5月になりました!世の中はGW真っ只中。みなさん、いかがお過ごしですか。私は、カレンダー通りに仕事に行く夫(つまりカレンダー通りに休みで家にいる)と三日間過ごし、ホッと一息ついています。そして連休後半には下の子一家が帰省してくるので、掃除しないといけません。天気回りがいいようなので、布団の準備は問題なさそうです。BBQもできそうだな。そのあとは雨予報なので片づけは後回しでいいかな(;^_^A楽しい日々をお過...
チャンミンの目論見が成功したのか、御曹司も秘書さんもすっかりウチの空気に馴染んで。お義母さんの料理は口に合ったらしく、「美味しい。」という言葉を証明するように、どんどんふたりの口の中へ消えていった。我が家の食卓にはアルコールはない。おれもお義母さんもあまり強くないし、チャンミンは仕事柄滅多に飲まないから。チャンミンが酒が強いのは、早くに亡くなった父親が強かったかららしい。「おふたりは明日何か予定が...
「かあさん、それ取って。」「え?あ、ああ、はいはい。」「母さん、どうかした?」「いいえ、ちょっとぼんやりしてただけ。」「僕たちが急におジャマしたから忙しかったんですね。申し訳ないです。」御曹司が心底申し訳ないという声音でお義母さんに謝るけど、確かにあんたたちのせいだけど、そういうことじゃないんだよ。「いえいえ、そんなことないですよ。」愛想笑いを浮かべたお義母さんの額にうっすら汗が浮かんでいる。「母...
ずいぶんしゃべって(ほとんど御曹司ひとりがしゃべってたんだけど)、叔母さんがそろそろ夕食にしようと呼びに来た。ふたりを案内して食堂に向かう。「どうぞこちらの席へ。」いつもはチャンミンがすわる席に御曹司、となりに秘書さん。いつもお義母さんが座る席にチャンミンが座り。叔母さんがチャンミンのとなりにお義母さんを座らせようとしたけど、御曹司と話がしにくいだろうと言い張って仕方なく叔母さんが座った。確かに御...
それからしばらくはさっき見てきた工場や綿畑の話をして。そのあとファッションウイークの話もした。御曹司のこのイベントにかける思いは並々ならぬものがあるらしい。「このイベントが始まったとき、まだ『プレタポルテ釜山』だったときから我が社は協賛していまして、ぼくはまだ子どもでしたが父に連れられて観に行きました。2001年のことです。」2001年ってことはおれは15歳?そんなものがあったことさえ知らなかったな。「ファ...
「もしかして夕食の準備もしてくださってるんですか?」「ええ。田舎料理ですからお口に合うかどうかわかりませんが、せっかく遠くまでお越しいただいたんですからゆっくりしていってください。」本当は最初からそのつもりだったんだろ?とは口が裂けても言えない。「それはありがたいです。僕としては是非ともユノさんたちと個人的にもお近づきになりたいと思っているんです。」「個人的に、ですか?」「ええ、できれば友だちにな...
「夕食にはまだ早いからお茶をご用意いたしますね。」お義母さんが台所に戻って行って、叔母さんもついて行く。御曹司にソファーを勧めて、おれとチャンミンはソファーと向かい合う椅子に腰かけた。「やっぱり木造の家って落ち着きますね。」「そうですか?おれたちはずっと住んでるからよくわからないけど。」「僕は生まれたときからマンションですから、こういう木造の一戸建てにはあこがれます。もしかしたら祖父も落ち着きたく...
5月になりました!!!アリーナツアーも終わり、いよいよドーム公演ですね❤4月27日の日本デビュー18周年記念日には何もイベントがなくてちょっと寂しかったのですが、帰国していたおふたりが戻ってきてくれて、夜にはインスタの更新もしてくれてうれしかったです。そして『Numero』のおふたりの美しいこと(^▽^;)年を重ねるごとに美しくなられるおふたりに魂を持っていかれて、いまもすぐ横に置いて眺めていますww。それにして...
「どうぞ、お上がりください。」玄関には、出てくるときにチャンミンが揃えてくれたのかスリッパがきちんと置かれていて。おれたちは普段スリッパを履かないけど、お客さんのために用意してくれてたんだとありがたかった。おれが先に上がり、御曹司、秘書さん、最後にチャンミンが上がってきて。そこへ、おれが声をかける前にお義母さんと叔母さんが台所から出てきた。「ようこそいらっしゃいました。」叔母さんの後ろに隠れようと...
「お時間があるなら、ウチに寄っていってください。」「いいんですか?」さっき綿花に触ったときより一層笑顔を輝かせると、精悍な顔が幼く見える。「ええ、どうぞ。叔母も帰ってきてますから、おじいさまの話が聞けると思いますよ。」「それは楽しみです。」綿畑のパクさんにも工場長にもいわゆる90度のお辞儀をした御曹司。いままで持っていた財閥の息子のイメージをどんどん書き換えていっている。結局は生まれや育ちだけじゃな...
「これが伝説の釣り編み機ですか~」おれからしたら大げさな感嘆の声を上げる御曹司に、気をよくした工場長とこの機械たちを自分の子どもみたいに思っている職工さんが専門用語満載で機械の説明をする。おれも正直全部は理解できない機械の構造の話を、相槌を打ちながら、ときに質問しながら熱心に聞く御曹司を、おれはちょっと見直した。生地だけを扱う会社の経営者だけど、その生地がどんな機械で織られているのか、あるいは編ま...
ウチの職工さんたちが動かしている機械の間を縫うように、工場長と御曹司ご一行が歩いていく。おれたちはジャマにならないようにつかず離れずついて行った。SJ商事は生地を扱っているだけで、自分の会社で織っているわけではないはずなのに。ウチの古い機械についてもよく知っているようで、工場長の説明に感心したり質問したり。機械を動かしている職工さんにまで質問している。「あの、機械の写真を撮ってもよろしいでしょうか。...
工場入り口のドアを開けて入ると、御曹司と秘書さんの背中が見えた。「あ、代表。」顔をこちらに向けていたイ・ジョンシン工場長がおれに気づいて声を上げ。御曹司と秘書さんが揃って笑顔で振り向いた。その顔が一瞬固まって、すぐにより大きな笑顔になった。「やあ、ユノさん。待ちきれずに来てしまいましたよ。」まったく悪びれた様子もなく満面の笑みの御曹司のとなりで、秘書さんはちょっと困った顔をして頭を下げる。どうやら...
台所を手伝うというチャンミンに見送られ、玄関を出て、気合を入れるために大きく息を吐く。「よしっ!」と一歩踏み出したところで、後ろからチャンミンに呼び止められた。「ユノ、待って。」「どうした。」一瞬忘れ物したのかと頭をよぎったけど、工場まで行くだけだから何も持つ必要がない。「叔母さまがぼくにもいっしょに行けって。」「うん?」なんで?と出かかった言葉を飲み込んだ。「ぼくはユノのパートナーで会社の関係者...
「ユノ?どうかしたの?」帰ってきたチャンミンは心配そうな顔でおれを覗き込んでくる。庭に停まったおれの車を見て、体調が悪くて帰ってきたとでも思ったんだろう。「それが、」説明すると、ただでさえ大きな目を倍くらいに見開いて。「何なの、その人たち!!?」と一声叫んで。おれの手を掴んで部屋に走り、手と顔を洗って着替えて。おれにもスーツを着させようとしたけど、断って。仕事に着ていった服だから、誰に見られても恥...
家に着いたのは正午を回っていて。勝手口の前にはボテに大きくスーパーの名前が書かれた軽トラックが停まっていた。叔母さんだけ先に下ろして、車をチャンミンの車のとなりに停めて。買ってきた物と叔母さんの荷物を提げて玄関へ回る。叔母さんはもう台所に行ってるようで、テンションの高い話し声が聞こえた。お義母さんは言葉では遠慮してるけど、叔母さんが駆けつけてくれたことを喜んでいるようだ。普段は聞くことのない大きな...
どうやらどんな料理を作るか、こちらから買っていくものはないか。そんなことを相談しているようだ。ふたりで相談がまとまって、こことあそこに寄れと言われておれは言われるままにそちらへ車を走らせた。チャンミンは仕事中だから連絡してないけど、帰ってきたらびっくりするだろうな。いや、ぷりぷりと怒るかもしれない。何にしろ、人騒がせなお坊ちゃんだ。「ねえ、チェ家のお坊ちゃんはまさか泊まるなんて言わないわよね。」「...
『代表!SJ商事の代表が今日の午後に工場を見に来るって連絡がきたんですが。』緊張した声でイ・ジョンシン工場長から電話がかかってきたのは、その週の土曜日の昼前だった。「え?今日?!」『ええ、急なことで申し訳ないけど、やっぱり機械が稼働しているところを見たいとおっしゃいまして。』なんと?!突然訪ねてくるなんてさすが御曹司!と感心している場合じゃない!通話を繋いだままトゥギヒョンに事情を説明したら、もちろ...
家に帰ってチャンミンに、御曹司たちがウチに来たがっていることを伝えると、「へ?」と一瞬固まってから、おれをジト目で睨んだけど、「そう、仕方ないね。」とひとつうなずいて、「その人たちが本物のカップルなのかどうか、ぼくが確かめてあげるよ。」腕まくりする勢いで、頼もしい限りだ。お義母さんにも週末お客さんがくるかもしれないと伝えて。「チェ家の方ですか。おもてなしが難しいですね。」「そんなかしこまらないでい...
試着室を占領しているわけにはいかないからそれぞれに考えることにして、夕方には釜山へ帰るというふたりにはタクシーを呼んだ。担当者と聞いて頭の固いお偉いさんを想像していたけど、話の通じる同年代のふたりでよかった。最初はおれ個人的には参加したくないと思っていたけど、担当者のふたりに会って楽しみにさえなってきた。トゥギヒョンは最初から乗り気だったから、楽しいを通り越して浮かれているように見える。事務室でふ...
プサンから来たふたりがウチの店を見たいというから、いっしょに歩いて連れてきた。来るときは御曹司の車に乗せてもらってきたらしい。「せn、、ユノさんのショーの動画を観せてもらいました。特にここの一回目のショーは何度も観返しました。」ヒョクチェさんは舞台演出を勉強したんだったな。「そうですか。それはありがとうございます。」「いままで何度もショーの手伝いをさせてもらってきたけど、あんな斬新なショーは初めて...