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りおりお
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2017/11/17

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  • 23

    クリスマスイブ。つくしは遅れて集合場所へ向かった。久しぶりに皆に会えると思うと自然に頬は緩む。厳しい稽古の中で、やはり一番の励ましは皆からのSNSだ。今回のクリスマスイブの食事会も桜子が教えてくれ、指折り数える程楽しみにしていた。特に類に会うのは夏休み明けのNY土産を貰って以来だ。もちろんSNSはそれなりに来るが、以前と違い直接顔を合わせなくなったことはかなり寂しかった。「遅れてごめん。」店内に入ると真っ...

  • 22

    滋は嫉妬心を隠し、あくまで司の助言を好意的に受け止める表情を見せる。少なくとも自分がついた嘘の相談に真剣にのってくれているから。「なるほど。 英語で伝えれば良いのかな? もっと大胆にすれば、、。」「いや。 お前はそのままでいいと思うぜ。 と言うか簡単に変われねぇだろ? だからな、彼氏を作るなら日本人の方があってんじゃね?」司も日本人じゃん!という事は司とはバッチリという事じゃない?もちろん司は自分...

  • 21

    司は仕事に奔走していた。そして重責が更にのしかかるようにもなった。以前は学生という事も有り、ある程度会議の出席は見送られていたが今ではほとんどの会議に出席させられる。そこでの意見、決済も迫られる。しかも多岐にわたる分野。頭の切り替えが難しい。当然疲労は溜まる一方。その解消方法はアレしか思いつかない。だが類の言葉も有り暫くは自分で諫めていた。だが既にその快楽を知ってしまっている為、以前のように自分で...

  • 20

    夏休みが終わり大学が始まった。三年の後期となるつくしは取得する単位も残りわずかだ。全く講義が無い日も二日ある。もちろんその日は道明寺邸での稽古に当てられている。そんな中、つくしの元へ類が来た。「ま~きの。」「類? 珍しいね大学に来るの。」「週に一時間だけ講義があるからね。 と言ってもリモートで済ませる事も出来るんだけど、今日は牧野に会いたいと思って。 横、座っても良い?」「どうぞ。」類はつくしの横...

  • 19

    重い空気が流れ、誰も摘まみに手を付ける者はいない。冷たかったビールも今はぬるくなっている。「でも滋に対し恋愛感情が無いんなら牧野がNYへ行くまでの関係と割り切ればなんとかなるんじゃね?」「たぶん司もそう思ってる。 でも、、牧野に対しての恋愛感情も薄くなってる。」「SNSを利用しているからか? それはやましい事をしているからだろ?」あきらは、司の気持ちを思いやる。仕事と学業の両立は心身ともに堪える。鬱憤...

  • 18

    日本へ帰った類は、あきらに連絡を入れ急遽場所を設定してもらった。皆で情報を共有する為だ。もうあまり大学へ行く事のない類はつくしの様子を窺う事が出来ない。その点、総二郎はたまにお茶の稽古があるし、桜子は大学で会う可能性が十分ある。「珍しいな。 類が号令かけるなんてさ。」「しかも私まで呼んでくださるなんて。 先輩は遅れるんですか?」既に総二郎と桜子がいた。そして類の珍しい行動に疑問を呈する。「牧野は来...

  • 17

    類はカマをかけてみる。「ここだけの話なんだけど、去年大河原が日本に来たとき皆で食事したじゃない?」「あぁ。 そう言ってたな。」「その時、、、見たんだよね。」「何を?」「キスマーク。」司は瞬時に目が泳ぐ。そのあからさまな動揺を類は見逃さない。ビンゴか。司と大河原は体の関係があるんだろう。少なくとも去年の今頃には既にそうなっていた。だから焦った。自分が付けたキスマークだと思ったから。もちろんそんな物、...

  • 16

    類は冷蔵庫からビールを取り出しそれを飲みながら司の到着を待った。司が到着したのは21時を回ってからだ。「悪りぃ、類。 待たせたな。」「いや。 こっちも突然だったし。」「それにしてもお前もいよいよ仕事を始めるのか。」「まあね。 と言っても去年から少しずつ始めてるんだけどさ。」「だろうなぁ。」そこにルームサービスが届けられた。それをテーブルに並べアルコールと共に摘まむ。「この部屋も日本のメープルとあまり...

  • 15

    もうすぐ夏休みという頃、類は卒論を仕上げ教授に提出する為大学へ向かった。するとベンチに座っているつくしを見つける。連絡を取った訳でもないのに偶然つくしがいる事に苦笑いをしながら声をかけた。「ま~きの。」「あっ、類。」「横座っても良い?」「どうぞ。」勝手に座っても良いのだろうが、一人になりたいときもあるかもしれないと思うとどうしても一声をかけてしまう。もちろん今まで拒否されたことは無い。「テストの空...

  • 14

    類、総二郎、つくし、桜子は類の運転する車でドライブをしている。目的地はあの時と同じ公園だ。「風が気持ちいいですね。」「うん。」「類、運転上手くなったなぁ。」「そりゃぁ初心者じゃないし。」助手席には総二郎、後部座席につくしと桜子が座っている。あの後、類が総二郎に電話をしていると桜子がやって来た。今からドライブに行くと言うと一緒に行くという。そして総二郎と合流した後、一度皆で花沢邸へ向かい、そこから類...

  • 13

    4月になった。つくしはシラバスを見ながら今年度の授業を考えていた。必修科目はもちろん受講だが、専門科目は残り単位を考え受講する必要がある。やみくもに取れば試験が大変になるし、単位の足りない分野の科目を取る必要がある。もちろん曜日と時間が決まっている為、重なればどちらかを選択しなければならない。今年も普通に道明寺家でお稽古は行われる。その為4限以降になる物は出来るだけ避け、且つ道明寺家で習わない分野...

  • 12

    「牧野。 悪りぃが空港に戻っても良いか?」既に再会して1時間半が過ぎている。予定していた時間は3時間だし、急な案件も出ている。戻る時間も必要だし嫌だと言えるわけがない。「うん。」「出発まではまだ時間があっからお茶でも飲もうぜ。」「うん。」つくしは出来るだけ明るい声を出す。本当はもっと一緒に居たい。たった3時間なんて短すぎる。でもそれを口には出せない。元々無理して会ってもらっているんだから。つくしは袋...

  • 11

    3月に入った頃、夜中に突然つくしの携帯が鳴り始めた。眠気眼で表示を見ると司からだ。ここ最近SNSばかりで電話は全くなかった。何事?と思いつつも久しぶりに声が聞けると思うと嬉しくてつくしは飛び起き通話ボタンを押した。「はい。」『牧野か?』「うん。」変わらない司の声。一瞬で疲労が吹き飛ぶ感じだ。だが突然の電話。何かあったのかと心配になる。『あのな。 来週シンガポールに行くんだが、途中燃料チャージで日本に寄...

  • 10

    試験も無事終わり、春休みへと突入した。と言ってもまだ2月。寒い日が続いている。そんな中、つくしは今年のクリスマスプレゼントとして司から貰ったストールと手袋を身につけ道明寺邸への稽古へ。と言っても時間的には余裕が出来た。稽古は9時から17時までだからだ。いつもは稽古を終えると道明寺家の車で自宅まで送ってもらうのだが、今日は近くの駅まで送ってもらい電車で類の家へと急いだ。私用のため申し訳ないという気持...

  • 9

    11月になった。つくしが大学構内のベンチに座っていると、類に声をかけられた。「ま~きの。」「類。 久しぶりだね。」「ん。 ちょっとフランスに行ってた。 横、座っても良い?」「どうぞ。」類はつくしの横に座るとポケットから小さな包みを取り出す。「はい。 お土産。」「何?」「チョコレート。 疲れた時には甘い物が良いんだろ?」「ありがとう。」つくしは嬉々として包みを開ける。中からは一粒大のチョコレートが数...

  • 8

    滋はNYへ帰るとすぐに司にSNSを送る。<ただいま~。 今、こっちに戻ったよ。 その辺も含めて報告したいんだけど明日会えないかな? 大学が始まるまでに一度会いたいんだけど。>司は仕事の合間に滋からのSNSに気づき、サッと開く。滋が日本へ行くという事は前もって聞いていた。その時、あいつらに会う事ももちろん知っている。ただどんな話をしたのか、牧野に悟られていないか気になった。初めてのあの感覚が忘れられず、スト...

  • 7

    夏休みに入り、滋が父親と共に日本に来た。それに合わせ皆で食事をすることになりレストランで集合した。つくしは稽古が終わって駆け付ける事になっており、先に始める事にした。「滋さんがNYへ行かれて約二年半が経ちますが、あちらでの生活はどうですか? もう慣れました?」「まあね。 と言っても大学と会社と家の往復よ。 だから未だ友達が出来ない。大学では同じ講義を受けている人と多少会話はするけど、休日にどこかに出...

  • 6

    つくしの元に、オレンジ色の夏物のワンピースとオフホワイトのレースのボレロが届いたのはそれから一週間後だった。袖口がふんわりとしておりかなり派手なオレンジ色だが夏らしい爽やかさもある。何よりストンと着ることができ、腰に麻のベルトで括るようになっている。レースのボレロは長そでだが丈が短く涼しげでワンピースにとても良くあう。「姉ちゃん。 凄く良く似合ってる。」「派手な色合いだけど夏らしくて良いんじゃない...

  • 5

    つくしは大学二年になった。特待生になり今年度の授業料が免除になった。その事にホッと安堵していると司から連絡が入った。<お前すっげぇなぁ。 英徳の特待生はほんのごく僅かだぜ。 でもあまり無理するなよ。>SNSで届いた文面を、つくしは何度も見直す。褒められて嬉しいし、気遣ってくれている。きっとあいつも頑張っているんだろうと思う。すると、類がやってきた。「牧野。 隣に座っても良い?」「どうぞ。」別に誰も座...

  • 4

    もうすぐクリスマスという頃。つくしの家に司から荷物が届いた。中を開けると手触りの良いコートとメッセージカードが入っている。「良い色合いのコートね。 これなら普段から着ていけるんじゃない?」「だね。」明るいグレーのコートはどんな服装にも合いそうだ。メッセージカードには<Merry Christmas 無理するなよ>走り書きのようなメッセージカード。忙しくてもクリスマスを忘れずにいた事とほんのちょっとの文字がつくし...

  • 3

    つくしは大学のベンチに座り、背もたれに体を預けていた。疲れた、、。大学入学と同時に始まったお稽古事。道明寺から大学代を払ったから英徳へ行けと半強制的に言われた翌日、今度は魔女から電話があった。『英徳大学へ通いながら英会話その他の勉強を始めなさい。その為の講師は既に依頼してあります。場所は道明寺邸。 大学が終わり次第向かいなさい。バイトの方はもちろん辞めていただきます。代わりにお稽古の習熟度に合わせ...

  • 2

    俺は体を動かす事すら出来ねぇ。すぐ隣には真っ裸の滋がいる。今も腕にわずかに温もりを感じている。滋と再会して一年は経過している。その間、親友として大学でたまに会話するぐらいだったじゃねぇか。それがどうしてこうなった?滋も俺と同じ立場で、パーティーがあれば出席させれられていた。俺は同伴者が必要な時は西田が宛がった女性を同伴した。滋はほとんど父親を伴っていたようだ。だが昨日のパーティーは映画の受賞パーテ...

  • 1

    こちらのお話は、2022年に類誕リレーでキリ番を踏んでくださいましたるいか様からのリクエストに応えた作品です。アナウンスは一切していなかったんですが、作家様たちと誰かキリ番に気づいてくれるかな?と話していました。そうしたら偶然にも連絡があり、【55555のキリ番を踏んだんだけどリクエストしても良いの?】と冗談交じりに連絡がありました。ご存知の方もいるかもしれませんが、るいか様は総つく作家様です。(現在は更...

  • 70

    クリスマスが終わり、つくしが仕事へ行くと既に田村が居た。「おはようございます。」「あっ、おはようございます。 クリスマスは楽しかったですか?」「はい! とっても!」つくしの笑顔に語らずとも察する田村。そして胸元にきらりと光るネックレスが目に止まる。(田:類様のプレゼントですね。 華美ではなくワンポイントで落ち着いたネックレスです。)そこに類が入ってきた。「「おはようございます。」」「おはよ。」類と...

  • 69

    朝、つくしが先に目覚めた。横を見ると端正な顔立ちの類がいる。そして片方の手は緩く握られている。何より素肌に直にシーツが触れ、昨夜の情事を思い出し真っ赤になる。(つ:昨日、、、類とやっちゃった。元々隠れ蓑だと思っていたのにまさかの本命だと分かり、そこからハグ、キス、、、、そして最後まで。メープルで美味しいフルコースを食べたのに、恋のフルコースまで頂いちゃった。アレヨアレヨと怒涛の一日。 気持ちがなか...

  • 68

    明日はどの店へ行くかと話していると、つくしが少し大きな声を上げた。「あっ! 今日イベントやってるんじゃ?」「あぁ、ゲームのクリスマスイベント?」「そう!」つくしは脱兎のごとく布団から抜け出すと、自分と類のスマホを持ってくる。(類:この甘いムードの中、ゲームが気になるとは、、、。もしかして牧野にとっての順位は、一番にゲーム、二番に俺じゃないよな?)「はい! 少しだけやろう?」「あい。」二人はベッドに...

  • 67

    つくしがシャワーに行っている間に類ももう一つのシャワールームへ向かった。そしてルームウエアを着て出ると冷蔵庫から水を取り出し喉を潤す。するとつくしもルームウエアを着て出てきた。「水飲む? ジュースもあるけど。」「えっと/// 覗いても良い?」「ん。 どうぞ。」類は場所を移動し代わってつくしが冷蔵庫の中を見る。外国語で書かれたお酒らしきものもあるが、つくしはwaterと書かれた瓶を取り出した。「ペットボトル...

  • 66

    ハグをして3分が経過した。(類:そろそろ次へ進まない? もちろんハグも嬉しいんだけど鳩尾に二つの柔らかなふくらみが当たって否応なく反応してくるんだけど。)(つ:細く見えてしっかりとした体形。 はぁ~、ハグしてるよぉ。 背中に腕を回してるよぉ。大胆な行動に出たけど引いてないよね? だってイブだよ? 多少は大目に見てくれるよね?)つくしはゆっくり腕を解き類を見上げる。「イブだからつい大胆になっちゃった...

  • 65

    食事は残すところデザートのみとなった。それはクリスマスケーキ。「凄くゴージャスなクリスマスケーキ。 金粉がかかってる。」「俺のも食べる?」「ダメ! 初めてのイブはこんなの食べたねって数年後話したいから。」(類:数年後、、、良い響き。)「初めてのイブは牧野が盛大な誤解をしていたとか?」「二人の出会いはオンラインゲームだったとか?」「導くように秘書にしたとか?」「今こうしてここに居るのが今も信じられな...

  • 64

    二人は食事をしながら一つ一つ誤解を解く。「だってあたしがトイレから戻ってきたら二人の真剣な声が聞こえてね。『好きだ』『俺も好きだ』って。それを聞いた時、専務の好きな人は西門さんだったんだってかなりの衝撃を受けてね。だって相手が男性だし、しかも完璧な男性なんだから。今の時代性別に対して偏見を持つべきじゃないし堂々と好きと言えるんだからと必死に自分に言い聞かせてね。花さんの恋を応援すると決めたんだから...

  • 63

    二人がフロントへ向かうと、奥から支配人が出てきた。「ご予約ありがとうございます。 司様よりこちらのお部屋に変更するよう仰せつかっております。」支配人はカウンターの上にルームキーを置く。それはスイートルームのキーだ。(類:やっぱり司にバレてた。 でもありがたい。)(つ:今、部屋って言った? あれルームキーだよね? という事は今夜泊まるという事?まあ、、、恋人同士だし何の問題も無いんだけど、、、、複雑...

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