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  • 親密な手紙 (大江 健三郎)

    いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。大江健三郎さんに関わる本は、以前「同じ年に生まれて-音楽、文学が僕らをつくった」という小沢征爾さんとの対談集ぐらいしか読んだことはないと思います。本書は、小冊子「図書」連載のコラムを収録したものとのことで、第一印象では読みやすそうな印象をもったので手に取ってみました。数々の興味深いエピソードや大江さんらしい思索の紹介がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきましょう。「人間を慰めることこそ」と題された小文から。大江さんの義父にあたる伊丹万作さんのエッセイからの引用です。(p29より引用)私が十三に代って書いた解説のなかに引用しているものだが、伊丹万作が戦後すぐ、その死の直前に発表したエッセイの次の言葉に、「福島三・...親密な手紙(大江健三郎)

  • 〔アニメ〕わたしの幸せな結婚

    2023年に放映された日本のアニメです。小説が原作ですが、コミック、実写映画、そしてこのアニメと様々なメディアで取り上げられた作品です。一昔前のファンタジー系のいわゆる少女コミック路線で、今の感覚では、かなり“時代錯誤”的なプロットですね。ただ、ウジウジし続けた主人公がラストで大きな変身を遂げてそれまでの留飲を下げるというストーリー展開は、“王道”のひとつでもあります。わたしの幸せな結婚第1巻《通常版》[DVD]4988111664730久保田雄大KADOKAWAアニメーション〔アニメ〕わたしの幸せな結婚

  • 〔映画〕デスノート Light up the NEW world

    2016年に公開された日本映画です。先の「デスノート」「デスノートtheLastname」の続編ですが、これはどうにも残念な作品です。まず、ストーリー自体が不必要に複雑な展開の割にはエピソードの背景やそこに至る経緯が捨象されているので、素直に流れに入っていけません。キャスティング面でも、今ひとつキャラクタの魅力が十分に発揮されていませんね。これは失礼な物言いになりますが、正直な印象では、演じた役者さんのインパクトの軽さによるところも大きいと感じます。ただ、そもそもの主要人物のプロット自体の弱さが根本的な要因だともいえるでしょう。それだけ、前作の「L」のキャラクタが鮮烈だったということです。デスノートLightuptheNEWworld[DVD]東出昌大バップ〔映画〕デスノートLightuptheNEWworld

  • 〔映画〕L change the WorLd

    2008年に公開された日本映画です。先の「デスノート」のスピンオフ映画で、“L”が主人公の完結作品です。「デスノート」の設定や物語は背景としては意識されていますが、全く別のモチーフでつくられたストーリーなので「デスノート」ファンの評価は分かれるでしょうね。正直な印象でいえば、「デスノート」の関係作だということ、主役が松山ケンイチさんが演じる“L”だということ、この2点を除いてみると、ありがちな感染症パニック映画なのでインパクトは薄いですね。逆に、松山ケンイチさんの“L”に思い入れがあれば、魅力的な作品になるのかもしれません。LchangetheWorLd[DVD]松山ケンイチバップ〔映画〕LchangetheWorLd

  • 〔映画〕必殺! III 裏か表か

    1986年に公開された日本映画です。テレビドラマで人気だった「必殺シリーズ」ですが、このところはるか昔に映画化された作品を続けざまに観ています。今回は第3作目、それまでのものとはかなりテイストが違います。本作は主水に降りかかる事件を必殺の仲間たちが助けに奔走するという変わったプロットで、そこにもう一人の主役が絡んでいきます。その役を担ったのが松坂慶子さん。最初に登場したシーンは地味でしたが、その後は流石の存在感。このころの松坂さんは別格の輝きですね。あと、途中に差し込まれた「せんさん」と「りつさん」の律儀な姿もよかったです。見直しました。<あの頃映画>必殺!III裏か表か[DVD]藤田まことSHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)(D)〔映画〕必殺!III裏か表か

  • 恐山殺人事件 (内田 康夫)

    かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第21作目」です。今回の舞台は“恐山”。恐山には、大学時代に東北をぐるっと回る旅行をした際訪れたことがあります。もう45年ほど前になりますが、いかにも“賽の河原”といった荒涼とした風景が記憶に残っています。ネタバレになるとまずいので内容の詳細には触れませんが、この作品、内田さんのミステリーにしてはかなりレベルが低いと言わざるを得ません。犯行の動機は極めて在り来たりですし、読者の推理をミ...恐山殺人事件(内田康夫)

  • 〔映画〕エリザベス

    1998年に公開されたイギリス映画です。こういった歴史上の人物を描いた作品の場合、しばしば、史実に忠実なところと映画ならではの脚色のところとの差が取りざたされることがあります。その点、本作の場合は、レスター伯ロバート・ダドリーとの関係がもうひとつの物語の柱に据えられたことで、史実の映像化を期待する向きには物足りない出来栄えになったようです。また、主人公のエリザベスを演じたケイト・ブランシェットについて一言。彼女にとっては初期の代表作ですが、今観るとその発するオーラがまだ今ひとつだった感がありますね。まあ、それだけの存在感が求められる役者さんだということです。エリザベス[DVD]ケイト・ブランシェットジェネオン・ユニバーサル〔映画〕エリザベス

  • 〔映画〕デスノート the Last name

    2006年に公開された日本映画です。先の「デスノート」の後編なので、これだけ観ても無意味ですね。ただ、前編で引っ張ったわりには、この後編はかなりがっかりものでした。アイドルキャラやワイドショーネタはあまりに易きに流れてはいないでしょうか。これでは、前編の長さにエピソードを全部押し込んでグッと物語の密度をあげた方がよかったですね。ラストも緩いです。主人公の意味づけが甘いので、こういった扱いになるのでしょう。DEATHNOTEデスノートtheLastname[DVD]藤原竜也バップ〔映画〕デスノートtheLastname

  • 〔映画〕デスノート

    2006年に公開された日本映画です。同名のコミックが原作の作品ですが、後編の「デスノートtheLastname」とセットでひとつのストーリー完結というつくりです。なので、この作品単独では、イントロ的なエピソードとそれによる主人公たちのプロットの紹介にとどまっています。それでも後編に誘うには十分の内容で、「前編」の目的をしっかり果たしていますね。さて、それでは躊躇なく「後編」に突入することにしましょう。DEATHNOTEデスノート[DVD]藤原竜也バップ〔映画〕デスノート

  • 〔映画〕流浪の月

    2022年に公開された日本映画です。同名の小説が原作の作品ですが、モチーフの性質上、ストーリーは沈潜した独特のテイストです。なので、ラストも中途半端感が強いのですが、逆にスキっと幕が引けるような話でもありませんね。キャスティング面でいえば、主演の広瀬すずさん、松坂桃李さんの安定した演技に加え、横浜流星さんの少々過剰演出とも思える熱演、さらに白鳥玉季さん、増田光桜さんと主要な登場人物を演じたみなさんはとても見応えがありました。とはいえ、このモチーフ、私の好みからいえばちょっと外れているので観直すことはなさそうです。流浪の月DVDコレクターズ・エディション(3枚組)コレクターズ・エディション広瀬すずギャガ〔映画〕流浪の月

  • 錆びない生き方 (五木 寛之)

    いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。「サンデー毎日」連載のコラムの書籍化です。定番の「五木寛之」さんの最新版といってもいいエッセイなので、条件反射的に手に取ってみました。早速、私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、1972年春、モハメッド・アリさんへのインタビューの思い出から。(p145より引用)少量の白身魚の身を指でほぐして、貴重なものを味わうように口に運びながら、アリはこんなことを話した。「たとえばエンジェル・ケーキといえば真っ白いケーキで、デビル・ケーキというのはチョコレートで作った黒いケーキのことです。黒い帽子というと不吉の星を意味するし、脅迫することをブラック・メイルという。ブラック・リスト、ブラック・マーケット、とにかく白は常に良くて、黒は常に悪い...錆びない生き方(五木寛之)

  • 〔映画〕MEMORY メモリー

    2022年に公開されたアメリカ映画です。比較的最近のリーアム・ニーソン出演作ということで観てみました。ジャンルとしては“アクション・サスペンス”ですが、まあ“可もなく不可もなし”といった印象です。登場人物の設定がストーリーの進展のなかで十分に活かし切れていないので、どうにも“中途半端感”が拭えません。リーアム・ニーソンの役どころも尻切れトンボですし、ラストのサプライズもかなり乱暴ですね。MEMORYメモリー[DVD]通常版マーティン・キャンベルインターフィルム〔映画〕MEMORYメモリー

  • 〔映画〕まともじゃないのは君も一緒

    2021年に公開された日本映画です。オリジナル脚本とのことですが、主人公たちのセリフのやり取りが絶妙ですね。成田凌さんと清原果耶さんのキャスティングも見事にマッチしていました。特に清原果耶さんは若手演技派との定評がありますが、こういった同年代の役柄を演じさせても“自然さ以上の存在感”を感じさせます。近年に珍しく、とても軽やかで清々しいテイストの作品でした。私は好みです。まともじゃないのは君も一緒[DVD]成田凌Happinet〔映画〕まともじゃないのは君も一緒

  • 〔映画〕必殺! ブラウン館の怪物たち

    1985年に公開された日本映画で、松竹創業90周年、朝日放送創立35周年記念作品とのことですが、確かに“お祭り映画”です。成功だったかどうかは大いに疑問ですが。まあ、ストーリー云々はさておき、当時の人気タレントがどういった顔ぶれだったのか、いろいろと感じるところがありますね。シリーズ定番のメンバの中条きよしさんや三田村邦彦さんが抜けてがちょっと地味なころですが、その分、映画の方は、それを補って余りあるバラエティに富んだゲスト出演者の面々です。もう40年も前の作品ということで、私としては、笑福亭鶴瓶さん、明石家さんまさんの若かりし頃もそうですが、柏原芳恵さん、塩沢ときさん、兵藤ゆきさんあたりが刺さりました。<あの頃映画>必殺ブラウン館の怪物たち[DVD]藤田まことSHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)(D〔映画〕必殺!ブラウン館の怪物たち

  • 〔映画〕八つ墓村

    1996年に公開された日本映画です。同じ原作で、1977年に松竹映画から渥美清さんの金田一耕助役で映画化されていますが、こちらは、東宝の提供。以前大ヒットした石坂浩二耕助シリーズの市川崑監督が手掛けた作品で、今回の金田一耕助役は豊川悦司さんが演じています。映画化にあたってのストーリーはかなり原作に忠実とのことですが、その点からいえば「映像」よりも“犯行の動機”を中心とした登場人物の「心情」が印象に残る作品でした。八つ墓村豊川悦司〔映画〕八つ墓村

  • 殺人のスポットライト (森村 誠一)

    いつも行く図書館の返却本の棚で目につきました。今読みかけている海外ミステリーのページがなかなか進まないので気分を変えたかったのと、ちょっと前に読んだ森村誠一さんの作品が今ひとつだったリベンジをということで手に取ってみた次第です。本書は、新宿のホームレスの世界を舞台とした8編の短編小説集です。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはりミステリーの「短編」というのは物足りなさが拭えませんね。ラストに向かっての急転直下の謎解きの強引さは、森村さんの筆力を持ってしても避けられなかったようです。殺人のスポットライト(光文社文庫)森村誠一光文社殺人のスポットライト(森村誠一)

  • 〔映画〕ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝

    2008年に公開されたアメリカ映画です。シリーズものですが、これといったオリジナリティはありません。感じからいえば「インディ・ジョーンズ」を「ミイラもの」に仕立て直したようなつくりです。ミシェル・ヨーも出演していますが、こういった作品に登場するヒロインとしてはステレオタイプのキャラクタでしたし、せっかくの彼女の魅力も中途半端な発揮に留まっています。如何にももったいないですね。ハムナプトラ3呪われた皇帝の秘宝[DVD]ブレンダン・フレイザージェネオン・ユニバーサル〔映画〕ハムナプトラ3呪われた皇帝の秘宝

  • 〔アニメ〕薬屋のひとりごと(シーズン1)

    2023年から2024年にかけて放映されたTVアニメです。もともとは2011年の小説が原作で、それからコミックを経てTVアニメとして登場した作品とのこと。ミステリーテイストのラブコメアニメですが、舞台設定と主人公をはじめとした主要人物のキャラクタがとても秀逸です。「薬屋」という主人公の設定はオリジナリティに富み、それを物語の謎解きに織り込んでいる構成は出色だと思います。加えて、ナレーションも含め声優さんたちの「演技(話しぶり)」が、作品のテイストや個々のキャラクタにしっくりとマッチしていて、映像とのシナジーを高めています。ともかく、何より、先に観た「葬送のフリーレン」に通じるところのあるヒロインが見事な存在感を放っていますね。薬屋のひとりごとSeason1Blu-ray完全版言語:日本語EDQMHFNV〔アニメ〕薬屋のひとりごと(シーズン1)

  • 〔映画〕エイリアンVS.プレデター

    2004年に公開されたアメリカ映画です。はるか以前には、シガニー・ウィーバー出演の「エイリアン」も、アーノルド・シュワルツェネッガー出演の「プレデター」も観たことはあるのですが、どちらも全く私の好みではありませんでした。なので、両者ともに登場する「エイリアンVS.プレデター」も生理的にダメだろうと思いつつトライしてみましたが、当然のことながら予想どおりの結果でした。こういう意味不明のストーリーや美的センスの欠片もないグロテスクな造型が、どうしてエンタメとして世に出ていくのか、謎ですねぇ。エイリアンVS.プレデター完全版[DVD]サナ・レイサン20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン(FOXDP)〔映画〕エイリアンVS.プレデター

  • 〔映画〕シン・ゴジラ:オルソ

    2023年10月27日に開催された第4回「『ゴジラ‐1.0』公開記念山崎貴セレクションゴジラ上映会」で初めて上映されたものとのことですが、早速配信サービスにラインアップされたので観てみました。「シン・ゴジラ」自体はもう何度も観ているのでストーリーは完全に頭に入っています。なので、映像の「モノクロ化」の効果如何が関心の中核になります。ただ、その点では、正直なところほとんどというか全くモノクロ化の意味は感じませんでしたね。そして、改めての感想。映像自体のクオリティは、素人目でしかありませんが、「ゴジラ‐1.0」をはるかに上回っていたように思います。ゴジラの造型のオリジナリティも含め、やはり本作品には別格の存在感がありますね。『シン・ゴジラ:オルソ』DVDDVD庵野秀明東宝〔映画〕シン・ゴジラ:オルソ

  • 大人のための生物学の教科書 最新の知識を本質的に理解する (石川 香・岩瀬 哲・相馬 融)

    いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。高校生のときは文系クラスだったので、理科は「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」を選択していました。そのころから生物はそこそこ得意で、今でも「生物学」については結構関心があります。本書は、ブルーバックスの新刊ということもあり、さっそく手に取ってみました。最近の話題を踏まえたテーマの選択は、私のような“生物学素人”にはありがたいですね。それそれの章ごとに興味深い話は多々ありましたが、その中から特に印象に残ったものをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「呼吸と発酵」。「呼吸」の基本で私が誤解していたところです。「呼吸(酸素を利用した好気呼吸)」は「解糖系→クエン酸回路→電子伝達系」というステップでATP(アデノシン三リン酸)を生成します。(p61より引用)ここ...大人のための生物学の教科書最新の知識を本質的に理解する(石川香・岩瀬哲・相馬融)

  • 〔アニメ〕キングダム(シーズン5)

    2024年に放映された人気TVアニメで、「シーズン5」です。本作品は原作コミックは読んだことがないのですが、これまでのアニメも公開された映画も一通り観ています。とはいえ、熱狂的なキングダムファンというわけではなく、正直言って、ここまでくるとかなり“惰性”の感があります。本シリーズの主役は「桓騎将軍」。その戦略眼は比類なきもので、まさに目的のためには手段を選ばない冷酷無比の強烈なキャラクタですね。キングダムシーズン5収録13話完全版Blu-ray監督:今泉健一脚本:高木昇ZXDUHFUDF〔アニメ〕キングダム(シーズン5)

  • 〔アニメ〕地獄楽(シーズン1)

    2023年に放映されたTVアニメです。原作のコミックは2018年から2021年にかけて連載され完結しているとのこと。本配信は「第一期」です。ここ数年はこういった感じのアニメがひとつの流行りのようですね。綺麗な絵と次々に順をおって登場する強力な敵役という構成は、PCゲームと同根です。本作品ですが、主人公たちの個性的なキャラクタがちょっと気になるので、シーズン2が配信されれば観るでしょうね。地獄楽「傘と墨」MAPPA〔アニメ〕地獄楽(シーズン1)

  • 〔映画〕ゴジラ-1.0

    2023年に公開された日本映画です。公開時には劇場でも観たのですが、早くも配信サービスで提供されていたので観直しました。日本のみならず海外でも評価が高く、第96回アカデミー賞では邦画・アジア映画史上初の視覚効果賞を受賞した作品で、素晴らしい出来栄えであることは否定しませんが、やはり2度目になるとインパクトは半減以下になりますね。ストーリーも単調ですし、ゴジラの造型も衝撃的だった「シン・ゴジラ」には及びません。あと演出面での疑問。劇場で観たときもそうだったのですが、沈んでいくゴジラに向かっての“敬礼”のシーンは意味不明です・・・。『ゴジラ-1.0』2枚組[Blu-ray]Blu-ray2枚組山崎貴東宝〔映画〕ゴジラ-1.0

  • 古代文字の解読 (高津 春繁・関根 正雄)

    いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。エジプト聖刻文字、楔形文字、ヒッタイト文書、ウガリット文書、ミュケーナイ文書、「古代文字の解読」という日ごろ触れることのないジャンルは大いに気になりますね。1964年発刊の著作が底本ということなので、今から半世紀以上前の内容ですが、当時の時代感も合わせて感じられる興味深いものでした。ただ、とても残念で情けないことに、本書に記された解説は言語学の専門的記述ばかりで、正直そちらの方面には全く門外漢の私にとっては全くついていくことができませんでした。そのなかで、何とか解説のイメージが浮かんだところを書き留めておきましょう。エジプト聖刻文字と楔形文字の「解読の手順についての相似」に触れたくだりです。(p134より引用)アケメネス朝の王達の刻...古代文字の解読(高津春繁・関根正雄)

  • 〔映画〕バニシング '72

    2019年に公開されたアメリカ映画です。1972年のユナイテッド・カリフォルニア銀行強盗事件に着想を得た作品とのことですが、犯罪映画というよりも、ライトタッチのコメディ的なテイストです。トラヴィス・フィメルとレイチェル・テイラーが演じた主人公と恋人とのエピソードというもう一本の柱と絡みながらのストーリー展開は、とても効果的だったように思います。小気味好いラストシーンも印象的でした。映画としての評判はそれほど高くないようですが、私は結構気に入りましたね。バニシング'72[DVD]トラヴィス・フィメルHappinet〔映画〕バニシング'72

  • 〔映画〕シャイロックの子供たち

    2023年に公開された日本映画です。エンターテインメント性に大きく振ったつくりなので、銀行を舞台にしていますが、描かれたエピソードにはリアリティは全くありません。気楽に楽しめるという点では、こういった作品もたまにはいいですね。キャスティングも阿部サダヲさんをはじめとして、橋爪功さん、佐々木蔵之介さん、柄本明さん、柳葉敏郎さんといった芸達者で固められていて、無難な仕上がりです。20年ほど前の池井戸潤さんの小説が原作とのことですが、映画化にあたっては完全オリジナルストーリーで作り変えられているんですね。どのあたりが、どこまで変えられたのか、機会があれば原作も読んでみましょう。シャイロックの子供たち(本編DVD1枚)本編DVD池井戸潤松竹〔映画〕シャイロックの子供たち

  • 〔映画〕やがて海へと届く

    2022年に公開された日本映画です。小説の物語は静かなトーンで進んでいきますが、主人公二人の対照的な性格と深入りし過ぎない関係が繊細なタッチで描かれていました。若手の俳優さんの中でも、その実力と存在感を発揮しつつある岸井ゆきのさんと浜辺美波さんが主演を演じたちょっと変わったテイストの作品ですが、二人のシナジーがうまく活きていたように思います。やがて海へと届く[Blu-Ray]通常盤岸井ゆきのHappinet〔映画〕やがて海へと届く

  • 〔映画〕鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

    2023年に公開された日本のアニメーション映画です。水木しげるさんの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」を原作としていますが、“水木しげる生誕100年記念作品”との位置づけで制作されたオリジナル作品です。なので、当初の「ゲゲゲの鬼太郎」のTVアニメを知っているファンからみると、鬼太郎が主人公ではない分、かなり意表を突かれた感覚でしょうね。他方、「ゲゲゲの鬼太郎」に馴染みのない観客にとっては、一風変わったテイストの「サスペンス」作品のように感じたかもしれません。ともかく作り手側にとっては、“鬼太郎の誕生”のエピソードに結び付けるのにかなりの苦労があったことでしょう。その苦労は十分に感じられる出来栄えでした。鬼太郎誕生ゲゲゲの謎関俊彦〔映画〕鬼太郎誕生ゲゲゲの謎

  • ゼロから分かる! 図解落語入門 (稲田 和浩)

    いつも利用している図書館のテーマ本コーナーで目についたので手に取ってみました。私は結構「落語」が好きで、夜、寝る前に布団に入ってCDで落語を一席聞くのが、このところの習慣のようになっています。さて、本書、改めて「落語の入門書」にはどんなことが書かれているのか楽しみに読み始めたのですが、落語の演目や落語家の紹介、寄席への誘い、落語家の平生をはじめ、落語で描かれた江戸風情の解説まで多彩なトピックが取り上げられていて、なかなかに楽しめる内容でした。著者の稲田和浩さんは、私とほぼ同年代ということもあり、昭和を中心とした部分の解説はスッと入ってきましたね。ゼロから分かる!図解落語入門稲田和浩世界文化社ゼロから分かる!図解落語入門(稲田和浩)

  • 〔映画〕必殺! THE HISSATSU

    1984年に公開された日本映画です。テレビで人気だった「必殺仕事人シリーズ」の映画版で、ストーリーよりもエンターテインメントに徹した演出や豪華な出演者が見どころですね。今回は、藤田まことさん、山田五十鈴さんをはじめとしたいつものメンバに加えて、片岡孝夫(現・十五代目仁左衛門)さん、中井貴恵さん、芦屋雁之助さん、研ナオコさん、朝丘雪路さんといった面々、特に片岡孝夫さんは流石に別格の存在感でしたね。別格といえば、赤塚不二夫さんも“漫画のキャラクタ”と一緒に登場していました。私にはこちらの方がインパクト大です。<あの頃映画>必殺!THEHISSATSU[DVD]藤田まことSHOCHIKUCo.,Ltd.(SH)(D)〔映画〕必殺!THEHISSATSU

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