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二草庵摘録 https://blog.goo.ne.jp/nikonhp

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップ

三毛ネコ
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2015/05/15

1件〜100件

  • 草臥れた兵士のように   2022-01(6月25日)

    ゆっくりと形を変えてゆく雲の下でカリンのど飴をしゃぶっていた。「こげて図太いヒマワリが田舎の駅には咲いている」・・・と中也は書いたけどそういう淋しい駅が上州にはたくさんある。現在だってある。ほらほら駅員がひとりもいないおばあさんの追憶の底で忘れられてしまった駅。「青春は遠いとおい日の花火」だとだれがいったか。きみもぼくもそれに夢中になったことがあった。すぐに終わる線香花火とは知らず。激情ほとばしる一場の夢も牛に食われてしまったな。あそこまで引き返したとて引き返したとてなにがある?なーんにもありはしないさとゆっくりと形を変えてゆく雲がことばではなく姿かたちで語っている。雲を追いかけていったひとりは帰ってこない。こげて図太いヒマワリが咲いていたあの駅・・・のような光景。そこにいつまでも佇んでいたかった。草臥れ...草臥れた兵士のように2022-01(6月25日)

  • 人生の機微とは(福田みどりさんが語る、夫司馬遼太郎)

    福田みどりさんに阿川佐和子がインタビュー。本名は福田定一という。司馬遼太郎と名乗ってから徐々に本領を発揮しはじめる。本人はむろん、奥様もそこにいる人が“鳳”であることに気がついていない。人生の機微とは?https://www.youtube.com/watch?v=2DVFETCNBaU人生の機微とはそんなものだろう。BGMのショパンが胸にしみるなあ♪写真は長いあいだ捜してようやく手に入れた「木曜島の夜会」。ネットで注文し、宅配してもらうのが嫌いなので、散歩のつもりで何日も実店舗を歩き回った。人生の機微とは(福田みどりさんが語る、夫司馬遼太郎)

  • 帰り道

    赤、ピンク、黒。ランドセルには「こうつうあんぜん」と書かれている。黄色い帽子、水筒、布袋、マスクも必需品。右の二人、なにを話しているんだろう(^^?)辻々に、監視員のおじさんが立っている。2021年の出生率1.3という。どこもかしこも老人ばかりなので、子どもを見かけるとおっ!と思ってしまう。帰り道

  • 黒の人

    マスク以外はすべて黒、黒、黒、ほとんどシルエットじゃな。自転車まで黒づくめだから、さぞかし暑いだろう。この大きなデイパックの中身はなにかしらと、一瞬気になったのでパチリ(´・ω・)?失礼!黒の人

  • ドクダミの白い花

    ドクダミのこの白い花。一見楚々としてしおらしいけれど、繁殖力がものすごい!玄関脇の植え込みだの坪山だのに生える、生える、生える。ほぼ毎日毟っている。のんびりしていたら、屋敷中がドクダミ。ドクダミ屋敷になってしまうよ(>□<)うーむ、うーむ。ドクダミの白い花

  • 父の日のプレゼント

    やっぱり蒸し暑くなってきましたねぇ。夕べは寝苦しく、エアコンをかけるほどじゃないけど、はじめて扇風機のスイッチONにした(;^ω^)また、ハワイで生活している娘夫婦から父の日プレゼントが届いた♪中身は洋菓子かなあ。そんなことしなくていいよ、といっているのに、毎年送ってくる。父の日のプレゼント

  • 新しい旅のかたち ~司馬遼太郎の「街道をゆく」11巻、14巻を読む

    中途半端に土地があるから、この時期になると厄介である。・草を刈る(草刈り機が3台ある)・除草剤を散布する・草を毟る時間もかかるが、費用だってばかにならない。わたしは農業をしていないので、すべてムダな労力・ムダな出費である。今日は草刈り機で桑の木を伐っていて、あっというまに右手薬指を傷つけてしまった。長さ約10㎜、深さ約2㎜。シャワーを浴びたあと、傷口を洗い、アルコール消毒(ノω`*)マキタのチェーンソーを買ってあるので、週末には息子を動員し、桑の木11~12本を伐採する予定であ~る。これは司馬さんの「街道をゆく」とは、むろんかかわりがない。ごくごく個人的な生活の一端にすぎない。■「街道をゆく」第11巻「肥前の諸街道」朝日文庫2019年刊はてさて、本日は「街道をゆく」第11巻、第14巻の2冊をとりあげる。最...新しい旅のかたち~司馬遼太郎の「街道をゆく」11巻、14巻を読む

  • こんなに面白い紀行文学があったのだ! ~司馬遼太郎「叡山の諸道」に感動

    前回のレビューで少し書いたのでパスしようとかんがえていた。しかし・・・しかしわたし的に面白すぎたので、簡単に感想を綴っておく気になった。司馬遼太郎は私小説はまったく書かなかったが、己を露出しないのではない。本編には、ためらったり、あせったり、気をもんだり、ひとをからかったりからかわれたり、そばに舌鼓を打ったり、書物の山を探索したり、インタビューしたり、バスに揺られたり、ベッドに横たわって叡山の眺望を愉しんだり。普段着の司馬さんが、じつに生きいきと躍動しているのが、文面からぴしり、ぴしりとつたわってくる(*^。^*)“歴史を紀行する”司馬遼太郎の面目躍如なのである。司馬さんファンはもちろん、そうでない読者も、きっとしびれるに違いない。とくに中高齢者はそうだろう、と思われる。まずは内容紹介。《「法華大会」を知...こんなに面白い紀行文学があったのだ!~司馬遼太郎「叡山の諸道」に感動

  • 司馬遼太郎「街道をゆく」を満喫する ~「越前の諸道」と「叡山の諸道」をめぐって

    (「越前の諸道」と「叡山の諸道」朝日文庫現行版)■「越前の諸道」新装版第一刷1980~81年「週刊朝日」連載司馬遼太郎にはまりかけている、いまさらながら。買うだけ買って手許にありながら、読めていない、読んでいない本がたくさんあるからだ。しかも、さらに買ったり、平積みした蔵書を漁ったりしている(´ω`*)こういう現象を何といったらいいのか!?まあ、定年退職したら司馬さんの未読の作をまとめて読もうとは考えていたんだ。最初は短篇集、そしてエッセイ。60歳半ばくらいから、司馬遼太郎はエッセイ(随筆)しか書かなくなった。研究論文などのお固いものじゃなく、須田画伯や「週刊朝日」の編集者などをともなった弥次喜多道中。書きぶりもとりすましましたところがまったくない。TVが壊れる前、NHKで「鶴瓶の家族に乾杯」や「ブラタモ...司馬遼太郎「街道をゆく」を満喫する~「越前の諸道」と「叡山の諸道」をめぐって

  • 6月のコスモス

    コスモスが咲いていた。狂い咲きというやつじゃな(;^ω^)だって6月がはじまったばかりだぜ。一輪だけゃなく、かなりの範囲で。秋にもう一度咲くのかねぇ、きみたち。狂い咲きする花は、近ごろめずらしくない。菜の花などほぼ1年中咲いているよんナハハ♪6月のコスモス

  • そこから滴る精神のようなもの ~司馬遼太郎「街道をゆく」の周辺をうろつく

    (目で見る日本史『「翔ぶが如く」と西郷隆盛』文春文庫ビジュアル版1989年刊)昨夜遅く『「翔ぶが如く」と西郷隆盛』に収録された司馬さんのエッセイ「南方古俗と西郷の乱」を、ベッドの上で読んでいた。《西郷という人は、高士であるにちがいない。とくにかれは維新後、そうなった。高士とは儒教的済民意識と道教的な退隠哲学を混淆させ、蒸留させ、そこから滴ってくる精神のようなもので、中国人には圧倒的に理解できる。しかし西洋人にとっては、よほど日本の政治的な精神風土を踏まえて理解しないと、西郷を小さくしか評価しえないかもしれない。日本の政治的な精神風土というのは、有能でせせこましい人よりも、少々無能であっても寛仁な長者を欲する。その寛仁な長者とは、私的欲望があってはならないし、清貧であらねばならない。西郷は日本の政治史上、そ...そこから滴る精神のようなもの~司馬遼太郎「街道をゆく」の周辺をうろつく

  • 「歴史を紀行する」から「街道をゆく」へ ~司馬さんの跫音

    ■「街道をゆく」朝日新聞社(昭和46年刊1971)新装版を買い直したり、書棚から発掘したりして、司馬遼太郎の著作物が身辺にあつまってきた。長編小説もあるし、短篇集もある。いっとき買いあつめたことがあるけれど、たいした量ではない。いつものように文庫本が中心になっている。しかし、単行本ハードカバーも何冊か混じっている。昨日書棚を物色し、数冊の司馬さんの本を身辺にならべ、ぱらりぱらりとページをめくっていた。読みはじめるまえに“あたりをつけておく”のは大切な儀式のようなもの。司馬遼太郎だの松本清張だの、たくさんの本を書いている作家の場合、わたしの頭の中の見取り図がないのは不安であ~る。紀行文集「街道をゆく」などは、現在朝日文庫で43冊となっている。■街道をゆく公式ホームページhttps://publication...「歴史を紀行する」から「街道をゆく」へ~司馬さんの跫音

  • 雹が降った

    夕刻6時ころ、激しい雹に見舞われた(´Д`)クルマの運転席にいたけど、ボディがぼこぼこになるかと思うような衝撃音。このカットは雹&雨がやんだあと、自宅の芝生のあいだから拾い上げた氷の塊。畑の作物に多少被害があったかもね。雹が降った

  • 松本清張原作「駅路」を観て嗚咽する

    https://www.youtube.com/watch?v=Z8mTNP7V5-0原作は松本清張「駅路」。映画を観たのは十年ぶりかもしれない。滂沱たる涙、涙。清張生誕100年記念企画、脚本は向田邦子、主役の刑事は役所広司。昭和への挽歌、エレジーが背景に一貫して流れている。そうか、こんな映画があったのだにゃあ(。-ω-)自分が昭和人であることを痛切に感じるよ、これを観て。松本清張原作「駅路」を観て嗚咽する

  • 司馬遼太郎ふたたび ~自分の作品は二十二歳の僕への手紙だった

    (別冊太陽「司馬遼太郎」左側にいるのは「街道をゆく」の相棒・須田剋太画伯)司馬遼太郎さんは、30代のはじめころ、熱中しかけたことがあった。「空海の風景」「項羽と劉邦」この二冊の長編に、心をがっちりつかまれてしまい、数年後ふたたび読み返した。司馬さんといえば、「竜馬がゆく」「坂の上の雲」がベストセラー&ロングセラーの坂を、21世紀となった現在でも走りつづけている。総発行部数が一億冊を超えているというのだからすごいとしかいいようがない。山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平・・・そして司馬遼太郎。こういった作家たちは、すべて歴史・時代小説の旗手である。池波さんには「鬼平犯科帳」を主としてずいぶん深入りしたことがある。おじさんは歴史小説・時代小説が好きな人が、じつに多く、かくなるわたしもその一人(^^♪これまで所持していた...司馬遼太郎ふたたび~自分の作品は二十二歳の僕への手紙だった

  • 司馬遼太郎の世界

    昨日は30℃超えの暑さの中、義弟に手伝ってもらって150坪ほど草刈、今日は約300坪除草剤散布。さらに立木の茂りがこうるさいレベルなので、チェーンソーを買って、伐採作業を予定している。どちらも男の仕事なのだ。午後はぐったりして日陰に止めたクルマで司馬さんを読んでいた。読みだすとあれもこれもと気になってくる(-ω-)司馬さんの代表作は大長編(「翔ぶが如く」などは全10冊)が多いが、どれからどう手をつけたらいいものか思案に暮れてしまう。司馬さんを論じた本も5~6冊ひっぱり出した。その一方、このところめっきり撮影から遠ざかっている(;^ω^)SNSそのものからfade-outしそうでもあるしタハハ。司馬遼太郎の世界

  • 司馬遼太郎「酔って候」の諸編を読む

    これまた粒ぞろいの名短篇。司馬遼太郎「酔って候」(文春文庫)。幕末の殿様は型破りの人物が多かったのね(;^ω^)4編収録してあるが、「伊達の黒船」「肥前の妖怪」は文句なし五つ星!嘉蔵という異能の提灯張りがいたんですねぇ、明治になって前原巧山と名乗った。まあ2/3ほど司馬さんが造型したものだろうが。司馬遼太郎「酔って候」の諸編を読む

  • いまどきの風景

    屋内ばかりでなく、屋外でもマスク(-ω-)いまどきの風景といえばいえるけど、悲しい風景でもある。そしてスマホ人、どこでもスマホ人。屋外ではめったにマスクしないよ、おいらは。これから猛暑の夏だし。皆さんはいかがですか?いまどきの風景

  • 司馬さんの真骨頂 ~秀作ぞろいの「王城の護衛者」

    このところ“濫読”傾向が甚だしいので、自身のある種の欲望と好奇心に引きずられているといった塩梅であ~る。吉村昭のあとは、夏目漱石を4~5作読もうと考えていたのだが・・・。心の奥底で波立っている無意識に翻弄されているなあ(^^;■「豊臣家の人々」司馬遼太郎(中公文庫)ほとんどが読みなおし。でも大半は忘れているので、フレッシュな気分で堪能した。第二話金吾中納言第三話宇喜多秀家第四話北ノ政所第五話大和大納言第七話結城秀康第九話淀殿・その子こられはどれも司馬さんらしい秀作といっていいだろう。豊臣家をめぐる人物たちの群像が、巧みに語られている。時間がたつのを忘れて、はじめて読むつもりで夢中になった(^^♪何年ぶりに読み返すのだろう?評価:☆☆☆☆☆■「日本歴史を点検する」対談:海音寺潮五郎・司馬遼太郎(講談社文庫)本編も...司馬さんの真骨頂~秀作ぞろいの「王城の護衛者」

  • わたしが住む集落

    曇り日そして夕方6時ころ。フラットだが、不思議な光が現れている・・・と思ってパチリ(‘ω`)空気の中に、たっぷりと水分があるため、それがこういう青みがかった光を湛えるのだろう。この微妙な色合いをとらえるには、いまならニコンZfc。わたしが住む集落を北から眺めている♪わたしが住む集落

  • 草むしり

    「おんや(´?ω?)」と思って望遠ズームの300ミリで引き寄せた。予想通り草毟り、お疲れさまです。おいらも地面にはいつくばって、ほぼ似たようなことをやっている。刈る、撒く、毟る。こんなときばかりは、都会のコンクリートジャングルの暮らしがうらやましい(ノω`*)この程度なら趣味の範囲、しかし2千坪となったらそうはいってられない!まもなく猛暑がやってくる。草むしり

  • 大岡信「折々のうた」著者サイン本♪

    たまたま大岡信さんのサイン本を手にいれた。BOOKOFF税別100円の棚で。ほかに小川国夫さんだの、澁澤龍彦さんだの、のサイン本を持っている。ファンなので、ごく素朴にうれしい(^^♪朝日新聞のトップページを長年走りつづけたコラム「折々のうた」第8集。ちなみに大岡さんが亡くなったのは2017年86歳のとき。大岡信「折々のうた」著者サイン本♪

  • ふすま、障子、網戸の張替専門店

    三か所も店舗があるなんて、そこそこ繁盛しているんだねぇ。ふすま、障子、網戸の張替専門店。昔は自分でやったものだけど、近ごろの人はこういうことやりたがらない(。-ω-)賃貸派など、男のくせにドライバー一本持ってない人多いから、あきれたもんだ(T_T)隙間産業・・・繁盛してるぜ。ふすま、障子、網戸の張替専門店

  • 灰色の日常をあるがままに ~漱石「門」を堪能する

    (「門」「こころ」「道草」の順に読み返そうとたくらんでいる)夏目漱石は「思い出す事など」というエッセイで、《われは常住日夜共に生存競争裏に立つ悪戦の人である》と書いている。よく知られた一節なので、ご記憶の読者が多いだろう。「門」を読み返しながら、このことばを思い起こした。結論めいたことをさきに述べると、本編「門」は、このあとにくる「道草」にも通ずるような“灰色の日常”を描いた秀作である。若いころはじめて読んだときには、この灰色の意味がわからず、あくびが出そうな退屈さとある種のいらだたしさを強く覚えた。「三四郎」「それから」と読んできたが、参禅の場面など、いかにも唐突で、明らかに失敗していると感じられた。そうではないのだ。この参禅も、よく読み込んでいくと、主人公野中宗助の日常の一コマとして書かれている。うっかりし...灰色の日常をあるがままに~漱石「門」を堪能する

  • 漱石「門」と岩波文庫の4冊

    「門」の読み返しを開始したけど、おもしれー(‘ω`)若いころ(20代のはじめ)読んだのと比較にならないおもしろさ。「門」って退屈な作品だと誤解していたなあ。明治42年10月、伊藤博文の暗殺事件が時代背景となっている。主人公野中宗助は、こんなに優柔不断でぐずな男だったのだね。急ぎ書棚の奥からこの4冊を見つけ出してきた。俳句集はむろんだけど、ほかも拾い読みしておこう♪漱石「門」と岩波文庫の4冊

  • 「道草」と「漱石の思い出」

    いつかそのうち、読み比べてみるつもりでいた。そうして20年30年、時は過ぎゆく。「道草」と「漱石の思い出」・・・金之助さんと鏡子さん、たぶん愛し合っていたのさ。明治のやりかたで、明治の夫婦として、ね。漱石の最高作は「道草」。はじめて読んだときからそうかんがえていた。近々読み返そう(^^♪「道草」と「漱石の思い出」

  • ユキヤナギを撮る♪

    ユキヤナギその1.ユキヤナギが咲きはじめたので、玉ボケを意識しながら、キヤノンのフルサイズ機+50ミリF1.8レンズで撮影。だけど、うまくいかないなあ、ピントがあやしいので、ISOをアップし、SSを早くしないと・・・などと考えた。天候も雨模様だし(;^ω^)ユキヤナギその2.キヤノンの6Dって、いまからかんがえたら明らかにデカい(ノω・、)たまに昼寝にゆく近所のパーキング。ユキヤナギが好きなので、しつこく撮っていたら、ヒラタアブさんがやってきた。うむ、失礼して撮らせていただこうっと♪このあとすぐ、冷たい雨が降り出した。ユキヤナギを撮る♪

  • 吉本隆明「漱石を読む」を読む

    吉本隆明の「漱石を読む」を、二回目のトライアルで最後まで読み通すことができた。吉本さんの主著はわたしには歯が立たないけれど、「高村光太郎」など作家論・作品論ならばついていける。ふ~むふむ。「彼岸過ぎまで」その他、いくつか読んでいない本、読んでみようかと思わせてくれた。いかにも吉本さんらしい骨太の漱石論・作品論。吉本隆明「漱石を読む」を読む

  • 百年待っていて下さい ~漱石の美しき知のシュプール

    昨日蔦屋書店へ散歩に出かけたら、「なぜ漱石は終わらないのか」という文庫本(河出文庫)が目に入ってきた。石原千秋さん、小森陽一さん、このお二人の漱石の専門家による連続対談を収録した一冊。その場でパラパラめくってみて、すぐに購入を決定(;^ω^)本当は別な本を買うつもりだったが、予定変更し、二冊かうハメになった。ここでお断りしておくと、今回の記事は書評のつもりではない。関川さんの本の刺激をけたこともあって、以前より好きだった漱石の「夢十夜」「永日小品」などを少々読み返していた。なぜ漱石は終わらないのか・・・まさにその通り。数年前岩波書店の漱石全集までそろえ(全巻ではないが)、さあて、気合を入れて夏目さんを読むぞ!と思ったのもつかのま、気分がほかの方面へそれてしまった。何しろ、でかくて重たい本なのでねぇ(ノω・、)タ...百年待っていて下さい~漱石の美しき知のシュプール

  • 命尽きるまで見届けた感動の記録 ~関川夏央「子規、最後の八年」に胸打たれる

    ■関川夏央「子規、最後の八年」講談社文庫2015年刊(初出「短歌研究」2007~2010年)相変わらず本の世界を右往左往しているが、このところ更新をサボっていた。雑草との格闘がはじまり、多少力をそがれたこともある。しかし、気持ちが根本的にぐらついているのだ(´Д`)温かくなったので、フロアや畳に座り込んで、平積みした本の山を相手に、数週間遊んでいた。こーゆーときは、腰が据わらないので、長編が読めない。そこで短編を、あれやこれや物色し、ザワつく気持ちをなだめる。「井月句集」「久保田万太郎句集」のあと、織田作之助「木の都」太宰治「眉山」(びざん)その他、短編ばかり7~8編を読んだがこの二作あたりには、強烈な印象が残っている。しかし、いずれも初読ではなく、読み返し。夏目漱石「夢十夜」もこの機会に読み返した。1.柴田宵...命尽きるまで見届けた感動の記録~関川夏央「子規、最後の八年」に胸打たれる

  • 「昭和恋々」山本夏彦・久世光彦(清流出版)

    億劫でしばらく更新をさぼっていた。この数日、長らく手をつけなかった平積みの本の山を探索し、そして掘り出した本書「昭和恋々」(清流出版)♪「あのころ、こんな暮らしがあった」と、懐かしい写真満載。しかも山本夏彦、久世光彦が各カットに味わい深いコメントを寄せています。そうだ、忘れていた!たくさんのものを、忘れていた。行商の金魚売や駄菓子屋、質屋、割烹着、風呂敷、出前持ち、ブロマイドetc.・・・昭和という失われた時間、失われた文化が勢ぞろいしている。うんうん、こんなものに取り巻かれて過ぎてきた、若かった“あのころ”。わが家は7人家族で、とてもにぎやかだったのです(^ε^)「昭和恋々」山本夏彦・久世光彦(清流出版)

  • フィルムカメラ天国 ~2022年春

    長らくご無沙汰していたフォトウォーク。デジ一が主役とはなった昨今だけど、今年もぽつりぽつりと、フィルムカメラを持ち歩くようにしていまする。そこから12枚セレクトしたので、簡単なコメントを付して、こちらのページにUPしておきます(^^♪冷蔵庫にはストックしてあるフィルム36枚撮り35㎜と、120ブローニーフィルム併せて、まだ20本ばかりあるのです。今年の1月が2月にまたまた価格が高騰し、フィルムの敷居はいっそう高くなりました↑フィルムを買うのは、いいかげんでやめてしまおう・・・とぐちょぐちょかんがえながら、手動巻き上げで、一枚一枚撮影しているのです。しかもすべてマニュアル、むろんピントもね(。-ω-)フィルムならではの味わい、フィルムテイストについては、これまで何回となく書いてきた。写真だけ並べたのではあまり素っ...フィルムカメラ天国~2022年春

  • 「久保田万太郎俳句集」岩波文庫

    湯豆腐やいのちのはてのうすあかり♪死ぬ前の年に詠んだ句のようだが、こういうすばらしい俳句をたくさん遺したのだ。久保田万太郎。芥川や太宰とは違って、小説や戯曲の寿命は尽きてしまったようだけれど、俳句には昭和ロマンの残り香が充満している。精選された902句の小宇宙を堪能しようっと^ωヽ*「久保田万太郎俳句集」岩波文庫

  • 正岡子規「飯待つ間」が愉しい♪

    こんなに闊達で生きいきした人物がいたのかとひっくり返りそうになった!正岡子規の随筆選「飯待つ間」(岩波文庫)の中にある「刺客蚊公之墓碑銘」「土達磨を毀つ辞」「くだもの」を読んでいると、子規の哄笑が耳許で響いてくる思いがするよ(^O^)漱石以上の天才だったのかもね。蕪村復活の大功労者・子規。つい長々とレビューしたくもなるが、まあ、やめておこうっと。ほとんどだあれも読みにはこないからね(;^ω^)食いしん坊で、いたずらっ子で、まじめな顔をして冗談をかます、落語家のような文学者。現在では主要な著作は岩波文庫でほとんど読める。正岡子規「飯待つ間」が愉しい♪

  • 春のおもてなし ~サクラとタンポポ

    路肩に咲いていたタンポポとサクラ、いやサクラとタンポポ(^^♪サクラは花期が恐ろしく短いですからね。撮影しにいったのではなく、交差点で道を間違えた。春のおもてなしは多種多様な花花、花。皆さんそれぞれエンジョイしていることと、拝察いたします、です。来年にはこの枝も伐られてしまうかな、邪魔だといって。春のおもてなし~サクラとタンポポ

  • 3月末の谷川連峰

    今日の午後撮影した谷川連峰。このあたりでは桜が満開に近いけど、国境付近の山々はいまだ冬の装い(^ε^)何でもそうかもしれないが、“格差”は予想以上に大きいものがありますぞナハハ3月末の谷川連峰

  • 井月句集に大はまり

    1~2年に一度の俳句の季節がめぐってきた♪というわけで読みはじめた岩波文庫「井月句集」。編者復本さんの解説がすばらしいですぞ。してやられたっ!そして文庫はこんな姿に相なる。ポストイットをはさむ、はさむ・・・そしてカエルの腹みたいになるから、古書店では買い取らないのです(ノω・、)井月句集に大はまり

  • あらためて尾崎放哉を

    ふとしたはずみで放浪の俳人といわれる系譜を、井月、放哉、山頭火。この三人で辿ってみたくなり、幾度も手にしながら迷っていたこの2冊を買ってきた。放哉が好きな人の多くは、山頭火は“あざとい”といって嫌う(;^ω^)放哉の方がストレートだけど、「一人、ひとり」といい過ぎる。鳥だって虫だって、みんなひとりさ。あらためて尾崎放哉を

  • 山頭火に入り浸る

    このあいだから数日、山頭火に入り浸っている。大山澄太編「定本種田山頭火句集」を手に入れたので、一代句集「草木塔」をあらためてじっくり読ませてもらった(。-ω-)小豆島へは2度渡っている、放哉をしのぶために。そして石寒太の「山頭火」(文春文庫)を手にしたところ。十数年前、山頭火の大ブームがあったのだ。あとで書評のようなものを書くか?山頭火に入り浸る

  • 街角のオブジェ

    これ、何だかおわかりでしょうか(´・ω・)?当てた方には100万円差し上げます、1名限定ですが・・・というのは悪いジョークです。人がすっぽりと入れる、大きめのオブジェ(´ω`*)はてさて、春めいてきましたねぇ。いいことばかりじゃな~い、雑草との戦いがもいすぐはじまるし。街角のオブジェ

  • ウクライナの祖国防衛戦争

    よく知らないくせにうっかりしたことはいえないが、ウクライナの祖国防衛戦争の動画・写真を見ていると、背筋が凍るような恐ろしさを覚える。プーチン政権が倒れる日はいつくるのか(´?ω?)民間人をふくむ兵士たちの凄惨な戦場。台湾・朝鮮半島有事のことを想像してしまうのはわたしばかりではないだろう。TVのニュースだけでは本当の“悲惨さ”はわからない。お茶の間(そういうものがあったとして)向きでないものは放送されないからね(。-ω-)現代のいまそこにある戦争=地獄、そのありよう。こちらのニュースは勇気ある政治的決断を伝えている!https://news.yahoo.co.jp/pickup/6421017ウクライナの祖国防衛戦争

  • 黒猫に近づいたら

    クロネコって、クロネコヤマトのイメージが強いかもね(^^♪だけど、昨日見かけたこの猫は、クロネコじゃなく「黒猫」。目力(めぢから)がすごかった、悪魔の化身みたいに。そうっと近づいたけど、2mばかりでパッとファインダーから消えた。ゴム風船が撥ねたみたいに・・・。黒猫に近づいたら

  • カワラヒワ発見

    「おや、何者か鳴いているぞ」よくいくゴルフ練習場のパーキングにクルマを乗り入れた直後だった。あれれー、あの声は・・・オリンパスの高倍率ズームでのぞくと、アオジか!?いやカワラヒワだった(^^♪めずらしいなあ、大抵は群れで行動しているのにね。いい加減にかまえて撮影したため、ピント悪いけど。カワラヒワ発見

  • 新潮文庫のアンソロジー「日本文学 100年の名作」を読もう

    このあいだ、ふとした気まぐれで私小説の短編、阿川弘之「年年歳歳」水上勉「寺泊」安岡章太郎「陰気な愉しみ」吉行淳之介「鞄の中身」などを読んだけど、どれも舌鼓を打ちたくなるほど美味(^^♪数年に一度か二度、こういう短編に親しんでいる自分を見出す。昔読んだものも多いけど「年年歳歳」「寺泊」は初読。そこで思い出した新潮文庫のアンソロジー「日本文学100年の名作」。探したら全6巻のうち5巻が出てきた´・ω・井伏鱒二さんの名作「遥拝隊長」を読み返したくなったのだ。大正、昭和の文学が興味深いのは、そのあたりにわたしの根っこがあるからだろう。ほかにもこの機会に7~8作ぜひ読みたい短編があ~る。新潮文庫のアンソロジー「日本文学100年の名作」を読もう

  • 緑の生コン車

    この色のコンクリートミキサー車って、はじめて見たかもね。申し合わせでもあるかのように、ブルーに塗装されたものがほとんど。走っているあいだに、生コンができる。かき混ぜていないと、固まってしまう(;^ω^)使いごろの生コンを工事現場にお届けするんだにゃん。うまいこと考えたもんだよね。緑の生コン車

  • おや、けん太

    おや、けん太のやつ寝言をいってるぞ。「兄のデブチンスキーがまた、弟ドブチンスキーをいじめてるようだにゃん」とか何とか。デブチンスキーがロシア、ドブチンスキーがウクライナ・・・ということらしいぞ、猫語がわかるんでね(´?ω?)うん、はた迷惑な話だよなあ。おや、けん太

  • 階段がございます

    ここは病院のアプローチ。「階段がございます。ご注意ください」とおいらが読んでやったら「うん、知ってるよ、何回も通っているから」と答え顔して、ファインダーの外へ出ていった。まだ子猫、いつ生まれたんだろう。それからまた、すぐに戻ってきた。「帰り道、忘れたの、おい(´・ω・)?階段がございます

  • “愚行”の悪夢・その痕跡を訪ねる ~阿川弘之「私記キスカ撤退」を読む

    ■阿川弘之「私記キスカ撤退」文春文庫1988年刊いまとなっては、阿川弘之というより、阿川佐和子さんの父上といった方が通りがよい♪1920年(大正9年)に生まれ2015年(平成27年)に逝去。わたしと比べ、一世代上の人で、志賀直哉のコアなファンであった小説家。安岡章太郎、吉行淳之介とともに、“第三の新人”と称されたことは多くの読者が知っているはず。海軍の軍人三部作(山本五十六、米内光政、井上成美)でずいぶんブレイクしたのではないだろうか。随筆(エッセイ)のたぐいはよく齧ったけれど、まとめて一冊というのは、この「私記キスカ撤退」がたぶんはじめて(;^ω^)読みたい気持ちはあったから、上気三部作はじめ、4~5冊は手許に置いている。(本棚にある阿川さんの本の一部)ただし短編作家ではなく、長編を得意としたので、安岡さん、...“愚行”の悪夢・その痕跡を訪ねる~阿川弘之「私記キスカ撤退」を読む

  • 戦争の目撃者たち ~保阪正康「昭和の怪物 七つの謎」を読む

    ■保阪正康「昭和の怪物七つの謎」講談社現代新書2018年刊Amazonのレビューを見ていたら、「タイトルが大げさ、『怪物』的な雰囲気が漂っているのは、石原莞爾と瀬島龍三くらいだろう、と書いていらっしゃる読者がいた。ああ、そう思ったのはわたしだけじゃないねぇ。ワクワクさせられたのは、「第三章石原莞爾の『世界最終戦争』とは何だったのか」と、「第七章吉田茂はなぜ護憲にこだわったのか」の章であった。その中で、第七章はいささかびっくりさせられた。《「今日わが国に対する疑惑は、日本が好戦国であり、いつ復讐戦をして、世界の平和を脅かすかも知れぬということが、日本に対する大きな疑惑となっている。先ずこの誤解を正すのが、今日われわれとして為すべき第一のことである。つまりこの憲法は、「戦間期の思想」を持たないとの哲理を含んでいるこ...戦争の目撃者たち~保阪正康「昭和の怪物七つの謎」を読む

  • 高見順「敗戦日記」

    ある本を探していたら、こんなのが出てきた。棚の奥はホコリだらけだから手はつけたくないのだ(;^ω^)よく引用される高見順「敗戦日記」、持っていたことを忘れ、また買うつもりになっていた。文庫本にしては、けっこうお高いのでためらっていたのさ(ノω・、)読んだ人いる?いないだろうなあ。高見順「敗戦日記」

  • “戦争文学”を読もう ~長谷川四郎

    シベリア抑留体験といえば、詩人では石原吉郎、作家では長谷川四郎といえそう(。-_-。)石原さんは朗読会のとき、高崎の茶房「あすなろ」でその実像に接している。「サンチョパンサの帰郷」は、わたしめの愛読書といえる。そういえば・・・と思って平積みの山を物色したら、文庫本サイズのちくま日本文学全集「長谷川四郎集」が出てきた♪近々読まねば、今度こそね!長谷川四郎という作家も忘れわれているなあ、書店ではめっきり見かけなくなった。5年間も抑留されていたのだ、あの過酷なラーゲリに。ウクライナ戦争がはじまったいまこそ、読むチャンスかもしれない。戦争となれば死傷者はむろん、多くの俘虜がつきもの。カテゴリーとしての戦争文学(ノω・、)“戦争文学”を読もう~長谷川四郎

  • 保阪正康の2冊にしびれる ~「昭和の戦争」「あの戦争は何だったのか」

    ■「昭和の戦争」~保阪正康対論集(朝日文庫2009年刊)たまたま昭和史、主として「あの戦争」に関心が向いているので、非常におもしろく読ませていただいた。保阪正康さんの著書で、最後まできちんと読んだのはこれがはじめてかもね。1-2冊齧ったことがあったはずだけど、書棚から発見できなかった^ωヽ*いい加減に積み上げて置いてあるため、こういうことはよくある。目次をざっと眺めてみよう。半藤一利「対米戦争破滅の選択はどこで」伊藤桂一「一兵士が見た日中戦争の現場」戸部良一「統帥権が国を滅ぼしたのか」角田房子「帝国陸軍軍人の品格を問う」秦郁彦「南京と原爆千層犯罪とは」森史郎「『特攻』とは何だったのか」辺見じゅん「戦艦大和の遺訓歴史は正しく伝わっているか」福田和也「ヒトラー、チャーチル、昭和天皇」牛村圭「東京裁判とは何か」松本健...保阪正康の2冊にしびれる~「昭和の戦争」「あの戦争は何だったのか」

  • 憎悪を込めて振り返る ~山本七平「一下級将校の見た帝国陸軍」を読む

    ひと口にいうと、山本七平さんは、日本のアカデミズムとはかかわりのないところから出現した、特異な思想家である。出版まもないころ「日本人とユダヤ人」を読んで、強烈な印象をうけたことは忘れられない。わたしは高校生だった。イザヤ・ベンダサンとは何者なのかと、当時から騒がれていた。両親ともクリスチャン、したがってご本人は「生まれながらのクリスチャン」と称してんいえうが、山本自身は16歳で洗礼をうけている。年譜によると、そのあと《1942年9月-太平洋戦争中のため、青山学院専門部高等商業学部を21歳で繰り上げ卒業する。10月、第二乙種合格で徴兵され、陸軍近衛野砲兵連隊へ入隊。》(参照はウィキペディア)という経過をたどる。山本七平には陸軍三部作といわれている評論(またはエッセイ)があり、1「ある異常体験者の偏見」文藝春秋、1...憎悪を込めて振り返る~山本七平「一下級将校の見た帝国陸軍」を読む

  • 半分絵本・吉村昭「昭和歳時記」

    そうか、吉村さんにこんな本があったんですね(^^♪BOOKOFFの100円コーナーで発掘。「昭和歳時記」なんて、ぐっと胸にくるタイトルじゃ、なにしろ昭和の子ですからね、おいらも。近々読みはじめよう。永田力さんの挿絵もすばらしいです、半分絵本。うん(´◡`)半分絵本・吉村昭「昭和歳時記」

  • ご老人二人

    このお二人、昔からこうだったわけじゃないよ、あたり前(*・ω・*)生きいきとした、フレッシュな少年時代があって、いまがある。年齢にはだれも勝てない。おいらももうすぐこうなるさ。栄華を極めた秀吉の辞世・・・「露と落ち露と消えにし我が身かな♪タハハご老人二人

  • 地獄絵の満洲 ~半藤一利「ソ連が満洲に侵攻した夏」の戦慄

    本編も半藤一利さんの代表作の一つ。渾身の力作である。あまりに稠密なので、しっかり活字につかまっていないと、途中で振り落とされる。半藤さんの仕事を知らず、いきなり本編を読みはじめたら、最後まで読み通せる人、半分いないかもねぇ(´?ω?)《宣戦布告しなかったことで、戦後の国家分断を防ぐことができた。私はそう思っています。》(朝枝繁春「追憶」より。57ページ)分断とは何か!ソ連に宣戦布告していれば、朝鮮のように、国家分断の憂き目にあったろう・・・ということ。じっさいに、スターリンは、釧路/留萌から北を占領することを視野に入れていた。そうしたら、樺太の南半分と、北方領土のみならず、北海道の北半分が、共産圏に組み込まれていたわけだ。ソ連は日本に宣戦布告しなかったし、日本もソ連に宣戦布告しなかった。そのことが、結果として朝...地獄絵の満洲~半藤一利「ソ連が満洲に侵攻した夏」の戦慄

  • 日本史を縦に輪切りする ~本郷和人「日本史のツボ」を読む

    本郷和人さんは、近ごろの歴史学者のなかで興味をもっている人のお一人。わたしより大分若く、東大資料編纂所の研究員。ご専門は、日本中世史、著名な石井進さんの教え子の一人である。このあいだは「北条氏の時代」を読んでいる。今回はBOOKOFFで手に入れた2018年刊行の「日本史のツボ」である。あらゆる歴史は現代史である、と割に素朴に信じていると、ご自身がおっしゃっているように、くだけた語り口は読みやすく、すらすらと最後のページへたどり着いた。「歴史は暗記科目じゃありません」・・・だとしたら、こんなにつまらない科目もないだろうねぇ(ノω`*)《「天下分け目の関ヶ原」は三度あった律令制は「絵に描いた餅」応仁の乱、本当の勝者は?銭が滅ぼした鎌倉幕府皇位継承ヨコとタテの違い川中島の戦い、真の勝者は武田信玄貴族と武士の年収は一桁...日本史を縦に輪切りする~本郷和人「日本史のツボ」を読む

  • ウォールストリート・・・

    理由がよくわからないのに、心に沁みてくる風景。ここは、たぶん建築資材(外装・外壁)をあつかっているメーカーの倉庫・・・だと思う*・ω・*)ふむ、ウォールストリートかあ。美しいわけではないけど、「そこにあるものの尊厳」に、しばらく見入ってしまったよん。ウォールストリート・・・

  • 人物列伝と組織批判の秀作 ~半藤一利「指揮官と参謀 コンビの研究」を読む

    いやあ、巻擱くあたわずじゃ、一気読みだった・・・といっても2日がかりだけどね(´ω`*)吉村文学はしばらく中断し、半藤一利さんに秤が少し傾いた。まず「内容紹介」に目を止めておこう。《太平洋戦争敗北の背景には、新しい組織論の欠如があった。英雄が歴史を作り出す時代は終わり、現代の組織においては、「際立った個人」より、総合的戦略としてのリーダー・シップが必要とされている。山本五十六、東條英機など大本営を担った軍部の重鎮たちはじめ彼らとともに日本軍の作戦行動に関与した指揮官と参謀の組合せ十三例をあげ、組織内におけるコンビネーションの重要性を学ぶ──経営者に欠かすことのできない、人材とは何かの一端を巧みな人間描写によって導きだす。》BOOKデータベースよりつぎにもくじもコピーしておく。・はじめに・板垣征四郎と石原莞爾謀略...人物列伝と組織批判の秀作~半藤一利「指揮官と参謀コンビの研究」を読む

  • 武田花「カラスも猫も」を買う

    本を探しに戸田書店へ出かけたら折よく古書市をやっていた。結局13冊(4冊は父用)まとめ買いしたけれど、そのうちの一冊に武田花「カラスも猫も」がある。これまで花さんの写文集4-5冊は持っている。それを眺めながらモノクロームを撮ろう!という気分に傾いた。アルバムタイトルは、う~ん「無名の風景」とでもしようか・ω・?武田花「カラスも猫も」を買う

  • 万骨枯る ~半藤一利「ノモンハンの夏」の凄み

    (単行本と文庫本)憲法で人権が保証されていなかった時代、庶民男子は一銭五厘のハガキでいくらでも“調達”できた。そのことをまず頭に置かないと、この時代は理解できない。兵士が死んだら、部品のように捨ててつぎを補充すればすむのである。非情な上官の下では、部下は命令によって使い潰され、反抗あるいは逃亡すれば投獄され、最悪は死刑が待っていた。本編は「昭和史」「日本のいちばん長い日」などとならび、歴史探偵半藤一利さんの代表作と称してもいいであろう。多元中継が、ずばりずばり功を奏し、読者はまるで“緊迫する世界情勢”のジェットコースターに乗せられたように最後のページへと運ばれる。モスクワ(クレムリン等)ベルリン(鷹の巣山荘等)東京(参謀本部作戦課等)新京(満洲軍参謀本部作戦課等)ノモンハン現地の戦場主としてこの5か所を往来しな...万骨枯る~半藤一利「ノモンハンの夏」の凄み

  • 木とその影

    木とその影(^^♪ここはあるファミレスの外壁。そして強烈な斜光線浮かび上がらせた相似形の影。どっちが本物やらどっちが影やら・・・おめめパチクリ(´?ω?)ポカン木とその影

  • 戦争文学の金字塔 ~伊藤桂一「静かなノモンハン」の衝撃

    恐縮ながら、極私的な心情から述べさせていただこう。戦争文学の代表作といわれるものを読んでおかけねばならない、と思うようになったのはいつごろからであったろう。吉村昭のノンフィクション・ノベルをつぎつぎと読み、高評価をあたえながら戦争文学への思いが少しずつ高まってきた。これまで読んだなかで、・戦艦武蔵ノート・陸奥爆沈・零式戦闘機・プリズンの満月・戦史の証言者たち・海の史劇̶が戦史小説にあたる。ほかにも吉村さんは、戦争そのものや、その周辺のエピソードに材をあおいだ多くの作品をお書きになっている。吉村さんが小説家吉村昭になったのが、いまさらいうまでもないが、「戦艦武蔵」であることをおもえば、これは当然のなりゆき。そういった読書遍歴をつづけながら、わたしの中でクローズアップされてきた一冊の本がある。それが「静かなノモンハ...戦争文学の金字塔~伊藤桂一「静かなノモンハン」の衝撃

  • 現代において俳人とは? ~城山三郎「部長の大晩年」レビュー

    永田耕衣は1900年(明治33)~1997年(平成9)まで生きながらえ、老人ホームで生涯をとじた。金子兜太とならび、長命をまっとうした俳人の代表格。城山三郎さんは、この永田耕衣が大好きで、最晩年、老人ホームに入所している彼に会いにいっている。三菱製紙高砂工場に定年まで勤務したが、抄紙機に右手を巻きこまれ、三指の自由を半ば失う。しかし、職歴の最後は工場製造部長の要職についた。それが「部長の大晩年」というタイトルの由来。そして定年退職後、90歳をすぎて旺盛な作句活動を展開し、句集は16冊にもおよぶ。俳句は大部分、自分が主宰する「琴座(リラザ)」に発表。城山さんによると、この俳誌はほとんど永田耕衣の個人誌の趣を呈していたという。念のため、例のごとくBOOKデータベースを引用しておこう。《彼の人生は、定年からが本番だっ...現代において俳人とは?~城山三郎「部長の大晩年」レビュー

  • 漂流記って何だ? ~吉村昭「漂流記の魅力」を愉しむ

    う~ん、これはノンフィクション・ノベルではなく、ノンフィクションそのもの。蘭学者・大槻玄沢が表した「環海異聞」に基づいて、本書の内容を現代の読者に向けてアレンジしている。最初の方では漂流記がどんなものであるか、6編もの“漂流もの”を書いてきた吉村さんが、江戸期の漂流を、全体として概観している。しかし、すぐに若宮丸の漂流の紹介がはじまり、彼らの“世界一周”の旅の紹介に移る。《日本にはイギリスの海洋文学にあたるものがない、といわれてきたが、江戸時代に漂流して帰還した者たちから聴取した、何作もの「漂流記」こそ、日本独自の海洋文学ではないのか。ここに、1793年、奥州石巻を出港し、難破してロシア極東沿岸に漂着した「若宮丸」の漂流聞書き『環海異聞』がある。極寒の辛苦に耐えてロシアに10年、生き残った津太夫ら四人の水夫は、...漂流記って何だ?~吉村昭「漂流記の魅力」を愉しむ

  • ムクドリの群れ

    買い物から帰りクルマで庭に入ろうとしたら、電線にムクドリさんたちが集まっている。来年度予算でも審議しているのかしら、とても賑やか(´?ω?)人間社会はウィルスで一部崩壊しかけているけど、この子たちには関係はないのだろう。糞でそこいらを汚さないでくださいよ~ん(^ε^)ムクドリの群れ

  • 幕府に殉じた英傑の生涯 ~志村昭「落日の宴 勘定奉行川路聖謨」の感動

    ■吉村昭「落日の宴勘定奉行川路聖謨」講談社文庫(新装版。原本は1996年講談社刊)堂々たる長編、しかも充実の一冊である。いつ、どこでどのように起こった出来事なのかを、あきれるほど細かく、執拗に書き留めている。場所、年月日、時刻、天候。それによって、臨場感は確実に盛り上がる。実在の人物が主役なので、想像力だけでいい加減なことは書けない。おそらくは川路聖謨が残した日記を基にしているのだろうが、小説的なつながりを重視し、編述している。どこまでがフィクションで、どこから現実なのか?一体となったアマルガム。そのあわいにこそ、作者の力量が感じられる。要するにノンフィクションの旗手・吉村昭が腕を存分に振るった幕末歴史小説の逸品である。ここにいたるまで「長英逃亡」(1984年)「桜田門外ノ変」(1990年)を書き、脂が乗りきっ...幕府に殉じた英傑の生涯~志村昭「落日の宴勘定奉行川路聖謨」の感動

  • 避雷針をめぐるカラスども

    カラスどもが群れてポールポジション争いを展開(^ε^)真ん中にあるのは恐らく避雷針。群馬は落雷が多いことで有名なのだ。ここには6羽だけだけど、周りには15-6羽カラスどもがいる。カラスがふえる、ふえる。たぶん農作物に相当な被害が出ているだろう。避雷針をめぐるカラスども

  • 「漂流記の魅力」発見(吉村昭)

    3年間探していた本をようやく手に入れた。・・・というのは冗談(笑)。「漂流」を読んだあとだから、昨年10月13日以降。以前何度か見かけているのに、いざ買おうと思って探すと見つからない。2003年の出版。今日BOOKOFFの棚にならんでいたのを発見。価値ある一冊かどうかはまだわからん^ωヽ*「漂流記の魅力」発見(吉村昭)

  • 男体山遠望

    神保原(埼玉県)のJR陸橋から遠望した、奥日光の男体山。すぐ南に中禅寺湖がある。あそこまでどのくらいの距離があるのか、70キロは優にあるだろう。これが男体山だと気づく人、何パーセントくらいいるかなあ(ˊᗜˋ*)このあたり、よくランクルで走ったからなつかしい。若いころだけれどね。男体山遠望

  • 吉村さんが小説家吉村昭になるまで ~「戦艦武蔵ノート」を読む

    ■吉村昭「戦艦武蔵ノート」岩波現代文庫(2010年刊原本は図書出版社1970年刊行)とにかくやたらおもしろかった・・・と書くと、やや語弊があるかもしれない。戦艦武蔵とともに、兵隊さんや将校その他、1000人を超える人たちが海の藻屑と消えたのだから。とはいえ、おもしろかったのは確か。こういう本を執筆していたんだねぇ、吉村さん♪わたしは断片やメモ、短いエッセイを集めただけの雑録だと錯覚し、読みたいとは思ってはいなかった。ところがそうではなく、吉村昭がノンフィクション作家となった舞台裏を、赤裸々に語った貴重な取材日記・長編エッセイなのである。吉村さんの生の声が、随所に鏤められていて、ファンにはこたえられない“こぼれ話”が盛りだくさん。読む前と読んだあとでは、小説家吉村昭に対するイメージが、ちょっとだが、確実に変わる。...吉村さんが小説家吉村昭になるまで~「戦艦武蔵ノート」を読む

  • 写真天国/カメラ天国

    フィルム写真36枚撮り3本が仕上がった。しばらくぶりのフォトlife・・・のつもりでUPする。いわずもがなだけれど、わたしは写真を、日記の挿絵として撮影しているのではない。だからアルバムにダイレクトにアクセスして下さると喜ぶ(^^♪一昨年も昨年ももう最終コーナーだとかんがえながら撮影していた。今年もやっぱりそんな気分ですねぇ。Kodakのカラーplusを買ったらまた200円ほど値上がりしている。趣味的生活はコストがかかるなあトホホ。フィルムはネガカラー・ロモに統一したけど、カメラは3台使用。レンズは70%は各社の50ミリレンズ、残りは35ミリ、45ミリレンズ。カメラごとに3枚pic-upし、簡単なコメントを付しておこう。多く語れば語るほど写真の内容そのものが薄くなる気がするので。■ニコンFE21.おや、きのこの...写真天国/カメラ天国

  • 吉村昭に首ったけ!

    昨年10月末ころからはじまって、吉村昭に首ったけ(^^♪手許にある本は合わせて約80冊/70作品を超えているだろう。他に単行本も6冊集まった。すべては読まないだろうが、BOOKOFF等で見かけるとつい手が伸びる。現在「戦艦武蔵ノート」に夢中。写真は昨日やってきた文庫本2冊!こんな調子でいつまでつづくことやらねぇ。吉村昭に首ったけ!

  • 悲運の先覚者と彼をささえた人びとの物語 ~吉村昭「長英逃亡」を読む

    ■吉村昭「長英逃亡」新潮文庫上下2巻(平成元年刊。原本は昭和59年毎日新聞社より刊行)「桜田門外ノ変」とならび、上下2巻に及ぶ大作である。吉村さん、全精力を傾けたものと思われる。新聞連載という形式のためか、ところどころに挟まれたくり返しが気になる。それに、紋切り型というか、「またかね」といいたくなる“決まり文句”があちこち出てくるのはマイナス点。純文学と銘打ってあるわけではないから、気にしないといえばそれまでであるが。まずどんな内容か、見ておこう。▲上巻《シーボルトの弟子として当代一の蘭学者と謳われた高野長英は、幕府の鎖国政策を批判して終身禁固の身となる。小伝馬町の牢屋に囚われて5年、前途に希望を見いだせない長英は、牢屋主の立場を利用し、牢外の下男を使って獄舎に放火させ脱獄をはかる。江戸市中に潜伏した長英は、弟...悲運の先覚者と彼をささえた人びとの物語~吉村昭「長英逃亡」を読む

  • スズメとカラス

    スズメとカラス、うむむ、この大きさの違い!食われてしまっても、不思議はないにゃ。こういうツーショットはなかなか撮影できないけどね^ωヽ*スズメとカラス

  • ゼロ戦への鎮魂歌 ~吉村昭「零式戦闘機」に心打たれる

    ■吉村昭「零式戦闘機」(新潮文庫昭和53年刊。原本は昭和43年新潮社)数あるゼロ戦の本の中でも、この「零式戦闘機」は白眉の一冊といっていいのではないだろうか!?この作品に比肩しうるゼロ戦をめぐるノンフィクションが、ほかにあるのかしら。としたら、ぜひお教えいただきたいと思う。とてもオーソドックスなゼロ戦誕生秘話だが、それだけでなく、敗戦までの“日本の運命”が、あっさりとだが、背景として必要な範囲で浮き彫りになっている。作者吉村昭の知性が、いたるところで、きらきらと輝いていて、さきへさきへとストーリーを辿らずにいられない。歴史上有名なこの戦闘機、われわれはゼロ戦と呼ぶことが多いが、正式名称は零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)。名手吉村昭の手になると、こういうすばらしいノンフィクションに仕上がるのだ。しか...ゼロ戦への鎮魂歌~吉村昭「零式戦闘機」に心打たれる

  • 吉村昭の本領は長編小説にあり ~「島抜け」を読む

    吉村昭は、以前書いたように、書店に出かけるとたくさんの本が、現在でもならんでいる。地味な存在ながら、人気作家なのだ。ごく個人的な感想をいわせていただくなら、わたしのこの“吉村昭ブーム”は、2021年10月13日、「漂流」からはじまっている。「そうそう、こういう本が読みたかったのだ(゚ω、゚)」わたしは強い満足感を覚え、新刊書店やBOOKOFFへいっては、吉村さんの本を買った。城山三郎の本を横目で睨みながら、吉村さんの主として文庫本を、つぎつぎと買った。個人名をカテゴリーの名称としたものは、塩野七生23件吉村昭19件(つぶやきをふくむ)の書評をこれまでUPしている。近い将来、塩野さんを超えることは間違いない。わたしの場合ノンフィクションの旗手といったら、いまのところ吉村昭にとどめを刺す(´◡`)さて、昨日読み終え...吉村昭の本領は長編小説にあり~「島抜け」を読む

  • 掛け値なしの傑作ノンフィクション ~吉村昭「陸奥爆沈」にしびれる

    ■吉村昭「陸奥爆沈」新潮文庫(昭和54年刊原本は昭和45年新潮社)筆者吉村さんは、あとがき冒頭でこう述べておられる。《長い旅であった。闇に塗り込められたトンネルを手さぐりで進むような日々であった。それだけに書き終えた時、疲労とともに満足感にもひたった。その後原稿の推敲をすすめる間、私は、しきりに妙なものを書いたという感慨にとらえられた。この作品は、一般の小説形式とは異なって、私自身が陸奥爆沈という対象にむかって模索する過程をえがいているが、この作品の場合、このような形式をとるのが自然だったと今でも思っている》(現行版275ページ)爆沈とは、爆発沈没のこと。巨大戦艦なので、1000人を超える乗組員がいる。彼らのおよそ9割は戦艦とともに海の底に引きずりこまれる。だれが考えたって、大災害である。「戦艦陸奥」はなぜ爆沈...掛け値なしの傑作ノンフィクション~吉村昭「陸奥爆沈」にしびれる

  • 本郷和人「北条氏の時代」(文春新書2021年刊)レビュー

    このところ連続して吉村昭ワールドに入り浸り。吉村さんの文庫本が全巻そろったわけじゃないけど、現行版の9割ほどは手に入れた。吉村ワールドは密度が濃く、つづけて読んでいると頭が疲れる。そこで中休みの意味で新刊コーナーにあったこの新書を手に取った。書評はパスしようとはじめは思ったが、簡単に書いておくことにしよう♪本郷和人さんは気鋭の中世史家である。以前、「承久の乱」を読んだが、とてもおもしろかった。鳥観図的にアプローチし、風通しのよい論を展開するのが、すがすがしい印象を読者に与える。現代的な雰囲気が横溢するアプローチともいえる。おもねっているといってはいいすぎだが、最大公約数的な読者を、はっきり意識している。だから、全体としては無難なまとまりがある。それを食い足りないとおもうかどうか・・・である(´・ω・)?コーヒー...本郷和人「北条氏の時代」(文春新書2021年刊)レビュー

  • 正真正銘のドキュメンタリー ~吉村昭「関東大震災」を読む

    ■吉村昭「関東大震災」文春文庫(2004年新装版刊。原本は1973年文藝春秋刊)吉村昭はこの「関東大震災」によって、1973年第21回菊池寛賞を受賞している(正しくは「戦艦武蔵」から「関東大震災」に至る業績に対して)。1974年、パソコンもインターネットもない時代に、この著作をまとめ上げたのは、相当な力技である。助手だとか秘書だとかを使っていたふしはないので、独力で成し遂げたのだろう。著者の編集の技量に、あらためて感嘆せざるを得ない。・関東大震災:大正12年9月1日・吉村さんは昭和2年東京日暮里生まれ・昭和48年「関東大震災」の刊行こういう時間軸は最初に頭に入れておいた方がいい。吉村昭は体験を書いているのではない。正真正銘のドキュメンタリー(documentary)であり、小説的要素はほとんど入り込む余地はない...正真正銘のドキュメンタリー~吉村昭「関東大震災」を読む

  • 謹賀新年 2022

    明けましておめでとうございます。旧年中はおつきあいのほどありがとうございました。本年もどうぞよろしく♪決まり文句とはなりますが、皆さまのご多幸をお祈りいたします。・・・写真はわが家の蜜柑。豊作だったため、250個ほど食べ、あちらこちら2500個ほどお配りしましたがまだ生っています。謹賀新年2022

  • いびつな真珠・その輝きを描く ~吉村昭「冬の鷹」に酔う

    ■吉村昭「冬の鷹」(昭和51年刊。原本は昭和49年毎日新聞社から刊行)おそらくフィクション70%、史実30%かしらね。こういう小説になってしまうと、そのあたりを見極めるのはひどくむずかしい。いうまでもなく無条件な虚構ではない。「おそらくこうであったろう」という推定が、ぴしぴしと決まって、吉村さんの腕のたしかさにのせられ、読者は時間的にも、空間的にも、はるかな彼方へ散歩につれ出される。酸っぱくて、少々苦いが、案外さらりとした上質な日本酒のテイストにも比せられる(´ω`*)心地よいこの酔いがたまらない・・・と、ファンならきっとそう思う。これもまた、コクのある秀作の一つ。主人公は前野良沢、そのいわば対抗馬が、杉田玄白である。医学史ならともかく、どちらも、教科書や通史では、数行かせいぜい1ページですまされてしまう。その...いびつな真珠・その輝きを描く~吉村昭「冬の鷹」に酔う

  • 吉村昭「史実を歩く」文春新書版

    昨日手に入れたばかりの吉村昭エッセイ集。ここで注目は「創刊!文春新書」のオビ(^^♪平成10年10月、最初の配本10冊の一つだったのだね。巻頭に収められた「『破獄』の史実調査」を読み直し、作品読了直後なので、あらためて驚嘆!取材の舞台裏が赤裸々に述べられている。これはフィクションではない、ということだね、まさに。吉村昭「史実を歩く」文春新書版

  • 日本的テロリズム探求の大いなる成果 ~吉村昭「桜田門外ノ変」を読む

    (新潮文庫で読んだのだが、単行本も手許にある。)■吉村昭「桜田門外ノ変」(平成7年刊。単行本は1990年=平成2年新潮社)吉村昭以前と以後。そういう括りがあるのかどうか知らないが、「生麦事件」につづき、この「桜田門外ノ変」を読んでいて、そう思わざるをえなかった。記録文学としての歴史小説・・・これは語の矛盾のようにもかんがえられよう。しかし、吉村さんは、そういう力技を決めたのだ。わたしはこれまで、山本周五郎、司馬遼太郎、池波正太郎、藤沢周平などの歴史・時代小説を好んで読んできた。また、出版社では近ごろ佐伯泰英の本がシリーズ全体で何千万部売れたと騒いでいたが、「桜田門外ノ変」がもたらした記録文学の“リアル”とは目指す方向がまるで違う。それらは従来からある剣豪小説であり、下町人情小説である。仇討ち小説であり、捕り物小...日本的テロリズム探求の大いなる成果~吉村昭「桜田門外ノ変」を読む

  • 7冊のエッセイ集

    吉村さんのエッセイ集7冊。ほかにも文庫本で3冊か4冊出ているようだ。実店舗を散歩がてらよく歩くけど、それによって集まってきた。吉村ワールド!吉村ワールド!エッセイで肉声のようなものというか・・・小説家のこぼれ話が聞ける。昨日、今日、そして明日も吉村ワールド!(^^♪7冊のエッセイ集

  • 底辺から時代を見上げるまなざし ~吉村昭「プリズンの満月」をめぐって

    ■吉村昭「プリズンも満月」新潮文庫(平成10年刊原本は平成7年新潮社)司馬遼太郎は鳥観図を用いて、そのパースペクティブがもたらす視野の中で歴史や時代を眺めようとするが、吉村昭はそうではない。むしろ地を這うような低いまなざしを好んで用いる。それは司馬さんが、大抵の場合、その時代の権力者や英雄、いわるる“歴史的有名人”をしばしば主役に据えていることを勘案すればわかる。それに比べ、吉村さんは、時代の脇役、あるいは端役を主人公に抜擢する。「あら、そんな人物がいたの!?知らなかったなあ」吉村さんの手法の特長が、まずそこにある。したがって、忘却の淵から発掘された物語を、われわれ読者も目撃することになる。そこに、存在理由を賭けているといってもいい。その賭けに、大抵は成功している。これまでたてつづけに彼の小説を読んできて、畏敬...底辺から時代を見上げるまなざし~吉村昭「プリズンの満月」をめぐって

  • 吉村昭「羆嵐(くまあらし)」を読む

    ■吉村昭「羆嵐(くまあらし)」(昭和57年新潮文庫原本は昭和52年新潮社)このところ、吉村昭に入り浸りである。なぜそうなったかというと、吉村さんがノンフィクション、ドキュメンタリー作品を多く手がけているから。小説は基本フィクションなのだが、どういうわけか近ごろ2年ばかり、フィクション離れが甚だしいということ。だから吉村昭がおもしろくて仕方ないのだ・・・と思える。なぜそうなのかは、突きつめてかんがえたことがなく、よくわからない(;^ω^)語り手ともいうべき実直な区長が終始登場するが、彼ではなく羆(ひぐま)が本編の主人公で、もう一人の主人公が、アウトサイダーともいうべき、老練な猟師・銀四郎である。あっけなく勝負がついてしまうので、長編とはいえ、249ページ(現行版)しかない。つぎのような内容である。《北海道天塩山麓...吉村昭「羆嵐(くまあらし)」を読む

  • 孤独な俳人の晩年に寄り添う ~吉村昭「海も暮れきる」を読む

    (庭にころがっていた金柑の実を置いて撮影)沈潜する慈愛のまなざしというべきものが、この作品を背後から照らしている。吉村昭は尾崎放哉と同じく肺結核に苦しんだのだ。若き日のそうした体験が、「海も暮れきる」というこの作品を特別なものとしている。近所に住む漁師の妻、シゲの存在が大きく、放哉は彼女に救われた。彼女がいなければ、この小説も成り立たなかったろう。彼女が死んでゆく放哉の看取りをしたのだ。体験者にしか書けない、作れないものがある。吉村さんのまなざしが、どのページにも、隅々まで行き渡っている。小さなエピソードにいたるまで、繊細な作家の神経が、見事なまでに通っているのだ。死に場所をもとめ、小豆島に渡った放哉に、死は急ぎ足で訪れてくる。シゲがいなかったら、彼の死はもっとみじめなものになっただろう。本書では島に渡ってから...孤独な俳人の晩年に寄り添う~吉村昭「海も暮れきる」を読む

  • 2台のフォークリフト

    クルマの運転席から信号待ちでパチリ♪フォークリフトの青と黄。右側の車体に、アタリがあるのは、パソコンに取り込んでから気がついた。ところで武蔵貨物自動車㈱って、どこにあるんだろう(´・ω・)?陽射しが温かかった。2台のフォークリフト

  • ドラマチックな雲

    日が短くなったなあと思いながら運転中、空を見上げたらこんな雲が出ていた。とっぷりと暮れてしまう寸前、何というか、ドラマチックすぎじゃねえの(ノω`*)地震があったし、アメリカじゃ巨大な竜巻だってさ。こんな日があるってことだね。ドラマチックな雲

  • 大作家としての吉村昭 ~「破獄」を堪能

    (カバーの傷みが気になるレベルだったので、右の本を買いなおした)■吉村昭「破獄」新潮文庫(昭和61年刊)原本は昭和58年1983年岩波書店から刊行新潮文庫37作品文春文庫30作品講談社文庫10作品2021年現在で、吉村さんの著作はこれだけが現行版である。合計77作品は、松本清張、司馬遼太郎と肩をならべる大作家であることを語っている。一時期たくさんの作品が網羅されていたとしても、下克上が激しいためいつのまにかラインナップから消えてしまうことが多い中にあって、77作がいまだ現行本であることは大作家のあかしであろう。たとえば一世を風靡した観のある、渡辺淳一や五木寛之。消えてゆく、消えてゆく。死後10年もしたら、代表作と目されるもの数編が残ればいい、としなければならない。ところが、吉村昭はこの77作品のほかに、中公文庫...大作家としての吉村昭~「破獄」を堪能

  • 平八郎さん

    歩いていて、ふと目に止まった(゚o゚;平太郎じゃなく、平八郎というのがすごい。兄弟姉妹8人?えらいこっちゃ。家は人の気配なく、増改築の真っ最中で、もしかしてご当主亡くなったのかもね。これでもカラーなのです(-ω-)もしかして東郷平八郎にあやかったのかしら。このあいだ法事で同席した親族は男女合わせて9人兄弟じゃった。平八郎さん

  • 「破獄」を読んでいる途中

    現在「破獄」を読んでいる途中だけど、ふと気になって「脱獄の天才」(「史実を追う旅」文春文庫所収)を開いてびっくりしゃっくり!そこで吉村昭は「破獄」の舞台裏を生々しく綴っているのだ。文献の渉猟や関係者への取材、これほど徹底したものだったとは予想を上回る。吉村作品ベスト5入り確実かもね♪まさに史実の重み。それに対し、これほど謙虚に向き合い、“過去”を慈しんだ作家はいないだろう。読者は間違いなく、ここにある“リアル”に圧倒される。得難い読書体験(゚ω、゚)こういったレベルの秀作をあと何本書いていることやら?ちなみに本書で読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞をW受賞しておられる。「破獄」を読んでいる途中

  • マイバス

    この団地がにぎやかだったころを覚えている。群馬では有数の規模を誇った大利根団地、一区画面積50~70坪の大団地でした。むろん戸建ての。昭和40年代のはじめに造成がはじまった。いまじゃおよそ30%は空き家です。でもこのバス停の時刻表を見ると、1時間に一本は走っているんですね、自治体の支援で(^^;マイバス

  • 突き抜けていく想像力が作り出す迫力 ~吉村昭「高熱隧道」を読む

    (わたしの新潮文庫「高熱隧道」平成26年版、第60刷。ポストイットがたくさんはさんである)■吉村昭「高熱隧道」新潮文庫(昭和42年初版/1967)ひと口にいうと、パニック映画に勝るとも劣らない、すごい迫力。むろん映画ばかりでなく、後の小説にも影響を与えていると思われる。吉村昭の名高い代表作といっていいだろう。(ほかにも“代表作”がいくつもあるけど)。「高熱隧道」とは、こんな小説である。《黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して...突き抜けていく想像力が作り出す迫力~吉村昭「高熱隧道」を読む

  • 吉村昭ワールドへ

    昨日立ち寄ったBOOKOFFで吉村さんと城山三郎さんの本を合計11冊買った。そのうちの6冊。完全に吉村ワールドにハマっている。お亡くなりになったのが2006年(平成18)なので、もっと早くに読んでしかるべきだった。吉村さん亡くなったねぇ、と友人がいったとき、わたしは「戦艦武蔵」しか知らなかった。時間は取り返せないので、悔やまれるといえば悔やまれる。B級品は消えていくだろうが、A級品は今後も長く読み継がれていくはず。わたしが親しんできた安岡章太郎や吉行淳之介あたりは文庫では数冊しか残っていない。戦後派は大岡昇平さんをのぞき、ほぼ全滅(´Д`;)読者が作者を択んでいく。吉村昭ワールドへ

  • 驚嘆すべき執念の一冊 ~吉村昭「赤い人」を読む

    ■吉村昭「赤い人」講談社文庫(1984年刊)※原本は1977年筑摩書房変てこなタイトルだなあと思いながら、書店の棚を前にして数ページ読みはじめたら止まらなくなり、結局買って帰った。赤い人というのは囚人のこと。朱色の獄衣を着せられているため、作者がそう呼ぶことにしたのだろう。こういう著作を秀作といっていいのかどうか、迷わざるをえないが、充実した、緻密な小説である。小説というより、味わいは明らかにドキュメンタリーのもの。吉村昭らしいといえば、まさにそうした本。驚嘆すべき、内容の濃い一冊であると思われた。文庫のオビには・・・「脱獄」か「死」か、苦役から逃れる方法は他にないと、大きな文字が躍っている。本文308ページ(現行版)が、びっしりと文字で埋め尽くされているので、途中で投げ出してしまう読者もいるかもしれない。《囚...驚嘆すべき執念の一冊~吉村昭「赤い人」を読む

  • 川面の輝き

    うっかりしてUPするのを忘れていた^ωヽ*タハハよくあることじゃ。いうまでもなく、水面反射を逆光で撮ってみた。+側、マイナス側、どっちに補正してもそれなりに絵になる。これはマイナス1/3補正したもの。オリンパスの高倍率ズームだけど、味のあるボケを見せてくれた。川面の輝き

  • 墓前に捧げられた大輪の花 ~城山三郎「男子の本懐」を読む

    結論をさきに書けば、本書「男子の本懐」(新潮文庫)は、城山三郎の代表作というにふさわしい力作であり、秀作である。読んだ人の大半が、そういった評価を下すだろう。リーダーたちの肖像として、これ以上は望めないだろうというほどの卓越した出来映え、城山三郎の神髄を見ることができる。主役は浜口雄幸(はまぐちおさち、1870年〈明治3〉~1931年〈昭和6〉高知県生まれ)、第27代総理大臣となった男である。もう一人の主役(準主役)は日銀総裁のあと大蔵大臣をつとめ、軍縮など緊縮財政、金解禁で名を後世に刻んだ井上準之助(1869年<明治2>~1932年<昭和7>、大分県生まれ)。いやあ、文句なしにおもしろかった・・・といいたいところだけれど、わたしの知識不足のため、十分な理解を得られたかどうか、いささか怪しい(^^;;)財政の核...墓前に捧げられた大輪の花~城山三郎「男子の本懐」を読む

  • けん太/11月

    今朝のけん太。「ふむう、気持ちいいにゃ(^^♪極楽極楽、11月の日溜まりはサイコーです。ご飯たべたばかりなので、満腹だしねぇ・・・」という顔です。ただし下にあるのは大豆を煮て醤油をつくるためのW=0.9mはある鋳物の釜、ここに雨水を溜めています。落ちたら悲惨なことに。けん太/11月

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