いろいろ言うと手術を断わられる恐れがあるので、 「よろしくお願いします」と正一郎は頭を下げた。 「今すぐ入院は出来ません」と赤いネクタイをした先生は言った。 「いつ頃入院できるでしょうか?」と正一郎が答えると、 「夏頃になるでしょう」と先生は答えた。 気持ちとしては早くやってほしかったが、待つより仕方がなかった。 気分的にはかなり明るくなった。暗かった毎日だが、、その暗いトンネルの先に 一条…
「移植すると皮膚の色が変わるよ」と赤いネクタイをした先生は言った。 「皮膚の色が変わっても構いません。このままではどうしょうもありませんから」と正一郎は答えた。 皮膚の色が変わると言った先生の言葉は、実は患者にとっては衝撃をあたえるほどの深刻…
先生は非常に詳しく説明したので、正一郎は安心した。説得力があった。これだ、これだと思った。 井芹先生の場合はあやふやで説得力がなかった。あやふやな感じは患者に恐怖感を抱かせる。 赤いネクタイの先生の話には実際に多くの移植手術をしているという裏付けがあったのである。 話はてきぱきとしていたし、自信が伝わっ…
先生は非常に詳しく説明したので、正一郎は安心した。説得力があった。これだ、これだと思った。 井芹先生の場合はあやふやで説得力がなかった。あやふやな感じは患者に恐怖感を抱かせる。 赤いネクタイの先生の話には実際に多くの移植手術をしているという裏付けがあったのである。 話はてきぱきとしていたし、自信が伝わっ…
赤いネクタイをした先生は手術の手順を説明した。お尻の皮膚を剥いで左手に移植するのだが 剥いだ皮膚は潰瘍になり治るまでに3カ月以上かかると言う。左手はギブスをはめ、1カ月以上は左手は動かせないと言う。 移植した皮膚は傷つきやすく、また手が曲がるようになるまで2カ月はかかると言う。
正一郎が火傷でぼろぼろになった左の手を見せると、赤いネクタイをした医師はにやりとして 「これはいける」と言った。 何だか変な気が正一郎はした。これはいけるとは何のことか。なんだか自分がモルモットになったような気がした。
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