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2017/11/17

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  • 203

    やっとフランスへ来た類。これほどフランス出張を心待ちにした事は無い。あれからも三日と空けずにSNSを送っているが返事は一度もない。ただ送り続けないとそれだけの気持ちだったのかと思われるのが怖い。忘れて欲しくない。この気持ちは簡単に忘れられるものじゃないことを知って欲しい。家に着くとまっすぐ奥のリビング、そして以前牧野が使っていた部屋を覗く。だが姿が無いどころか使っている形跡すらない。そんな俺に母親の...

  • 202

    リムジンに乗り込んだつくしは、改めて椿に挨拶する。「迎えに来て頂きありがとうございます。あっ、タマさんから『まだ寒い日があるから風邪などひかないように。機会があれば日本に帰ってくれると嬉しい。』と伝言を頼まれました。」「まあ、タマともお知り合いなの?」「はい。 実はタマさんが骨折してリハビリ中に私の祖母も同じ病院に入院していて、、。」そこからタマと祖母が仲良くなり司とも知り合ったことを話す。「まあ...

  • 201

    類は深く反省する。「とりあえず牧野に謝る。 言い訳と捉えられても牧野が好きだし、大切な人という気持ちは変わらないから。」「牧野なら居ねぇぜ。」「居ない?」「昨日、旅行に行きやがった。 まあ春休みだし気分転換するには丁度良いだろうなぁ。」「どこへ行った?」「国際線だったからお前の母親んとこじゃねぇか?当分帰らないような口ぶりだったし、ダンスレッスンと茶道も休むと言ってたしなぁ。」母親の所?確かに俺の...

  • 200 第十章

    類が沖縄出張から戻ってきた。スマホを開くが未だつくしからの連絡はない。だったらこのまま葉山へ行こうかと考える。「田村。 お疲れ。」「お疲れ様でした。」類は田村と別れるとすぐ駐車場へ向かう。そして場所を確認しようとスマホをタップしたとき、総二郎からSNSが入った。そのSNSをすぐ開く。<沖縄から帰ったか? あきらと三人で飲もうぜ。>そんな暇はない!と思うが、沖縄出張の事は牧野にしか話していない。総二郎が知...

  • 199

    類は翌日仕事の為、沖縄へ向かった。つくしから未だ返信は無い。そして佳代を始め使用人は何も言わないが、自分を見る目が明らかに厳しいと感じていた。それでも仕事を投げ出すわけにもいかないし、この一泊二日の間にしっかり自分を見つめ直すつもりでいた。つくしは道明寺邸へ向かい、タマに会っていた。年末に仏壇にお供えして欲しいと代理の人がお菓子を持ってきたが、タマの姿は無かった。その時のお礼と仏壇を処分し墓じまい...

  • 198

    つくしは自宅に入ると窓を開け空気の入れ替えをする。その後、花沢から持ち帰った教科書を整理しながら今後の事を考える。大学は卒業したい。祖母が自分の為に既に払った授業料を無駄にしたくない。ただ英徳には類が居る。四年になる為ほとんど来ないだろうが偶然会う可能性はある。その時、どんな顔をして会えば良いのか。それに他の学生の目がある。別れたと知れたら皆が高笑いをするだろう。それに幸子さんが辛辣な言葉を投げか...

  • 197

    類は指輪をハンカチに包むと、ゆっくり立ち上がり静に向き合う。「病院に戻ろう。」「えぇ。 そうね。」駐車場に向かいながらも、総二郎の指摘、牧野の言葉、そして自分の行動を思い返す。何が牧野を傷つけたのか?どうして別れを切り出されたのか?そして静はどうして余計な事をつくしに吹き込んだのか?「静の夢はフランスで弁護士になる事だよな?」「えぇ。 そうよ。」「何時なれる? 大学を卒業してもうすぐ2年か? いつ...

  • 196

    つくしに追いついた総二郎は、つくしの肩を抱く。親友として接すると決めてからずっと我慢してきたが押さえられなかった。類のあの行動を見れば、親友の俺でさえ怒りが沸点を超えた。それが牧野なら尚更耐え難いはずだ。慰めたかった。力になりたかった。もう類の事は忘れて前を向けと言いたかった。「牧野。 どこ行く?」「花沢邸に寄って欲しい。 テスト期間中、ずっとお世話になってたから荷物があるのよ。明日葉山に帰る予定...

  • 195

    類は殴られた頬の痛みよりも、総二郎の言葉が頭にガツンとくる。そして総二郎の後ろに居るつくしに目がいく。悲しそうな寂しそうな表情でジッと自分を見つめている。「ま、、きの。 何でここに? それになんで総二郎と?」「お前が牧野との約束を反故にして静を優先したんだろうが!ポツンと一人佇んでいる牧野を元気づけようと俺が誘ったんだよ。」「でも牧野は友達と、、。」「お前と静の事を考えてだろ! それも分からねぇの...

  • 194

    類は自由の女神に向かって走ると、台座辺りに静の姿を見つけ駆け寄る。「静!」「類。 どうしたの?」「おばさんから静が飛び出して行方不明になったと連絡があって。病院でおばさんから経緯を聞いたんだけど、日本に戻る事を反対されたんだって?」「そうなの。 夢を追いかけ家を捨てた事が、こんなにシコリとして残っているとは思わなかったわ。一人娘ですもの喜んでくれるとばかり。 私も駄目ね。両親が元気でいるからこそ、...

  • 193

    総二郎はつくしと共に車に乗りこむと、行先を告げる。「お台場へ行ってくれ。」「お台場?」「あぁ。 あそこに美味しいアイスクリーム屋があるんだよ。」「アイス? この寒いのに?」今は一月末。とてもアイスの時期とは言えない。「屋内は暖房が効いて暖かいだろ?それに冬に食べるアイスは美味しいと思わねぇか?」総二郎が少しでも気分を上げようと気を遣っていると分かり、今はその優しさがすさんだ心に響き嬉しい。「確かに...

  • 192

    類の携帯が振動し急いで見る。するとつくしからのメールで、もうそんな時間になっているのかと気づく。だがメールの内容にホッとする。確かに映画や食事は別の日にゆっくり出来る。それに友達と楽しんでくれるなら助かる。とりあえず早く静を見つけ家に帰ろう。と思ったところで、まだ自分から静に連絡を入れていないことに気が付いた。類は急いで静に電話をかける。コール音は鳴るものの、なかなか電話に出ない静に心配が増すが辛...

  • 191

    車に乗り込んだ類は病院へ向かう。その道すがら、つくしへメールを送る。<遅れるかもしれない。 静が行方不明になったらしくて、ちょっと病院へ行ってみる。また連絡する。>病院へ着いた類は、庭や駐車場、受付、売店など静を探すがそれらしい人影はない。仕方なく藤堂社長の病室へ向かうと、近くのベンチに項垂れた母親が座っていた。「おばさん!」「あっ、類君。 忙しいところごめんなさいね。」「いや、それより見つかりま...

  • 190

    テスト最終日。つくしは1~3限でテストが行われ、類はテストがない。その為つくしが終わる頃類が迎えに行き、そのまま映画に行き外でご飯を食べようと昨夜話が纏まった。その日の昼休み。つくしは大島とご飯を食べていた。「残りは一教科。何とか単位が欲しいよね。」「うん。 とりあえず必修科目さえ取れていれば進級できるから。後一教科頑張ろう!」「だね。 ところで花沢さんは確認した? 写真の事。」大島は、あれからも...

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