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りおりお
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2017/11/17

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  • 84

    あきらはアングリと口を開けていた。「桜子? なんでお前がここに?」「失礼ですね。 仕事に決まっているじゃないですか。」「仕事? お前、ブラウンカンパニーに入社したのか?」「はい。 内定をもらった9月から仕事を手伝わせてもらっていまして、4月に正式に入社となります。 こちら日本支社担当のマイケルさんです。」『マイケル。 こちら美作商事ジュニアの美作あきらさんです。』『初めまして。』あきらは急いで仕事...

  • 83

    つくしが花沢物産フランス支社を訪れて二週間が経った頃、類はフランス支社を訪れた。仕事の関係上、一か月単位でイタリアとフランスを行ったり来たりしている。その類の元に50周年記念担当のポールが報告に来た。『専務。 記念品の一つであるスパークリングワインですが、早急にデザイン画を提示しないといけないのですが、こちらでよろしいでしょうか?』『どれ。』類は図案を見る。メインはあくまで中身のスパークリングワイ...

  • 82

    イギリスの訪問を終え、フランスへ渡ったオリバーとつくし。その足で直ぐに花沢へと向かった。そこは古き良き街並みに溶け込んだ建物だ。つくしは思わずキョロキョロしてしまう。『つくし。 フランスは初めて?』『うん。』『イギリスでもキョロキョロしてたよな。』『国によってこんなに街並みが違うんだと思って。 ボストンとも違うし。』『確かにそうだな。 海外に居るという感じがするな。 でもまずは仕事! 今日は花沢で...

  • 81

    つくしがアメリカへ来て一年が経った。今日はブラウンカンパニー直営店舗の入り口でスイーツコーナーがオープンするという事で、オリバーとつくしは足を運んだ。スイーツと言ってもプリン、ババロア、ゼリーのみ。Futabaのガラス製の器に入ったもので、もちろん食べた後は器として使える。ガラスは透明で中身が見え、プリンは普通だがババロアは二層になっており小鉢サイズの器に、ゼリーは中のフルーツが見える仕組みでコップに入...

  • 80

    類はすぐに総二郎に電話をかけた。『類? 久しぶりだなぁ。』「牧野どこ。」『はあ? 突然電話してそれかよ。 こっちはまだ朝の4時なんだよ!』「牧野と連絡が取れない。 あいつ今どこで仕事してる?」『という事は、司と別れたことには気づいたんだな。』「ん。 今さっきね。 総二郎は何時知った?」『去年の9月頭だったか? メープルの内定を蹴ったって言ってさ。 その時知った。 だったら類かあきらに相談しろと言っ...

  • 79

    類はつくしとずっと連絡が取れないことに心配し始めた。既に通信障害や機器の不具合では無い事は分かる。完全に俺のアドレスを削除しているのは間違いない。ただそれを指示したのは誰だ?司が嫉妬しての事?それとも牧野自身?たびたび連絡を入れていた訳じゃない。気が向いた時にたまに連絡を入れていただけだ。それも親友に送るような文面で、司が嫉妬するような物ではない。それに牧野からは何も言われていない。最後の文面も至...

  • 78

    類はトスカーナの帰り道にひまわり畑の写真を撮っていた。ブドウ畑を気に入っていた牧野の事だ。きっとこのひまわり畑も感動するに違いない。そう思う物の、すぐに連絡を入れるのを躊躇った。仕事をしているし、度々連絡をしていたら牧野が司に叱られる可能性がある。それは申し訳ないという思いでいたが、あれから二日経った今そろそろ送っても良いだろうと思い始めた。と言うのも、ひまわりは今が見頃。これ以上遅れると、イタリ...

  • 77

    つくしとロバートは飛騨高山に着いた。と言ってももうすでに夕方で、その日は旅館にチェックインするのみにとどまった。だがロバートにしてみれば念願の旅館。かなり興奮している。『つくし。 露天風呂に行きたい。』『私も行きたい! でも男女別だから中まで案内出来ないよ?』『分かってる。』『じゃあ注意点を教えるね。』つくしは大浴場に入る注意点を説明する。それをフムフムと聞くオリバー。そして大浴場へ向かった。つく...

  • 76

    道明寺ホールディングスの受付に滋がきた。もちろんアポなど取っていない。取れないと言った方が正しい。『道明寺司さんをお願いします。 大河原滋と申します。』『アポは取られていますか?』『いえ。 でも名前を言って頂ければ。』『アポの無い方はお繋ぎできませんが?』『ですから、アポを取ろうと思っても電話もメールも無視され続けてるんです。』必死に訴える滋に対し、受付嬢は無理の言葉を繰り返すのみ。それでも今日は...

  • 75

    類はトスカーナに来ていた。あれから一年。今年もブドウが実っているのが見える。問題はここからだ。去年、ブドウを収穫後から肥料を変えた。それが功を奏しているかどうかは、今年から少しずつ出始めるはず。山梨のブドウ畑でいろいろ聞いてみた結果、肥料と摘果作業から始めてみる事にした。ブドウが出来すぎるとそれぞれのブドウに栄養が分散され味の良いブドウにならないらしい。その為、小さな実のうちにある程度摘果をするら...

  • 74

    三人でホテルに戻る。『つくしが言っていたように日本は暑い。 何でこんなに暑いんだ?』『湿度が高いのよ。 じめじめした暑さなの。』『なるほど。 太陽も痛いぐらいだし、日本人は大変だな。』『毎年大変なのよ。 あっ、桜子、写真撮るんだよね?』『はい。 もしよろしければ夕食もご一緒しても良いですか?』『私は良いけど、、、オリバーは?』『俺も別に良いけど、今夜は何食べる? 桜子は何が良い?』『日本料理で外国...

  • 73

    翌日、、、百貨店で桜子と待ち合わせた。と言うのも、百貨店に置いているFutabaの食器を見てみたかったからだ。待ち合わせ時間よりも早く入店し食器売り場へ行くとオリバーと共にマジマジと並んでいる食器を見る。『ブース的には小さいな。』『うん。 あのね、元々日本ではブラウン社の食器を取り扱っている店舗は少なかったの。 私がブラン社に雇ってもらう事が決まってすぐに探したんだけど、この店舗のみ置いてた。 それぐら...

  • 72

    つくしとオリバーは成田空港に降り立った。時間も遅いため、すぐにホテルへと向かう。もちろんメープルだ。するとエントランスでばったり総二郎に出会う。総二郎は袴を着ているし、お付きの人もいる事から仕事だったと分かるが、思わずつくしは目を逸らし知らないふりをした。だが、、、総二郎がつくしの姿を見逃すはずがない。「えっ? 牧野? お前、なんでここに?」ギクッとしながらも振り返り、さも今気づいたふりをする。「...

  • 71

    会議室で担当者と打ち合わせを行ったオリバーとつくし。今後も綿密な打ち合わせを継続することで、互いの連絡先を交換し道明寺ホールディングスを後にした。そしてメープルに戻ると、すぐに夕食を取るためにレストランへ向かった。『何が食べたい?』『イタリアンが良いかな?』『了解。』二人はイタリアンレストランへ入った。そこでパスタコースを食べながら先ほどの楓との交渉について盛り上がる。『もうダメだと思ったんだ。 ...

  • 70

    約束の時間より30分も早く到着したオリバーとつくし。あまりの早さに苦笑いだ。『交通渋滞に巻き込まれる可能性も考えてメープルを出ただろ? そういう時に限って道が空いているんだよな。』『あるあるだよね。 とりあえず受付に行こうか? 入り口で待っていても仕方ないし。』『だな。 受付に声をかけてソファーに座って待っていよう。』という事で二人は道明寺ホールディングスへ入る。そして受付で名前を名乗りアポは16時...

  • 69

    4月5日。つくしとオリバーは飛行機でNYへ向かった。飛行機の中でも会話はFutabaの事ばかりだ。もちろん商品も持参している。『それにしても、つくしは楓社長と知り合いだった?』『うん。』つくしは誤魔化すつもりはない。楓からの返事があった時点で、オリバーに話すつもりでいた。どう考えても普通の女性が楓と知り合いになれるはずがないし、メープルで研修をしていた事からも推測できる事を今日までオリバーは黙認してくれてい...

  • 68

    食器のOKが出たところで、広報や営業を中心に販売路線の会議が行われた。それにもオリバーとつくしが参加する。『あらかじめ想定していた店舗以外に、キャンプ系の店舗にも声をかけてみたらどうだろう?割れにくいしメラミン製よりも食器っぽいし。』『OKすぐにピックアップする。』『一般の店舗にも分かりやすいポップが必要。 普通の食器との違いをアピールして沢山の人の足を止めたいから。』『了解。 店舗に置くときのポップ...

  • 67

    3月。類は忙しく仕事を熟していた。もうすぐイタリアへ行く予定で、それまでに片付ける仕事が沢山ある。継続するプロジェクトは社長が引き継ぐため、各責任者に申し送りの最終確認を行っていた。そういえばそろそろ英徳の卒業式。去年はそれぞれの顔を模したクッキーを貰ったが、今年はお礼に何かを送ろうか?でも、司が嫌な顔をするだろうし忙しく仕事をしているみたいだし。類はこの前届いたメールを開く。そこには、、<日本と...

  • 66

    つくしはオリバーと共に食器工場の工場長と白熱のディスカッションを行っていた。『ですから。 エコに特化した食器を作りたいんです。 丁度研究チームがバイオマスを使った食器づくりの研究をしていて、試作品では成功しているんです。 ただ実際大量生産となるとどうなのかと言う疑問がありますが、他社と違う特色を出したいんです。』『言うのは簡単だが作るのは大変なんだ。 分かってないだろ? 大量生産となるとほんのわず...

  • 65

    翌日。 つくしは7センチほどのヒールのあるパンプスでオリバーと会社へ向かった。そして社長と対面する。以前、スカイプで顔は拝見しているが、間近で見ると威圧感があり全然違う。つくしは緊張しながらも挨拶をする。『牧野つくしです。 いろいろご無理を言って申し訳ありません。 これから一生懸命仕事に邁進します。 よろしくお願いします。』『つくし。 待ってたよ。 オリバーの家はどうかな?』『快適です。 それにい...

  • 64

    翌日、オリバーと一緒に朝食を取る。パンとサラダとスクランブルエッグと言う簡単な物だが、調理器具の使い方も教わった。『マシューたちが来るまで家から出ない事。 インターホンが鳴ったら確認して出る事。』『分かった。 それまで必要な物を書き記しておくから大丈夫。 オリバーも必要な物無い? 一緒に買っとくよ?』『特にないかな。 じゃ、明日から仕事だから今日は一日ゆっくり楽しんで。』『うん。 いろいろありがと...

  • 63

    ごそごそと紙袋を開けバーガーを取り出す。その大きさにつくしは驚く。『これ一人前? 特大じゃなく?』『これが普通サイズ。 そんなに驚く事?』『うん。 こんなに大きいバーガーは日本にはない。 これの半分ぐらいだよ。』『へぇ。 俺なんて二つ買ったんだけど?』確かに目の前にまだ未開封のバーガーがある。そのバーガーとオリバーを繰り返し見るつくし。『そりゃぁ、その体系を維持するにはこれぐらい食べるよね。』『ま...

  • 62

    マサチューセッツ州ボストンにあるローガン空港約13時間のフライト後、入国審査などを終えゲートを出るとそこにオリバーが待っていた。『つくし!』『オリバー! 久しぶり!』二人は自然にハグをしあう。つくしがブラウンカンパニーに就職が決まり、毎日のようにスカイプで話をしていた。もちろん仕事に関することばかりだ。歳が一つしか離れていない事もあり、もうすっかり打ち解け相棒のような強い絆が生まれている。『待ってた...

  • 61

    1月5日。つくしは小さなスーツケースを片手に成田空港に着いた。その駐車場で、桜子に礼を告げる。「桜子。 ホントにいろいろありがとう。 凄く助かった。」「いえ。 たいしたことはしておりません。 それより必ず私には連絡くださいね。」「分かった。 桜子も後一年、大学頑張ってね。」「はい。 寂しくなりますが頑張ります。」「おばあさまにもよろしく伝えてね。」「はい。 それでは私はここで。 お気をつけて。」「...

  • 60

    翌朝、二人は目覚めると真っ先にカーテンを開け外を見る。まだ屋根にうっすらと雪が残っているが、太陽が照らしその雪を溶かしている。「これなら帰れそうだな。」「うん。 じゃまずは朝食を食べようか?」「ん。」こうして二人はバイキング形式の朝食を取る。その後、チェックアウトをしゆっくり東京へと戻った。もちろん途中のサービスエリアにより、桜子のお土産を買う。「山梨と言ったら信玄餅だよね?」「まあそうかな? あ...

  • 59

    類の後につくしがバスルームへ向かった。類は水の入ったペットボトルを手に窓辺へ行きカーテンの隙間から外を見る。今も雪は降り続いている。まっさらな雪も俺が手ですくえば必ず触った後は残る。それと同じでもし牧野に手を出したら必ず司にバレる。司の事だ。自分の事は棚に上げ牧野を責めるだろう。せっかく5年の交際を実らせてNYへ行くというのに、俺がその火種を作って良いのか?良いわけがない。そんな事をしたいがために牧...

  • 58

    「食事行こうか?」「うん。」「和食で良い?」「良いけど、珍しいね。 てっきり洋食を選ぶと思ってた。 ワインを飲みたいだろうから。」「確かにこのホテルのワインは何を置いているのか興味はあるけど、牧野は暫く和食が食べられないだろ? まあ司の家には和食の料理長もいるだろうけど食材も違ってくるだろうしね。」「ふふっ。 最後の晩餐って感じかな?」「そうかな。」確かに牧野と二人で食事をする機会はこれが最後かも...

  • 57

    ブドウ畑を後にし、再び東京へ戻ろうとしたのだが雪がかなり降り始めた。「やばいな。 これ、、、高速が凍ってないかな?」「チェーン規制してるかもね。」「持ってない。」二人の間に沈黙が流れる。高速の乗り口はすぐそこだが、万が一のことがあっては大変だ。「ちょっとこの辺にチェーンが売ってないか探してみようか?」「だね。 ガソリンスタンドとかオート●ックスとかに置いてるんじゃないかな?」こうしてまずはチェーン...

  • 56

    12月30日。類は三条邸につくしを迎えに行った。そこでつくしと一緒に出てきた桜子に類は身構える。「おはようございます。 あっ、大丈夫です。 私はここでお見送りをするだけですから。」桜子の言葉にあからさまにホッとする類。その表情に桜子は呆れる。「ホント花沢さんって普段は何を考えているか分かりませんのに、先輩の事となると分かりやすい表情をされますよね。 しかも今、明らかに私は邪魔と言う表情でしたよね。...

  • 55

    「お前ら、仕事はどうだ? しんどいか?」「まあなぁ。 俺は来年からアジアを中心に出張の日々が待ってるわ。 時には数か月滞在することもあるかなぁ。」あきらもアジアへ行く事を知り、総二郎は寂しく感じる。「そっかぁ。 類は?」「俺は4月からイタリア赴任。 トスカーナのブドウ畑を残すと決めたんだけど、そこのブドウの品質向上に向けいろいろ試してみることになって、それの指揮を任された。」「類もイタリアかぁ。」...

  • 54

    クリスマスが近づいたある日、つくし、類、総二郎、あきら、桜子は美作系列のレストランで集合した。と言っても、あきらと類は仕事でまだ来ていない。「牧野。 就職先は決まったのか?」「うん。 なんとかね。」「どこだ?」「インテリア用品の会社。」「へぇ。」つくしは会社名を言わない。総二郎も単に知られたくないだけとしか思っていない。かなり遅い時期からの就活で大手は既に締め切っていた。残った会社の中からなら小さ...

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