chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
二草庵摘録 https://blog.goo.ne.jp/nikonhp

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップ

三毛ネコ
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2015/05/15

arrow_drop_down
  • 警視メグレの憂鬱なパリ ~シムノン「モンマルトルのメグレ」に舌鼓を打つ

    (表紙のイラスト。左は巨漢メグレ、右はチビ助の“ばった”)■ジョルジュ・シムノン「モンマルトルのメグレ」矢野浩三郎訳(河出文庫2000年刊)原本は"MaigretauPicratt's"1950年Amazonのレビューで「ダントツのAランク」と書いている読者がいる。それほどおもしろかったということなのだ。わたしも、本編「モンマルトルのメグレ」をAランクとすることに躊躇しない♪なぜこういう作品が品切れなのか、首をかしげたくなる。過去のメグレ警視ものを、ハヤカワ文庫のように3冊でいいから再刊しましょうね、河出書房さん。・・・といいつつ調べていたら、Kindle(Digital)はかなりの数がUPされていた↑ふ~む、電気を使って見ろ、ということかね(´Д`)先日読み了えた「メグレと若い女の死」に比肩できる・・・...警視メグレの憂鬱なパリ~シムノン「モンマルトルのメグレ」に舌鼓を打つ

  • 被害者の立場になってみること ~シムノン「メグレと若い女の死」が胸に沁みた

    ■ジョルジュ・シムノン「メグレと若い女の死」平岡敦訳(ハヤカワ・ミステリ文庫2023年刊)原本は1954年以前から気にはなっていたが、新刊では見つけることができなかったシムノン。ところが2023年に、早川書房が新訳版を刊行してくれた。古本でもいいのだが、文字が小さいと気勢を削がれる。わたしが老齢とえる年齢になったからだ。フランスのミステリは、たしかはじめてのはず(-ω-)ミステリは、基本英米文学と相場が決まっている。いつの時代だったか、河出文庫に収録されていたことがある。表紙のイラストがへちゃむくれだと思ったが、2~3冊は手許にある。昭和の末期あたりまではシムノンはよく読まれていた。シムノンは、75作の長篇、30作ほどの短篇を書いた多作家。そのころ「雪は汚れていた」を読んだ知り合いが、なかなかよかったよ、...被害者の立場になってみること~シムノン「メグレと若い女の死」が胸に沁みた

  • 田舎暮らしの愉しみ

    本人は7月末から介護施設に入所してしまったけれど、今年はわが家のミカン、まずまずの豊作(*^。^*)このとき、100個ほど食べ、介護施設にもお土産で2袋持って行った。父は食べられないのが残念。まだまだ200個以上あるなあ。最後は野鳥たちに食われてお・し・ま・い(苦笑)。田舎暮らしの愉しみ♬田舎暮らしの愉しみ

  • 企業ミステリの佳品 ~クロフツ「死の鉄路」を読む

    ■F・W・クロフツ「死の鉄路」中山善之訳(創元推理文庫1983年刊)原本は1932年この「死の鉄路」は、途中まではとてもおもしろかった(^^♪どうやらクロフツの生真面目な作風が、わたしにフィットするようである。しかも1932年刊行とは想像できない現代感覚にあふれている。企業ミステリの秀作である。一点一画をも疎かにしない“楷書の見事さ”は本編にもあてはまる。鉄道事業の内実は隅々まで緻密に描かれているため、多少息苦しさを感じる読者はいるだろう、わたし自身をふくめて(^^;;)そこがよくも悪くも持ち味となっている。鉄道技師としての長いあいだの蓄積。その蓄積が、十分に発揮され、本編「死の鉄路」の裾野を高い密度を支えている。作者は事件と詐欺行為との関連で図版までもちいて細かく展開してみせる。しかし、すらっと読んだだ...企業ミステリの佳品~クロフツ「死の鉄路」を読む

  • 王道の英国ミステリ ~クロフツ「スターヴェルの悲劇」がおもしろい

    ■F・W・クロフツ「スターヴェルの悲劇」大庭忠男訳(創元推理文庫1987年刊)原書は1927年アガサ・クリスティーがミステリの女王だとしたら、クロフツは王ということになるかもしれない・・・とかんがえるようになった。ハラハラ、ドキドキ、おもしろかったですよ、これ(^^♪いろいろな隠し味が、じんわりと舌を痺れさせてくれた。クロフツは“退屈派”だという人がいるいようだけど、とんでもない話(*´ω`)《スターヴェル屋敷が一夜にして焼失し、主人と召使夫婦の焼死体が焼け跡から発見され、金庫の中の紙幣が大量に灰になるという事件が起こる。微かな疑問がもとで、スコットランドヤードからフレンチ警部が乗り出すこととなった。事故か?放火殺人か?だが、フレンチの懸命な捜査を嘲笑うように、事件は予想外の展開を見せて……。クロフツ初期...王道の英国ミステリ~クロフツ「スターヴェルの悲劇」がおもしろい

  • 倒叙ミステリの鮮やかな里程標 ~クロフツ「クロイドン発12時30分」に胸を震わす

    ■F・W・クロフツ「クロイドン発12時30分」霜島義明訳(創元推理文庫2019年刊新訳)原本は1934年未知の方だけれど、神明明さんという人が、本書巻末にすばらしい解説をお書きになっている。1.倒叙ミステリとしての「クロイドン」2.警察小説としての「クロイドン」3.リアリズム・ミステリとしての「クロイドン」4.経済・企業ミステリとしての「クロイドン」5.心理スリラーとしての「クロイドン」6.法廷ミステリとしての「クロイドン」7.傑作ミステリとしての「クロイドン」この7つの観点から本編「クロイドン発12時30分」について、分析し、解説しておられる。当然ながら十分な紙幅をあたえられているわけではない。しかし、こちらはこちらで、解説の“見本”といっていいかもしれない^ωヽ*現行版でこの解説をふくみ392ページ、...倒叙ミステリの鮮やかな里程標~クロフツ「クロイドン発12時30分」に胸を震わす

  • スズメの学校

    パーコにピーコ、ヤヨイにリサ。イチロー、タカシ、ヨシヲ、ケンスケ・・・。みんな同じに見えるよ、区別がつかな~い(;^ω^)学校でどんなこと教わっているの?宿へ引き上げるにはまだ早いからねぇ。フレームにおさまりきらないスズメたちもいたんだよ、この3倍くらい♬それにしてもにぎやかです。スズメの学校

  • ガールズバイカー

    うぁお、信号待ちしていたら、自転車に乗ったこんな女性が通り過ぎました(^^♪さほど大きくはないけど、利根川に流入する一級河川があって、その堤防にサイクリングロードが設置されています。左からだれかくる!と思って助手席のカメラに手をのばした数秒後。いやあ颯爽としてカッコいいですよね(ˊᗜˋ*)ガールズバイカー

  • 救いのない暗い心の風景 ~ヒラリー・ウォー「生まれながらの犠牲者」を読む

    ■ヒラリー・ウォー「生まれながらの犠牲者」法村理絵訳(創元推理文庫2019年刊新訳)原本は1962年の刊行読み了えて、どうも後味の悪い作品だなあ・・・と思った。それに、半分ばかり読みすすめたところで、誰が犯人かの見当がついてしまった。何度もいうように、ドキュメンタリー(あるいはノンフィクション)のような現実を丹念に描いてゆく作風はもちろん健在。署長のフェローズが、部下に対してブチギレル場面がある(^^;;)まあ、名場面といえないことはないが。彼の作品は300ページ前後(本編は現行版で323ページ)の場合がほとんどだが、ここでフェローズ署長シリーズをもう一回確認しておこう。1.ながい眠り1959年2.RoadBlock1960年(未訳)3.事件当夜は雨1963年4.TheLateMrs.D1962年(未訳)...救いのない暗い心の風景~ヒラリー・ウォー「生まれながらの犠牲者」を読む

  • 着地が決まってさらに傑作となった ~ヒラリー・ウォー「ながい眠り」を愉しむ

    ■ヒラリー・ウォー「ながい眠り」法村理絵訳(創元推理文庫2006年刊)原本SLEEPLONG,MYLOVEは1959年刊行最後のページ数行で、ぴたりと着地が決まった。うん、お見事というしかないだろう(*・ω・*)3作つづけての星5つは、わたしの読書体験でもそうめったにあることではない。盛大な拍手を送っておこう。東京創元社さん、翻訳権を独占しているのだからもっともっと出してよ、頼むから!!著作リストを眺めると、ヒラリー・ウォーはほかに多くの小説を書いている。フェローズ署長ものは11作中6作が翻訳されている。さらにハードボイルド小説で私立探偵サイモン・ケイシリーズ等があり、ケイブンシャから刊行されていたようである。しかし、実店舗で見かけた記憶はないなあ(;^ω^)わたしはこの3作ですっかりヒラリー・ウォーのフ...着地が決まってさらに傑作となった~ヒラリー・ウォー「ながい眠り」を愉しむ

  • 見事な構図、そして第二幕がはじまる! ~ヒラリー・ウォー「事件当夜は雨」を読む

    ■ヒラリー・ウォー「事件当夜は雨」吉田誠一訳(創元推理文庫2000年刊)原本は1961年刊ショッキングな書き出しにびっくりさせられる。わけのわからない奇怪な開幕は近ごろのミステリなみ・・といっていいかな?しかし、そのあとがいささか中だるみだと思えた。緊迫感が足りないのですね、たとえば「失踪当時の服装は」に比べて。ミスディレクションはある。サブ・ストーリーもないではない。そういったものを折り込んでゆくと、上下2巻、1000ページの大作、などとなりかねない(^^;そこがいいのさ、という人もいるだろうが。聞き込みをすればするほど、謎が深まり、捜査関係者を混乱と当惑の沼に引きずり込む。主役と脇役は、「失踪当時の服装は」の場合、ブリストル警察の署長フォード、巡査部長キャメロンの二人であったが、本編では、コネチカット...見事な構図、そして第二幕がはじまる!~ヒラリー・ウォー「事件当夜は雨」を読む

  • エポックメーキングな傑作! ~ヒラリー・ウォー「失踪当時の服装は」を堪能する

    ■ヒラリー・ウォー「失踪当時の服装は」法村里絵訳(東京創元社2014年刊)原本は1952年つぎのページを繰るのがもどかしいほど、夢中にさせられた。いやはや、す、すばらしい♬これほどの出来映えはディーリア・オーエンズ「ザリガニの鳴くところ」以来となる。ドキュメンタリータッチの地味なリアリズムが、冴えにさえて・・・警察小説の傑作が誕生したのだ。こういうミステリが1952年に刊行されていたということが、ちょっと信じられない。なぜこういう小説が書かれたのかは、解説(<警察捜査小説>を確立した三つの出会い)の中で川出正樹さんが理由をいくつか挙げている。・実在の都市や施設名を採用したこと・十話の犯罪実話を集めたチャールズ・ボズウェルのノンフィクション“TheyAllDiedYoung(彼女らは皆、若くして死んだ)”を...エポックメーキングな傑作!~ヒラリー・ウォー「失踪当時の服装は」を堪能する

  • 激しい憎しみの連鎖 ~ロス・マクドナルド「象牙色の嘲笑」を読み了えた

    ■ロス・マクドナルド「象牙色の嘲笑」小鷹信光・松下祥子訳(ハヤカワ・ミステリ文庫2016年新訳)最初に結論を述べさせていたくと、本編は「動く標的」に比較し、小説として明らかに落ちる、と思われる。なぜこんなに複雑な、入り組んだ小説を書かなければならなかったのか(^^;;)文体が秀逸なため、何とかしまいまで読み了えたけど、かなりしんどかった。人間関係があまりに錯綜しているため、途中で二度ほど迷子になりかけた。ことに第27章など、いまだもってわからない。暗喩・直喩はあいかわらず精彩があるし、背景描写もうまいから、つい乗せられてしまう。だが、たとえがこれほど多いと、“喩”そのものに引っ張られて、気持ちがそれてゆく。ストーリーがかえって見えづらくなると感じたのはわたしだけかしら?「ふむ、うまいなあ」そういった暗喩・...激しい憎しみの連鎖~ロス・マクドナルド「象牙色の嘲笑」を読み了えた

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、三毛ネコさんをフォローしませんか?

ハンドル名
三毛ネコさん
ブログタイトル
二草庵摘録
フォロー
二草庵摘録

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用