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りおりお
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2017/11/17

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  • 53

    つくしは百貨店へ向かった。そして食器コーナーでブラウンカンパニーの食器を探す。数店舗目でやっと見つけ、それを手に取りじっくり見る。シンプルなデザインだが重い。だが重厚感があるとも言える。これの何が駄目なんだろう?すると背後から声をかけられた。「先輩。 こんなところで何をされているんですか?」「えっ! 桜子? 何でここに?」つくしは突然の桜子の登場に驚きを隠せない。「おばあさまのお菓子を買いに来たら...

  • 52

    キャリアセンターでチェックしていると電話が鳴った。表示を見るとオリバーからだ。つくしは部屋を出て電話に出る。『はい。 つくしです。』『あっ、つくし! 無事日本に帰った?』『うん。』『あのさ、つくしが勧めてくれた食器部門だけど社長が許可してくれた。』『ほんとに?』つくしも嬉しい。ほんのちょっとした呟きだった。それを真剣に考え本当に実現させた努力は素晴らしい。『おめでとう!』『まだ始まったばかりだけど...

  • 51

    つくしは足しげく大学のキャリアセンターへ足を運んだ。そしてピックアップを急ぐ。ぐずぐずしていたらそれも募集がストップするかもしれないからだ。すると、その姿を桜子に見つかってしまった。「先輩? どうしたんですか?」あからさまにギクッとするつくし。「いや、ちょっとね。」「ちょっと? この場所は先輩には関係ないですよね。 しかも毎日来てますよね。」「げっ! なんでそれを?」「桜子の情報網を舐めてもらって...

  • 50

    日本に到着したつくしはまっすぐ自宅へ帰る。一か月も留守にしていた為、部屋が誇り臭い。全ての窓を開けると、すぐにスーツケースと箪笥を開け整理を始めた。司から貰った靴、服などは処分することにし、アクセサリー、パーティードレスは悩んだ末タマに持っていく事にする。そして数々の課題もすべて処分していく。一番新しいメープルの概要などは地域の観光案内を残しシュレッダーへかけた。その後、掃除をする。とにかく体を動...

  • 49

    翌日、メープルの社員に見送られながらタクシーに乗り空港へ向かった。とてもお土産を買う気にもなれず、まっすぐ国際線へ向かう。すると、、名前を呼ばれた。振り返らなくても分かる声。つくしは無視してまっすぐチェックイン機へと向かった。すると腕を取られる。「おい。 ちょっと待てよ!」「何?」「まだ時間あんだろ? きちんと話をしようぜ。」「何の話? 既にあんたとは終わってるんだけど?」「俺は終わったと思ってね...

  • 48

    翌日、13時過ぎに支配人から連絡があり、つくしはメープル内の一室へ向かった。そこには書類のチェックをしている楓が居た。「ご無沙汰しています。」楓は書類から目を外すとつくしを見る。久しぶりに見るつくしは以前と違いかなり綺麗で聡明に見える。「まず、、あなたに礼を言うわ。 子供を誘拐犯から守ってくださりありがとう。」楓は軽く頭を下げる。突然のお礼と行動につくしは驚き、急いで手を横に振る。「いえ。 とんでも...

  • 47

    西田は時間になっても降りてこない司にしびれを切らし、何度も電話をかけるが出てこない。心配になり直接部屋へと向かった。そして合鍵を使って部屋へ入る。すると部屋が凄い惨状になっていた。モーニングは手を付けられず全て床に転がっているし、ソファーは蹴り飛ばしたのか見るも無残に転り、ガラスのテーブルは粉々に砕けている。明らかに司が暴れたと分かるが、こういう風景は高校以来だ。その汚れた床に司がボーと座っている...

  • 46

    翌朝、つくしは朝食のワゴンを押しながら司の部屋の前まで来た。そして深呼吸を一つした後、インターホンを押した。大丈夫。もし滋さんがいたとしても単に泊まっただけ。それにもし部屋が乱れていたとしても、そこにはあたしの知らない女性がいるだけ。大丈夫。あいつはそこまで馬鹿じゃない。二人の未来のために頑張っているんだから。つくしは必死に自分に言い聞かせる。その為、俯き加減になっていた。暫くしてドアが開く。『中...

  • 45

    翌日、オリバーはチェックアウトする。その手続きをしたのはつくしだ。『いろいろありがとう。 早速、社長に直談判してみるよ。 研究所、品質管理にも確認してみる。 今、どういった物に力を入れているのかさ。』『はい。 頑張ってください。 上手くいくと良いですね。』『その辺は頑張るしかない! つくしも頑張れ!』『はい。 お互い頑張りましょう。 また当ホテルをご利用くださいね。』『もちろん。 まっ、その時つく...

  • 44

    翌日、メープルの玄関前で落ち合い自然博物館へ向かった。オリバーはTシャツにハーフパンツ、つくしはTシャツにワイドパンツだ。そしてセントラルパークを突っ切り、オープンと同時に中に入った。入るとすぐに大きな恐竜の化石標本が出迎える。『凄いな。』『かなり迫力がありますね。 それにあたし達でもかなり大きく見えるんだからマシュー君なら尚更でしょうね。』『ここで既に心奪われたんだろうな。』それを理解しながら順に...

  • 43

    『研修は何時まで?』『後一週間ぐらいです。』『休みはある?』『きちんと貰っています。 明日も休みですし。』『ほんとに? じゃあ一緒に自然博物館へ行かない?』『えっ?』折角だから行ってみたいと思っていた。3歳児のマシュー君が興奮するぐらいの展示物があると分かったし、道明寺に会うまでに気分転換もしておきたかった。『マシューが興奮気味で話してくれてさ。 凄く大きい恐竜の化石があるらしいな。 実はまだ行っ...

  • 42

    レストランの前には、スーツを着たオリバーが待っていた。そしてつくしを見て手を挙げる。『来てくれてありがとう。』『いえ。 こちらこそお待たせしまして申し訳ありません。』『いいえ。 それよりメープルには研修と言う物があるんですね。 その辺も中でお聞きしても良いですか?』『はい。』オリバーにエスコートされる形でレストランの中へ入る。つくしはここで食事をするのは初めてだ。もちろん中を見たことも無い。その為...

  • 41

    翌日、今度はフロント係を始めた。指導係は子供誘拐事件の時、つくしの後をすぐに追いかけたダニエルだ。『あの時はお世話になりました。』『いや、俺も我が目を疑った。 犯人らしき人物を真っ先に追いかけようとするんだからな。』『すみません。』あの時、もしかしたらこのダニエルも流れ弾に当たる可能性があった。それでもあたしを守るために盾になってくれたことに感謝だし、女性を守ると言う意識が高いと感じる。『いや、何...

  • 40

    休日は再びセントラルパークへ足を運ぶ。とにかく広く前回の休みはボーと過ごしたが、今回は散策することにした。べセスタ噴水は中央に天使の像があり、その広げた手の上に鳩が止まっていた。凄く大きな噴水で格好のフォトスポットのようだ。シェイクスピアガーデンも趣があり、ストロベリーフィールズではジョンレノンの碑がありファンが写真を撮っていた。そしてザ・レイクと呼ばれる大きな湖まで来た。ここで5年前に類に見つけ...

  • 39

    翌朝、少し遅めの朝食を食べているとジョディに呼ばれた。つくしはサッと食べると、すぐにジョディの元へ行く。『つくし。 あんた昨日危ない目にあったんだって?』『まあ、そうなんですけど。』『日本で育っているからだろうけど、ここは銃社会。 悪い事をする人はいつも身につけていると思った方が良いよ。 でもそいつが腕の悪い奴で良かったねぇ。』『はい。 それだけは救いでした。』『とにかく十分気をつけるんだよ。』『...

  • 38

    ベル係の仕事も週末は特に忙しい。荷物を客室に運びフロントに戻るとすぐに新たな客の荷物をカートに乗せその部屋へ案内する。繁盛して嬉しい悲鳴なのだが、疲労は半端ない。それでもつくしは疲労の色を見せる事無く明るく接客していた。『この方を1501号室へ。』『畏まりました。』荷物をカートに乗せ押しながらエレベーターの前へ行く。今回のお客様は家族連れだ。観光してきたのか子供の手には恐竜のぬいぐるみが握られてい...

  • 37

    ベル係として働き始めたつくし。フロント前でチェックインを終えた客の荷物を受け取り部屋まで運ぶ。その間にレストラン、非常階段の場所を説明しながら部屋へ。鍵を開け中に荷物を運び入れお辞儀をして退室するのだが、毎回チップを手渡され困惑しつつも受け取る。自分が受け取らなければメープルはチップ不要と間違った印象を持たれるからだ。その分も含め、お客様には喜んで泊まってもらえるよう、会話を重視しながら案内した。...

  • 36

    休日になり、つくしはセントラルパークへ向かった。他に行く場所も無く、かといって部屋に閉じこもっていても虚しいだけだ。あの惨状が脳裏にこびりつきどうしても離れない。つくしはキッチンカーでホットドックとジュースを買うとベンチに腰を下ろす。そしてそれを食べながら今後の事を考え始めた。あたしは何のためにここに来たんだろう。――道明寺との未来の為だよね?じゃあ昨日見た光景は無かったことにする?――出来る訳ない。...

  • 35

    信じられない発言につくしはドキドキと早鐘を打つ。だが必死に冷静を装う。『そうなんですか。』『だから息子さんの部屋には避妊具も準備しておく必要があってね。 あっ、ここだけの話だよ?と言ってもここに勤めているスタッフは全員知っているんだけどね。』『全員が知ってる? そんなに有名なんですか?』『まあねぇ。 いつも決まった女性だし、その女性は大食いで部屋に来ると同時にルームサービスを持って行かなくちゃなら...

  • 34

    翌日からつくしの仕事が始まった。9時にリネン室へ行くと既に数人のハウスキーパーの人がいた。『あらっ? 新人さん?』『はい。 牧野つくしです。 よろしくお願いします。』『こちらこそよろしく。』そこに支配人がやって来た。『今日から一週間の予定でハウスキーピングを手伝ってもらう牧野さんです。 当ホテルの客室備品などいろいろ教えてあげてください。 それでは牧野さん、頑張ってください。』『はい。』サッと挨拶...

  • 33

    夏休みになり、つくしはNYへ向かった。旅券はメープル東京が用意してくれ、行き方や注意点などが書かれた冊子も貰えた。仕事内容などはNYメープルの指示に従うようにと書かれている。何をさせられるのだろうとドキドキしながら、無事NYメープルに到着した。初めて入るNYメープルは東京と同じく高級感漂う内装だ。フロントを見つけると、すぐに向かい挨拶する。『初めまして。 牧野つくしです。 メープルに就職が決まり、本日は研...

  • 32

    6月末。稽古の合間の休憩時。つくしはタマとお茶をしていた。その時、たまたまつけていたテレビ画面に目が止まった。<本日話題の映画が公開され、それに関わった俳優が一堂に会しました。>アメリカで行われた公開イベントには、着飾った俳優陣が順にカメラの前に立ち作品をアピールしている。その後ろに司の姿を捕らえた。その隣には滋の姿も見える。「あの後ろの方に居るのは坊ちゃんじゃないかい?」「はい。 道明寺ですね。...

  • 31

    メープルからつくし宛てに書類が届いた。そこには夏休みにメープルで実践研修があると書かれている。ただその文面にもう一枚クリップで止められた用紙があった。<牧野様。 内定おめでとうございます。牧野様に置かれましてはNYでの研修となりますので、パスポートなど下記の必要書類をメープル本社までご持参いただき~~>それを読み、つくしは心躍る。研修があるだろうとは思っていた。ただ場所がNYだとは思わなかった。直ぐ道...

  • 30

    NY道明寺ホールディングス。楓はメープル東京で採用した人員の資料を見る。どの人材も優秀で即戦力がある。中でもやはり、つくしは群を抜いている。一般常識、世界情勢はほぼ満点だ。さすがね。この三年間の指導の賜物ですが、それを吸収する姿勢は思った以上。もちろん英徳特待生になる程ですから元々頭の出来が良いのでしょう。一般入学で英徳高校へ入学した程ですから元々素質はあったのでしょうけど想像以上です。そして縁故入...

  • 29

    淡く微笑むつくし。司の話になると向日葵のような笑顔を何時も見せていたのにどうしてこうなったのかと、類はやるせない気持ちになる。遠距離の不安もあるが送られてくるプレゼントに他の女性の影がチラチラ見えて不安を感じている。その事実を知っているが、それを話せば牧野はどう思うだろうか?このまま知らずにNYへ行けば、上手くやれるんじゃないだろうか?現に司の元へ行く為に今まで努力してきた。しかも後一年を切った。そ...

  • 28

    つくしはたこ焼きとりんご飴を覗き込んでいたがパッと顔を上げる。「ありがとう。 すっごく嬉しい。 あっ、じゃ一緒に食べよう? 温めるから家に上がって?」一気に疲れが吹っ飛び笑顔になるつくし。その表情に類はホッとする。プレゼントを買う時間が取れなかったのは事実。仕事が忙しく休憩もままならない。もちろん食事もまともに食べられない。疲れが溜まる中これを見つけ牧野に会いたいと思った。これなら気楽に受け取って...

  • 27

    「つくし。 突然なんだけど、パパとママは長野へ引っ越そうと思ってるの。」あまりにも突然の話に、つくしは目を見開く。「またパパが失業?」「本当にすまない。」晴男は頭を下げる。元々契約社員だった。この不況で真っ先にクビになるとは思っていたが突然だ。母親のパートもシフトを減らされ全盛期の半分ほどの稼ぎしかない。その補填をしていたのはつくしの道明寺邸での稽古の頑張りによって支払われる対価。バイト代わりに頑...

  • 26

    3月。F3は英徳大学の卒業式。在校生は休みにも関わらず、間近でF3をみられるのはこれが最後とばかり大勢の生徒が押し掛けた。その生徒たちとは距離を開け、つくしと桜子も最後の雄姿を見るために大学へ行った。行けるかどうか仕事次第と言っていたあきらも、行くつもりはないと言っていた類もそこにいる。三人が揃って歩く姿と共に、そこに居ない人物にも思いを馳せる。思えばつくしが入学した時から横柄な態度で四人はいた。そ...

  • 25

    クリスマス会が終了し、つくしは花沢の車で送ってもらう事に。「久しぶりに楽しかったね。」「俺も。」「類のスーツ姿、よく似合ってる。」「ありがと。」「その姿を見ると頑張ってるんだなって分かるし、あたしも後一年もすれば同じように頑張らないと駄目なんだなって思う。」「まあ、、、そうかもしれないけど、その時は司がいるだろ? あいつ牧野が卒業したらNYに呼ぶと言っていたから、きっとメープルに就職してもNYのメープ...

  • 24

    類はさりげなく司との状況を聞いてみる。「そう言えば、司から電話ある?」「類がNYへ行った時にあったっきりだけど、SNSは来てるよ? あの後、ずっと出張で世界中を飛び回ってるって書いてて、時差が全く分からないから電話がかけられないと書いてた。」再びSNSになっている事に類は肩を落とす。確かに仕事一本になり忙しいとは言っていた。当然海外出張も増えただろう。時差も分からなくなったのも理解できる。ただ、、、なぜす...

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