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  • 枕草子を読んできて(135)その1

    123あはれなるもの(135)その1あはれなるもの考ある人の子。鹿の音。よき男の若き、御嶽精進したる。いでゐたらむ暁の額など、あはれなり。むつましき人の、目さまして聞くらむ、思ひやる。詣づるほどのありさま、いかならむとつつしみたるに、たひらかに詣で着きたるこそいとめでたけれ。烏帽子のさまなどぞ、なほ人わろき。なほいみじき人と聞こゆれど、こよなくやつれて詣づとこそは知りたるに、右衛門佐宣孝は、「あじきなき事なり。ただ清き衣を着て詣でむに、なでふ事かあらむ。かならずよも『あしくて詣でよ』と御嶽のたまはじ」とて、三月つごもりに、紫のいと濃き指貫、白き襖、山吹のいみじくおどろおどろしきなどにて、隆光が主殿亮なるには、青色の襖、紅の衣、摺りもどろかしたる水干袴にて、うちつづき詣でたりけるに、帰る人も詣づる人も、めづらしく...枕草子を読んできて(135)その1

  • 枕草子を読んできて(130)(131)(132)(133)(134)

    118常よりことに聞ゆるもの(130)2020.1.21常よりことに聞ゆるもの元三の車の音、また、鳥の声。暁のしはぶき。物の音はさらなり。◆◆普段より特別な感じに聞こえるもの元日の車の音、また、元日の鶏の鳴き声。暁に聞こえる咳ばらい。暁に聞こえる音楽(楽器)はことさらだ。◆◆■元三(げんさん)=元日。年のはじ(元)め、月のはじめ、日のはじめであるから「元三」という。119絵にかきておとるもの(131)2020.1.21絵にかきておとるものなでしこ。桜。山吹。物語にめでたしといひたる男女のかたち。◆◆絵画として表現すると劣ってしまうものなでしこ。桜。山吹。物語ですばらしいといわれる男女の容貌。◆◆■絵にかきておとるもの=絵画として表現すると劣ってしまうもの。120かきまさりするもの(132)2020.1.21かき...枕草子を読んできて(130)(131)(132)(133)(134)

  • 枕草子を読んできて(129)

    116卯月のつごもりに、長谷寺に(129)2020.1.9卯月のつごもりに、長谷寺に詣で、淀の渡りといふものをせしかば、舟に車をかきすゑて行くに、菖蒲、菰などの末短く見えしを、取らせたれば、いと長かりけり。菰積みたる舟のある岸こそ、いみじうをかしかりしか。「高瀬の淀に」は、これをよみけるなンめりと見えし。三日といふに帰るに、雨のいみじう降りしかば、菖蒲刈るとて、笠の小さきを着て、脛いと高きをのこ、童などのあるを、屏風の絵に、いとよく似たり。◆◆四月の末ごろに、奈良の長谷寺に詣でて、話にきいていた京の淀の舟渡りというものをしたところ、舟に車をかついで乗せて行くのに、菖蒲や菰の先が短く見えたのを取らせてみると、たいそう長かった。菰を積んだ舟のある岸がとても面白かった。「高瀬の淀に」という歌は、これを詠んだのだったと...枕草子を読んできて(129)

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