慢性腎臓病(CKD)は、米国で3,700万人の成人が罹患しており、CKD患者にとって高血圧は腎不全、心血管イベント、死亡などの有害な転帰の主要な危険因子です。コンピュータ化された臨床判断支援(CDS)システムを導入することで、CKD患者の…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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院内蘇生または医療緊急対応イベントにおける薬剤師の影響はどのくらい?(システマティックレビュー; Am J Emerg Med. 2023)
病院において蘇生や救急隊による治療を必要とする重症患者の救急管理において、しばしば医師・看護師の影響力が検証されています。一方、薬剤師の存在が薬物療法や患者関連の転帰に及ぼす影響については充分に検証されていません。そこで今回は、救急外来に…
慢性特発性蕁麻疹に対する鍼治療の有効性はどのくらい?(RCT; Ann Intern Med. 2023)
慢性特発性蕁麻疹(chronic spontaneous urticaria, CSU)患者に対する鍼治療の有効性は、少数の小規模研究で報告されています。より大規模な試験での検証が求められています。そこで今回は、鍼治療がCSUに対して偽鍼…
錠剤の外観変更に対する患者の嗜好と治療継続率は?(横断研究; Am J Manag Care. 2020)
医薬品の流通状況や後発医薬品の発売により服用中の薬の外観(大きさ、形状、色、マーク)が変化することは、しばしば見られる事象です。しかし、この変化が患者の服薬コンプライアンスに及ぼす影響については不明です。そこで今回は、錠剤の外観(大きさ、…
潜在性心房細動におけるアピキサバンの脳卒中予防効果はどのくらい?(DB-RCT; ARTESIA試験; N Engl J Med. 2023)
潜在性心房細動は持続時間が短く無症状であり、通常はペースメーカーや除細動器による長期の連続的なモニターによってのみ発見できます。潜在性心房細動は、潜在性心房細動を有さない場合と比較して、脳卒中のリスクを2.5倍増加させますが、経口抗凝固療…
糖尿病を伴わない肥満における心血管アウトカム発生とセマグルチドの効果は?(DB-RCT: SELECT試験; N Engl J Med. 2023)
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬であるセマグルチドは、糖尿病患者において有害な心血管イベントのリスクを減少させることが示されています。糖尿病を有さない過体重や肥満に伴う心血管リスクをセマグルチドが減少させることができるか…
小児のCOVID-19患者では、新たに疾患を発症するリスクが78%高い?(コホート内症例対照研究; Acta Paediatr. 2023)
小児は成人と比較して重度のCOVID-19の影響をほとんど受けていないことが報告されていますが、発症後に新たな病態を経験した可能性を示唆するデータがあります。そこで今回は、COVID-19を経験した小児と健常対照者の転帰を比較したコホート…
Brexpiprazoleによるアルツハイマー型認知症における焦燥性興奮(行動障害)への治療効果はどのくらい?(RCT; JAMA Neurol. 2023)
興奮性焦燥感はアルツハイマー型認知症に広くみられる、苦痛で負担の大きい症状です。特に家族や介護者にとっては、深刻な課題であることから、有効で安全かつ忍容性の高い治療が必要とされています。そこで今回は、アルツハイマー型認知症の興奮性焦燥感を…
心不全と腎機能低下を有する患者においてダパグリフロジンは継続して良い?(RCTの併合解析; J Am Coll Cardiol. 2023)
ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬は心不全(HF)の管理においてガイドラインで推奨されています。これらの治療薬は慢性腎臓病を合併している患者でも開始可能ですが、一部の患者では時間の経過とともに腎機能が悪化する可能性があ…
オミクロン変異株(B.1.1.529)流行時のCOVID-19ワクチン接種の効果はどのくらい?(モデル解析; BMC Infect Dis. 2023)
高所得国を含む多くの国が、抗原的に異なる進化を遂げたオミクロン変異体(B.1.1.529)による流行波の制御に苦慮していました。オミクロン流行期におけるワクチン接種の直接的・間接的効果を評価することは、ウイルス対策政策を評価する上で不可欠…
食事中の子どもの騒がしい行動に対する母親の摂食戦略には7タイプある?(アンケート調査; Appetite. 2023)
親の摂食習慣は子どもの食事摂取量に影響を与えます。子どもの食の好き嫌い行動に対する親の反応を調べた多くの研究は、限られた摂食習慣を評価する質問紙調査に限られています。また、子どもが騒いだり、食べるのを嫌がったりしているときに、親がどのよう…
非心臓手術前のレニン-アンジオテンシン系阻害薬の中止と継続どちらが良いですか?(RCT; SPACE試験; Eur Heart J. 2023)
特にレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンII受容体拮抗薬)を投与されている患者では、血行動態の不安定性が周術期の心筋傷害と関連していることが報告されています。低血圧を最小にするために…
医師の服装とプロ意識に対する一般市民の認識には相関がありますか?(米国のアンケート調査; JAMA Netw Open. 2021)
医師のプロフェッショナリズムは服装で判断されるのか? 近年、医師のカジュアルな服装(フリースジャケットやソフトシェルジャケット)の人気が高まっていますが、これらの服装に対する一般市民の認識は研究されていません。さらに、ジェンダーバイアスによ
アレルギー性鼻炎の症状に対する非盲検プラセボ vs. 二重盲検プラセボ vs. 通常治療(RCT; Sci Rep. 2023)
プラセボ効果は多くの臨床症状で知られています。特に抗精神病薬や疼痛治療薬の臨床試験においては、プラセボ薬あるいは標準治療薬との比較が求められます。最近まで、プラセボ効果にはプラセボを欺くことが不可欠であると考えられていましたが、興味深い新…
小児、青年、若年成人におけるCT放射線被曝による血液学的悪性腫瘍のリスクはどのくらい?(オランダのコホート研究; EPI-CTコホート; Nat Med. 2023)
年間100万人以上のヨーロッパの小児がコンピュータ断層撮影(CT)検査を受けることが知られています。中~高線量の電離放射線被曝は血液悪性腫瘍のリスク因子として確立されていますが、CT検査の線量レベルでのリスクは依然として不明です。そこで今…
子どもの偏食と親のプレッシャーには双方向の関連がある?(オランダのコホート研究; Physiol Behav. 2017)
幼児期の子どもが食事に好き嫌い(偏食)を示すことはよくあり、しばしば親に不安を抱かせます。親による圧迫的な摂食戦略は子どもの偏食を誘発したり悪化させたりする可能性がありますが、こうした摂食戦略も同様に子どもの偏食に対する親の反応である可能…
インフルエンザウイルス感染症に対するバロキサビル マルボキシル vs. オセルタミビル(SR&MA; J Infect Chemother. 2023)
新たに開発されたキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬であるバロキサビル マルボキシル(Baloxavir marboxil, BXM)は、入院患者および外来患者におけるインフルエンザウイルス感染症の治療に広く使用されています。以前のメタ…
合併症のない創傷感染予防のための予防的局所抗生物質の効果はどのくらい?(SR&MA; Infect Drug Resist. 2018)
合併症のない創傷の感染予防のために局所抗生物質を処方することは一般的です。しかし、その有効性はあまり報告されていません。そこで今回は、予防的外用抗生物質による合併症のない創傷の感染予防に効果について検証したシステマティックレビュー・メタ解…
COVID-19パンデミックに関する歴史的物語は動機に偏っている(Nature. 2023)
SARS-CoV-2パンデミックを人々がどのように想起するかは、パンデミックへの備えや適切な政治行動に関する今後の社会的議論において極めて重要であると考えられます。しかし、これまでの研究では、単純に忘れるだけでなく、強い動機や現在の状況に…
抗利尿ホルモン分泌不全症候群に対する尿素の効果は?(系統的レビュー; JAMA Netw Open. 2023)
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)は、特定の不適切な状況下での下垂体による抗利尿ホルモン(バソプレシン)の放出量が過多となることで体液が保持され、血中ナトリウム濃度が希釈されて低下します。低ナトリウム血症が引き起こされると、動作…
変形性膝関節症の膝痛に対する細胞ベース注射 vs. ステロイド注射(RCT; Nat Med. 2023)
様々な種類の細胞注射が、変形性膝関節症患者に対する人気の高い、費用のかかる治療選択肢となっていますが、互いの有効性や副腎皮質ステロイド注射との相対的な有効性を立証する文献はほとんどありません。そこで今回は、副腎皮質ステロイド注射(cort…
小児の非特異的急性咳嗽に対するハチミツミルクの3日間投与の効果はどのくらい?(Open-RCT; Allergol Immunopathol (Madr). 2015)
はちみつは、オーストラリアのガイドラインで小児の非特異的な急性咳嗽に推奨されています。これまで実施されたランダム化比較試験では、はちみつを夕方1回摂取した場合の鎮咳効果は評価されていますが、複数回摂取した場合の効果は検討されていません。そ…
季節性インフルエンザワクチン接種に対する意識と障壁の変化:2007年〜2023年(アンケート調査; J Community Health. 2023)
季節性インフルエンザは、主に冬季に流行するウイルス感染症の一つです。インフルエンザウイルスのゲノムRNAは8分節しており、それぞれの分節RNA(1〜8)で、コードされているウイルスタンパクが異なっています。インフルエンザウイルスは変異スピ…
自然頭蓋内出血後の心房細動患者における経口抗凝固療法の効果は?(RCT個別データのメタ解析; COCROACH試験; Lancet Neurol. 2023)
心房細動と自然発症の頭蓋内出血を有する患者における主要有害心血管イベント予防のための経口抗凝固療法の安全性と有効性は不明です。そこで今回は、自然発症の頭蓋内出血と心房細動を有する患者において、経口抗凝固療法を開始した場合と回避した場合の効…
ウェアラブル心電図で検出される心房および心室の期外収縮は心血管イベントの発生と相関しますか?(データベース研究; Eur Heart J Digit Health. 2023)
ウェアラブルデバイスは心電図(ECG)をユビキタス(使いたいときに場所を選ばずに利用できること)な医療検査に変えつつあります。しかし、患者転帰への影響については充分に検証されていません。そこで今回は、心血管系疾患(CVD)のない人を対象に…
急性虚血性脳卒中患者における降圧治療は早期に行った方が良いのか?(Open-RCT; BMJ. 2023)
急性虚血性脳卒中は局所的な脳虚血に起因して突然生じる神経脱落症状のうち、永続的な脳梗塞を伴います。一般的には、血圧が220/120mmHgを超えていなければ、すぐには高血圧の治療は行われません。動脈が狭窄している場合、脳に充分な血液を送る…
軽度〜中等度のCOVID-19患者に対する経口ドンペリドンはSARS-CoV-2ウイルス量を減少できますか?(RCT; Ann Med. 2023)
ドンペリドンはin vitroで重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する抗ウイルス活性を示し、プロラクチン分泌刺激による免疫抑制作用が期待されています。しかし、実臨床において、COVID-19患者に対するドンペ…
症候性末梢動脈疾患に対する血管内血行再建術後のリバーロキサバン+アスピリン vs. アスピリン単独(RCTの事後解析; VOYAGER PAD試験; Circulation. 2023)
VOYAGER PAD試験において、リバーロキサバンとアスピリンの併用療法はアスピリン単独療法と比較して、下肢血行再建術後の主要心イベントと虚血肢イベントを減少させました。しかし、血管内血行再建術を受けた患者における抗血小板薬の効果はこれ…
成人2型糖尿病患者の体重減少に対する時間制限ダイエットの効果は?(RCT; JAMA Netw Open. 2023)
時間制限ダイエットはますます一般的になってきていますが、2型糖尿病(T2D)患者におけるその有効性と安全性を評価した長期ランダム化比較試験は行われていません。そこで今回は、成人T2D患者において、時間制限ダイエットが毎日のカロリー制限(C…
成人冠動脈疾患患者の予後におけるロスバスタチン vs. アトルバスタチン(RCTの二次解析; LODESTAR試験; BMJ. 2023)
成人の冠動脈疾患患者におけるロスバスタチン投与とアトルバスタチン投与の長期的な有効性と安全性については充分に検討されていません。そこで今回は、ランダム化、オープンラベル、多施設共同試験であるLODESTAR試験の二次解析の結果をご紹介しま…
COVID-19ワクチン接種はSARS-CoV-2感染後の糖尿病リスクを減少させる?(データベース研究; Diabetes Care. 2023)
これまでの研究で、糖尿病(DM)とSARS-CoV-2感染には双方向の相関があることが示されています。しかし、COVID-19ワクチン接種が感染者の糖尿病新規発症リスクを低下させる可能性を包括的に検討した研究はありません。そこで今回は、S…
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慢性腎臓病(CKD)は、米国で3,700万人の成人が罹患しており、CKD患者にとって高血圧は腎不全、心血管イベント、死亡などの有害な転帰の主要な危険因子です。コンピュータ化された臨床判断支援(CDS)システムを導入することで、CKD患者の…
アフリベルセプト高用量製剤(8mg)の有効性・安全性はどのくらいなのか? アフリベルセプトの高用量製剤(8mg)は、標準的な比較対象であるアフリベルセプト2mgよりも注射回数が少なく、糖尿病黄斑浮腫(DMO)の治療成績を改善する可能性があり
グルタミン酸ナトリウムや塩化カリウムなどの食塩の代替は、心血管系の転帰を改善するための単純な戦略ですが、ますます有望視されています。そこで今回は、食塩代替が心血管転帰に及ぼす長期的影響を評価するために実施されたメタ解析の結果をご紹介します…
ナトリウム-グルコース共輸送体2型阻害薬(SGLT2i)は、心血管、腎臓、血清尿酸値低下作用を有する2型糖尿病(T2D)の画期的な治療薬とされています。血清尿酸の低下作用が痛風発作のリスク低減と関連しているのかについては充分に検証されてい…
呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory syncytial virus, RSV)感染は高齢者に重篤な呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。また、RSV疾患により心臓合併症が引き起こされる可能性がありますが、インフルエンザやSAR…
糖尿病治療に用いられるグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)であるリキシセナチドは、パーキンソン病モデルマウスにおいて神経保護作用を示しました。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、パーキンソン病…
臨床判断支援システム(Clinical decision support systems, CDSS)は、腎機能障害患者において投与量変更の必要性がある薬剤を特定するために使用されています。ChatGPTは、電子カルテ(electroni…
薬物療法において、目標とする臨床転帰を達成するためには、一定レベルの服薬アドヒアランスが必要です。Haynesの初期の経験的定義によれば、降圧薬の服薬アドヒアランスは80%以上であり、多くの研究者がこの閾値を使ってアドヒアランスのある患者…
ニルマトレルビルとリトナビルの併用は、軽度〜中等度の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対する抗ウイルス治療薬です。一方で、重症Covid-19の標準的リスクを有する患者、またはワクチン接種が完了しており重症Covid-19のリ…
糖尿病の負担は世界中で増大しています。糖尿病に関連する費用は、特に低・中所得国において、患者と医療予算に大きな負担をかけています。糖尿病治療薬の価格は糖尿病治療へのアクセスを決定する重要な要因の一つですが、製造コストと現在の市場価格との関…
急性冠症候群に対するステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション後、国際的な臨床ガイドラインでは、心筋梗塞やステント血栓症を予防するために、アスピリン+P2Y12受容体阻害薬による二重抗血小板療法を12ヵ月間行うことが一般的に推奨され…
急性冠症候群や心臓突然死は、脂質に富むアテローム性動脈硬化プラーク(脆弱プラークと呼ばれる)の破裂や血栓症によって引き起こされることが多く、その多くは非流動制限性(non-flow-limiting)です。脆弱プラークに対する経皮的冠動脈…
妊娠中のアセトアミノフェン(パラセタモール)使用は、小児の神経発達障害のリスクを増加させる可能性があることを示唆する研究がいくつかあります。これが事実であれば、妊娠中の疼痛や発熱の管理に大きな影響を及ぼすことになることから、更なる検証が求…
妊娠中のバルプロ酸塩の母親の使用は、小児の神経発達障害のリスク上昇と関連していることが報告されています。他の抗てんかん薬に関するほとんどの研究では、これらの障害のリスク増加は示されていないものの、母親のトピラマート使用に関連した自閉症スペ…
座っている時間(座位時間)が長いと、血行不良と代謝低下が引き起こされ、死亡率増加や循環器疾患発症と関わることが報告されています。特に座位時間が長くなりやすい高齢者において、心代謝系の健康を改善するための実践的な健康増進戦略が求められていま…
冠動脈性心疾患患者は心血管イベントの発生リスクが高いことから、手術や薬物療法が行われます。一方、酸素消費量、QOL、死亡率に対するさまざまな運動療法の効果については充分に検証されていません。そこで今回は、冠動脈性心疾患を有する成人を対象に…
心筋梗塞後のβ遮断薬治療の有用性を示した試験のほとんどは、大規模心筋梗塞患者を対象としており、現代のバイオマーカーに基づく心筋梗塞診断や経皮的冠動脈インターベンション、抗血栓薬、高強度スタチン、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系拮…
エンパグリフロジンは心不全患者、心血管リスクの高い2型糖尿病患者、慢性腎臓病患者の心血管転帰を改善することが報告されています。しかし、急性心筋梗塞患者におけるエンパグリフロジンの安全性と有効性は不明です。そこで今回は、急性心筋梗塞で入院し…
急性心不全に対するダパグルフロジンの効果はどのくらい? 急性心不全(AHF)入院中の主な目標は、うっ血およびガイドラインに基づいた薬物療法(GDMT)の最適化です。利尿薬や他のGDMTとは異なり、ダパグリフロジンの早期投与はAHFの両目標を
症候性起立性低血圧の患者では、降圧療法の管理は困難であり、降圧療法に関するランダム化比較試験から除外されることが多い集団とされています。起立性低血圧は、転倒や失神などの有害事象の発生に関連することから、降圧効果を検証する臨床試験において交…
高血圧は、世界的に早期死亡の主要な危険因子です。高血圧患者における予後への影響は、降圧の程度に左右されることが示されています。これまで様々な薬剤クラス(薬効群)が販売されていますが、薬効群間の優劣については結論が得られていません。薬剤クラ…
妊娠はホルモンバランスの変化などにより、様々な疾患を合併することがあります。高血圧を発症する場合を妊娠高血圧症候群と呼びますが、これを放置すると母子ともに予後不良であるため、早期治療が求められます。一般的な妊娠高血圧症候群のリスク因子とし…
2型糖尿病と診断された青少年のうち、多くは若年成人期までに微小血管合併症を発症することが報告されています。そのため、早期発見・早期介入が求められますが、小児および青少年の糖尿病予備軍および2型糖尿病のスクリーニングの有益性・有害性について…
不健康行動(運動習慣なし、喫煙、飲酒、朝食抜き、肥満)が不眠症の発症リスクと関連していることは、これまでの報告から明らかです。一方、主要な心血管危険因子の有無によって層別化された個人における不健康行動の蓄積と不眠症の関連は不明です。そこで…
EAST-AFNET 4(Early Treatment of Atrial Fibrillation for Stroke Prevention Trial)のサブ解析では、心房細動で合併症負荷が高い患者において、合併症負荷が低い患者と…
酒に含まれるアルコールの代謝経路は、これまでの研究結果からほぼ明らかとなっています。アルコールは、まずアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解されます。 次にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解され…
食欲不振は進行性悪性腫瘍患者の30~80%にみられ、化学療法により悪化することがあります。オランザピンは、非定型抗精神病薬の一つです。脳内のドパミン2(D2)受容体遮断作用により、ドーパミン神経系の機能亢進により起こる陽性症状をおさえ、さ…
2型糖尿病で微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿を有する患者において、アルブミン尿の進行を抑制する治療戦略の確立は重要な課題です。SGLT-2阻害薬やGLP-1受容体作動薬は腎機能に対して保護的に作用することが報告されていますが、単独療…
非ビタミンK系経口抗凝固薬(NOAC)は、腎機能による用量調節が必要です。臨床で採用されている腎機能の推定値は、推定糸球体濾過量(eGFR)が最も一般的ですが、添付文書(product monographs)では、用量調節にCockcro…
メトホルミンは末梢組織における糖取り込みの促進、小腸における糖吸収の抑制等の作用を介して血糖降下作用を示すとされています。仮説として報告されている作用機序は多岐にわたることから、2型糖尿病だけでなく、がんや他の疾患への有用性が期待されてい…
血液透析を行うための穿刺時痛(穿刺時疼痛)は主な課題であり、患者の快適性のために疼痛管理技術を必要とする共通の問題です。この問題に対して、鎮痛薬や麻酔薬を含む貼付薬やスプレーが利用されています。スプレーは、麻酔薬を含む軟膏と比較して即効性…
2型糖尿病患者において、ナトリウム・グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)の使用初期にfirst dipと呼ばれる推定糸球体濾過量(eGFR)の低下が認められます。このeGFR低下とAKIなど腎アウトカムとの関連性、また併用薬による…
医療では、高リスクの患者は治療により最も恩恵を受けるという暗黙の前提のもと、臨床医が個人を治療する 'high-risk approach'(ハイリスクアプローチ)が用いられます。一方、新しい機械学習法を用いて最も高い利益を推定した個人を…
非定型抗精神病薬であるオランザピンは、せん妄抑制に最もよく使用される薬剤の一つです。しかし、重症成人のせん妄抑制に対するオランザピンの有効性と安全性に関する系統的な評価やメタ解析は存在しません。そこで今回は、集中治療室(ICU)に入院中の…
COVID-19で入院した患者は、サイトカインストームに伴う血栓塞栓症の発生率の高さが報告されています。したがって、血栓予防・治療が行われますが、退院後の血栓予防の延長の役割は不明です。そこで今回は、COVID-19入院後の退院患者におい…
敗血症の重症例では、副腎皮質ホルモンでステロイドの一種であるコルチゾールの分泌が不良となり、これを重症関連コルチコステロイド障害(critical illness-related corticosteroid insufficiency,…
高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントを引き起こすことから、血圧コントロールが求められます。特に脳卒中の二次予防においては、より集中的に血圧を下げることが、一般的に血圧を下げることよりもどの程度優れているかは明らかにされていません。…
SARS-CoV-2ウイルスに対するmRNAワクチンを接種した際に、心筋炎リスクが増加する可能性が報告されています。しかし、COVID-19に伴う心筋炎との臨床転帰の比較については充分に検証されていません。そこで今回は、mRNAワクチン接…
国際的な重症患者栄養ガイドラインでは、質の低いエビデンスに基づき、様々な量のタンパク質投与を推奨しています。しかし、重症時に高用量タンパク質を投与することの効果については充分に検討されていません。そこで今回は、重症患者に高用量のタンパク質…