2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
2018年に公開された日本映画です。こういった特殊な世界をストレートに舞台にした作品は最近あまりお目にかかりません。“東映”ならではというところですね。キャスティングも、以前であればこういった作品の常連の役者さんがズラッと並ぶのでしょうが、本作の場合はいわゆる“芸達者”の面々を揃えたという感じでしょう。役所広司さんは、こういったトーンのキャラクタでも存在感抜群ですが、松坂桃李さんの熱演もよかったですね。あと、中村倫也さんの“狂気”がかった演技も印象的でした。続編もあるようなので、また機会をみてトライしてみたいと思います。孤狼の血[DVD]役所広司TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕孤狼の血
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。ちょっと変わったテーマを追った“トラベル・エッセイ”ですね。「ナマハゲ」以外には聞いたことのない祭ばかりでしたが、その背景やしきたりはその地の人々の生活に根付いたものであり、どれもとても興味を惹きました。ただ、それぞれの祭に関する記述については、実際に“祭”の現地に足を運び、自分自身の感性で“祭”が発するスピリットを体感してのものとはいえ、著者の大石始さんの体験の覚えが中心。“祭”の由来等にも少しは触れてはいますが、郷土史の引用程度のちょっと物足りない内容でした。そういった中でも、日本各地を巡って“祭”を取材し続けている大石さんならではの気づきは大いに首肯できるものでした。「佐八のかんこ踊り(三重県伊勢市)」の紹介に併せて、改めて“...異界にふれるニッポンの祭り紀行(大石始)
2000年に公開されたアメリカ映画です。第73回アカデミー賞受賞作ということで流石に見応えがありました。主人公は実在の人物ではありませんし、設定も非現実的なところがかなりありますが、“歴史大作”として見えるようにしっかりと作り込まれた作品だと思います。ラッセル・クロウは、こういった地味ですが力強い渋めのヒーローが似合いますね。また、主人公を取り巻く面々に魅力的なキャラクターを配していたのも秀逸でした。グラディエーター[DVD]ラッセル・クロウジェネオン・ユニバーサル〔映画〕グラディエーター
2007年に公開されたアメリカ映画です。典型的な“B級”アクション作品なので、特にあれこれコメントはありません。リアリティのない設定に一本調子のストーリー、織り込まれたサプライズも見え見えです。配信サービスの玉石混淆のラインナップを拾っていると、当然こういったジャンルの作品にもあたるのですが、それはそれで楽しみでもあります。観る作品のどれもこれもが“力作”“大作”ばかりだとそれこそ息が詰まってしまうでしょう。ボディ・アーマー[DVD]ティル・シュバイガーNikkatsu=dvd=〔映画〕ボディ・アーマー
1987年に公開されたイタリア・中華人民共和国・イギリス・フランス・アメリカの合作映画です。公開時に大きな話題を呼んだ超大作で、坂本龍一さんによる日本人初のアカデミー賞作曲賞受賞をはじめ、第60回アカデミー賞9部門受賞したことでも有名ですね。主人公の愛新覚羅溥儀の生涯自体が超絶ドラマチックなので、映画という表現形式にそもそも相応しいのですが、さらに史実に拘らない演出でインパクトの大きな作品になったようです。ラストエンペラー[DVD]ジョン・ローン松竹ホームビデオ〔映画〕ラストエンペラー
2012年に公開されたアメリカ・スペイン合作映画です。サスペンスタッチの設定やストーリーを楽しむというよりも、キャスティングとその役者さんたちの演技に魅せられるといった類の作品ですね。もちろんラストのサプライズも見どころですが、ロバート・デ・ニーロ、シガニー・ウィーバー、キリアン・マーフィーと芸達者が並ぶと、それだけでも期待値が高まります。とはいうものの、せっかくのロバート・デ・ニーロは、もっとあくが強くてもよかったような気がしますね。レッド・ライト[DVD]キリアン・マーフィーワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕レッド・ライト
2014年に公開されたイギリス映画です。“しあわせ探し”をテーマに、世界各地を回りながらさまざまな人たちに巡り合ってのエピソードを連ねたロードムービーですね。結局は予定調和的なエンディングを迎えるのですが、まあ、こういった軽めのハートフルコメディなのでそれも自然な作りでしょう。ロザムンド・パイクの出番が少ないのはもったいないですが、サイモン・ペグは彼ならではの“いい味”を出していたと思います。しあわせはどこにある[DVD]サイモン・ペッグKADOKAWA/角川書店〔映画〕しあわせはどこにある
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第25作目」です。今回の舞台は“志摩半島(三重県)”。三重県は、唯一私が足を踏み入れたことがない都道府県です。せめていつか伊勢神宮は訪れたいと思っているのですが・・・。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、このところのシリーズの中ではよく出来た方の作品だと思います。ここまで偶然が重なるかという点については、エンターテインメント作品の場合、ある程度やむを得ない...志摩半島殺人事件(内田康夫)
2022年に公開された日本映画です。神田川を舞台にした“青春ストーリー”ですが、ある意味“映画らしい”ともいえる一風変わったテイストの作品です。冒頭からの「長回し」という“つかみ”から始まり、奇妙なキャラクターが乱入する演出は好き嫌いが分かれるかもしれませんね。私の場合は、何度か途中で観るのをやめようかとも思ったのですが、結局最後までたどり着いたといった感じです。最後まで観通すと、清々しくもホッとした気分になれます。ラストシーンも秀逸でしたね。神田川のふたり[DVD]通常盤上大迫祐希,平井亜門Happinet〔映画〕神田川のふたり
2010年に公開された日本映画です。「第2回WOWOWシナリオ大賞」を受賞した作品を、まずはTVドラマ化し、それを映画としても公開したものとのこと。シナリオが評価されたということは、素人受けする単純なエンターテインメント性は今一つということに気づきませんでした。サスペンスタッチなので、織り込まれたエピソードに工夫は感じられるのですが、全編を通した印象は、ストーリー展開に起伏がなく、観終わっても何も起こらず拍子抜けしたという感覚です。正直なところ、永作博美さんで何とか少し持ち直せたかなというところですね。蛇のひと[DVD]永作博美ソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕蛇のひと
2002年に公開されたアメリカ・イギリス合作映画です。「ハリー・ポッターと賢者の石」に続く“ハリー・ポッター”シリーズの第2作目、前作の完全な続編になります。若年層を主なターゲットにしたファンタジー作品にしては、上映時間もかなり長時間に及びますが、物語の舞台がしっかりした時代観の中で設定されていて、モチーフも明確、さらには映像も綺麗ですから安定した品質で楽しむことができますね。とはいえ、連続して観るにはかなりのエネルギーが必要なので、ちょっと間をおいて第3作にもトライすることにしましょう。ハリー・ポッターと秘密の部屋[DVD]ダニエル・ラドクリフワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ハリー・ポッターと秘密の部屋
2017年に公開されたアメリカ映画です。2011年に再度映画化された新しい「猿の惑星」シリーズ3部作の最終版ですが、本作を観て、改めて私の映画に対する“批評眼”の歪みを痛感しました。この作品に対する批評家の評価はとても高いのです。私の印象では、新シリーズも続編が登場するごとに品質が劣化していき、本作品に至っては正直なところ“駄作”といってもいいように感じていました。ストーリーは単なるリベンジもので、そもそもの猿と人との対立軸が矮小化してしまっています。途中に登場するキャラクタの位置づけもはっきりしません。どうやら、1968年の衝撃的な第1作目のメッセージ性は消えてなくなったようです。猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)[DVD]アンディ・サーキスHappinet〔映画〕猿の惑星:聖戦記
2017年に公開されたイギリス、オランダ、フランス、アメリカの4カ国合作映画です。第90回アカデミー賞では編集賞、録音賞、音響編集賞を受賞したとのことですが、確かにしっかりした作りの見応えのある作品だと思います。物語の中に複数の舞台とそれぞれに主人公を配した構成で、それらを必要以上に複雑に絡めないで無理なくストーリーを進めていきます。戦争映画にしては、あまり過激な戦闘シーンを織り込んでいないのも、映像で魅せる自信があるからでしょうか。ダンケルク[DVD]フィオン・ホワイトヘッドワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ダンケルク
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。岡本太郎さんの著作ということで、迷いなく手を伸ばしました。内容は、岡本太郎記念館館長でもある平野暁臣さんがプロデュースし“岡本太郎さんの言葉”を集めたものです。改めて岡本さんの“強い言葉”には大いに興味を惹かれ、また刺激をうけました。それらの中からいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「きみは自分自身と闘え。」とタイトルされた小文から、いかにも岡本さんらしいメッセージが語られているくだり。(p24より引用)人はなんのために生まれてくるのか?闘うためだ。・・・ほんとうの闘い、無目的的な闘いのことだ。闘うなかでいちばんの強敵――それは自分自身だ。・・・意味なく卑しく憤ってみたり、卑しく甘えてみたり、卑しく妥協したり。そんな自分と...きみは自由に生きているか(岡本太郎)
2013年に公開されたアメリカ映画です。ちょっと前に「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」を観たのですが、本作はその“続編”です。前作との連続性が強いので、この作品単独では登場人物の位置づけがわからず、楽しみが半減してしまいそうです。まあ、エンターテインメントとしての“ファンタジー”性は前作の方が秀でているので、いずれにしても物足りなさが残る作品でした。さらなる続編を予見させるようなラストですが、現在まで制作されていないところをみると、シリーズ化するまでには至らなかったということですね。パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海[DVD]ローガン・ラーマンHappinet〔映画〕パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々/魔の海
2011年に公開されたフランス・アメリカ合作映画です。“復讐モノ”のサクション作品ですが、ストーリーよりも特異なキャラクタの主人公を女性に置いた設定と、リュック・ベッソン製作・脚本という点がウリでしょう。そしてそれを実際の映像として魅せたのがゾーイ・サルダナということです。この作品、批評家の評価は今一つのようですが、シンプルなエンターテインメント作品としては無邪気に楽しめましたね。コロンビアーナ[DVD]ゾーイ・サルダナHappinet(SB)(D)〔映画〕コロンビアーナ
2008年に公開されたアメリカ映画です。爆弾テロが頻発する中東を舞台とした“戦争モノ”で、第82回アカデミー賞では6部門で受賞しました。結末に向かって様々なエピソードが配置されたストーリーが展開していくようなエンタメ大作ではなく、爆弾処理班の日々の活動が訥々と描かれた地味な作品です。ジェレミー・レナーとアンソニー・マッキーが、対照的なキャラクターを演じていて、その絡みが見どころのひとつですね。ハート・ロッカー[DVD]ジェレミー・レナーポニーキャニオン〔映画〕ハート・ロッカー
2012年に公開された香港映画です。一昔前の刑事ドラマをちょっと力をいれて作ってみたといった感じの作品です。警察を舞台にしていますが、モチーフにリアリティはまったくありませんし、ストーリーも不自然で今ひとつ感満載ですね。不自然さといえば、西欧風の名前。香港では普通なのかもしれませんが、どうにもしっくりきません。さらに、ラストの“次へ続く”といった演出も完全に逆効果でした。コールド・ウォー香港警察二つの正義[DVD]レオン・カーファイパラマウントホームエンタテインメントジャパン〔映画〕コールド・ウォー香港警察二つの正義
2014年に公開されたアメリカ映画です。2011年にリスタートした新たな“猿の惑星シリーズ”の第二作目の作品です。前作の完全な続編という位置付けですが、三部作の予定であることから言えば、物語としては“繋ぎ”のパートでもあります。それだけに単独作品としての評価は難しいところでしょう。私の正直な印象は、至って平凡だったという感じです。猿の世界と人間の世界とを“相似形”と規定してストーリーを組み立てているのですが、それ故に、物語の展開が予想でき、作品としても小ぢんまりとまとまり過ぎたように思います。まあ、取り敢えず第三作目もトライしてみますが、さて、いい意味で予想を裏切ってくれるでしょうか?猿の惑星:新世紀(ライジング)[DVD]アンディ・サーキスHappinet〔映画〕猿の惑星:新世紀(ライジング)
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、機会があればあまり馴染みのない作家さんの作品を読んでみようと思っていました。本作品は、最近観た同名映画の原作です。ただ、映画化にあたってはオリジナルストーリーに改変されているとのことだったので、元々の「原作」ではどんな感じだったのか確かめてみようと手に取ったものです。小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、主な登場人物やいくつかのエピソードは重なっていて“全くの別物”とは言えないまでも、かなりテイストは異なっていました。主人公を演じた役者さんのキャラクタからも明確なように、映画の方が“エンターテインメント性”は圧倒的に豊かです。他方、小説の方は、銀行内のよりリア...シャイロックの子供たち(池井戸潤)
2010年に公開されたアメリカ映画です。ショーン・ビーンやピアース・ブロスナンが出演しているわりには、想像していたものよりもずっと子供向けのファンタジーでした。基本的なつくりは、仲間が力を合わせてステージをクリアしていくというゲーム感覚の“トレジャーハンティング”ものですね。これといって尖った特徴はなく、まあ“可もなく不可もなし”といった印象です。今一つの作品ですが、シリーズ続編も作られているようなので一応はトライしてみましょう。パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々[DVD]ローガン・ラーマンHappinet〔映画〕パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
2002年に公開されたアメリカ映画です。大恐慌時代のシカゴ、マフィアの世界を舞台にした作品ですが、単なるドンパチシーンはほとんどない重厚な作りでした。「子連れ狼」をモチーフにしているとのこと、言われてみれば首肯できるところがありますね。あと特筆すべきはキャスティングです。トム・ハンクス、ポール・ニューマンにジュード・ロウ、さらにはダニエル・クレイグと並ぶ面々には驚かされます。ロード・トゥ・パーディション<特別編>[DVD]トム・ハンクスHappinet〔映画〕ロード・トゥ・パーディション
1946年に制作されたアメリカ映画です。“シャーロックホームズ”と銘打たれていますが、コナン・ドイルの手にによる個別の作品が原作ではなく、彼の短編小説をもとにしたオリジナルストーリーとのことです。オルゴール制作の意図も不明ですし、犯人たちがその秘密を知った経緯も描かれていないので、ミステリーとしてはまったく成立しえないレベルでしょう。“1946年の映画”という時代感を楽しむ作品ということです。シャーロックホームズの殺しのドレス[DVD]ベイジル・ラスボーンメーカーオリジナル〔映画〕シャーロックホームズの殺しのドレス
2011年に公開されたアメリカ映画です。「猿の惑星」といえば1968年公開の名作を思い浮かべますが、本作は“優れた知能を持つ猿”というモチーフのみを活かした“全く別物の物語”です。本作をリスタートとしてこの後「続編」が作られているので、少なくとも次の作品まで観て、新たなシリーズの設定やストーリーの好悪を推し測ることにしましょう。正直な感想を言えば、本作品だけだと、とても中途半端な出来栄えと言わざる得ませんね。猿の惑星:創世記(ジェネシス)[DVD]ジェームズ・フランコ20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン(FOXDP)〔映画〕猿の惑星:創世記
2023年に公開されたアメリカ映画です。アガサ・クリスティによるミステリー小説が原作のエルキュール・ポアロものですが、ケネス・ブラナー監督・主演のシリーズとしては第3作目となります。前2作に比較すると、舞台も地味、ストーリーも抑圧された感じで、エンターテインメントとしては今一つといった印象です。原作の小説とはかなり登場人物も物語も変更されているようで、ラストのサプライズもそれほど効果的だとは思えません。期待が大きかったせいもあり、ちょっと残念でしたね。名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊ブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]ブルーレイ+DVDケネス・ブラナーHappinet〔映画〕名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊
最近聴き始めたpodcast番組に著者の東京大学史料編纂所教授本郷和人さんがゲストで登場していて、歴史の捉え方をはじめ様々な歴史学習の意味についてお話しされていました。なかなか興味深い内容だったので、その番組でも紹介されていた本書を読んでみようと手に取ってみたという次第です。さて、読んでみた感想です。正直、期待していたものとはかなり違っていました。私の場合、ほとんどの本は、図書館の蔵書リストから検索したものを予約して受け取るので、手にするまでは実物は全く見ていません。実際パラパラとでも見ていれば、この本は借りなかったでしょう。もちろん、記述内容に非があるわけではありません。記述イメージが想像していたものと大きく異なっていたということです。つくりとしては、古墳時代の卑弥呼にはじまり昭和期に至るまでの歴史に名...東大教授がおしえるやばい日本史(本郷和人)
2001年に公開されたアメリカ映画です。1968年公開の名作「猿の惑星」と全く同じ原題の作品ですが、“猿が人間を支配する構図”以外は全く別のストーリーです。1968年の作品ではラストシーンのサプライズが超弩級だったことから当然本作でも注目されたのでしょうが、こちらのインパクトは今一つでしたね。まあ、超名作をモチーフにしたリスクとも言えますが、太刀打ちするには相手が悪過ぎたようです。PLANETOFTHEAPES/猿の惑星[Blu-ray]マーク・ウォールバーグHappinet〔映画〕PLANETOFTHEAPES/猿の惑星
2023年に公開された日本映画です。2016年に「ゆとりですがなにか」というタイトルで放送されたテレビドラマの映画版です。宮藤官九郎さんのオリジナル脚本作品なので、テイストは彼らしいコメディなのでしょう。ただ、テレビドラマの事前知識がないと、そもそもの登場人物のキャラクタや相互の人間関係が不案内のまま物語がどんどん進んでいくので、正直あまり楽しめませんでした。映画『ゆとりですがなにかインターナショナル』通常版DVDDVD岡田将生バップ〔映画〕ゆとりですがなにかインターナショナル
2010年に公開されたイギリス映画です。エイリアンの侵略をテーマにしたSF作品ですが、エイリアン自体はH.G.ウェルズの小説で描かれた火星人のような“タコ型”という貧弱な造形ですし、画面にもほとんど登場しません。かなりの低予算での制作だったようで映像効果でみせる類ではなく、地味なストーリー展開がじわっと効いてくるようなテイストです。その点では、ちょっと面白い出来栄えでしたね。モンスターズ/地球外生命体[DVD]スクート・マクナリー東宝〔映画〕モンスターズ/地球外生命体
2020年に公開された日本映画です。「スマホを落としただけなのに」の主人公を替えての続編ですが、その主人公のキャラクタにかなり無理がありますね。それに合わせて何人かの登場人物も擾乱要因でしかない雑な設定で、物語自体を台無しにしてしまいました。“スマホを落としただけなのに”というシチュエーションづくりも、いかにもわざとらしくていただけません。千葉雄大さんも白石麻衣さんも、映画のなかで存在感を発揮するのはなかなか厳しそうですね。スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼DVD通常版千葉雄大東宝〔映画〕スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…
少し前に、大江英樹さんによる「90歳までに使い切るお金の賢い減らし方」という本を読んだのですが、その中で本書が紹介されていました。私も「定年」を目の前に控え、僅かではありますが手元にある“資産の処し方”について考えてみなくてはならない歳になりました。そのあたりのヒントにと手に取った著作ですが、結構参考になるアドバイスや新鮮な気づきが得られました。その中から特に有益だと感じたところを覚えとして書き留めておきます。まずは、著者が本書で伝えたいメッセージを端的に記しているくだりです。(p19より引用)今しかできないことに金を使う。それこそが、この本で伝えたいことの核だ。90歳になって水上スキーを始めるのは難しい。今それを我慢すれば、その分の金は貯まるだろう。だが、十分な金を得たときには、すでにそれができない年齢...DIEWITHZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール(ビル・パーキンス)