短文 －我と蟲－

部屋の中を虫が飛んできた、羽ありだ。 テーブルに置いていた、皿の上に舞い降りる。 数十分前、から揚げが入っていたのだ。 すでに油が固まりつつある皿のふちを、虫は歩みはじめた。 よくある光景だ。 僕は何ともなしに虫を見ていた。 次...

詩 -にんげん-

人間は機械には勝てないのかもしれない 日々なにかを探して 時にはかけがいのない物を感じながら 昨日よりも より良い今日を創るために 毎日目覚めるのでないかしら 昨日よりも 素晴らしい物を創造しよう 昨日よりも 素敵な時間を愛でよう 昨日より...

詩 -ピエロ-

なんでも 手にできるけど なんにも 手に入れられない 全てを知った気で ピエロになった 踊り子は 狂気の方へ まっしぐら 無知な世界を見て回っては「まぁ 素敵なところ」と 同じ言葉を繰り返す 危険な思想が突き動かす 実のならない頭で考えて ...

詩 -孤-

カラスと二人で歩く 日付にはない朝 周りには誰一人見当たらない 道を並行に進む 一体どこではぐれたやら 後ろには 足跡ばかりが目立つ 目撃者を訪ねてみよう すいません 黒いカラスを見なかったですか？ 目がピカピカのビー玉のような 賢いヤツな...

詩 -あい－

愛とはどんな物ですか？ どうしたら認識できるのでしょうか？ ゆさぶったら出てきますか？ 問い詰めたら姿を現しますか？ 駆け引きをしたら見つかりますか？ 確かめてみたいだけなのに 自分本意ではリスクが大きすぎて 素直になれない 嫉妬の先にある...