NHKの『ワイルドライフ』という野生動物の生態を映すテレビの人気番組(僕が知る限り人気番組)がある。御多分に洩れず僕も大ファンなのであるが、肉食動物が草食動物を捕食する場面だけはどうしても注視できない。僕の性格的弱点であることはよく承知しているのだが、ダメなものはダメ、トイレにでも立ってこの場面だけはパスするのである。僕だって肉系の食べ物は大好きだし、生きていくためには仕方がない動物同士の業(ごう)である。生態系の頂点に立つ人間にとってもまた生きるということは仏教的にいうと”苦しみ”である。しかしその苦しみの中に意味を見出そうというのも人間だ。それは人間とって毎日毎日が学びの連続であることを意味し、生きていくためにはその学びが必要なのだ。ワイルドライフに登場する肉食動物達は今日を生きるためにだけ必要な獲物...「ワイルドライフ」ー僕は生き残れない