Respir Med. 2024)
下気道感染症は、一般的に呼吸器合胞体ウイルス(RSV)または肺炎球菌(肺炎球菌)によって引き起こされ、特に5歳未満の小児において、世界的に大きな健康上の負担となっています。したがってRSVと肺炎球菌の関係をより深く理解することは、疾患の予…
公共空間における手術用フェイスマスク着用の効果はどのくらい?(実用的ランダム化優越性試験; BMJ 2024)
観察研究のシステマティックレビューでは、フェイスマスクの着用と呼吸器感染症のリスク低下との関連が報告されていまます(PMID: 32497510、PMID: 37186920)。しかし、最近のコクランレビューの著者は、10件のランダム化試…
ベンゾジアゼピン使用と長期認知症リスクおよび神経変性マーカーとの関連性はどのくらい?(集団ベース研究; BMC Med. 2024)
ベンゾジアゼピンの使用は、特に高齢者において一般的です。ベンゾジアゼピン系薬剤は認知機能に対する急性期の有害作用は確立されており適切なモニタリングや代替薬への変更等の対処法がありますが、神経変性や認知症リスクに対する長期的な影響は依然とし…
中等症から重症の慢性手湿疹に対するデルゴシチニブクリームの効果はどのくらい?(DB-RCT; DELTA 1/DELTA 2; Lancet. 2024)
デルゴシチニブは慢性手湿疹にも有効なのか? 慢性手湿疹は、変動性、炎症性、そう痒性、しばしば痛みを伴う手や手首の疾患であり、患者のQOLや職業能力に強く影響します。 慢性手湿疹に対して、汎ヤヌスキナーゼ阻害剤(pan-JAK kinase
ハーフタイム中の手と前腕の冷水浸漬は、暑熱下での間欠的運動パフォーマンスを改善する(クロスオーバ試験; Front Physiol. 2023)
温暖な環境と比較して、高温環境では体幹温度(Tc )と平均皮膚温度(Tsk)の上昇が速く、その結果、心血管系、代謝系、および熱知覚負荷が増加し、持久力と断続的な運動パフォーマンスが低下することが知られています。また、前腕を10~15分間水…
高齢老人ホーム入居者におけるCYP2D6代謝オピオイドと抗うつ薬の併用に関連する臨床結果と有害転帰(標的試験エミュレーション研究; Ann Intern Med. 2024)
高齢のナーシングホーム(NH)入居者における、チトクロームP450(CYP)2D6(CYP2D6)代謝オピオイドと抗うつ薬との薬物動態学的相互作用の安全性に関するエビデンスは限られています。そこで今回は、CYP2D6代謝オピオイドと抗うつ…
手根管症候群に対する異なるキネシオテーピング手技の効果比較(DB-RCT; Arch Phys Med Rehabil. 2024)
キネシオテーピング手法による効果比較 手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome, CTS)は、手首の手根管内にある正中神経が圧迫されることによって引き起こされる症状のことです。この神経圧迫により、手や指にしびれや痛み、感覚
認知症老人ホーム入居者における降圧治療中止が精神神経症状およびQOLに及ぼす影響はどのくらい?(Open-RCT; DANTON試験; Age Ageing. 2024)
観察研究およびランダム化比較試験(RCT)に基づくと、認知症高齢者における降圧治療の有益性と有害性のバランスは不明であり、更なる検証が求められています。そこで今回は、認知症を有するナーシングホーム入居者において、降圧治療の中止が神経精神症…
米国高齢2型糖尿病患者におけるグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬と自殺念慮および自殺行動のリスク(データベース研究; Ann Intern Med. 2024)
GLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は、2型糖尿病(T2D)や肥満の治療に使用されます。最近の研究では、この薬が特に高齢者において自殺リスクにどう影響するかが調査されました。調査結果によると、GLP-1 RAを使用した高齢者の自殺行…
予防歯科治療が血液透析患者における心血管疾患と肺炎のリスクを減少させる?(データベース研究; Sci Rep. 2024)
口腔の健康状態は血液透析患者の死亡率に影響することが知られています。いくつかの研究で、歯周炎が血液透析患者の死亡率に影響することが報告されています。さらに、う蝕、欠損歯指数、および口腔衛生状態の不良は、血液透析患者の死亡率と関連している可…
ジゴキシンとβ遮断薬を用いた心拍数コントロールの評価のための消費者向けウェアラブルデバイスの可能性(RCT; RATE-AF試験; Nat Med. 2024)
コンシューマーグレードのウェアラブル技術は、臨床研究や患者管理をサポートする可能性があるものの、実臨床での検証は充分に行われていません。そこで今回は、永続的な心房細動と心不全を有する高齢の多疾患合併患者における心拍数を比較するために実施さ…
女性の性的興奮障害に対するシルデナフィルクリーム局所投与の効果は?(DB-RCT; Obstet Gynecol. 2024)
ファイザー社は、女性に対する経口シルデナフィルの有効性が認められなかったとして、女性に対する適応拡大を断念しています(PMID: 15001492)。一方、外用シルデナフィルクリームの有効性・安全性検証は充分に行われていません。そこで今回…
ランダム化比較試験におけるベースライン共変量の不均衡に関する有意差検定の有病率とその意味: 表1の誤り
「表1の誤謬」とは? 有意差検定は、ランダム化比較試験において、ランダム化された参加者間のベースラインの人口統計学的特徴や臨床的特徴の不均衡を評価するためにしばしば用いられます。しかし、Table 1 Fallacy「表1の誤謬」として知ら
糖尿病または脳卒中の既往の有無にかかわらず心血管リスクが高い患者において血圧は厳格に下げた方が良いのか?(PROBE法; Lancet. 2024)
収縮期血圧を120mmHg未満に低下させることが140mmHg未満に低下させることより優れているかどうかについては、特に糖尿病患者や脳卒中の既往のある患者において不明確です。そこで今回は、心血管リスクの高い患者における目標血圧値の違いによ…
SARS-CoV-2感染後の心血管疾患リスクはどのくらいですか?(メタ解析; J Infect. 2024)
SARS-CoV-2感染後のCVDリスクについて、重症度を考慮しながら経時的に検討した系統的レビューはほとんどありません。そこで今回は、SARS-CoV-2感染後の肺塞栓症(PE)、心筋梗塞(MI)、虚血性脳卒中(IS)、出血性脳卒中(H…
SGLT2阻害薬の心不全転帰と心血管疾患死亡に対する効果は患者背景によらず得られる?(メタ解析; Lancet Diabetes Endocrinol. 2024)
SGLT2阻害薬の効果はどのような患者背景で得られるのか? ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬は、心不全、2型糖尿病、慢性腎臓病、アテローム性動脈硬化性心疾患、急性心筋梗塞の患者を対象として研究されてきました。 個々の試
成人の禁煙における電子タバコ vs. バレニクリン(DB-RCT; JAMA Intern Med. 2024)
禁煙補助薬としてバレニクリンと比較したニコチン含有電子タバコ(electronic cigarettes, ECs)が使用されていますが、これらの相対的有効性については充分に検証されていません。そこで今回は、禁煙におけるECsの相対的有効…
1~11歳の好酸球性食道炎患者に対するデュピルマブ投与の効果は?(RCT; EoE KIDS試験; N Engl J Med. 2024)
デュピルマブはインターロイキン-4およびインターロイキン-13経路を遮断するヒトモノクローナル抗体であり、成人および青年の好酸球性食道炎を含む、2型炎症を特徴とする5種類のアトピー性疾患に有効性を示しています。しかし、12歳未満の小児に対…
肝硬変および心房細動患者におけるアピキサバン、リバーロキサバン、ワルファリンの有効性と安全性の比較(全国規模のコホート研究; Ann Intern Med. 2024)
アピキサバン、リバーロキサバン、ワーファリンは、心房細動(AF)を有する一般の患者において、出血リスクは増加するものの、主要な虚血イベントの予防に有用であることが示されています。しかし、肝硬変と心房細動を有する患者におけるデータは限られて…
過体重または肥満成人患者の体重減少に対するセマグルチド vs. チルゼパチド(PSマッチコホート研究; JAMA Intern Med. 2024)
チルゼパチドとセマグルチドは、ランダム化臨床試験において、それぞれ体重減少効果を示しましたが、過体重または肥満の集団における直接比較データはまだありません。そこで今回は、臨床現場において、2型糖尿病(T2D)の適応でチルゼパチドまたはセマ…
急性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作患者に対するコルヒチン投与の有効性は?(DB-RCT; CHANCE-3試験; BMJ. 2024)
急性期の軽度から中等度の虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作を発症した患者は、特に最初の数日間、脳卒中再発のリスクがかなり高いとされています。さらに重要なことは、発症後3ヵ月間のハイリスク期間が、1年以内の脳卒中再発の約70%、5年以内の脳…
ペニシリンアレルギー患者に対する簡便なヘリコバクター・ピロリ除菌療法とは?(RCT; Gut. 2024)
高用量アモキシシリン二剤併用療法はヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ)感染症に特に有効であることは報告されていますが、これまでのところ、アモキシシリン以外の単一抗生物質による二剤併用療法は報告されていません。ペニシリンは安価で有効な抗生物…
閉塞性睡眠時無呼吸症候群と肥満に対するチルゼパチドの効果はどのくらい?(DB-RCT; SURMOUNT-OSA試験; N Engl J Med. 2024)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は睡眠中の呼吸障害を特徴とし、主要な心血管合併症と関連しています。チルゼパチドは副作用として食欲減退と体重減少作用があり、本疾患の治療薬となる可能性があります。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで…
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ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRA)の長期使用から不眠症の認知行動療法(cognitive behavioral therapy for insomnia, CBTI)への移行を可能にする高齢患者への直接介入は、BZRAの使用および関…
人工甘味料は砂糖の代用品として広く使用されていますが、その長期的な心代謝疾患リスクへの影響についてはほとんど知られていません。そこで今回は、一般的に使用されている代用糖(人工甘味料)エリスリトールとアテローム血栓性疾患リスクについて検討し…
低血糖は、重篤な不整脈、血管障害、一時的な局所障害、認知機能障害、死亡など多くの合併症を引き起こす可能性があります。また、低血糖は自動車事故や転倒など、様々な有害事象の比較的高いリスクとも関連しています。低血糖を自覚することでブドウ糖の摂…
運動ニューロン疾患は、運動ニューロンの選択的な喪失を特徴とする進行性の難病であり、効果的な疾患修飾療法の迅速な同定が急務です。MND SMART試験は、有望な治療法の安全性と有効性を、同時期に行われたプラセボ対照群に対して、効率的かつ決定…
ビタミンCの摂取量により片頭痛の発生リスクは異なるのか? これまでの研究で、ビタミンCは片頭痛の発生や強さを減少させる可能性があることが示されていますが、サンプル数が少ないためエビデンスは限られています。 そこで今回は、一般集団における食事
関節リウマチ(RA)における治療失敗は、長期合併症のリスクの増加、患者QOLの低下、社会的経済的負担の増大と関連しています。肥満はRA発症の確立された危険因子です。さらに、過体重または肥満を有するRA患者では、正常体重RA患者と比較して、…
複合的な芸術活動は、感情、認知、行動に関与する様々な脳領域内の神経ネットワーク機能を改善し、それによって認知機能の低下を予防または逆転させることができます。しかし、その効果を系統的に検討した研究はほとんどありません。さらに、看護師主導によ…
プレバイオティクス摂取によりアレルギー性 妊娠中および授乳期のプレバイオティクスの摂取は、発育中の胎児および乳児の免疫系に免疫調節効果をもたらし、アレルギー疾患のリスクを軽減する食事戦略の可能性があります。 そこで今回は、母親による食事性プ
前立腺がんスクリーニングとして、マーカーであるPSAが用いられています。しかし、前立腺炎や喫煙、射精などの影響により上昇することから、更なる検査方法の確立が求められています。なかでも磁気共鳴画像法(MRI)による前立腺がんスクリーニングの…
急性心不全(AHF)は炎症の活性化を促進し、予後の悪化と関連しています。コルヒチンは炎症の活性化を特徴とする他の心血管系疾患では有効であることが証明されていますが、AHFでは評価されたことがありません。そこで今回は、左室駆出率(LVEF)…
関節内コルチコステロイド注射は高血糖(グルコース値 180mg/dL以上)を引き起こす可能性があります。変形性膝関節症および2型糖尿病を有する患者33例を対象とした第2相試験において、トリアムシノロンアセトニド徐放製剤(, TA-ER)は…
維持透析を受けている患者は、一般集団に比べて重症コロナウイルス感染症(COVID-19)による罹患率および死亡率のハイリスクであることが報告されています。しかし、この患者集団に関する縦断的データは不足しています。そこで今回は、2020年か…
ステージ3bのCKD患者におけるスピロノラクトン25mg投与の効果は? 慢性腎臓病(CKD)は、末期腎臓病への進行と血管イベントのかなりのリスクと関連していることが報告されています。 非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)
むずむず脚症候群にジピリダモールは有効なのか? レストレスレッグス症候群には新しい薬理学的標的が必要とされています。前臨床データは、アデノシン作動性低下状態が病態に重要な役割を果たしていることが示唆されています。 そこで今回は、平衡ヌクレオ
現在承認されている筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬の有効性は限られており、さらなる治療法の開発が必要とされています。初期の研究で、超高用量メチルコバラミンが有望な薬剤であることが示されていますが、再現性の確認も含めて、より大規模な検証が…
悪液質は、がんの一般的な合併症であり、死亡リスクの増加と関連しています。循環性サイトカインである増殖分化因子15(growth differentiation factor 15, GDF-15)のレベルは、がん性悪液質で上昇することが知…
薬剤溶出ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の短期間の二重抗血小板療法(DAPT)後に、アスピリン単剤療法とP2Y12阻害薬単剤療法を比較した試験は過去にありません。そこで今回は、急性冠症候群(ACS)また…
慢性背部痛(Chronic Back Pain, CBP)は身体障害の主要な原因です。プラセボ治療はしばしば、ステロイド注射のような善意の治療と同程度の疼痛緩和をもたらすことが報告されています。オープンラベル(正直に処方される)プラセボ(…
長期的なヒトの健康に対する食事脂肪摂取の影響は、多くの研究者の関心を集めており、多様な食事脂肪の健康への影響は、利用可能な食物源に依存しています。しかし、特定の食品源からの食事脂肪と健康との関連を解明するデータは多くありません。そこで今回…
GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬はランダム化比較試験の結果に基づいて2型糖尿病患者に使用されるようになってきていますが、実臨床において虚弱が臨床転帰に影響を及ぼすかどうかについてはほとんど知られていません。そこで今回は、2型糖尿病…
COVID-19はサイトかインストームを引き起こし、重症化や死亡リスクを増加させます。これを予防するために、重症化リスクの高い患者においてはステロイドの早期投与が行われます。しかし、ステロイドであるデキサメタゾンの投与量の違いがCOVID…
Sensor Augmented Pump(SAP, サップ)療法は、リアルタイム持続血糖測定(Continuous Glucose Monitoring, CGM)を併用したインスリンポンプ療法のことです。CGMで測定されたグルコース値…
SARS-CoV-2感染者において、罹患後にがん発症リスクが増加する可能性が報告されています。しかし、重症SARS-CoV-2感染が未診断がんのマーカーとなるかどうかを検討した研究はありません。そこで今回は、SNDSデータベースを用いて、…
糖尿病は高血糖状態を特徴とする疾患であり、末梢神経障害や網膜症、腎症などの微小血管合併症、脳卒中や心筋梗塞などの大血管合併症を引き起こすことが報告されています。治療薬として血糖降下薬が使用されていますが、重要な特徴・役割としては心血管合併…
頭部に繰り返し衝撃を受けるスポーツの元プロ選手は、その後認知症リスクが上昇するというエビデンスが増えつつあります。一方、より多くの集団を代表する引退したアマチュア選手におけるこの疾患の発生については不明です。そこで今回は、元アマチュアのコ…
人工膝関節全置換術(TKA)の術後リハビリテーションにおいて、仮想現実(人工現実感:virtual reality, VR)、拡張現実(augmented reality, AR)、複合現実(mixed reality, MR)などのクロ…
最近増加した抗コリン薬負荷と高齢者における急性心血管系イベントのリスクとの関連性については充分に検討されていません。そこで今回は、台湾の国民健康保険研究データベースを用いて、抗コリン薬負荷と高齢者における急性心血管系イベントのリスクとの関…
持続的気道陽圧(CPAP)の心血管系疾患の二次予防効果については大いに議論されています。そこで今回は、ランダム化臨床試験において、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対するCPAP治療が有害心血管系イベントのリスクに及ぼす効果を評価したメタ解析…
運動と認知介入は前臨床および臨床的認知症の成人にとって有益であることが報告されていますが、これら2つの要素を組み合わせることで相乗的な効果が得られるかどうか、またどのような介入デザインがこの効果を最適化するのかについては不明です。そこで今…
マスクは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播を効果的に減少させますが、マスクの有効性、集団免疫、その他の公衆衛生・社会対策との相互関係を考慮すると、マスクの長期着用が集団レベルの罹患率や死亡率に及ぼす影響は…
妊娠糖尿病は妊娠に伴う一般的な合併症ですが、最適な管理方法については不明です。そこで今回は、メトホルミンの早期投与開始がインスリン開始を減少させるか、あるいは妊娠32週あるいは38週の空腹時高血糖を改善させるかを検証したランダム化比較試験…
SARS-CoV-2感染によるCOVID-19患者数は増減を繰り返し、しばしば家庭内感染を引き起こします。これまで感染症に対する治療薬の曝露後予防投与が実施されてきましたが、COVID-19におけるエビデンスは限られています。そこで今回は…
サクビトリル-バルサルタンはアンギオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬(ARNI)であり、心不全患者の死亡や入院のリスクを減少させることが報告されています。しかし、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)イベントの改善との関連は不…
集中治療室(ICU)患者における厳格な血糖コントロールの有益性と有害性の両方について、ランダム化比較試験によって示されています。この要因として、早期の非経口栄養の使用やインスリン誘発性重症低血糖のばらつきがあげられます。これらの要因が、血…
2型糖尿病は腎臓病を合併することが多く、患者予後に影響を与えることから、治療戦略の確立が求められています。2型糖尿病の治療薬は多く販売されていますが、中でもナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT-2i)とグルカゴン様ペプチド-…
非鎮静性抗酸化剤であるα-リポ酸(ALA)の補給は、いくつかの生化学的プロセスと作用に関与し、重要な抗酸化作用と抗炎症活性を発揮することで、末梢神経障害患者における痛みや麻痺症状を和らげることが報告されています。末梢神経障害による神経障害…
急性虚血性脳卒中患者に対する血管内血栓除去術(EVT)による再灌流成功後の最適な血圧コントロールは不明です。そこで今回は、EVTを受けた患者において、再灌流成功後24時間の集中的な血圧管理が、従来の血圧管理よりも臨床転帰を改善させるかどう…
グルココルチコイドが重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者における症状消失までの期間を短縮したり、入院や死亡を予防したりすることが示されています。一方、軽度から中等度のコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の外来患…
ニルマトレルビル(リトナビルでブースト)とモルヌピラビルは、現在米国やその他の国々で、軽症から中等症のCOVID-19を有し、重症化への進行リスクが高い非入院患者の治療に使用されています。これら2つの経口抗ウイルス薬と、新しいSARS-C…
高血圧は脳卒中や心筋梗塞の発症リスクと関連していることから、高齢者を含む成人において降圧治療が行われています。しかし、思春期の血圧と将来の心血管イベントとの関連については十分に知られていません。そこで今回は、2017年の米国心臓病学会(A…