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Pas de Quatre http://pasd124.blog.fc2.com/

花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。

読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

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2017/02/11

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  • 恋の音・18

    「よかったら明後日の29日、私にお付き合いくださいませんか?」思い詰めたような表情の伽耶がそう言って、両手を胸の前で組んで震わせていた。それが演技なのか、それともマジなのか・・・・・・普段から俺を困らせるような態度をとったりしない人だから、それは後者の方だと思ってやりたいが・・・「29日ですか?」「はい・・・その日だけでいいです。総二郎様とお出掛けしたくて・・・」「出掛けるとは・・・何処へ?」「何処でも・・・ドライブ...

  • 探し物はなんですか?(46)

    1週間が過ぎて3月の後半・・・私は先輩達に頼まれた雑用の時以外は会議室に籠もってひたすらパーティーマナーの勉強と、秘書検定3級の勉強をしていた。まさか、こんなにも覚えなきゃいけない事があるとは・・・しかも会社の業務って言うより、一般常識とかマナーの動画研修ってどうなの?と思いながらも画面の中の料理に釘付け♪そうは言ってもこれでお給料をもらうんだから仕方がない。単語の意味から調べなきゃいけない分野だけど、...

  • 恋の音・17

    牧野と再会してから半月が経った。電話番号を交換したからと言ってお互いに電話をかけるわけでもなく、時々LINEで『どうしてるんだ?』と聞くと、それなりに返信があるぐらいだ。その文面からは俺に対する警戒心も感じられないし、数年前に戻ったかのよう・・・時々文字を打ち間違えて送ってくるから、相変わらずドジなんだと思えて笑った。『今度一緒にご飯食べようよ』とか送ってくるけど、それの計画を立てたことはない。『お前の...

  • 探し物はなんですか?(45)

    「はぁ~~~~~!やっぱり美味しい~~♥」花沢さんが持って来てくれた社食の特上日替わりランチ(夜に食べたけど)、冷めてても十分に美味しくて大満足!藤本さんは「昼にも食べたのに」って呆れていたけど、それでも涙が出そうなぐらい美味しかったんだもん♪花沢さんと出会ってから、毎日御馳走食べてるから、ホントに嬉しくて・・・もしかしたら3㎏ぐらい太ったかも!?なんて1人で喜んでるけど、花沢さん達にもちゃんとご飯を...

  • 恋の音・16

    『・・・・・・・・・・・・ったな・・・・・・・・・野・・・』会社のみんなと飲み会に行く途中、私の後ろから聞き覚えのある声がした。自分の名前を呼ばれたと思ったから振り向いたんだけど、そこには沢山の人がいるだけで声の主が見えない・・・しかも、この人達は全員グレーの影だけで顔が見えない。そうしているうちに私の前を歩いてる人がサーッと移動して、その向こうに唯一色の付いた人が・・・・・・その独特なシルエットに胸がトクンと鳴った。私は小さな...

  • 探し物はなんですか?(44)

    甘く見ていた秘書検定3級・・・パソコンで過去問やってみたけど、結構間違えた。秘書検定は社会人に欠かせない能力が身についていることの証明・・・らしい。試験に合格すると、秘書に求められる知識・技能、一般常識、敬語の使い方、電話応対やビジネス文書の作成等の能力が身についていると見做されるっていうけど、就職に有利なのは2級からで、3級を受験するのは大半が高校生・専門生・・・らしい。その学生中心で受ける3級の合格率...

  • 恋の音・15

    タクシーはM町に向けて静かに走り出した。牧野は初めに比べて随分表情が柔らかくなり、言葉も増えた。それは俺に会って謝る事が出来たからなのか・・・こいつの胸のうちは判らねぇけど、ホッとしたように口元を緩ませてた。再会したときのようなピリピリとした緊張感もなく、俺から遠離る仕草もない。俺は牧野の方にある自分の腕が疼くのを感じながら、そいつが暴走しないように反対の手で押さえた。「あぁ、そうだ。お前、今の電話番...

  • 探し物はなんですか?(43)

    結局ひとつ余ってしまった社食のランチ・・・どうするのかな~と思って眺めていたら、それを藤本さんが持ち上げた瞬間に目が合った。思わず視線を逸らしたけど、そのあとで言われたのが・・・「牧野さん、これ、晩ご飯にしますか?」「はいっ!いただきます!!」「・・・・・・・・・ぷっ・・・」「花沢さん、今笑いました?」「いや、そんな事はない。午後の仕事に取り掛かろうか」「牧野さん、会社では専務と呼んでいただけませんか?」「あっ!そ...

  • 恋の音・14

    自分では説明は出来ないと言い、俺に質問しろという・・・1度は目を合わせたが、牧野はすぐに何もない部屋の壁に視線を移した。心底困ったという顔・・・まるで俺が悪人のような気分にさえなった。それでもこの機会を逃したら、またこいつが居なくなるような気がして・・・まずは現在の住所を聞いた。それは都心のM町だと言い、ワンルームマンションを借りていると。ワンルームなら1人暮らしか・・・と何故かホッとする俺。携帯の番号を変えた...

  • 探し物はなんですか?(42)

    <side藤本>牧野さんが大発見とか言うから、今日もこの応接室でランチ・・・毎日こんな事は出来ないのにと思うものの、その大発見が気になって、専務の指示で社食に日替わりを注文。つい、調子に乗って「特上」にしてしまったが、それが届いていつでも食べられるようにしていたら、牧野さんがノックしてきた。廊下で待ってると誰かに見付かるリスクが高いと思い、すぐに開けると彼女は大荷物を抱えて入って来た。「役員フロアの受付...

  • 恋の音・13

    「お~~~~~~い、俺の事を忘れてないか?」「あ?あぁ、完全に忘れてたわ」俺の後ろで書道家の友人が叫ぶ・・・でも、そいつもすぐに何かを察したのか、苦笑いしながら「んじゃ、俺は帰るわ」と言って踵を返した。俺もその背中に手を振って、「また飲もうぜ」というと、ヒラヒラと手を振られた。そのあと再び牧野の方に顔を向けると、こいつはバツが悪そうに下を向いてやがった。ゆっくりそこに近付くと、何故かこいつの身体が逃...

  • 探し物はなんですか?(41)

    秘書室に着くと藤本さんは社用と私用の電話番号を教えてくれた後、パソコンで出退勤システムの入力をしてからすぐに「専務の出迎えに行ってきます」と言って出ていった。私は更衣室に入ってコートを脱ぎ、お弁当の入った紙袋をロッカーへ入れた。その時にも後ろにはお姉様達・・・挨拶はもちろんしたけど、怖いから振り向く事も出来ない。でも背中を向けてたら、また何かをされるかも・・・そう思うと恐ろしくて、勇気を振り絞ってクルッ...

  • 恋の音・12

    「もしも何も予定がないならさ、俺と沖縄にいかない?」葛城さんが真面目な顔でそういうから一瞬キョトン・・・「今年のゴールデンウィークは最大9連休取れるだろ?牧野は無理なのか?」って言われて、慌てて無理だと言った。だって告白はされたけど、その返事をしていない私に旅行の誘い?それって・・・友達とか同僚って意味じゃないよね?行ってしまったら、自然と同じ部屋に・・・そう考えてるって事だよね?彼が石垣島とか宮古島とか...

  • 探し物はなんですか?(40)

    昨日俺が買った白米・・・その炊きたてのご飯と、キノコの味噌汁。肉じゃがと言う料理は聞いた事があるけど、ひじきと大豆の五目煮は知らない。茶碗蒸しは料亭で食べたことはある・・・温かいプリンみたいなヤツだ。それに綺麗な黄色の卵焼き・・・これを牧野が作ったんだと思ったらすごく不思議だった。「はい、じゃあいただきま~~~す!」「・・・・・・いただきます」「お口に合うといいんだけど♪」はじめにキノコの味噌汁を・・・・・・それはほん...

  • 恋の音・11

    18時になり、今日は残業無しで帰ることにした。葛城さんとの約束もあるし・・・・・・それに最近帰宅が遅かったから結構疲れていた。デスクの上には今にも崩れそうな書類の山・・・それを片付けていたら、手元が狂って床にばらまいてしまった。慌てて拾ってると先輩がそれを手伝ってくれて・・・「牧野さん、顔色悪いよ?風邪引いた?」「えっ?ううん、大丈夫です。今日は早く帰るんで」「そお?寄り道せずに早く帰ってゆっくり寝なさいね」...

  • 探し物はなんですか?(39)

    翌日の日曜日。この日もお天気だったから、早速私はサンルームでお布団を干した。超高級な物干し竿&台・・・正直、どうしてそんなに高いのか、私にはさっぱり判らなかったけど。でも「高級品」と言われたら、この銀色も特別な輝きに見えるから不思議だ。それが済んだら洗濯機の説明書を読み・・・・・・「今までが壊れかけの二槽式洗濯機だったからなぁ・・・ドラム式ってなんで斜めなんだろう?」取説によるとドラム式洗濯機は洗濯槽の回転軸...

  • 恋の音・10

    牧野のマンション前から移動しても、バックミラーに映る姿を何度も見ていた。でも曲がってしまえばそれも見えなくなり・・・俺は溜息を漏らして自宅方面に向かった。本当に平気か・・・なんて、大丈夫だと言ってるあいつに他の言葉を言わせたかったのか?俺は自分が牧野をコントロールしようとしているような気がして、その瞬間すげぇ情けなかった。平気じゃないと言われたらどうするつもりだったのか・・・助けてくれと言われたとして、ど...

  • 探し物はなんですか?(38)

    私の聞き間違いだろうか・・・今、米100㎏と聞こえたのだが。米100㎏を誰が食べるというの?私がキョトンとしていたら、花沢さんはスタスタと車に向かって歩き出して・・・はっ!と気がついて後を追った。そして背中に向かって「どういう事ですか?」って聞いたら・・・「あそこに精米店ってのがあったから、空き時間に米買った、それだけだよ。すごいよね、マンションまで持って来てくれるって」「配達してくれるんですか?それはす...

  • 恋の音・9

    お蕎麦を食べ終わった頃、外はもう真っ暗・・・西門さんは「絶対に無理すんな」って言葉を残してマンションから出て行った。私は駐車場まで降りて、そこでもう1度お礼を言い、マンションの契約手続きも全部任せてしまった。彼はレンタカーの窓をあけて片腕を掛け、少し苦笑いしながら「本当に平気か?」と・・・「うん、もう言葉にも困らないし、引っ越しも出来たし・・・めっちゃ遅いけど就活始めるよ」「まぁ、のんびり探せばよくね?家...

  • 探し物はなんですか?(37)

    花沢さんが景気よくカードでお支払い・・・私はその時、店員さんが抱えてきた高級そうな長い箱を眺めていた。しかも私の買い物だって特大の袋に4つ分で、それがあの車に乗せられるのかと・・・そうしたらあの日に配達してくれた人がすっ飛んで来て、「本日もお運びします!」って。・・・うん、確かに花沢さんの車は大きいけど前だけがびょんと長いだけだし、二人乗り出し、後ろが狭すぎて入りそうにないんだけどさ。「ちょっ・・・なんでそん...

  • 恋の音・8

    引っ越し業者に頼むほどの量もない・・・そんな牧野の引っ越しは俺1人でやった。まだまだフラつくあいつには荷物の片付けだけさせて、俺は借りていたワンボックスへの積み込み作業で汗だくになった。常日頃大事にしている手だが、あちこちに小さな傷が出来る。それを牧野に見せないように隠しながら、俺は段ボールを運び出した。大半は不用品回収業者が持っていくから、僅かな食器類と、メインは衣類・・・牧野はそれを段ボールに詰めな...

  • 探し物はなんですか?(36)

    花沢物産に入社して数日後、初めての土曜日が来た。仕事が休みで、このマンションでは初めての休日・・・・・・空気はまだ冷たいけど、小鳥の声も聞こえてサイコー!!そしてめっちゃ天気がいい♪光合成できたらいいのに~って感じ♪「・・・とは言え、お布団が干せないのよね・・・あぁ、この日差しが勿体ない!!」バルコニーに出て眩しい朝日を見上げ、そんな言葉を吐き出した。お隣との境は高く、覗いて見ることも出来ない・・・一体どんな風に...

  • 恋の音・7

    羽田に着いて西門さんの顔を見た瞬間、それまで張り詰めていたものがプツッと切れた気がした。それは自分でも驚く程に・・・全身の力が抜けてしまった。悲しいというよりは心底疲れたって感じで・・・西門さんが支えてくれる手に甘えてしまった。帰国する時、向こうで買ったものは全部置いてきたから小さな鞄だけ・・・それさえも鉛のように感じていたから、西門さんがヒョイッと持ってくれたときには嬉しくて・・・駐車場は遠かったけど、そこ...

  • 探し物はなんですか?(35)

    「うわああぁっ!すっごい豪華な海鮮ちらしのお弁当~~~~っ!!」「うん、美味しそうですね♪」「そう言ってもらえてなにより・・・」「じゃあ専務、遠慮無くいただきます。では、私がお茶を煎れましょうか」「あぁ、この弁当には玉露が付いてるよ」「きゃあ♥至れり尽くせりですねっ♪」昨日と同じようにマンション前で待ち合わせ、花沢さんが到着したら3人で部屋に戻った。そして手渡されたお弁当の蓋を取って、1人で大はしゃぎし...

  • 恋の音・6

    正月になっても牧野から連絡はなく、今頃何処で、どうしているのか・・・それを確かめる立場にない俺は、ただ悶々とした冬を過ごした。近年になく大雪が降った庭を眺めては・・・アメリカで大きな事件が起きたとのニュースを見ては・・・殺風景な庭に紅梅が咲いたときには、その小さな花があいつに見えて・・・この感覚はなんだろうと自分に問うてみたが判らなかった。半袖薄着だった牧野・・・空港でそんなあいつを見送ってから半年近く。NYの真...

  • 探し物はなんですか?(34)

    「一体どういう神経をしてるんだ?!男子トイレに潜んだ挙句、そんな質問をするなんて・・・・・・信じられないんだけど!!」専務執務室に戻ってから自分のデスクをバン!と叩きながら叫んだ瞬間、戻ってきた藤本に「どうかしたんですか?」と言われ・・・俺はさっきの牧野の言葉を伝えた。そうしたら藤本も「えっ?」と軽く驚き・・・その後、額を抱えた。「そんなに人のトイレ事情が気になる?確かに女性から見れば男のそういうのは疑問かも...

  • 恋の音・5

    庭の木で蝉が喧しく鳴く・・・・・・それを聞きながら思い出すのは、1週間前に渡米した牧野の顔だった。痩せ我慢がバレバレの笑顔で、引き攣りながら手を振って・・・ちゃんと会えたって言うメール以降、なんの連絡もなかった。牧野には言わなかったが、西田を頼らなくても司の居場所を知る手段は・・・あるっちゃある。俺の立場では難しいが、あきらや類を使えば簡単に情報は入手できる。そう思ってあきらにそれを依頼した。当然あきらは理由...

  • 探し物はなんですか?(33)

    写真の選別が終わると私の仕事はなくなり、1人で秘書室に戻って入社書類を改めて提出。それ以外はどうしていいのか判らないから、藤本さんに言われたように社内規定でも読んでおこうと、そのファイルを手に持ってデスクにもどった。その1枚目は.基本経営・・・定款とか企業理念ってやつ。読んでもちんぷんかんぷんで、日本語が摩訶不思議な記号に見えるぐらい。次に組織規程・組織図を見たけど、細かすぎて目が痛かった。関係会社管...

  • 恋の音・4

    アッパー・イースト・サイドにあるマンションに行くと、そこは昨日のホテルほどの豪華さはなく、急いで住めるようにしてくれたって感じだった。それでもそんなに素早く、すべての家具家電が手配出来るものなのだろうかと不思議・・・というか流石だと思った。でもそれを聞くと、この部屋は元々道明寺が日本から来た幹部社員のために用意していた部屋だそうだ。だから寝具を替えただけで、後は少し前まで誰かが使っていたらしい。「ハ...

  • 探し物はなんですか?(32)

    「この前田さんの写真、見落としてたけど一緒にいるのは徳川さんじゃないですか?斜め後ろ姿だからわかりにくいけど、この髪型とか体形、徳川さんに似てません?」「・・・・・・・・・・・・」私がそう言って一枚の写真を差し出すと、それを見た花沢さんが沈黙&凝視・・・どうしたのかと思ったら、急に立ち上がって執務室の方に向かって走って行った。そしてすぐに藤本さんを連れて戻ってきて、彼は「なんですか、仕事に専念して下さい!」と言...

  • 恋の音・3

    スマホを握り締めてるけど、道明寺からの電話もメッセージもない。ホテルの部屋から出るなと言われ・・・でもお腹が空いた。思い返すと、今朝は珈琲しか飲んでない・・・緊張で身体がガチガチだったから。それに今頃時差ボケが始まったのか、頭が痛くて・・・でも、ジッとしていると嫌な想像ばかりしてしまう。少しぐらいなら出掛けてもいいかと思い、ここではガイドブックを見てもいいよね?と、それを広げた。パラパラと捲っていると、グ...

  • 探し物はなんですか?(31)

    昼休みが終わって、1度秘書室に戻った。そこで藤本さんが課長に、「牧野さんは資料室で自習してもらいますので」と・・・それに対して課長は、私が居ると揉め事が起きるからなのか、あっさり了承してくれた。そして如何にも勉強するかのように大きなファイルを持って、藤本さんの後ろを歩いてさっきの応接室へ・・・その時には受付のお姉さんが戻ってきてたけど、藤本さんは至極普通に「お疲れ様です」と言って通過。相手が藤本さんだか...

  • 恋の音・2

    「総二郎様、野点の道具類の片付け、すべて終了いたしました」「・・・あぁ、ご苦労さん」「次は葵の茶会ですねぇ。今年は暑いという予報ですし、あっという間に夏が来そうですね~」「そうだな・・・・・・」西門の庭で咲く桜・・・今年は例年になく桜の開花が早かった。今は遅咲きの桜が満開で、それ以外の花は散ってしまった。これを見ると思い出す・・・・・・牧野がアメリカから帰って来た日の事を。痩せこけて、真っ青で、笑顔もない。まるで魂...

  • 探し物はなんですか?(30)

    若干赤味が残った顔・・・ドアと大喧嘩したとはいえ、骨折なんてしてるわけもなく、目にも鼻にも異常なし。そんなことよりも、本当に藤本さんがメイク直しを依頼して、2人いた看護師さんは快くOKしてくれたことに吃驚した。ついでに「最近流行のメイク術」ってのも教えてもらい・・・とは言え、自分で出来るかどうかは判らない。スマホで「メイク術」も学べると言われ、そんな動画を見せてもらったりして、初めてこんなガールズトークみ...

  • 恋の音・1

    また桜が散る季節が来た・・・・・・・・・交差点の信号待ち、会社近くの公園を見て溜息が漏れた。私はこの季節が好きじゃない。あいつとの別れを思い出すから・・・・・・昔は淡いピンク色のこの花が咲くとワクワクしたのに、今じゃ見るのも苦しいと思うほどだ。それほどあの時は辛かった。魅惑的なマンハッタンの街が巨大な怪物に見えて、暑さで汗が止まらないのか、寒さで震えが止まらないのかも判らなかった。勉強したはずの英語ですら意味不...

  • 探し物はなんですか?(29)

    昨日と同じところで降ろされ、花沢さんはまたあっさり発進・・・あっという間に見えなくなってしまった。そして後ろから「おはようございます」と藤本さんの声がして、クルッと振り向いてから「昨日は遅くまでお疲れさまでした」と・・・そうしたら少しだけ眉間に縦皺寄せて、「昨夜のことは口に出さないでください」と言われてしまった。回りには誰もいないのに、と左右を見てると・・・「何処で誰が聞いてるかなんて判らないものです。特...

  • 幼馴染みの恋愛事情・最終話

    11時を少し回った・・・この時間が合格発表だと知っていたから、俺はソワソワ・・・そうしたら、15分ほど経ってつくしから電話があった。メッセージだと思っていた俺はビクッとしたが、万が一不合格でも人生が終わるわけじゃねぇ。だから自分に「落ち着け~~」と言いながら、その電話に出ると・・・『総二郎~~~~っ!!合格したよ~~~♪』『マジか!!』『マジマジ!!午後には免許証もってそこに行くね~~~!!』「良かったな、...

  • 探し物はなんですか?(28)

    お風呂の準備をしてる間に台所用品の片付けをした。引き出しは沢山あるけど本当に使った事がないらしく、そこに私が初めて物を入れていくという緊張感・・・花沢さんが使うことはないのかもしれないから、自分の好きなように入れていった。こんな高級なシステムキッチンはもちろん初めてで、調理器具は何処に入れていいのやら。今までだとシンクの上に壊れかけの棚があって、そこにボウルとか置いてたのに。「あぁ、この下が調理器具...

  • 幼馴染みの恋愛事情・218

    「は?一昨日卒業検定受けたのに、もう来週の月曜日に本試験に行くのか?」「行く!!頭が覚えてるうちに行かなきゃ忘れちゃう!」「・・・・・・・・・そうか」「だから合格するまでベッドは別だから」「えっ?!!」えっ?!と言われても、そう決めたんだもん!だってその次の土曜日には引っ越し、日曜日は桜の茶会・・・だから今のうちに試験を受けて、絶対合格して運転免許をこの手に持つんだもん♪そう言ったらガクッとしている総二郎・・・で...

  • 探し物はなんですか?(27)

    時間は既に0時を回り、花沢さん達は帰り支度を始めた。そして最後に、「ここまで話したんだから暫く俺の言うとおりにしてくれ」って・・・藤本さんは相変わらず不機嫌な顔で何も返事をしなかったけど、私はコクコクと頷くことしか出来なかった。同時に・・・花沢さんが探しているものを一緒に探してあげたらどうだろうかと・・・そんな思いも浮かんだ。漠然としたものだけど、私も何かを探しているから・・・だから、帰りかけた後ろ姿に、「あ...

  • 幼馴染みの恋愛事情・217

    3月になったらすぐにあるのが「桃の茶会」・・・雛の茶事と呼ばれるものだ。3月3日は五節句の一つ、上巳の節句で別名・桃の節句。西門では桜の野点茶会の前の恒例行事として、毎年これを開催している。宗家に娘がいなかったからイマイチ不思議な光景ではあるが、お袋が1年で1番好きな茶事だ。・・・俺達のせいじゃねぇのに、いつも「お雛様は華やかでいいわねぇ」と嫌味っぽく言ってやがった。何度か「じゃあもう1人産んだら?」っ...

  • 探し物はなんですか?(26)

    <side藤本>突拍子もない話に驚き、そのまま黙って聞いていたが・・・よく考えたら仕事中に調べていたってことか?そう言えば専務になりたての頃、1人で出掛けることが何度かあった。それが徳川建設を調べていたとしたら・・・それを聞いたら、「その通り」とあっさり認めた💢「そう言う事は土日の休みの日にしていただけませんか💢」「公的機関にいくなら平日だろ。だから仕方なかったんだ」「それでも私的なことです。どうしてもと言う...

  • 幼馴染みの恋愛事情・216

    京都に両親を送り届けてから数日後、総二郎から仕事を辞めないかと言われた。それには一瞬驚いたけど、3月末でこの部屋を引き払って宗家に戻ろうと・・・この前見たあの部屋で暮らさないかと。もちろんいずれはそうなると思っていたし、総二郎がこのマンションも春までだと言ってたから引っ越すのは判ってた。でも仕事まで同時にやめるとは思っていなくて・・・「辞めるとなれば2ヶ月ぐらい前には会社に言わなきゃならねぇだろ?」「う...

  • 探し物はなんですか?(25)

    花沢さんが内線でコンシェルジュさんに連絡・・・そうしたら20分もしないうちに部屋におつまみとノンアルコールのスパークリングワインが届けられた。そのおつまみはコンビーフとクリームチーズのディップ、チーズとハムのピンチョス、パプリカとカマンベールチーズ焼きにミニトマトのカプレーゼ風・・・名前を聞いてもサッパリだけど、見た目はすごく可愛かった。しかも生ハムとかオリーブとかアンチョビとか・・・食べた事がない食材で...

  • 幼馴染みの恋愛事情・215

    新年になって初めての日曜日は初釜だった。でも私はまだ何も判らないから表には出なくて、志乃さんにくっついて裏方の仕事をすることになった。その時に着たのは大晦日にも借りた江戸小紋で、西門の紋付き。だから自然とそこに目がいった人もいて、「あれは何方?」なんて声もチラホラ・・・でも愛想良く笑うだけで何も応えず、チョコマカと動き回っていた。初釜式・・・年が明けて最初に行われる茶会のことだけど、1年の稽古初めとなる...

  • 探し物はなんですか?(24)

    ドラッグストアから戻ったら、部屋にあったデリバリーの容器は全部綺麗に片付いていた。そして藤本さんがテーブルを拭いてて、「買い物は出来ましたか?」と・・・ちゃんとしたハンカチとポケットティッシュを用意したと言えば・・・「デスクの上で使う物は品良く揃えて下さい。どんな些細な事でも標的にされますからね」「はいっ!」「元気良すぎる返事も狙われる原因の1つです。目立ちすぎず陰キャラになりすぎず、出しゃばらず常に謙...

  • 幼馴染みの恋愛事情・214

    人生初の路上研修が終わり、私は無事に自動車教習所に戻ってきた。戻ってきたけど・・・車の中で放心状態だった。何故なら普通に走ってる車による圧迫感が半端ないんだもん・・・。後ろからトラックが来た時には恐ろしくなり、思わずアクセルじゃなくブレーキを踏みそうになった。もちろんぬりかべ教官が丁寧に指導してくれて事故にはならなかったけど、トラックからは思いっきりクラクションを鳴らされた。その時の速度が時速40㎞・・・...

  • 探し物はなんですか?(23)

    デザートも終り、私達の前には珈琲カップが置かれた。元々置いてあった白い高級そうな珈琲カップが花沢さんと藤本さん・・・私の前にはホームセンターで買った200円のマグカップ。珈琲を入れてくれたのは花沢さんだけど、無意識に私には安物をチョイスしたんだろうと思って複雑だった。それよりも藤本さんが一昨日の私と同じ顔になって、混乱してるのがよく判る。そうだよね~と納得しながら2人のやり取りを聞いてると、藤本さん...

  • 幼馴染みの恋愛事情・213

    4日の朝、いつものようにつくしを会社に送り届けたが、流石に今日は俺にも緊張があった。何故なら・・・初めてこいつがハンドルを握って公道に出るからだ。それは教習所内の運転とは全く違い、一般走行車と一般人がウヨウヨいる場所だ。しかも夜間・・・昼間よりは格段に難易度が上がる。とは言え教官同乗だから、今のうちに夜間走行を経験するのはいいと思う・・・昼間しか乗らずに卒業して、たった独りで夜間を走ることになったら、その...

  • 探し物はなんですか?(22)

    藤本がキレている・・・それは判ったけど、今から話す内容はそんなに簡単じゃない。だからまずはイライラしない為と、理解度を高めるためにも食事をして脳に糖分を・・・と思ってのこと。俺がそう言うと、藤本が「とにかく早くいただきましょう」とムスッとした顔でそこに座った。「それにしても、ダイニングテーブルじゃなく、リビングのローテーブルですか・・・」「その方が牧野が食べやすいかと思って」「すみません!気を遣っていただ...

  • 幼馴染みの恋愛事情・212

    元旦の夕食・・・考ちゃんが帰ってこなかったけど、志乃さんや料理長、西村事務長も加わってみんなでワイワイ食べた。この時の話題の中心は祥兄ちゃんで、オーストラリアでの暮らしぶりをみんなが聞いていた。「どんな所にお住まいですの?」「研修先のドクターが所有してる小さな一軒家を借りてるよ。もう1人研修生がいるから2人で住んでるんだけど」「えっ!それは男性?女性?!」私が大声で聞くと、笑いながら「男性だよ」って・...

  • 探し物はなんですか?(21)

    ちゃんとルームキーのことは話したのに・・・私の言うことなんて全然聞いてないんだな、とちょっとショックだった。花沢さんが来るまでに藤本さんとそんな話をしていたら、「他人に感心がない人なので」とあっさり。総務の人もそんな事言ってたけど、本当にそうなのかな~と不思議だった。もっと感情豊かな人で、実はそれを自分でも気付いてなかったりして・・・それか、感情はあるんだけど上手に出せないだけで、その方法が判ればもっと...

  • 幼馴染みの恋愛事情・211

    初詣から帰ったら、私が向かうのは総二郎の部屋・・・・・・ちょっとドキドキしながらベッドをチラ見。その時総二郎はコートを脱いでハンガーに掛け、私に向かってトレーナーをポイッと投げてくれた。驚いてそれを受け取ると、「それに着替えろ」って・・・あの総二郎が寝るときに服をくれることがあるんだと吃驚してると、少し怒ったように言った。「西門では・・・と言うか、今でもそうしてる家もあるだろうけど、元旦は風呂に入らねぇんだよ...

  • 探し物はなんですか?(20)

    藤本さんが電話を終えて戻ってきたら、今度は会社の外に出た。そこで地下の駐車場に向かい、乗せてくれたのはグレーの普通車・・・花沢さんの外車はすぐ近くに停めてあったけど、そのスペースは他の車よりも広くて、特別扱いなのがよく判った。しかもその隣にも広いスペースがあるけど空いてる。それにしてもあんなに社員がいるのに、そこまで広くない駐車場だなぁ、と見回していたら・・・「ここは花沢家の自家用車と、営業車しか停まっ...

  • 幼馴染みの恋愛事情・210

    「それではお気をつけて・・・」「また来年もよろしくお願い申しあげます」「家元、若宗匠に考三郎様、良いお年をお迎えください」・・・大晦日の21時、やっと大晦日の茶事が終わって客が帰っていった。それを見送ってから部屋に戻ると、今度こそ身内での「除夜釜」・・・ホッとした気分で親父の茶室に向かった。もともと除夜釜に客を招いて行っていた頃は、席入りが22時。待合で暖かい柚子茶を出して、露地で迎え付けで手燭の交換を行...

  • 探し物はなんですか?(19)

    自分の住所欄、何処を書けばいいのか聞いた途端に眉が歪んだのは藤本さんだった。私の指導担当で花沢さんの秘書だから、ここではなんでも話していいと思ったのは間違いだったのか・・・慌てて会話をやめて、目の前のうなぎ弁当に目を向けた。そうしたら藤本さんが「○町のマンションですか?それとも✖町の方ですか?」と・・・他にも持ってたんだ?って驚いたけど、もう何も言わない。黙々と1人食べてたら、花沢さんが深く溜息ついて・・・...

  • 幼馴染みの恋愛事情・209

    14時になったら総二郎の部屋を出て、ルンルン気分で宗家に向かった。何故なら・・・祥兄ちゃんに会えるから~~~♥お兄ちゃんと別れたのは2ヶ月前で、まだそんなに経ってないけどやっぱり嬉しい♪総二郎とのことを知られるのは恥ずかしいけど、そのうち義理の妹に・・・とうとう祥兄ちゃんと家族になれるかと思ったら気分が良かった。勿論そんな私を真横で見る総二郎は機嫌が悪いけど、それを無視して私はニマニマしていた。「お前・・・...

  • 探し物はなんですか?(18)

    入社手続き・・・こんな大企業だから沢山の書類を渡されたけど、そこに書く内容に困惑した。住所に給与振り込み口座、そして保証人、雇用保険被保険者証番号に基礎年金番号に源泉徴収票・・・住所不定とは書けないし、口座は持ってたけどほぼ預金がない上にバイト先を追い出された時に年金手帳と共に何処かに消えた。雇用保険には入ってなかったし、源泉徴収ももらえない・・・実にヤバい社会人だ、私。課長が「どうかしたの?」と言うけど...

  • 幼馴染みの恋愛事情・208

    29日は仕事納め・・・この日は事務所の大掃除があるんだけど、私は完全に腰が曲がってた。もちろん原因は総二郎だけど、もう誰もそんな事は聞きもしない。桃子は「そういうの、年末年始の暇な時にしてくれません?」って、酷い事を言ってたけど。それにも反論せず、ただ黙って窓を拭いた。そして定時になったらみんなが集まって1年間の労をねぎらう・・・でもって、1人ずつが来年の抱負を言うのが我が社の決まりだった。社長に始まり...

  • 探し物はなんですか?(17)

    「それはご紹介します。本日より花沢物産に入社、秘書課に配属された牧野つくしさんです。専務のご友人の紹介と言うことなので、いきなり役員フロアに来られたわけですが特別扱いなどはしないようにとのことです。まぁ、異例ではありますが・・・皆さん、指導をよろしくお願いしますね」朝礼終了後に始まった秘書課長からの紹介・・・照れちゃうなぁと思うと同時に、専務の友人って誰だ?と不思議な気分。そして目の前には素敵な先輩たち...

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