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敏洋 ’s 昭和の恋物語り https://blog.goo.ne.jp/toppy_0024

[水たまりの中の青空]小夜子という女性の一代記です。戦後の荒廃からのし上がった御手洗武蔵と結ばれて…

敏ちゃん
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岐阜市
出身
伊万里市
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2014/10/10

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  • 日光・東北旅行 [6月11日~6月13日](十二)

    わたしが習った縄文人とはまるで違う、ほんとにお洒落な文化人だということです。おいおいお話しできると思いますが、まずはこのことを知っておいてくださいな。というよりコロナ禍が収まったら、青森県の三内丸山遺跡に是非にも訪れて頂きたいですねえ。無論、九州は佐賀県の吉野ヶ里遺跡もですが。ではでは縄文時代へとタイムスリップ!と、その前に。すみませんねえ、毎度毎度、脱線ばかりして。ここ縄文の地では、ガイドツアーがありました。公園内ガイドツアーわたしも早速参加することにしたのですが、わたし以外には集まらずに、わたしだけのガイドさんということに。12:00スタートで、ほぼ50分ほどの所要時間ということでした。「少しぐらいなら待ちますよ」と声をかけたのですが「次を13:00にスタートしますので行きましょう」ということに。お幾つぐら...日光・東北旅行[6月11日~6月13日](十二)

  • ポエム・ポエム・ポエム ~安心編~ = ナルシスト =

    告白します。正直に、告白します。ワタシワ、ビートルズよりもプレスリーを聞きたいです。告白します。正直に、告白します。ワタシワ、キスよりもベーゼと表現したいです。告白します。正直に、告白します。ワタシワ、ラーメンよりもUDONが食べたいです。告白します。正直に、告白します。ワタシワ、FILAよりも無印良品を買いたいです。告白します。正直に、告白します。ワタシワ、映画よりも舞台を観たいです。告白します。正直に、告白します。ワタシワ、絵画よりも小説を書きたいです。告白します。正直に、告白します。ワタシワ、男性よりも女性が好きです。告白します。正直に、告白します。ワタシワ、自分が一番好きです。(背景と解説)自分の原点を吐露したつもりです。無論、固有名詞については嘘偽りが一部にありますが。ただ、心情として使ってみました。...ポエム・ポエム・ポエム~安心編~=ナルシスト=

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (六十五)

    今日もまた、小夜子が正三の手を握っている。リーゼントの髪型をした若い男が「見せつけてくれるねえ」とからかいの声を上げても、小夜子は前を向いたまま無視をしている。小夜子が取るあまりの突っ慳貪な態度に、男に絡まれないだろうかと不安な気になってしまう。男が恐いのではない、恐怖心に襲われて逃げ出してしまうかも、というそんな自分を小夜子に見られることが恐かった。今までにも学校内で不良グループに囲まれたことはある。しかしそれはあくまで校内のことであり、同級生たちの目がある。いざとなれば大声を上げれば良かった。“そうだ、大声を出せばいい。誰かが助けてくれるさ。もしくは警官を呼んでくれるかもしれない”。そう思うと気が楽になった。そして思わず小夜子の手を握り返した。洋食屋に入った二人は、初めて食するトンカツ料理に舌鼓を打った。「...水たまりの中の青空~第一部~(六十五)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (六十四)

    終わりの文字がスクリーン一杯に現れても、喪失に囚われていた正三は、小夜子に促されてもなお席を立つことが出来なかった。男たちの、それぞれの勝手な言い分に混乱の極みに立っていた。罪を問われれば当然の如くに罰が待っているのだ。生きていくのがいやになるほどの、それほどに辛く暗い時代だからと言うのだろうか。だから死を求めての告白なのだろうか。なのになのに今、自分は、わがままを通そうとしている。時空の違う映画が語る時代へと己を移している自分が、突然に滑稽に思えた。夕闇の迫る中、正三は寡黙になっていた。「どうしたの?正三さん。そんなに考えこむこと、ないじゃない。見栄よ、見栄。みんな、見栄を張ってるのよ。精一杯の、虚勢を張ってるのよ。真実などと言うのは世間が求めるもので、当事者達にとっては自分に都合のいいようにしたいわけよ。例...水たまりの中の青空~第一部~(六十四)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (六十三)

    正三の意に反し、小夜子はグイグイと中程の客席に進んで行った。帰りを急ぐ客を押しのけるようにして、時に罵声を浴びながらも、流れに逆らって入り込んだ。正三は、ただただ謝りつづけた。正三としては立ち見の方が良かったのだが、小夜子は頑として中央の席を目指した。“下心を見透かされたのか”と動揺するが、「座りたいの」という小夜子を無視するわけにはいかない。「済みませんが、席を一つずらしてもらえませんか。あたしたち、二人なんです」と、無理やりに二つの席を確保した。舌打ちしながらも、中年男は席を空けてくれた。「どうもすみません、すみません」。正三は何度も頭を下げて、その男の隣に座った。「正三さん、謝ることはないわよ。混んでるんだから、仕方ないわよ」聞こえよがしに言う小夜子に、「そうは言ってもね、無理をお願いしたんだから」と、正...水たまりの中の青空~第一部~(六十三)

  • 日光・東北旅行 [6月11日~6月13日](十一)

    そうだ!吉野ヶ里ではとんでもないサプライズがありました。和太鼓の饗宴というパフォーマンスを見せてもらえました。ここ三内丸山公園ではどうでしょうねえ。時遊館庭園内部えっ?ええっ?えええっ!近代的過ぎませんか?(吉野ヶ里遺跡公園もそうだったのですがねえ)。どういうのでしょうか、あなた、どう思います?この三内丸山遺跡公園というのは、縄文時代な訳ですよ。縄文時代に、こんな立派(だとは言いたくありませんし言いません。その時代にあった感覚というか文化があって然るべきだと思いますので)な建物は似合いません。ああ、でもそういうことですか。タイムトンネルですか、なるほどねえ。現代から縄文時代へとねえ、これなら納得です。(吉野ヶ里では橋がありましたよね、三途の川ならぬ、天の河なんちゃって)。ほお、ほお、ほお。壁と言わず天井と言わず...日光・東北旅行[6月11日~6月13日](十一)

  • ポエム・ポエム・ポエム ~安心編~ =ありがとう=

    ありがとうこの父に生まれてくれてありがとうこの母に生まれてくれてありがとう笑顔をいっぱい見せてくれてありがとう泣き声をたくさん聞かせてくれておててつないで幼稚園笑顔でみんなとお遊戯縁日での金魚すくいみんな集まって小学校寄り道小径で笑い声運動会でのマスゲーム仲良くふたりで中学校楽しくおしゃべり文化祭での大合唱風切る自転車通学で高校隠れてふたりでお弁当汗と涙と歓びの部活動お正月に初詣でお盆にお墓参りこれからステキな恋をしてこれから嫁ぐんだねそして新しい“ありがとう”をまた言えるいつまでもありがとう(背景と解説)コメントなし、ということでお願いします。ポエム・ポエム・ポエム~安心編~=ありがとう=

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (六十二)

    予期していたこととはいえ、ホールから観客が溢れていた。扉を開け放ち、黒い幕を張り巡らせている程だった。「やっぱりね、すごい人気だわ」「まいったな、これは。どうする?一旦、出るかい。半券に印を入れてもらって、出直そうか」「ここで待ちましょうよ。あと、二、三十分もすれば終わるんだから。そうだわ、軽く食べましょう。そこの売店に、アンパンが売ってるわ」もう、おどおどした態度を見せる正三ではない。厳格な父親に対して、宣戦布告をした――してしまったのだ。今さら後戻りは出来ない。小夜子にしても、正三に対する態度に変化を見せている。横柄な態度をとることもありはするが、頼もしい男性として眩しそうに見上げる仕種を見せることもある。正三に対してだけは、お嬢さま然とした態度や言葉遣いをやめた小夜子だ。ただ、あくまで主導権は小夜子にある...水たまりの中の青空~第一部~(六十二)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (六十一)

    先日の逢瀬の折には、隣町の映画館に出かけた。ベニス国際映画祭でグランプリを獲得した、黒澤明監督作の〔羅生門〕が上映されていると聞き込んだ小夜子の、たっての希望だった。正三にしても興味のある映画であったが、二人を知る人間の居ないという隣町であることが嬉しかった。更にまた、映画館という隠微な響きが、正三の心を浮かれさせている。。「そりゃあ、何と言っても、映画さ。ぐっと近づくものだぜ。何せ暗闇だからな。それに、立ち見が一番だ。ぎゅうぎゅう詰めの中だろ?わかるだろうが、なあ!」「そう、そう!多少の接触には、目をつぶってくれるさ」「それより何より、待ってるんじゃないのか?昼日中から、挑発的な態度を取る位なんだから。ひと押ししてみなよ、正三」友人たちの言葉が、正三の耳に響く。正三の肩を抱きしめて、耳元に囁いてくる。「この映...水たまりの中の青空~第一部~(六十一)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (六十)

    「正三、お父さんに謝りなさい。お父さんに逆らうなんて、どうかしてますよ。以前のお前は、聞き分けの良い子だったのに」二人の口論を聞いていた母親が、慌てて間に入った。「タカ!お前が甘やかすから、こんな口答えをするんだ!躾が、悪い!」「お父さん!お母さんを責めるのは、筋違いです。世の中が変わったんです。現人神であらせられた天皇陛下が、人間宣言をされるような時代なんですから」「な、何ということを!お上が、本心からそのような事を仰られる筈がない。進駐軍に強要されたのだ。恐れ多いことだ、まったく。もう良い!とに角、わしは許さんからな。それにお前は、もうすぐ東京に行く身だ。あんな女のことなど、すぐに忘れてしまうじゃろうて」吐き捨てるように言い残すと、正三の声に耳を貸すことなく立ち上がった。父親が立ち去った後、母親は正三の前に...水たまりの中の青空~第一部~(六十)

  • 日光・東北旅行 [6月11日~6月13日](十)

    令和元年6月12日、朝9:37。無事に、青森駅到着です。「眩しい!」なんと、快晴です。昨日の雨交じりの曇天が嘘みたいです。天気予報では、曇りだった筈なんですが。多勢の日光ツアーでは発揮できなかった、一人でのツアーだと、晴れ男復活ということでしょうか。パワー全開ですわ。でも、暑くなりそうだ、こりゃ。それに、サングラスも欲しいですなあ。もしももしも、吉野ヶ里遺跡公園で売っていれば購入するかも、です。ほら、わたしって、パリそしてハワイの地で買ったでしょ?そういう変な癖があるんですよ。特別な場所に立ったときに、その記念として欲しくなっちゃうんですよね。でもねえ、パリ・ハワイで購入したサングラスは、現在壊れちゃいました。フレームのネジがダメでして、日本国内ではそれに合うねじがなくいんですよね。夜間専用の黄色レンズのサング...日光・東北旅行[6月11日~6月13日](十)

  • ポエム・ポエム・ポエム ~安心編~ =自分、好きですか?=

    自分のこと、好きですか?どこが好きですか?目が好きですか?大きい?クリクリ?小さい?つぶら?鼻が好きですか?高い?鼻筋が通ってる?低い?小じんまりですか?唇が好きですか?厚い?セクシー?薄い?涼しげ?自分のこと、嫌いですか?眉毛?太い?大丈夫ですよ!まつ毛?短い?大丈夫ですよ!他人の視線が気になりますか?嫌われてる?自分だけでも好きでいましょうよ。よおく、考えましょう。深あく、見つめてみましょう。きっと、好きになりますよ。だってぼくが、そうでしたから。自分のこと、好きになりましたか?優しい?優柔不断ともいいますね?ついて来い?独り善がりかもしれませんね?クール?友達、います?ホット?暑苦しくないですか?みんな、それぞれですよ。お腹が気になりますか?ポッテリがイヤですか?触ってみてください。おっぱいみたいでしょ?...ポエム・ポエム・ポエム~安心編~=自分、好きですか?=

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (五十九)

    小夜子主導で始まった交際は、周囲の目をまるで気にしない奔放なものだった。男女七歳にして、同席せず!など、どこ吹く風とばかりに振舞った。連れ立って歩く折には必ず腕を組み、時にはピッタリとしがみつく小夜子だった。すれ違う大人たちが怪訝そうな面持ちを見せても、「こんにちわ!」と、明るく声をかける。子供たちの囃す声に対しては、ニコニコと微笑み返す小夜子だ。正三の友人と出会った折には、嫌がる正三を尻目に、これみよがしに見せ付けた。「こそこそすること、ないでしょ!」目線を伏せる正三に対し、強い口調で詰ることも間々あった。「正三兄さん。少し控えた方が、宜しいんじゃない?噂になってます、町中で。わたし、恥ずかしいわ。小夜子さんも、小夜子さんよ。まるで下僕扱いだわ。あんなお方だとは思わなかった」憤慨する幸恵に対し、正三は「うん、...水たまりの中の青空~第一部~(五十九)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (五十八)

    その日のうちに、言い渡された処分を、ケロリとした表情で茂作に告げた。「やめるって、小夜子。そんなやけを起こさないでもいいだろうに。もう少し穏便な沙汰にしてもらえるように、わしが頼んでくるから」「いいわよ、お父さん。あたし、本気なんだから。英会話のね、勉強をしたいの。心配しないで。お仕事しながらでも、通える学校だから。そういった人たちばかりが集まっている学校だから。もうねえ、その学校には連絡してあるの。来年にでもとお願いしたんだけど、この際だから早めてもらうわ。いいのいいの、いつからでも良いですよって言われてるから」絶好の機会だと捉える小夜子に、茂作はきつく「だめだ、だめだ。どうせ、この村から出て行きたいが為の方便だろうが」と、諫めた。頬を大きく膨らませて「そんなことないわよ。ほんとに勉強したいの。アーシアと約束...水たまりの中の青空~第一部~(五十八)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (五十七)

    翌日、小夜子の回りは人だかりだった。二日間だけの休みにも関わらす、長期間欠席したかの如き騒ぎだった。「小夜子さま。入院されていたという噂で持ち切りなのですが、本当ですか?」「わたくしが、入院?どうしてそんなことになるのかしら?」「日曜日に、朝早くお出かけされましたよね」「ええ、良くご存じね。正三さんが上京されるとお聞きしたので、お供させていただこうと。でも、熱が出てしまって。正三さんには、ほんとご迷惑をおかけしましたわ。正三さん、ご立派ね。官吏さまになられるのね」一斉に感嘆の声が上がった。臆することなく、さらりと正三の名を出した。「正三さんと、お付き合い、されてらっしゃる、のですか?」恐る恐る聞き返す後輩に、「ふふふ。良い方よね、正三さん」と、笑みを浮かべる小夜子だった。「それで、もう、お体はよろしいのですか?...水たまりの中の青空~第一部~(五十七)

  • 日光・東北旅行 [6月11日~6月13日](九)

    「明けましておめでとうございます」旅行記というのか、よもやま話、いや愚痴話?このシリーズだけをお読みの方、またまた緊急事態宣言が発令される地域が出るなど、大変な一年のスタートなっています。あちこち出かけたいと考えていたのですが、まだ駄目ですね。70を超えた高齢者ですので、ワクチンを接種したとしても危ないですかね。重傷者になりやすいトリプル対象者(糖尿・心臓疾患そして高齢)ですので、今年一年、また巣ごもりですかね。でもなあ……、大晦日に計った体重が、新年4日に計った折りには、なんとなんと、4kgも増えちゃいましたよ。ありえんでしょう、こんなことは。「体重計が壊れてるんじゃ?」と、スーパー銭湯に抗議したいですよ。なんて、愚痴からの始まりとなりました。さあそれでは、行きましょうか。お腹をさすりながら、これから鍛冶橋駐...日光・東北旅行[6月11日~6月13日](九)

  • ポエム・ポエム・ポエム ~安心編~ =ちょっと待って下さい=

    ちょっと待ってください。桜さん。そんなに散り急ぐのは、どうしてですか?花見に浮かれる人は、まだたくさん居ます。ちょっと待って下さい。水母さん。そんなにぷうかぷうかなんて、どうしてですか?海水浴を楽しむ人は、まだたくさん居ます。ちょっと待って下さい。山さん。そんなに急いで冬化粧なんて、どうしてですか?もみじ狩りを楽しむ人は、まだたくさん居ます。ちょっと待って下さい。雷さん。そんなに怒り狂って、どうしてですか?まだお正月気分の人は、たくさん居ます。ちょっと待って下さい。ちょっと待って下さい。皆さん。そんなに息せき切って走って、どこに行くのですか?立ち止まっているぼくを置きぼりにして、どこに行くのですか?空を見上げているぼくを置きぼりにして、どこに行くのですか?ねえねえ、もう少しゆっくり、行きませんか?(背景と解説)...ポエム・ポエム・ポエム~安心編~=ちょっと待って下さい=

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (五十六)

    「アーシアはね、一人ぼっちなの。お家がないの。待っててくれる家族が居ないのよ。寂しいの、哀しいの。でね、あたしが妹になったの。お父さんにね、もう一人娘ができたのよ。どう、嬉しい?」「そうか、そうか。妹に、なったのか。うん、うん、良いことをしてあげた」家すら持たぬおなごとは哀れなものじゃ。正三に聞かされたこととはあまりに違いすぎる境遇に首をかしげつつも、旅芸人のようなものかと解釈してしまった。他愛もない女同士のその場限りの約束事だろうと、軽く考えてしまった。人生最悪とも言える事態が、このことによってもたらされることになるとは、予想だにできなかった。「アーシアはね、ロシア人なの。肌がとっても白くて、透き通るような肌なの。髪は金色で、、」「なんだと!ロシア人?ロシア人はいかん!あいつらは信用できん。今度の戦争にしても...水たまりの中の青空~第一部~(五十六)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (五十五)

    「お待たせ、お父さん。はい、これ。ウィスキーとか言うお酒だって。オールドパーって言うの。一本じゃなくて、二本もだよ」買い与えた物ではないバッグだった。お礼としてもらったのかのと思いはしたが、いかにも高価な品に見える。ピカピカと光るエナメル質の真っ赤な生地で、キラキラと光る金メッキのバックル類がいかにも派手だ。どう考えても小夜子には似合わない――と、茂作は思いたい。まだ17歳の小娘が持つようなバッグではない。「おう、おう。二本もかい。そりゃあ、有り難いのお。お祝いの時にでも貰おうかのお」「どうして?今夜にでも飲めばいいのに」「いや、いいんじゃ」「どうして?」「いや、ちょっとな」「ひょっとして、あたしの為に……」以前の小夜子ならば「あ、そう」と気にもかけない。いやもしも己のためだと気付いたとしても、当然のことよねと...水たまりの中の青空~第一部~(五十五)

  • 水たまりの中の青空 ~第一部~ (五十四)

    「ああ、そうそう。忘れるところだったわ。お土産よね。はい、これ」正三に、きれいなリボンで包装された箱が手渡された。軽く小さめの長方形で、ネクタイにしては小さすぎる。正三の中にネクタイが浮かんだのは、つい先日に母親から「初登庁には、これを締めて行きなさい」と手渡されたからだった。紺地に金糸が斜めに5ミリ間隔に縫い込まれているデザインで、「派手じゃないですか」と非難めいた言葉を口にしてしまった。と、意外にも「正三さんもそう思うの?」と、我が意を得たりと顔を緩めて答える初江だった。「お父さまがね、権藤のおじ様のお薦めだからと仰って。だからね、間違いないことだって」「そうですか、おじさんの見立てですか。だったらいいでしょう」と、得心した。逓信省への入庁資格を得させてくれたのは権藤叔父だ。父親からも「あいつの言うとおりに...水たまりの中の青空~第一部~(五十四)

  • 謹賀新年!

    謹賀新年!三が日も終わり、仕事始めの方もおみえになろうかという4日になって、やっとです。実は、小晦日(30日)に大掃除の締めとして、冷蔵庫の移動をしました。大変だったんですよ、ほんとに。一人暮らしですからね、わたしは。28日が仕事納めだったのですが、普段は午後の出勤です。が、この日だけは午前9時30分出勤で、12:00終了でした。コロナ禍です、大変な緊急事態なわけです。当然ながら、年末年始の旅行は中止ですわ。また初日の出を、太平洋の大海原に拝みに行こうかと予定したのですが、急遽中止にしました。急遽といっても、わたしの場合には10月下旬なのですが。ということで、すっかり時間が空いています。久しぶりに、ほんとに久しぶりに、しっかりと大掃除をしたわけです。ところが、これが裏目に。冷蔵庫の移動と共にルーター類も移動する...謹賀新年!

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