慢性腎臓病(CKD)は、米国で3,700万人の成人が罹患しており、CKD患者にとって高血圧は腎不全、心血管イベント、死亡などの有害な転帰の主要な危険因子です。コンピュータ化された臨床判断支援(CDS)システムを導入することで、CKD患者の…
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抗精神病薬誘発性アカシジアの治療に対して有効な薬剤は?(SR&NWM; JAMA Netw Open. 2024)
アカシジア(akathisia)は静座不能症と訳され、座位の姿勢を保つのが困難となる症状であり、そわそわと動き回るといった特徴があります。アカシジアのほとんどは薬剤誘発性であり、特に抗精神病薬によるアカシジア(Antipsychotic-…
軽度〜中等度の急性脳卒中患者におけるクロピドグレル+アスピリン vs. アスピリン単独(PROBE法; ATAMIS試験; JAMA Neurol. 2024)
二重抗血小板療法は、一過性脳虚血発作や軽度の脳卒中患者における脳卒中再発の抑制において、単一抗血小板療法よりも優れていることが証明されています。しかし、軽度〜中等度の虚血性脳卒中患者におけるその効果に関する確実なエビデンスは不足しています…
2型糖尿病におけるエンパグリフロジンと急激な腎機能低下発生率との関連性は?(RCTの探索的解析; Kidney Med. 2023)
ほとんどの2型糖尿病(T2DM)患者において腎機能は徐々に低下することが知られています。多くの患者は進行性の慢性腎臓病(CKD)を発症しますが、一部の患者では腎機能が急速に低下し、腎不全や心血管疾患のリスクが高くなることも報告されています…
超早産児の神経発達アウトカムに対するドナーミルク vs. 早産児用ミルク(DB-RCT; JAMA. 2024)
出産入院中の超早産児への母乳給与は、早産児用ミルクと比較して神経発達の転帰が良好であることと関連していることが報告されています。しかし、母乳栄養を全く受けていない、または最低限しか受けていない乳児の場合、ドナーヒトミルクが早産児用ミルクと…
Lactiplantibacillus plantarum OLL2712(OLL2712)細胞の摂取は、マウスモデルや臨床研究において、慢性炎症を抑制することにより糖代謝を改善することが示されています。しかし、充分に検証されていません。…
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬の使用と麻酔前の胃内容物残存量の関連性は?(横断研究; JAMA Surg. 2024)
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)の使用は、2型糖尿病患者における高血糖管理に加え、体重管理の適応拡大により、米国で急速に増加しています。これは消化管の蠕動運動の抑制などを引き起こすためです。GLP-1 RAは、その…
ヘリコバクター・ピロリ感染と治療が大腸癌に及ぼす影響はどのくらい?(米国後向きコホート研究; J Clin Oncol. 2024)
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、世界的に感染症関連がんの最も一般的な原因です。しかし、ピロリ菌感染、ピロリ除菌が大腸がんにどのように影響しているのかについては不明です。そこで今回は、ピロリ菌の感染及び治…
メラトニンは入院高齢者のせん妄重症度を減少させない?(DB-RCT; J Am Geriatr Soc. 2024)
せん妄は高齢の入院患者によくみられ、苦痛、認知機能の低下、死亡の原因となることが報告されています。しかし、現在の治療法は満足のいくものではなく、有効性の欠如と副作用によって制限されています。効果的なせん妄治療が急務です。せん妄では睡眠覚醒…
オピオイド鎮痛薬使用の年齢に関連した重篤な転倒事故リスクはどのくらい?(コホート研究; POPPY II試験; JAMA Intern Med. 2024)
オピオイド鎮痛薬は、主に脊髄後角の浅層部に作用して鎮痛作用を示すと考えられています。この鎮痛作用は他の鎮痛薬よりも強力であることから、癌性疼痛や難治性腰痛などに使用されています。オピオイドの三大副作用として、便秘、悪心嘔吐、眠気があげられ…
高齢女性の健康に対するカルシウムおよびビタミンDサプリメントの長期効果は?(RCT延長試験における事後解析; Ann Intern Med. 2024)
Ca・ビタミンDの長期的な補充は閉経後女性の転帰を改善できるのか? カルシウムとビタミンD(CaD)の補充は高齢女性の慢性疾患に影響を及ぼす可能性がありますが、健康転帰に対する長期的な影響についてのエビデンスは限られています。 そこで今回は
アロマシールはマスク着用によるストレスを軽減できますか?(DB-RCT; PLoS One. 2023)
フェイスマスク着用に伴うストレスに対するアロマは有効か? COVID-19のパンデミックでは、ウイルスの空気感染を防ぐため、患者や健康な人にフェイスマスクが推奨されました。これに伴い、マスク着用中にストレスを感じる人が増加しました。COVI
2型糖尿病における厳格な血糖コントロールの効果はどのくらい?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
2型糖尿病(T2D)は様々な合併症を引き起こします。なかでも血管に関連する合併症は患者予後を悪化させることから、合併症の発症予防が求められています。治療目標に糖化ヘモグロビン(HbA1c)のコントロール指標が求められますが、厳格にコントロ…
アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬の効果はSTEMI患者とNSTEMI患者で異なるのか?(PARADISE-MI試験の事後解析; J Am Coll Cardiol. 2024)
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)と非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)を含む急性心筋梗塞(AMI)を発症した患者は、心不全(HF)、冠動脈イベント、死亡のリスクが高いことが報告されています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬はSTEMI、NS…
カペシタビン関連手足症候群予防のためのジクロフェナク局所投与は有効か?(DB-RCT; D-TORCH試験; J Clin Oncol. 2024)
手足症候群(HFS)はカペシタビンの用量制限的副作用です。セレコキシブは、関連する炎症のために発現が増加するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を阻害することにより、HFSを予防することが報告されています。しかし、セレコキシブの全身的副…
ブロッコリー類の摂取と炎症および死亡率との関連性は?(大規模前向きコホート研究; J Med Food. 2024)
食事パターンには、炎症を引き起こすものもあれば、炎症を抑えて健康を増進させるものもあります。しかし、多くの人は完全で健康的な食生活を送ることはできません。したがって、より予後改善に影響する食品の特定が求められています。そこで今回は、慢性炎…
2型糖尿病における血糖コントロールと大血管および微小血管転帰に優れる薬剤とは?(RCTのSR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
糖尿病は、血管内皮細胞の機能低下に続く種々の血管合併症の発症により、健常人と比較して寿命が短くなることが知られています。糖尿病治療における血糖コントロールは、目標範囲に収まるように行われますが、これはあくまでも手段です。本来の目的は、健常…
変形性膝関節症に対する多血小板血漿と指導付き運動の併用はより良い疼痛緩和と機能改善をもたらすのか?(RCT; Clin Orthop Relat Res. 2024)
変形性膝関節症は、多額の医療費を伴う身体障害の主要な原因であり、効率的な非外科的治療法が依然として必要とされています。多血小板血漿(PRP)注射と運動療法は米国や英国では臨床で頻繁に用いられていますが、PRPまたはPRPと運動の併用が運動…
新型コロナワクチンを29ヵ月で217回接種するとどうなるのか?(症例報告; Lancet Infect Dis. 2024)
SARS-CoV-2感染流行は収束せず、Withコロナ時代に突入しています。日本では5類感染症に分類され、かつ全数報告ではなく定点報告に移行しています。つまり、季節性インフルエンザのように、基本的な感染予防対策の実施が求められます。基本的…
骨粗鬆症治療患者におけるデノスマブと糖尿病リスクとの関連性は?(コホート研究; JAMA Netw Open. 2024)
核因子κBリガンド活性化因子(RANKL)に対するヒト化モノクローナル抗体であるデノスマブは、骨粗鬆症治療に広く用いられている抗骨吸収薬です。前臨床研究において、RANKLシグナル伝達の阻害がインスリン感受性、耐糖能、β細胞増殖を改善する…
妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児転帰への影響はどのくらい?(コホート研究; JAMA. 2024)
妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象に関する知識を深めることは、ワクチンの安全性に関する懸念に対処するのに役立つ可能性があります。しかし、倫理的側面からランダム化比較試験の実施は困難です。そこで今回は、妊娠中のCOVID…
日本人の大うつ病性障害に対するブレクスピプラゾール vs. アリピプラゾール(SR&NMA; Neuropsychopharmacol Rep. 2024)
ブレクスピプラゾールは、脳内の神経伝達物質のセロトニン・ドパミンの働きを調整し、統合失調症による幻覚、妄想、意欲の減退などの症状を改善する薬剤です。日本では2023年12月22日に「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合…
代謝性アシドーシス患者におけるベベリマーのCKD進行抑制効果はどのくらい?(DB-RCT; VALOR-CKD試験; J Am Soc Nephrol. 2024)
代謝性アシドーシスはCKDの一般的な合併症であり、腎機能の急速な低下と関連していますが、代謝性アシドーシスの治療がCKDの進行を遅らせる効果を検証するための、充分なパワーを有する対照ランダム化試験は実施されていません。ベベリマーは消化管か…
集中的な血糖コントロールは大血管および細小血管の転帰を改善できるのか?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
2型糖尿病(T2D)における集中的な血糖降下戦略と標準的な血糖降下戦略が、大血管および細小血管の転帰を改善するのかについては充分に検証されていません。そこで今回は、上記の血管関連転帰と試験群の糖化ヘモグロビン(HbA1c)低下との関係を検…
高リスク集団における早期の健康診断は有用なのか?(データベース研究; Atherosclerosis. 2024)
高リスク集団における健康診断後の患者転帰については充分に検証されていません。そこで今回は、健診後の病院への受診時期と心血管イベントによる入院および全死亡リスクとの関連を検討することを目的に実施したデータベース研究の結果をご紹介します。本研…
急性冠症候群患者の予後に対するチカグレロル単剤療法 vs. DAPT(RCT; T-PASS試験; Circulation. 2024)
薬剤溶出ステント留置後1ヵ月以内にアスピリンを中止してチカグレロル単剤療法を行うことは、広く心疾患を有する患者を対象に行われてきました。したがって、急性冠症候群患者を対象としてのみ評価されてきたわけではありません。そこで今回は、急性冠症候…
嚥下障害に対する”とろみ”は薬剤の溶出に影響するのか?(システマティックレビュー; Eur Geriatr Med. 2024)
嚥下障害は、脳卒中、認知症、パーキンソン病、虚弱(フレイル)などの長期疾患と関連しています。嚥下障害は65歳以上の人口の30~40%にみられます。嚥下障害のある成人は、多くの場合、複数の薬剤(しばしば5種類以上:ポリファーマシー)を必要と…
2020~2021年、日本の祝祭日がCOVID-19の伝播を増加させた?(モデリング研究; Epidemiol Health. 2024)
祝祭日はCOVID-19患者数の増加と関連するのか? 特定の祝日が感染症の伝播動態を変化させる役割についての研究が注目されていますが、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の伝播に対する祝日の疫学的影響については不明な点が多いこと
原発性胆汁性胆管炎を対象としたセラデルパーの効果はどのくらい?(DB-RCT; RESPONSE試験; N Engl J Med. 2024)
原発性胆汁性胆管炎患者に対するセラデルパーの効果は? 原発性胆汁性胆管炎患者に対する有効な治療法は限られており、ウルソデオキシコール酸が使用されています。しかし、アンメットニーズの分野であることから更なる治療法の確立が求められています。ペル
ヘリコバクター・ピロリ除菌後の胃癌リスクとボノプラザン使用との関連性は?(日本のデータベース研究; Clin Gastroenterol Hepatol. 2024)
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に代わって上部消化管障害の治療に使用されるようになってきています。PPIはHelicobacter pylori(Hp)除菌後の胃癌リスク上昇と関連して…
青年および若年成人におけるSARS-CoV-2 mRNAワクチンのブースターワクチン接種と心筋炎との関連性は?(北欧のコホート研究; Eur Heart J. 2024)
SARS-CoV-2 mRNAワクチンは心筋炎のリスク上昇と関連しています。この関連は、思春期の男性や若年男性、2回目の接種後に最も強い可能性が報告されていますが、更なる検証が求められています。そこで今回は、12~39歳のSARS-CoV…
心房性心疾患患者における潜在性脳卒中後の再発予防に対するアピキサバン vs. 低用量アスピリン(DB-RCT; ARCADIA試験; JAMA. 2024)
心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)患者における脳卒中発症を防ぐ方法は? 心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)は臨床的に明らかな心房細動がなくても脳卒中と関連していることが報告されています。左房のリモデリング
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慢性腎臓病(CKD)は、米国で3,700万人の成人が罹患しており、CKD患者にとって高血圧は腎不全、心血管イベント、死亡などの有害な転帰の主要な危険因子です。コンピュータ化された臨床判断支援(CDS)システムを導入することで、CKD患者の…
アフリベルセプト高用量製剤(8mg)の有効性・安全性はどのくらいなのか? アフリベルセプトの高用量製剤(8mg)は、標準的な比較対象であるアフリベルセプト2mgよりも注射回数が少なく、糖尿病黄斑浮腫(DMO)の治療成績を改善する可能性があり
グルタミン酸ナトリウムや塩化カリウムなどの食塩の代替は、心血管系の転帰を改善するための単純な戦略ですが、ますます有望視されています。そこで今回は、食塩代替が心血管転帰に及ぼす長期的影響を評価するために実施されたメタ解析の結果をご紹介します…
ナトリウム-グルコース共輸送体2型阻害薬(SGLT2i)は、心血管、腎臓、血清尿酸値低下作用を有する2型糖尿病(T2D)の画期的な治療薬とされています。血清尿酸の低下作用が痛風発作のリスク低減と関連しているのかについては充分に検証されてい…
呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory syncytial virus, RSV)感染は高齢者に重篤な呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。また、RSV疾患により心臓合併症が引き起こされる可能性がありますが、インフルエンザやSAR…
糖尿病治療に用いられるグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)であるリキシセナチドは、パーキンソン病モデルマウスにおいて神経保護作用を示しました。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、パーキンソン病…
臨床判断支援システム(Clinical decision support systems, CDSS)は、腎機能障害患者において投与量変更の必要性がある薬剤を特定するために使用されています。ChatGPTは、電子カルテ(electroni…
薬物療法において、目標とする臨床転帰を達成するためには、一定レベルの服薬アドヒアランスが必要です。Haynesの初期の経験的定義によれば、降圧薬の服薬アドヒアランスは80%以上であり、多くの研究者がこの閾値を使ってアドヒアランスのある患者…
ニルマトレルビルとリトナビルの併用は、軽度〜中等度の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対する抗ウイルス治療薬です。一方で、重症Covid-19の標準的リスクを有する患者、またはワクチン接種が完了しており重症Covid-19のリ…
糖尿病の負担は世界中で増大しています。糖尿病に関連する費用は、特に低・中所得国において、患者と医療予算に大きな負担をかけています。糖尿病治療薬の価格は糖尿病治療へのアクセスを決定する重要な要因の一つですが、製造コストと現在の市場価格との関…
急性冠症候群に対するステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション後、国際的な臨床ガイドラインでは、心筋梗塞やステント血栓症を予防するために、アスピリン+P2Y12受容体阻害薬による二重抗血小板療法を12ヵ月間行うことが一般的に推奨され…
急性冠症候群や心臓突然死は、脂質に富むアテローム性動脈硬化プラーク(脆弱プラークと呼ばれる)の破裂や血栓症によって引き起こされることが多く、その多くは非流動制限性(non-flow-limiting)です。脆弱プラークに対する経皮的冠動脈…
妊娠中のアセトアミノフェン(パラセタモール)使用は、小児の神経発達障害のリスクを増加させる可能性があることを示唆する研究がいくつかあります。これが事実であれば、妊娠中の疼痛や発熱の管理に大きな影響を及ぼすことになることから、更なる検証が求…
妊娠中のバルプロ酸塩の母親の使用は、小児の神経発達障害のリスク上昇と関連していることが報告されています。他の抗てんかん薬に関するほとんどの研究では、これらの障害のリスク増加は示されていないものの、母親のトピラマート使用に関連した自閉症スペ…
座っている時間(座位時間)が長いと、血行不良と代謝低下が引き起こされ、死亡率増加や循環器疾患発症と関わることが報告されています。特に座位時間が長くなりやすい高齢者において、心代謝系の健康を改善するための実践的な健康増進戦略が求められていま…
冠動脈性心疾患患者は心血管イベントの発生リスクが高いことから、手術や薬物療法が行われます。一方、酸素消費量、QOL、死亡率に対するさまざまな運動療法の効果については充分に検証されていません。そこで今回は、冠動脈性心疾患を有する成人を対象に…
心筋梗塞後のβ遮断薬治療の有用性を示した試験のほとんどは、大規模心筋梗塞患者を対象としており、現代のバイオマーカーに基づく心筋梗塞診断や経皮的冠動脈インターベンション、抗血栓薬、高強度スタチン、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系拮…
エンパグリフロジンは心不全患者、心血管リスクの高い2型糖尿病患者、慢性腎臓病患者の心血管転帰を改善することが報告されています。しかし、急性心筋梗塞患者におけるエンパグリフロジンの安全性と有効性は不明です。そこで今回は、急性心筋梗塞で入院し…
急性心不全に対するダパグルフロジンの効果はどのくらい? 急性心不全(AHF)入院中の主な目標は、うっ血およびガイドラインに基づいた薬物療法(GDMT)の最適化です。利尿薬や他のGDMTとは異なり、ダパグリフロジンの早期投与はAHFの両目標を
症候性起立性低血圧の患者では、降圧療法の管理は困難であり、降圧療法に関するランダム化比較試験から除外されることが多い集団とされています。起立性低血圧は、転倒や失神などの有害事象の発生に関連することから、降圧効果を検証する臨床試験において交…
高血圧は、世界的に早期死亡の主要な危険因子です。高血圧患者における予後への影響は、降圧の程度に左右されることが示されています。これまで様々な薬剤クラス(薬効群)が販売されていますが、薬効群間の優劣については結論が得られていません。薬剤クラ…
妊娠はホルモンバランスの変化などにより、様々な疾患を合併することがあります。高血圧を発症する場合を妊娠高血圧症候群と呼びますが、これを放置すると母子ともに予後不良であるため、早期治療が求められます。一般的な妊娠高血圧症候群のリスク因子とし…
2型糖尿病と診断された青少年のうち、多くは若年成人期までに微小血管合併症を発症することが報告されています。そのため、早期発見・早期介入が求められますが、小児および青少年の糖尿病予備軍および2型糖尿病のスクリーニングの有益性・有害性について…
不健康行動(運動習慣なし、喫煙、飲酒、朝食抜き、肥満)が不眠症の発症リスクと関連していることは、これまでの報告から明らかです。一方、主要な心血管危険因子の有無によって層別化された個人における不健康行動の蓄積と不眠症の関連は不明です。そこで…
EAST-AFNET 4(Early Treatment of Atrial Fibrillation for Stroke Prevention Trial)のサブ解析では、心房細動で合併症負荷が高い患者において、合併症負荷が低い患者と…
酒に含まれるアルコールの代謝経路は、これまでの研究結果からほぼ明らかとなっています。アルコールは、まずアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解されます。 次にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解され…
食欲不振は進行性悪性腫瘍患者の30~80%にみられ、化学療法により悪化することがあります。オランザピンは、非定型抗精神病薬の一つです。脳内のドパミン2(D2)受容体遮断作用により、ドーパミン神経系の機能亢進により起こる陽性症状をおさえ、さ…
2型糖尿病で微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿を有する患者において、アルブミン尿の進行を抑制する治療戦略の確立は重要な課題です。SGLT-2阻害薬やGLP-1受容体作動薬は腎機能に対して保護的に作用することが報告されていますが、単独療…
非ビタミンK系経口抗凝固薬(NOAC)は、腎機能による用量調節が必要です。臨床で採用されている腎機能の推定値は、推定糸球体濾過量(eGFR)が最も一般的ですが、添付文書(product monographs)では、用量調節にCockcro…
メトホルミンは末梢組織における糖取り込みの促進、小腸における糖吸収の抑制等の作用を介して血糖降下作用を示すとされています。仮説として報告されている作用機序は多岐にわたることから、2型糖尿病だけでなく、がんや他の疾患への有用性が期待されてい…
血液透析を行うための穿刺時痛(穿刺時疼痛)は主な課題であり、患者の快適性のために疼痛管理技術を必要とする共通の問題です。この問題に対して、鎮痛薬や麻酔薬を含む貼付薬やスプレーが利用されています。スプレーは、麻酔薬を含む軟膏と比較して即効性…
2型糖尿病患者において、ナトリウム・グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)の使用初期にfirst dipと呼ばれる推定糸球体濾過量(eGFR)の低下が認められます。このeGFR低下とAKIなど腎アウトカムとの関連性、また併用薬による…
医療では、高リスクの患者は治療により最も恩恵を受けるという暗黙の前提のもと、臨床医が個人を治療する 'high-risk approach'(ハイリスクアプローチ)が用いられます。一方、新しい機械学習法を用いて最も高い利益を推定した個人を…
非定型抗精神病薬であるオランザピンは、せん妄抑制に最もよく使用される薬剤の一つです。しかし、重症成人のせん妄抑制に対するオランザピンの有効性と安全性に関する系統的な評価やメタ解析は存在しません。そこで今回は、集中治療室(ICU)に入院中の…
COVID-19で入院した患者は、サイトカインストームに伴う血栓塞栓症の発生率の高さが報告されています。したがって、血栓予防・治療が行われますが、退院後の血栓予防の延長の役割は不明です。そこで今回は、COVID-19入院後の退院患者におい…
敗血症の重症例では、副腎皮質ホルモンでステロイドの一種であるコルチゾールの分泌が不良となり、これを重症関連コルチコステロイド障害(critical illness-related corticosteroid insufficiency,…
高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントを引き起こすことから、血圧コントロールが求められます。特に脳卒中の二次予防においては、より集中的に血圧を下げることが、一般的に血圧を下げることよりもどの程度優れているかは明らかにされていません。…
SARS-CoV-2ウイルスに対するmRNAワクチンを接種した際に、心筋炎リスクが増加する可能性が報告されています。しかし、COVID-19に伴う心筋炎との臨床転帰の比較については充分に検証されていません。そこで今回は、mRNAワクチン接…
国際的な重症患者栄養ガイドラインでは、質の低いエビデンスに基づき、様々な量のタンパク質投与を推奨しています。しかし、重症時に高用量タンパク質を投与することの効果については充分に検討されていません。そこで今回は、重症患者に高用量のタンパク質…