ルシファの願いもむなしく、また神は「光あれ」といったのだろう。 未来にしか思えない石の記憶。 でも石が記憶しているのだから、過去のことのはず。 新しく生ま…
ギルが揺れる草の中で両手を広げて風を受けている。----君には、自然と一緒にいる時が1番似合ってる。君がそうやって幸せでいてくれれば、私も幸せになれる。--…
「キャプテン!」 ルシファのもう片腕をキャプテンが抱えて走り出した。 入り口に固まる人々を押しのけて、シャッターの間から外へ出た。 その時、大きな振動が起きて…
「ギル!」 声と共にルシファが覆いかぶさってきた。そのまま床に倒れた。覆いかぶさるルシファの肩越しに見えたのは、狂気に顔をゆがませ、椅子を振り下ろそうとする男…
「俺も船に乗せてくれ!」「無理だ、ギリギリの人選しか乗ることができない。」「見殺しにするのかよ!」 なだれ込んできた人たちが怯えた狂気の目で訴えた。十数人はい…
前夜祭が終わると1度家に帰って着替えた。アランの見送りに行かなくては。「帰ってきたらゆっくりするね。そしたらお花を取ってきてあげるから。」机の上の木彫りの小鳥…
自分も素直にならないといけないのかもしれない。 本当は、きれいなルシファを見ていたい。 美しいルシファを独り占めにして、自慢したいわけじゃない。 兄弟達とは…
「よく逃げ出せたね。」 階段を一気に駆け上って荒い息でルシファの隣に立った。「君も逃げ出してきちゃったの?」「だって、人ごみは苦手。」「私も苦手だからね。きれ…
相変らず、そのいでたちは納得できなかった。初めて会った時とほぼ変わりない身なり。唯一違いがあるとすれば、額のバンダナの色が黄色になってるくらいだった。「ヘン…
前夜祭は船の中で行われた。会場は沢山の人たちが集まり、にぎわっていた。船に乗る人、見送る人、船の建設に係わった人、ただヴィレッジが好きな人。いろんな人たちが…
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