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2017/11/17

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  • 1

    とある個室レストランで、類、あきら、総二郎は食事を楽しんでいた。「類。 仕事はどうだ?」「大変。 というか入社前に取引先や得意先、仕事内容を教えられたからと言って、役職付きってどうなの?」「だよなぁ。 重役達は顔見知りも多いが性格なんか入社して初めて分かるだろ?今まで社長の息子って事でちやほやされてきたのに一気にお手並み拝見と言わんばかりの視線を寄越すんだぜ?あれ? この人こんなんだっけ?って感じ...

  • 248

    10月。二人の晴れの日を祝うかのように、空は雲一つない晴天だ。そんな中、二人を祝うために多くの知人が集まった。つくしは白無垢に身を包み、頭は綿帽子を被っている。そして類と共に庭で写真撮影を行っている。その姿にロバートは「beautiful」を連呼し、スマホでパシャパシャ写真を撮っている。それに負けじと、大島も写真を撮る。その目には涙が浮かんでいる。『今日のつくし、とっても綺麗。』『えぇ。 とても綺麗ね。 ...

  • 247

    羽田に到着したつくしは、花沢の車で花沢邸へ向かう。日本に居る間の拠点は花沢邸だが、週末や長期休暇は葉山で過ごすことにしている。もちろん平日暇なときも、日中は葉山へ行くかもしれない。類は両親が日本に居る間も葉山で過ごすと言い張っているが、それは麗も異議を唱え話し合い中だ。「ただいま戻りました。」「お帰りなさいませ。 お疲れでしょう? すぐにお茶をお持ちしますね。あっ、荷物も届いておりますのでお部屋の...

  • 246

    9月。道明寺との契約最終日。つくしは最後の挨拶をするため、NYの道明寺ホールディングスに行った。そして久しぶりに楓に会う。アメリカへ来たときに椿の家でほんの30分会った以来だ。「牧野さん。 久しぶりね。」「お久しぶりです。 いろいろお世話になりました。」「こちらこそ感謝しています。 おかげで集客率もレストランの売り上げもアップしました。ご結婚後も無理のない範囲で頑張ってください。」「ありがとうござい...

  • 245

    パーティー会場の入り口が再びざわついた。マイヨールと静がそちらを見るとゲイツカンパニーの会長夫妻が入ってきた。『えっ? アメリカのゲイツ会長がなぜここに?』『慈善事業パーテイーだから来ても不思議ではないが、わざわざフランスまで来るほどの物じゃないだろ?』マイヨールと静も首をかしげるほどの人物だ。もちろん周囲も同じ気持ちのようだ。だがフランスに進出するつもりならあり得る話だし、出来れば少しでも顔を売...

  • 244

    類とつくしはフランスで行われるパーティに出席した。久しぶりのパーティにつくしは緊張するが、類と一緒という事で安心感もある。もちろんその左手薬指には婚約指輪、右手中指には花の形の誕生石の指輪が填められている。そして袴姿だ。これは類が提案した物。袴姿のつくしは、それなりに認知されてきている。連れ歩くことで多くの人が恋人と認識する確率が高く紹介しやすいという物だ。つくしは類の腕をしっかりと持ち会場に入っ...

  • 243

    3月。つくしは仕事も兼ねフランスへ来た。もちろん類も出張でフランスへ来ている。宿泊は花沢邸だ。類の両親と今後の話し合いをすることになっている。「でも本当に良かったわぁ。 二人が仲直りしてくれて。これでつくしちゃんは私たちの娘ね。」麗が喜んでくれ、つくしも嬉しい。「これからはお母さんと呼んでね。」「じゃ私はお父さんで!」今までおじ様おば様と呼んでいたのに、今日から呼び方が変わる事に照れるが、憧れでも...

  • 242

    そこにロバートがドーナツとジュースを持ってきた。その中からドーナツ一個とジュースを老人に渡す。『はい! 食べて! お爺さんお腹空いてるでしょ? これ食べたら元気が出るから!それに色々悩みすぎて糖分が足りてないと思う。 それだと良い解決策は見つからないから。』老人は笑う。そして自然にお礼を口にする。『ありがとう。』『ふふっ。 やっぱり「ありがとう」は魔法の言葉だ。 言われた方も嬉しいもの!』そう言い...

  • 241

    半年後、つくしはNYへ来ていた。今日は一日オフ。明日ロスへ帰る事になっており、レオとアイラのお土産を買う為、ロバートと外出した。レオには間違い探しの本を選ぶ。5歳になるレオは既に家庭教師が付いているが、少しでも気分転換になればとの思いだ。それに集中力も身につくと言われている。アイラにはチリメン布で織られた紬細工の髪飾り。ピンとヘアゴムでとても可愛い。日本雑貨が置いている店で見つけたものだ。一歳になる...

  • 240

    翌日。フロリダ空港で二人は別れる。類はNYへ。つくしはジョージアへ向かうのだが、暫しの別れを惜しむように二人は終始べったりだ。それにはロバートも驚く。今までつくしのそういう姿を見たことが無い。しかも類が来てから少女から大人の女性へとすっかり雰囲気が変わった。今も人目もはばからずキスの応酬&ハグだ。「じゃまた。」「うん。 仕事頑張って!」「牧野も! 毎日連絡入れる!」「あたしも!」ハグ&長いキスの後や...

  • 239

    朝食後、二人は近くの海岸沿いを歩く。その手はしっかりと繋がれている。「この離れていた期間は、俺達にとって大切な時間だったと思う。互いに相手をどれだけ愛しているか再確認する為のさ。」「うん。 思えば何もかも順調すぎた。だからちょっと小石を投げられると波紋が広がるように不安が大きくなった。でもそれによってどれだけ好きか分かるキッカケになったね。類はこの二年間、色々な女性を見てきた?」「見るというか仕事...

  • 238

    「いや、牧野は悪くない。 俺が悪いんだから。 確かに俺は静の事が好きだった。それが単に姉弟愛というか慕う気持ちの好きという事に気づかぬまま18歳まで育っていた。でも牧野に出会い、初めて好きという気持ちには沢山の好きがある事を知った。と同時に好きと愛してるは全く違うという事もね。」類からの真摯な言葉に、つくしは黙ってそれを聞く。約二年も離れていた為、互いに気持ちの変化や葛藤、そして分かったこと等話さ...

  • 237

    類とつくしは、メープルのレストランでモーニングを食べている。あの後、類がフロントに電話をするとロバートからつくしの部屋の鍵を預かっていると言われ、スタッフが類の部屋まで持ってきた。それを受け取り類がつくしの部屋へ行きキャリーケースを持ってきた。その中の服をつくしが着ると再び自分の部屋へ行き、貴重品を持ってきた。そしてすぐロバートに電話をかけた。『部屋の鍵をありがとう。』『いや、それより話は出来た?...

  • 236

    類はパチッと目を開けると横を向く。そこにはぐっすり眠っているつくしが居る。夢じゃなかった。ここに牧野が確かにいる。ホッとすると同時に昨日の事を思い出し自然に頬が緩む。好きだと言ってくれた。そこから箍が外れ、約二年を埋めるように求めあった。一方的じゃなかったことは確かだ。類はつくしの髪を数回撫でると、つくしがパチッと目を開けた。そしてぱちぱちと数回瞬きをしている。きっと夢だと思っているんだろう。「お...

  • 235

    「好きだよ。 ずっと変わらず好き。」小さな小さな声が俺の耳に届いた時、一気に心が満たされた。そして嬉しすぎて愛が溢れ出し、止められない。手は自然に牧野のあごへ向かうと顔を上げさせそのまま顔を傾けた。柔らかく温かい唇は昔の記憶をあっという間に蘇えらせる。好きという心躍る感情。愛しいと初めて思った感情。ずっと一緒に居たいと思った感情。幸せにしたいと思った感情。そして、、、牧野に愛されたい、この先もずっ...

  • 234

    エレベーターのドアが閉まり、小さな空間に二人っきり。つくしはドキドキしていた。なぜここに?どういう事?仕事は?疑問が浮かぶと同時に、久しぶりに見る類の後姿から目が離せない。類はゆっくり振り返る。「牧野。」つくしの視線は類の口元に向かい、そこから発せられる言葉に体が震える。久しぶりに聞く自分の名を呼ぶ声だったから。そしてギュッと抱きしめられる。懐かしい香りと温もり。一気に昔の楽しかった日々が思い出さ...

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