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Fish On The Boat https://blog.goo.ne.jp/mask555

本や映画のレビューや、いろいろな考え事の切れ端を記事にしています。

本や映画のレビュー中心。「生きやすい世の中へ」をメインテーマとして、いろいろな考察、考え事を不定期記事しています。

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2014/07/08

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  • 『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』

    読書。『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』糸井重里古賀史健を読んだ。広告畑出身でいまやWebSite「ほぼ日」を中心に活躍されている糸井重里さんを、ベストセラー『嫌われる勇気』の二人目の著者である古賀史健さんがインタビューしてまとめた本です。帯に<糸井重里が気持ちよく語り、古賀史健がわくわくしながらまとめました。>とあります。糸井さんの経歴をちょっと知っていて、ほぼ日を何千回と訪れてきた僕なんかには、読みながらずっと惹きつけられっぱなしの本でした。まず引用から。__________もうひとつ、黒須田先生とはおかしな思い出があってね。講座を卒業してから何年か経ったあと、先生が持っていた授業の代役を頼まれたんです。「ぼくには教えることなんてできませんよ。話すことがなくなったら、どうすればいいんですか?」と訊...『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』

  • 『不連続殺人事件』

    読書。『不連続殺人事件』坂口安吾を読んだ。戦後まもない頃、山奥の豪邸に集まった作家や画家や女優などなど。そんな彼らの間で次々と殺人が起こります。いったい誰が、どんな動機で、どのようにして行ったのか。探偵小説愛好家だった純文学作家・坂口安吾による推理小説の名作。多人数でてきますが、個性の強いキャラクターばかりでした。アクやクセが強く、変人とくくってしまえそうだったりする人たちしかいません。そして彼らの関係が痴話がらみでフクザツです。そんな異様な小世界を設定したからこそ、8人も殺されるこの「不連続殺人」の、大いなるトリックを物語の中に隠せたのだと思います(このあたりは、巻末のふたつの解説と本文の読後感とを照らし合わせたうえでの感想です)。謎を解くキーワードは、「心理の足跡」。作者は、自ら紙の上に出現させたキャ...『不連続殺人事件』

  • 『アドラーをじっくり読む』

    読書。『アドラーをじっくり読む』岸見一郎を読んだ。フロイト、ユングと並ぶ心理学者・アドラー。近年、彼の心理学を世に知らしめたベストセラー『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎さんによる、数々のアドラーの著作のポイントを解説する本です。まず、「共同体感覚」というアドラーの重要ワードが出てきます。これ、誤解されやすいとのことで、本来どういった意味なのかの解説があります。家族、学校、職場、社会、国家、人類、過去・現在・未来すべての人類、さらには生物・非生物含めた宇宙全体を指し、自分は(そしてみんなは)それらに属しているという感覚らしいです。「共同体感覚」を持つことが、神経症から抜け出す重要なてがかりのひとつともなるのでした。また、もうひとつ重要な考え方が出てきます。それは、「ライフスタイル」です。アドラーの使う「ライ...『アドラーをじっくり読む』

  • 『現象学という思考』

    読書。『現象学という思考』田口茂を読んだ。フッサールの『現象学』を基盤として、著者が一般的な言葉を用いて照らし出していく現象学の地平を解説します。そしてその地平の入り口まで道案内をしていただきながら、その地平を冒険していく準備をしたり、実際にちょっと思考の冒険を試みたりできる読書でした。とても良書です。まず、「確かさ」についての論説から入っていきます。「確か」であることは、ことさら言及されません。いちいち意識せずにいても事足りていることが「確かさ」。つまり自明な物事なのです。自明ゆえに、意識の主題にはのぼってきません。「夕食は鮭を焼いて食べようかな」と考えるようなことは主題的な意識です。そう考えているときに、腕組みをしたり、頭を掻いたりしているといった行動は、「それはなにか」を問おうともされない自明な行動...『現象学という思考』

  • 『次、いつ会える?』

    読書。『次、いつ会える?』松村沙友里撮影:三瓶康友を読んだ。2021年に乃木坂46を卒業された1期生・松村沙友里さんの卒業記念写真集です。愛らしい感じの美人・松村さんが、ページを繰るごとにさまざまな装いとポーズで魅せてくれます。巻末にはさゆりんご軍団、からあげ姉妹、そして先に卒業された白石麻衣さんが登場しています。ロングインタビューもあります。感情豊かな方だとお見受けしているためか(そして僕の勝手な感情移入のせいか)、出だしからどこか寂しそうで切なそうな表情の松村さんに見えてしまいました。スタートから約10年間在籍した乃木坂を去るわけですから。表紙と、表紙とおなじシーケンスのページ、そしてウェディングドレスの松村さんが今回の写真集ではいちばんお気に入りになりました。前者は普段着のかわいさにあふれているし、...『次、いつ会える?』

  • 『大きな熊が来る前に、おやすみ。』

    読書。『大きな熊が来る前に、おやすみ。』島本理生を読んだ。2007年発表、2010年文庫化の、三編からなる作品集。ネタバレありなので、ご注意ください。まずは、一遍目の表題作である「大きな熊が来る前に、おやすみ。」から。子どもの頃、父からのDVを受けていた若い女性の主人公・珠実。できたばかりの彼氏・徹平にも、一度、暴力をふるわれてしまう。__________本当は、徹平に初めて会ったときから、父のことを思い出していた。友達から紹介された後に何人かで飲みに行ったときも、そのことばかり考えていた。口数が少なく、言いたいことを腹に押し込めたような顔をしている。飲み始めると次第に饒舌になり、表面的にはとても明るい人に見えるけど、目だけが冷めている。時折、わざと自分を落としてまわりを笑わせるわりに、他人からからかわれ...『大きな熊が来る前に、おやすみ。』

  • 『夢の中で会えるでしょう』

    読書。『夢の中で会えるでしょう』高野寛を読んだ。1995年の4月から一年間、NHK教育テレビで放送された『土曜ソリトンSIDE-B』。その20周年を記念したイベント(全6回)をテキスト化したものです。番組の司会を担当したミュージシャンの高野寛さんをホスト役に、最初のゲストはおなじく司会を担当されていた緒川たまきさん。ページを繰ると、毎週土曜日23時が楽しみだったあの頃が甦ってきます。ゲストは、先ほど書いた緒川たまきさんを皮切りに、スチャダラパーのBoseさん、お菓子研究家のいがらしろみさん、ラーメンズの片桐仁さん、ミュージシャンの高橋幸宏さん、同じくミュージシャンのコトリンゴさん、そして巻末には特別対談として俳優ののんさんがお招きされていました。ここからは個人的に面白かったところから数か所を抜き書きしてい...『夢の中で会えるでしょう』

  • 『本当の戦争の話をしよう 世界の「対立」を仕切る』

    読書。『本当の戦争の話をしよう世界の「対立」を仕切る』伊勢崎賢治を読んだ。インド、東ティモール、シエラレオネ、アフガニスタンなどで起こった紛争や戦争による対立を仕切ってきた著者による、福島高校の高校生への講義と議論の記録。武装解除の話や子供兵の話はとくに、ごくっと唾を飲みこむ緊張感に包まれながら読むことになりました。戦争がらみの国際問題の本で400ページを超えるボリュームです。手こずるかな、とちょっと気構えをして手に取りましたが、それでも話し言葉で進んでいくので、意外とわかりやすく読めました。それに、高校生にもわかる論理と言葉づかいですから、なおのことでした。本書の性格がどういうものなのか、「講義の前に」と題された著者と高校生がはじめて対面する場面の様子の章にある文言を引用するとわかりやすいので、以下に記...『本当の戦争の話をしよう世界の「対立」を仕切る』

  • 『クラウドガール』

    読書。『クラウドガール』金原ひとみを読んだ。自分の感情の赴くまま、自己中心的に生きる高校生の杏と、自分の欠落した部分に気づき、理性的に内面の再構築を試みている理性的な大学生の理有。この二人の姉妹が、交互に各々の章にて一人称で語っていくかたちの小説です。仲が良く、内面的な結びつきの強い姉妹です。両親は離婚しており、小説家の母親と暮らしていたのですが、その母親はある日亡くなってしまう。それから姉妹は短い間、祖父母に引き取られますが、ほどなくして、新たな場所で姉妹だけで暮らしていく。それらは小説内で次第にわかってくる事情で、物語自体は妹の杏が彼氏の晴臣をボコボコに殴り散らすシーンから始まります。洗練された文章だと思いました。序盤1/3くらいまでの間、文章の緩急や構成など、書く人にとっては教科書になるような、パキ...『クラウドガール』

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