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  • 分からなくても想像はできるはず

    「そんな気持ちわからない!」6月22日精神科医香山リカ氏が、『コロナ収束後の光と闇』という表題でコラムを書かれていました。その中で香山氏は、『夜、仕事の帰りにバーや居酒屋の前を通り、中から灯りや笑い声がもれてくるとなんとなくホッとする』と書き、コロナ禍で灯りの消えた店が並ぶ光景に心細さを感じると述べていらっしゃいます。そんな思いを学生に話したところ、学生からは『「おとなが深夜まで飲んでいたこれまでがおかしかった」「お酒はからだによくないし、健康的な生活にシフトすればよい」』という『真面目で、しかも前向き』な言葉が返ってきたそうです。香山氏は、こうした学生の反応に、『とても明るくて清潔な生き方だが、「それだけでいいのか」という気が消えない』とし、『人間の心にも人生にも、光もあれば闇もある(略)コロナの後には明るい...分からなくても想像はできるはず

  • 夢は若隠居

    「将来の夢は」6月22日連載企画『FIREという生き方下』は、2人の識者がその光と影を語るものでした。ちなみに「FIRE」とは、『FinancialIndependence,RetireEarly』、つまり『経済的自立をして会社を早期退職する』生き方のことで、若者を中心に『共感や憧れが高まっている』のだそうです。つまり、若いうちに節約や投資で資産を形成し、その後はその資産の運用益だけで働かずに生活するというライフスタイルです。もちろん、好きなことをして小遣い稼ぎをするということもありで、要は生活のために会社に縛り付けられ、したくもない仕事に時間を取られることを避けて生きるということです。私は最初に「FIRE」についての記事を目にしたとき、退職金で家を買い、老後はその家賃収入で生活するという60年前のサラリーマン...夢は若隠居

  • 感傷

    「アホと言われても」6月21日週1回、読者の短歌と俳句を掲載する『詠む広場』には、『うたの雫』という専門家のコラム欄があります。今回はそこに歌人加藤英彦氏が、『カメさんのいた場所』というタイトルでコラムを書かれていました。その中に、『「あほやなあこの子は」なんて死ぬまでにもう一度だけ言はれてみたい』といううたが紹介されていました。よく分かる、私は不覚にも涙ぐんでしまいました。解説するまでもないのですが、私の解釈は、初老期を迎えた人が、今はなき母親の愛情のこもった口癖、「あほやなこの子は」をせめてもう一度だけでもいいから聞いてみたい、できれば自分が子供だったときのように頭を撫でそっと見つめながら声を掛けてもらいたいという思いを詠んだもの、です。長い介護と看護を経て、4年前に母を亡くした私には、このうたの心情が我が...感傷

  • おかしい、のは分かる。でも・・・

    「どうリンクしている?」6月21日『私が思う日本』というタイトルで、『東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか』という問題意識で書かれる連載コラムが始まりました。これからも定期的に掲載されるということで楽しみにしています。第1回は、朝鮮日報元東京特派員李河遠・国際部長の『外国メディア特派員が見たジェンダーギャップ女性まるで透明人間』でした。そこに書かれている『男湯での衝撃』という記述に考えさせられました。李氏は、『登別市の地獄谷にあるホテルの野外温泉につかり、疲れを取っていると、女性従業員が掃除をしに入ってきて腰を抜かした』と書かれています。東京のフィットネスジムでも、『男性たちが入浴する時間にタオル交換や掃除のために入ってくる従業員が、中年の女性』だったことに戸惑ったとい...おかしい、のは分かる。でも・・・

  • 梯子を外す

    「梯子を外す」6月20日『発送時期に自治体格差ワクチン接種券23区内の状況は?』という見出しの記事が掲載されました。『新型コロナウイルスワクチンの接種券を巡っては市区町村の発送時期による格差が生じ、早めに接種できる、できないという差が出ている』ことに関する記事です。その中の『寝耳に水の国の方針転換』という小見出しがつけられた章に、気になる記述がありました。『ある区の実務担当者は「国の会場の18~64歳への接種開始は“まさか”だった」と話す。同区は基礎疾患がある人や高齢者施設職員らのために細かな日程を組んでいた。それが国の方針で、問い合わせが殺到し、業務に支障をきたしたという。「元々は国の動きが遅かったことからその尻拭いをさせられているのに、『接種が遅れている自治体はサボっている』と印象づけるためにやっているよう...梯子を外す

  • 自己犠牲×運の良さ

    「計算上は」6月19日『言えなかった「トイレ離席」新幹線運転士へ批判と擁護』という見出しの記事が掲載されました。『時速約150㌔で走行中の東海道新幹線で5月、男性運転士がトイレを我慢できずに約3分間運転席を離れた』という事件について、その背景とその後の反応についてまとめた記事です。記事によると、『JR東海の規定ではこのケースは指令所に連絡して列車を止める必要があった』ということですが、運転士は『止めて遅らせたくはなかった』と話しているということです。当然の心情でしょう。数分間の遅れであっても、運転士の業績評価はマイナスになることは確実ですし、遅れ自体が企業にとってもマイナスの評価をもたらします。利用客も迷惑をこうむります。そして、ATCの働きにより、離席しても列車の安全は確保できる状況にあったのですから。この件...自己犠牲×運の良さ

  • 女だって

    「自戒」6月19日書評欄に、文筆業清田隆之氏による『「女たちのポリティックス台頭する世界の女性政治家たち」(幻冬舎新書)』に対する書評が掲載されていました。その中のある記述に強く頷かされました。『女性だからといってリベラルなフェミニストとは限らず、<マッチョな男性中心主義のイメージがある>極右勢力のリーダーになる女性が増えている事実にも驚きだった。例えばフランス「国民連合」党首のマリーヌ・ル・ペンやドイツ「AfD」のアリス・ワイデル院内総務など~』という記述です。私たちは、理性では性役割分業的な見方は間違いだと理解しています。私もその一人です。「女だから~」というような見方は非難の対象となります。今どき、「女は家庭に入って男を支える」とか、「女は結婚して子供を育てるのが幸せ」などと口にすれば、前世紀の遺物扱いさ...女だって

  • 三方得の主張

    「貴方方のために」6月18日論説委員小倉孝保氏が、『「命の恩人」の辞職』という表題でコラムを書かれていました。その中で小倉氏は、『新型コロナウイルスに感染したジョンソン首相を看護したジェニー・マクギーさん』の辞職を取り上げていました。マクギー氏は辞職の理由について『私たちは敬意を払われていません。それにふさわしい支払いもありません』と述べているそうです。英国では、『看護師たちはコロナ対応で忙殺されながら、英政府から提案されたのは給与の1%アップだった。物価の上昇を考えれば、実質的な賃下げになる』ということで、彼女の訴えはもっともだと言えそうです。小倉氏は、『近代看護教育の母』ナイチンゲールの言葉を引用して英政府の対応を批判しています。『「犠牲なき献身こそ真の奉仕」。医療者たちの善意や職業倫理を当てにした医療は、...三方得の主張

  • 「寛容」の時代

    「伝説は良い意味?」6月17日『200年前のドイツ「伝説の教師」抱腹絶倒の迷言・失言録』という見出しの記事が掲載されました。「伝説の教師」の名は、ヨハン・ゲオルク・アウグスト・ガレッティ。『想像を絶する失言を繰り返した』人物だそうです。記事によると、その失言とは、『女王は常に女性である』『王は若くして生まれた』『生まれた時、それほど老けていなかった』『軍には、40歳から50歳までの若者からなる部隊があった』『人類はただ一人を除いて大洪水にのまれた。その一人とはデウカリオンと妻のピュラである』『地中海のどの島も、シチリア島より大きいか小さいかのどちらかである』などだそうです。記事を書かれた篠田航一記者は、ガレッティ氏について、『大まじめに話した授業自体が壮大な脱線だったように思える。きっと愛されたに違いない。授業...「寛容」の時代

  • 子供の全てを知ってください、と言われても

    「仕事が増える?」6月17日東洋大INIAD学部長坂村健氏が、『知ってもらう権利』という表題でコラムを書かれていました。その中で坂村氏は、『自分の位置情報を常に友人と共有するアプリが、若者たちの間で大人気』という現状を紹介なさっています。『相手がどこにいるか』『その場での滞在時間やスマホの電池残量、移動速度』『相手が活動しているか寝ているか』まで全て分かるのだそうです。オジサン世代を自認する坂村氏は、『どこにいるか常に他人に知られるなんて嫌』だと感じるそうです。私も同じです。私など、スマホやカードでの決済でさえ、どこかに自分が何に対してお金を払ったかという記録が残るなんて耐えられないというくらいのアナログ人間ですから、居場所を知られるなんて拷問のようです。しかし現代の若者は、『プライバシーについて旧来型の考え(...子供の全てを知ってください、と言われても

  • 男も被害者になる、という認識

    「重箱の隅」6月16日法政大名誉教授田中優子氏が、『性風俗という仕事』という表題でコラムを書かれていました。その中で田中氏は、『(性風俗業を)持続化給付金の対象から除外すべきか、除外すべきでないか』という論争について取り上げていらっしゃいました。田中氏によると、除外派は『売買春を禁止・違法にして買春者を罰し、売春者の罪は問わない方法で世の中からなくしていくべきだ、という考え方だ。そうすることで女性の人権を守る意図である』ということです。田中氏はご自身の専門である江戸文化の視点から、遊郭の実態を語り、『遊郭があったからこそ、文学や浮世絵も豊かになった』としつつも、『私は売買春を禁止・違法にして、この職業をなくすべきだと思っている』と自らの立場を明らかにしています。『やはり女性の人権の方がはるかに大事だ』と。私も同...男も被害者になる、という認識

  • 今だけ主義

    「今だけ主義」6月16日専門編集委員古賀攻氏が、『コロナ禍と功利主義』という表題でコラムを書かれていました。その中で古賀氏は、中国のコロナ対応について、『キーワードが「功利主義」だ。物事の良しあしは結果の効用で決まるという考え方。ひらたく言えば「いいじゃないの幸せならば」となる』と書かれています。つまり、いろいろ問題はあるがコロナ禍を抑え込んだんだからいいじゃない、ということです。こうした考え方に対して古賀氏は、『結果の効用に寄りかかりすぎると「市民的公共性が細ってくる」』という問題提起をなさっています。市民的公共性という概念については、私は正直よく分かりません。しかし、古賀氏の言わんとしていることは何となくわかるような気がします。コロナ禍の抑え込みという結果は、緊急且つ短期的なものです。一方、市民的公共性とい...今だけ主義

  • 私には必要ないので

    「重い言葉」6月15日連載企画『14歳の君へわたしたちの授業』は『全国の中学生に、さまざまな分野で活躍する人が語る「授業」』です。今回は、技術・家庭ということで、南極シェフ渡貫淳子氏が語られていました。その中で強く印象に残った言葉がありました。『夢は見つけるものではなく、出合うものだと思います。無理に見つける必要はない。でも、出合ったときに全力でぶつかれる技術を少しずつ身に付けておきたい。学んだことは決してむだにならない』という言葉です。実は、私の世代では、至極当たり前の言葉です。もう50年以上昔になりますが、私の小学校、中学校時代は、「今学んでいることが将来どんな役に立つのか、それは分からないけれど、とにかく子供の仕事は勉強なんだから、一生懸命授業を受ける」そんな感覚が普通だったのです。もちろん、実際には適当...私には必要ないので

  • うちの先生は不勉強?

    「授業で、テストで」6月11日『フェーン現象降雨はまれ多発地・富山平野の10年分析解』という見出しの記事が掲載されました。『低い空にある湿った空気が山を乗り越える際に雨を降らせ、乾いた風となって山を下って周辺の気温を上げるとされる「フェーン現象」は、実際には雨を降らすことは少なく、山の上空から空気の塊が吹き下りて起きているとの研究を、日下博幸・筑波大教授らのチームがまとめた』ことを報じる記事です。『約10年分の国内事例をスーパーコンピューターなどで解析した』ということで、『教科書で説明されてきた通説とは、発生のメカニズムが異なることを明らかにした』のだそうです。私が長年研究してきた社会科に関しては、次々に通説がひっくり返っています。鎌倉幕府の成立時期、長篠の合戦における火縄銃三段撃ちなど、私が教員になった頃とは...うちの先生は不勉強?

  • ファシストの手先?

    「指導もいけない?」6月10日『コロナ日常に潜むファシズム』という見出しの記事が掲載されました。国際日本文化研究センター教授大塚英志氏が、『コロナ禍と戦時下の共通性を指摘』する記事です。記事の中で大塚氏は、『ファシズムと聞けば、我々は、善良な市民が銃を突きつけられて従ったというイメージを持ちがちです。しかし実際は、自発的にそうした生活空間を作っていった側面がある』と語り、『マスクを着けることや生活を変化させることが個人の倫理ではなく公共的な意味合いを持った先には、道徳心や国を愛する心の強制が地続きで存在する』と警鐘を鳴らしていらっしゃいました。マスク警察という言葉がありましたが、まさしく戦中おしゃれをしている女性を「我こそ正義なり」という態度で糾弾した婦人会の面々の姿とぴったりと重なります。大塚氏の指摘は的を射...ファシストの手先?

  • SNS発信で責任は果たせるか

    「それでいいのでしょうか」6月10日『大坂が問う発信の形』という見出しの記事が掲載されました。テニスの大坂なおみ選手が全仏オープン前、『「選手の精神状態が無視されている」と訴え、規則に定められている記者会見に応じない』意向を表明し、その後うつ病を患っていることを告白した件についての特集記事です。その中に、『以前は記者会見が選手とファンをつなぐ唯一の手段だった。今はソーシャルメディアがある。なおみはとても若く、ソーシャルメディアと自分のチャンネルを通じて発信する能力を持って育った』と大坂選手の訴えを肯定する見解が紹介されていました。実は私は、大坂氏の会見拒否に否定的な立場でした。極論だと承知で言いますが、ネットをはさんで決められたラインの中にラケットでボールを打ち、そのボールを落ち返す、そんな行為はこの社会にとっ...SNS発信で責任は果たせるか

  • 日本式の長所も考えて

    「ルックジャパン」6月9日法政大名誉教授田中優子氏が、『日本化の過程』という表題でコラムを書かれていました。その中で田中氏は、葛飾北斎の画業と算術を取り上げ、『北斎の出現と算術の興隆には共通点がある。それは、第一に海外から移入されたものをそのまま使うのではなく、作り直して日本化したことだ』と書かれています。北斎は『ヨーロッパの遠近法や幾何学、化学顔料を使って~』、算術は『中国の数学書をを基にして日本の市場経済に必要な算術所に編集され~』ということなのだそうです。そして田中氏は、『海外のものをそのまま市場展開しても、独自の変革は起こらない。日本化の方法を思い起こすことが、喫緊の課題である』と現代のデジタル化社会について警鐘を鳴らしていらっしゃるのです。デジタル社会の進展については最も苦手な分野ですのでよく分かりま...日本式の長所も考えて

  • 世界新記録が出さえすればOK

    「目的と評価」6月8日『首相抽象論に終始』という見出しの記事が掲載されました。『7日の参院決算委員会』での菅首相の答弁について報じる記事です。記事によると『コロナ下で五輪を開催する「大義」の説明にも苦慮している』とのことです。具体的には、『「東日本大震災からの復興五輪」「人類が新型コロナに打ち勝った証」』と変遷し、現時点では『まさに平和の祭典だ。一流のアスリートが東京に集まり、スポーツの力を世界に発信する』と変わってきていると指摘しています。私は、菅首相の五輪開催に固執する姿勢には強烈な違和感を覚えていますが、ここではそのことについてではなく、目的を変えていくことの是非について述べたいと思います。学校でも、教委でも、ある事業を企画する際には、その事業の目的を起案書に明記します。目的のない事業はあり得ません。誰も...世界新記録が出さえすればOK

  • 分かりやすくを心掛けていたが

    「どういうことなんだろう」6月7日『10月、奈良で「法話グランプリ」日常に宗教的深みを選考委員長に内田樹さん』という見出しの記事が掲載されました。『宗派を超えて僧侶たちが集まり、仏の教えを説く「法話」でナンバーワンを目指す「H1法話グランプリ2021」が10月、奈良市内で開かれる』ことについて報じる記事です。記事の中で、選考委員長を務める内田樹氏が語られていることが引っ掛かっているのです。内田氏は、『何十年も心に残るのは、生々しい素材をドンと置かれ、教訓も落ちもないような話。自分で「どういうことだろう」と考え続けるからでしょう』『整理できないまま机の上に乗っかっているような話こそが人間の精神を活性化させるのでは』とおっしゃっています。そしてそれらを『のみ込めない話』と呼んでいらっしゃいます。何となく重要な指摘な...分かりやすくを心掛けていたが

  • 信頼を得る一貫性

    「信頼の有無」6月6日心療内科医海原純子氏が、『五輪のダブル・バインド』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、『子どものころ、父親と母親から一つの課題について全く違うことを言われると当惑して親が信じられなくなったりするものだが、こうしたダブル・バインド状態が今の日本の空気のように思える』と書かれています。海原氏はコロナ禍と五輪開催について論じていらっしゃるのですが、このダブル・バインドと信頼の関係は、教員にとって常に自覚しておく必要がある問題です。人間は成長し大人になっていく過程で、世の中にはいくつもの基準や価値判断が混在し、それを自分の都合が良いように使い分けしていくことを学びます。それは善悪ではなく、生きる知恵としてです。こうした成長は「嘘」を巡る考え方に似ています。「嘘」はいけないという...信頼を得る一貫性

  • 「制服のお巡りさん」の威力

    「最善解は?」6月6日『大阪・池田小事件20年校門見守り74市区調査自治体6割「把握せず」』という見出しの記事が掲載されました。『大阪教育大付属池田小学校の乱入殺傷事件から8日で20年になるのを機に』行われた調査結果を報じる記事です。記事によると、『文部科学省は教職員らを(校門に)立たせるよう全国の自治体に通知しているが、どの程度実行されているか、詳細を把握していなかった』ということです。この結果を受け、東京学芸大教授渡辺正樹氏は、『国は教員の負担軽減のため門に配置する人員を確保する方法を明確化し、そのための予算も組む必要がある』と語られています。当然の指摘ですが、実現は難しいと思われます。私が指導室長をしていたとき、この問題が議論され始めました。当時は事件から間もないこともあり、社会の関心も高く、各校に「警備...「制服のお巡りさん」の威力

  • あなた任せに終止符を

    「学校の責任?どうすればいい」6月6日総合研究大学院大学長長谷川眞理子氏が、『「18歳意識調査」夢や希望大人が奪った』という表題でコラムを書かれていました。その中で長谷川氏は、日本財団が日本を含むインド、インドネシア、ベトナム、中国、韓国、英国、米国、ドイツの9カ国を対象に行った「18歳意識調査」の結果を紹介なさっています。調査項目は、①『自分は大人だと思うか』②『自分は責任がある社会の一員だと思うか』③『将来の夢を持っているか』④『自分で国や社会を変えられると思うか』⑤『自分の国に解決したい社会課題があるか』⑥『社会の課題について家族や友人と積極的に議論しているか』⑦『自分の国は将来良くなると思うか』ですが、全ての項目でダントツの最下位なのです。この結果を受け、長谷川氏は、『がくぜんとし、日本の将来を真剣に憂...あなた任せに終止符を

  • 小学校教員失格

    「小学校教員失格」6月5日読者投稿欄に、町田市の中学生E氏の『人の個性が出る文字』というタイトルの投稿が掲載されました。その中でE氏は、『人は書く字で印象が変わる。字がきれいだったら好印象を与え、字が下手だったら悪い印象を与える』という習字の教員の言葉を引用なさっていました。嫌な指摘ですが、真実です。私はひどく字が下手です。指導主事になり、当時は起案書を手書きで作成していたのですが、先輩指導主事が私の起案書を見て、「お前、よく試験に合格したな」と言ったのです。私としては、最大限丁寧に気を遣って書いたつもりなのですが、確かにひどい字でした。そんな私ですから、子供のころから字への劣等感は強く、教員になることが決まったときも、一番の不安は黒板に書く字が下手なことでした。5年生を担任したのですが、子供たちはそれまで「字...小学校教員失格

  • 戦々恐々の日々

    「恐々と過ごす日々」6月4日『「机に落書き」も中2自殺の一因兵庫・第三者委』という見出しの記事が掲載されました。『兵庫県尼崎市で2018年11月、踏切で電車にはねられ死亡した市立中学2年の男子生徒について、転校前に通っていた神戸市立の小中学校でのいじめいじめの有無などを確認するため神戸市教委が設けた第三者委員会は3日、小学校で机に「死ね」などと落書きされるいじめを受け、このいじめが一因で自殺したとする調査報告書を提出した』が全文という短い記事です。2年前、しかも卒業して中学校に進学し、さらに他の市の中学校に転向した生徒の自殺原因が、小学校のときのいじめにあるという判断が示されたわけです。亡くなられた生徒の長きにわたる悲しみや苦しみは想像を絶する深いものだったのでしょう。改めてご冥福をお祈りします。そう感じる一方...戦々恐々の日々

  • 意見表明権は認めない、で押し通す?

    「意見表明権」6月2日『12歳以上接種「本人の判断」厚労省』という見出しの記事が掲載されました。『コロナウイルスワクチンの公費による接種対象が「16歳以上」から「12歳以上」に拡大したことを受け、田村憲久厚生労働相は1日の記者会見で「我々は接種を推奨しているが、打つ打たないは最終的に本人の判断になる」』と述べたことを報じる記事です。まあ当然という内容です。しかし、田村氏の発言を素直に読むと、実は学校にとって難しい問題が含まれているのです。子どもの権利条約に定めのある「子供の意見表明権」尊重に関わる問題です。12歳以上の子どものワクチン接種は、學校での集団接種になる可能性が高いと思われます。学校という集団生活の場では、どのように対処しても「同調圧力」が働きます。学級や部活等で、一人だけワクチンを打たないということ...意見表明権は認めない、で押し通す?

  • 子供の学ぶ、の意味

    「子供に学ぶ、の意味」6月1日精神科医香山リカ氏が、『ストレスは人それぞれ』という表題でコラムを書かれていました。その中で香山氏は、『「ペットロスなんです」とやって来た女性に、「つらいですね。ワンちゃんですか?」と尋ねた。するとその人は目に涙を浮かべ「コオロギなんです」と答えたので、私はうっかり「え、コオロギ?」と驚いたような声を出してしまった(略)彼女にとっては、「大切なペットがいなくなって悲しい」というのと同じくらい、「それを誰にもわかってもらえない」というのがつらさの原因になっていたのだ』という失敗を告白なさっていました。いくら経験を積んだ医師でも、「コオロギのペットロス」は想定外だったのでしょう。香山氏は、この失敗経験から『「何がつらさや悲しさの原因か」は人によって大きく違う(略)他人が「そんなことをス...子供の学ぶ、の意味

  • 「正しさ」で考えたい

    「功利主義」5月31日『「多様性は必要不可欠」東大学長が就任会見』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『東京大の藤井輝夫学長が5月17日に記者会見を開いた』ということです。そこで藤井氏は、『多様な人が議論すれば、より質の高い、共感性の高いものが生まれる。ダイバーシティーが学術の高みを目指すなら必要不可欠な考え方だ』と述べたそうです。なんだかムズムズします。もちろん、多様性重視には賛成です。しかし、「学術研究上有用」だからダイバーシティーを目指すという言い方が気になるのです。要するに、役に立つから、利益になるから、得だから、ダイバーシティーを尊重するという理屈に聞こえてしまうのです。そうした言い方が、ある種の人を説得するのに有効であることは分かります。しかし、ダイバーシティーの尊重という概念は、損得...「正しさ」で考えたい

  • 多数派の幸せは少数派の我慢の上に

    「個人は多数派の犠牲に?」5月28日『「女子トイレ制限」逆転敗訴性同一性障害職員』という見出しの記事が掲載されました。『戸籍上は男で、女性として生きるトランスジェンダーの経済産業省の50代職員が、女性トイレの利用を不当に制限されたとして国に処遇改善を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は27日、利用制限を違法とした1審・東京地裁判決を変更し、原告職員の請求を棄却した』ことを報じる記事です。記事によると、その理由として高裁は、『職場で幸福でありたい気持ちは誰もが有する。経産省は他職員の性的不安を考慮し、全職員に適切な職場環境を構築しようと責任を果たした』と述べています。考えさせられる判決です。原告は上告する意思を示しており、最終的な判断がどうなるかは未定ですが、正直意外な判決でした。断っておきますが、私はこの判決が...多数派の幸せは少数派の我慢の上に

  • 影響はなかったのか

    「別のことが気になる」5月27日『「女子不利」見過ごし続け小手先「是正措置」甘く都立高合格点に差』という見出しの記事が掲載されました。『男女別に募集定員を設定している東京都立高校の入試で、女子の合格ラインが男子を大きく上回る状態が続いている』ことを報じる記事です。記事によると、『女子の合格最低点が男子を100点以上も上回る高校があった』ということで、最高では243点も差があったということです。当然のことながらこうした実態に対して、不公平だという指摘が寄せられています。解説も直ちに是正策を講じるべきだと指摘しています。全く同感です。しかし私は、この記事を読んで、全く別の問題意識をもってしまいました。それは授業が成り立っていたのか、という疑問です。言うまでもないことですが、高校は入試によって、生徒の学力ごとに輪切り...影響はなかったのか

  • 償うことは可能ですか

    「償い可能?」5月22日劇作家で女優の渡辺えり氏が、人生相談欄で、18歳男性の『父の指導がトラウマに』という相談に答えていらっしゃいました。厳しい父の指導について『今でもそのことを思い出し、涙が急にあふれ、取り乱すことがある』という男性に対し渡辺氏は、『お父さんに褒められてうれしかったことはありますか(略)あなた以外の誰かを怒ったり褒めたりしていた様子は覚えていますか?そのやり方は支持できるものだったでしょうか』と問いかけ、『(お父さんが)うれしそうな顔をして褒めてくれたかどうかが気になります。そういう思い出が多くあるのなら、人が変わるほどに怒られても、褒められたときの場面を頭に描き続ければ、トラウマは薄くなっていく気がしています』と答えていらっしゃいました。ありふれた相談なのかもしれませんが、私はとても真剣に...償うことは可能ですか

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