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リエミブログ https://riemiblog.blog.fc2.com/

不思議な展開をみせる、オリジナル小説、 ほんのり奇妙な短編・ショートショートや、 中編小説を書いています。

◆小説一覧リスト https://riemiblog.blog.fc2.com/blog-entry-2.html  読んで感じたこと、思ったことなど、  ひとことでもいいので、  作品へのご感想をお待ちしています。

リエミ
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岡山県
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2017/10/28

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  • 雨の降る街 7 翌日

    ハンドルの前の席に、レンは黙って掛けていた。自分のそばまで、サクが歩いてくるのを待つ。足音が止まると、口を開いた。「新しい道を、見つけられたんだな。早く行ったほうがいい。見失わないうちに」「僕の父は、教師だったんだ。いつも威圧的で、そんな父が、大嫌いだった」 サクは口から言葉が、溢れ出るように語り始めた。それを、レンは決して遮らず、また穏やかな表情も崩さなかった。「進路のことで口論になった。僕...

  • 雨の降る街 6 雲海

    サクは夜勤交代のため、レンの待つ工場へと向かっていた。 あの台風が通過したあとも、雨は飽きることなく降り続けていた。夜道にできた水溜りも、乾くひまもないようだった。 冷えた風が流れる通りを、サクは一人進んでゆく。 道の端には、ぽつりぽつりと、表情の見えない人影がある。みな何も言わずに、静かに雨に打たれている。サクはそばを過ぎる時、さっと下を向いて、視線を外したまま歩いた。 しかし角を曲がった時...

  • 雨の降る街 5 睡蓮

    この街に来て何日経ったか、もうサクには分からなくなっていた。 食事も、取ったり取らなかったりと不規則だったし、夜勤もあったりで、寝る時間も定まってはいなかった。 相変わらず、ハンドルがどんな役割を担っているのか、理解できてはいなかったけれど、それでも、任務を与えられているという責任感が、心の穴を埋めていることは確かだった。 夢は、見た。 自分の父親が、死ぬ間際に言ったこと……許さない、許さない、...

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