でね、山本さん。こんやは、このまま入院してもらいます。ご家族は…おひとり暮らしでしたね。とりあえず、検査入院ですから、着替えなんかはいらないでしょう。それじゃ病室の用意が出来…」「だめだめ!もう帰るから、もうなんともないから。おかげで、すごく気分が良くなりました。どうも、ありがとうね」かってに入院の手つづきに入ろうとする看護婦を制するように、声をあらげた。“冗談じゃない、まったく。つい先月にも入院させられたじゃないか。この3ヶ月の間に、2度も入院しているんだ。3度目なんて、冗談じゃない”1度目は会社の検診で、「大腸にポリープがあるようです。精密けんさをうけてください」と言われた。まあ1泊2日だからとOKをした。けっかは良性のもので、その検査中にせつじょしてもらった。2度目の入院がひどかった。とつぜん腹部に...ドール[お取り扱い注意!](十一)でね、山本さん。