searchカテゴリー選択
chevron_left

カテゴリーを選択しなおす

cancel
プロフィール
PROFILE

mask555さんのプロフィール

住所
北海道
出身
北海道

本や映画のレビュー中心。「生きやすい世の中へ」をメインテーマとして、いろいろな考察、考え事を不定期記事しています。

ブログタイトル
Fish On The Boat
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/mask555
ブログ紹介文
本や映画のレビューや、いろいろな考え事の切れ端を記事にしています。
更新頻度(1年)

82回 / 365日(平均1.6回/週)

ブログ村参加:2014/07/08

本日のランキング(IN)
読者になる

新機能の「ブログリーダー」を活用して、mask555さんの読者になりませんか?

ハンドル名
mask555さん
ブログタイトル
Fish On The Boat
更新頻度
82回 / 365日(平均1.6回/週)
読者になる
Fish On The Boat

mask555さんの新着記事

1件〜30件

  • 『「ゼロリスク社会」の罠』

    読書。『「ゼロリスク社会」の罠』佐藤健太郎を読んだ。今などは、新型コロナウイルスが生活上のリスクでもっとも目立つものですが、ちょっと前までは原発事故による放射線のリスクについていろいろな意見や記事が生みだされたのは記憶に新しいところです。本書はそんないろいろなリスクに対して、どういった姿勢をとって生きていくのがベターなのかを、様々な例を解きほぐして説明しながら、示してくれる内容になっています。まず、こないだ読んだ『ソクラテスはネットの「無料」に抗議する』につづいて認知バイアスがでてきました。本書は2012年、『ソクラテス』は2013年に出版されています。認知バイアスは、この時期、気にかけられるべきとされたトピックのひとつだったのでしょう。それはまさに、東日本大震災と福島第一原発事故の直後でしたから。認知バイアス...『「ゼロリスク社会」の罠』

  • 『きりこについて』

    読書。『きりこについて』西加奈子を読んだ。最初の1ページ目から語り手に、「ぶすである」ことを疑うの余地すらないゆるぎない真実として語られてしまう、きりこを主人公に、200ページあまりを使って、人間の外側と内側をわからせてくれる小説です。相棒のような愛猫、ラムセス二世に助けを借りながら、きりこの人生、そして他の登場人物たちの人生は、多くの人の人生のように難路を進んでいく。しかし、読み終えたときには、みんながその難路を自分なりに懸命に足を踏みしめて進んできた足跡を見渡せるようになっていました。読書中に立ち止まって考えたのは、現実逃避っておもいのほか大切なのかもしれない、肯定するべきものなのかもしれない、ということでした。自分の身を守るのに、実は現実逃避って大切だなあと読みながら考え直しました。また、こういうお話を読...『きりこについて』

  • 『ソクラテスはネットの「無料」抗議する』

    読書。『ソクラテスはネットの「無料」抗議する』ルディー和子を読んだ。古代ギリシャで活躍した、哲学者の始祖ともいえる哲人ソクラテスとその時代をあえて中心に据えて、現代の行動経済学や進化生物学、脳科学や心理学での知見を重ねつつ、現代社会や現代人の特徴を分析し、良い面や悪い面を浮かび上がらせて考えてみる本でした。温故知新的ともいえる論説エッセイです。書名にある『ソクラテスはネットの「無料」抗議する』は本書の中盤くらいまでの大きなテーマです。マルセル・モースの『贈与論』を引きながら、贈与や販売以外でのモノのやり取りは、本来あるべきではないことが示される。例外として、たとえば現代のオープンソースのアプリケーションなどが挙げられていました。それらはフリーで誰もが手に入れられはするのだけれども、入手したいろいろな人によってア...『ソクラテスはネットの「無料」抗議する』

  • 『菅井友香1st写真集 フィアンセ』

    読書。『菅井友香1st写真集フィアンセ』菅井友香撮影:LUCKMANを眺めた。欅坂46のキャプテン、菅井友香さんのファースト写真集です。撮影地は、パリでした。秋元康さんが帯に寄せたコメントに、「菅井は親に紹介したいタイプの女子だ。」とあります。その言葉にあるように、かわいいし、穏やかそうで、表情が愛らしく、ほっそりとして手足が長いスタイルのシルエットが美しいし、でも派手すぎな感じがなく、もしも家庭に居ると想像してみると空気がやわらぎそうで、よくすごい魅力的な美人に対して言われる「トロフィーワイフ」的なものとはまた違う意味で、仮に自分の彼女だったら親に紹介したくなるような気がします。菅井さんを紹介されて嫌な人はいないだろう、みたいな感じがします。僕は乃木坂46が大好きですが、菅井さんが所属する姉妹グループの欅坂4...『菅井友香1st写真集フィアンセ』

  • 『心の病気ってなんだろう?』

    読書。『心の病気ってなんだろう?』松本卓也を読んだ。いろいろな心の病気の中身をわかりやすく知ることができるます。でも「わかりやすく」とはいっても、それなりの硬度のある内容だから、読み応えがあって大人でも知的満足感が得られると思います。心の病気っていうのは、親とそして親以外をも含む過去の対人関係の影響、そして現在の対人関係での相互作用での影響でなるものであって、当人だけの問題では決してないことがわかります(外的な強い心的衝撃によるPTSDという種類の心の病気もありますが)。僕の身近に心の病気の人がいることもあって、この場などに書評や感想を書いていなくても、何冊かそういった本を読んできました。それらは勉強になるよい本でしたが、それらと比べても本書はより良書のほうだといえます。「この本がひろく知られるとほんとうに社会...『心の病気ってなんだろう?』

  • 『鍵のかかった部屋』

    読書。『鍵のかかった部屋』ポール・オースター柴田元幸訳を読んだ。アメリカの作家、ポール・オースター、その初期のニューヨーク三部作の最後の作品。妊娠中の美人の妻を残して疾走した男、ファンショー。彼は自分の残した原稿の処遇を「僕」に委ねる。そういった切り口で始まる小説です。この先、ちょっとネタバレになります。前二作の『ガラスの街』『幽霊たち』と同じことに再々度挑んでいるのだろうなあと読んでいてわかるのです。しかし、終盤にかけての展開から、またしても主人公が混沌と不分明の彼方に行ってしまうのかと推測したところで、なんとその流れを打ち返してきた。こうやれたことで、著者はひとつの大きな壁を乗り越えることができたように思えます。自分の胸や頭につかえていた大きな岩石くらいの重い問題に、三作を費やして正面から挑み、突破口を見つ...『鍵のかかった部屋』

  • 『「公益」資本主義』

    読書。『「公益」資本主義』原丈人を読んだ。英米主導のグローバリズムは、英米の基準や価値観、考え方を諸国に押し付け、英米が利する世界になることを理想とする主義だといっていいものです。そこには、グローバリゼーションの名のもとに、各国・各地域の多様性をおしのけて一律化をすすめていく作用が生じている。その波は確実に日本をも飲みこんでいて、90年前後にバブルがはじけてから敬遠されるようになった「日本型経営」を、より排斥していく方向に力が働いてきた。グローバリゼーションを進めたアメリカの資本主義は、いまや「株主資本主義」と言われます。株主の利益を最優先事項とし、会社は株主のものであり、株主の利益を出すために隷属したものだと当り前のように考えられている。利益を得るため、それもできるだけ短期間に株主が大きな利益を得るために、研...『「公益」資本主義』

  • 『新版 枕草子 上巻・下巻』

    読書。『新版枕草子上巻・下巻』清少納言石田穣二訳注の二冊を読んだ。初めこそ原文と訳文を比べながら読みましたが、ほぼ現代語訳で読んだのでした。ユーモアやウイットをごく自然なふうに駆使しながら、美しいものやおもしろいものや笑えるものなど、ポジティブな事柄を中心に綴っています。ただ、ユーモアやウイットを自然なふうに駆使するのは作者の清少納言だけではなく、登場する宮中の人物たちそれぞれもそうなのです。当時は、落ちついた所作と態度で発する、余裕を持ったユーモアやウイットを「優雅」と呼んだみたいですね。当時の優雅は知性とぴったりとくっついているようです。また、書き手のやわらかでこまやかな心の動きや感性と、時代や地位からくるであろう、うっすらとした無意識的な傲慢さとが、文章の背後に残っていました。こういうのは、ほんとうのとこ...『新版枕草子上巻・下巻』

  • 『真夏の航海』

    読書。『真夏の航海』トルーマン・カポーティ安西水丸訳を読んだ。カポーティが生前、出版を望んでいなかったとされる幻の原稿がこの作品です。10代の後半に書かれたものだということですが、恐ろしいくらいに「カポーティとして成立している」と言えるのではないか。たしかに、日本で言えば、新人賞を受賞した作品くらいの程度かもしれないですが、そこにはもう、後年のカポーティに見られる才気の筆使いがあります。もっと直しや推敲をほどこしていると、他のカポーティ作品のように、他の作家の作品にはないような、宝石のような芸術品になったかもしれない。ただ、カポーティ自身にはなにかひっかかるものがあり、そこまで仕上げず、そして出版はしなかった。僕が考えるところだと、長編『遠い声遠い部屋』を書きあげて名声をものにする、その伝説的なストーリーのため...『真夏の航海』

  • 『樹木ハカセになろう』

    読書。『樹木ハカセになろう』石井誠治を読んだ。樹木に関する「なぜ?」に答える、読んで洞察の仕方が学べるような本です。岩波ジュニア新書ですから、中学生前後向けなのでしょうけれども、オトナが読んでも発見だらけの内容でした。トピックのひとつに、巨木になる条件がありました。その育ち方、年輪の重ね方についてです。日陰ですこしづつ育った木は年輪が細く堅くしまっていて幹が強い。そのように育った木が、周囲にあった巨木が倒れるなどして急に日あたりのよい条件になって急成長しても、芯がしっかりしているから幹が弱くならず、しっかりと枝葉を広げることができるのです。こういう木は、巨木になる素養がある。逆に、植林して下刈りをし成長を早めた木は年輪が広く、柔らかい材になる。材にしたときの強度に問題は無いのですが、生きている状態だと腐朽が進み...『樹木ハカセになろう』

  • 悪口キャラの不思議。

    「なんでそんなに悪口を言うのよ?」っていいたくなる人っている。それなりに付き合いが深くとも、毎度会うたびに四方八方に悪口を飛ばしているのに接すると、つきあいでうなずいたり笑ってやったりするのにもそのうち疲れてきて顔がひきつってくる。で、自分では「毒舌キャラなのだ」とそのポジションに居心地の良さを感じているのですよ、悪口の多い人。悪口を言うことで、自分が他者から悪く言われたりすることの予防線を張っているんじゃないかと思えるときがある。「自分が悪口を言ったから、自分も何か言われました」と。悪口は、自分の肉や骨を切らせないためのフェイクなのではないか。自分がおかしいことをしたときに悪口を言われるのを回避するため、または、自分はちょっと奇矯なところがあるのだけれどそこに目をつけさせないため、悪口キャラ(毒舌キャラ)でい...悪口キャラの不思議。

  • 『ドラッカーに学ぶ自分の可能性を最大限に引き出す方法』

    読書。『ドラッカーに学ぶ自分の可能性を最大限に引き出す方法』ブルース・ローゼンステイン上田惇生監訳井坂康志訳を読んだ。経営学の父、P・F・ドラッカーの著作や言葉から、著者ローゼンステインが、「この時代の人生の送り方」についての指針となる、的を射ていてわかりやすいものを抜粋し、体系的に編んだ本です。ドラッカーは経営学の神様みたいに言われる人ですが、経営学という言葉から連想されるような上手なお金の儲け方、つまりお金やモノの動きなどよりも、社会や人間の在り様に好奇心と探求心を持った人です。仕事を通して自己実現できたらいいじゃないか、という理想の下、それを実現すべく、方法や理論を考え、そしてそれらを現実に落としこんでいくことに頭をしぼった。本書は、こういったドラッカーの軌跡から多数生まれ出た言葉のなかから、エッセンスを...『ドラッカーに学ぶ自分の可能性を最大限に引き出す方法』

  • 『果しなき流れの果に』

    読書。『果しなき流れの果に』小松左京を読んだ。SFの大家である小松左京の傑作とされる作品。手塚治虫『火の鳥』を子どもの時分に読んでいたときに、びしびし受けとった強大な知的な刺激と似たような感覚の刺激を本作からも受けながら読んでいきました。太古を描いたプロローグを皮切りに、1965年ころ(執筆当時の時代)の日本から本編がはじまります。とある古墳内部の白亜紀の地層からでてきた砂時計。どうしてこんなものが、といった問いから、壮大な物語がスタートする。現代編の序盤こそ、なんだか文章がうまくないと感じる部分はあったのですが、SF色が濃くなった段階から、水を得た魚のように筆致が冴えていきます。それどころか、展開される話のスケールのダイナミックさと、それを上滑りさせない説得力が、ぐんぐん読み手を夢中にさせていく。また、内容の...『果しなき流れの果に』

  • 『東京どこに住む?』

    読書。『東京どこに住む?』速水健朗を読んだ。人口移動の東京一極集中が顕著になってひさしいですが、本書は、その東京のなかで特にどこに人口が集中しているのかを明らかにし、なぜ東京に人が集まるのかについてまず考えていきます。さらに、東京のみならず世界的傾向として大都市への人口移動の傾向が高くなっていること、そのことについても、さまざまな学者の説を引きながら、なぜかについて論じています。かつては、東京の西側(皇居を中心にして西側)の方面に住居を構えるのが定石だったそう。郊外の一軒家にしても団地にしても、東京の西側が理想とされたのだ、と。「西高東低」なんて言われ方がしたくらいだそうですが、いまや、東京中心地や東側の下町方面へ、人口移動が盛んになってきているみたいです。そこには、職住近接という流行が存在する。さらに、職住近...『東京どこに住む?』

  • 『銭湯図解』

    読書。『銭湯図解』塩谷歩波を読んだ。あたたかみのあるイラストで図解されたさまざまな銭湯。都内の銭湯が中心ですが、千葉や徳島など地方の、個性が強かったり愛情にあふれていたりする銭湯もピックアップされています。著者の塩谷さんはもともと建築設計事務所で働いていた女性です。『銭湯図解』も建築図法である「アイソメトリック」という技法でもって描かれている。内部構造を、角度をつけて俯瞰的かつ微細に描いてあります。まるで箱庭を眺めているような心はずむ楽しさを感じながら眺めてしまいました。画風も水彩絵の具による彩色も、やわらかであたたかい。ひとつの銭湯につき、見開き二ページで図解をし、解説にそのあとの二ページ、合計四ページを費やしています。解説文では、著者が設計に携わっていたことをほうふつとさせる、造形に対する事細かな描写とゆた...『銭湯図解』

  • 『マーケティングの基礎と潮流』

    読書。『マーケティングの基礎と潮流』西尾チズル編著を読んだ。マーケティング全般について、教科書的位置づけのできる本です。(というか、たぶん大学の教科書として使われているのではないかな)マーケティングを大まかかつ網羅的にあつかう内容で、概論といった感じ。素人にとっては、商売の「攻め」の部分についての視界がぐっと広がります。ということは、より「世の中について」わかるようになるんですよね。僕はマーケティングに関わったことはありませんが、ずっと、心理学を実践として多用している分野だなあというイメージをぼんやりと持っていました。でも、今回、本書のページをめくってみれば、思っていた以上に人間心理の盲点をついてくるような商売上の戦略に、少しばかり怖さすら覚えました。これほど人間の心理や行動原理といったものを俎上に載せてしまう...『マーケティングの基礎と潮流』

  • 『マリアビートル』

    読書。『マリアビートル』伊坂幸太郎を読んだ。東北新幹線を舞台に繰り広げられる、殺し屋たちの交錯。悪業や裏稼業が、新幹線という狭い空間に凝集されて起こるドラマとサスペンス、そしてアクション。500ページを超える大作ながら、するすると読めてしまう一大エンタテイメントでした。今作は『グラスホッパー』の続編的作品であり、登場人物の重なりがあり、章が登場人物ごとにかわることで、それぞれのキャラクターの深みが増し、つれて物語の深みが増していくスタイルを踏襲しています。大ボスみたいな巨悪的キャラクターが数人いて、とりわけ、中学生の「王子」という名前のキャラクターが、憎たらしくてなおかつ油断ならない悪者なのです。そういう強いキャラクターがぶれることなく動き、個性を全うした書き方には、著者の力を感じました。序盤で、その「王子」の...『マリアビートル』

  • 『QOLって何だろう』

    読書。『QOLって何だろう』小林亜津子を読んだ。中高生向けの、生命倫理学についての本。「QOL」とは「QualityOfLife」の略で、すなわち、「生活の質」「人生の満足度」などに訳す事が可能な概念です。本書では冒頭でソクラテスが言ったとされる「大切なのは、ただ生きることではなく、よく生きることである。」が引かれていて、「QOL」はまさに「よく生きること」、わくわくしたり幸せだなと思ったりなど、そのような時間を過ごしているときではないか、と解説されています。ふだん、健康に過ごしている人にとっては、QOLを特別に意識することは少ないのではないでしょうか。たとえば、一日のあいだの短いひとこまに、「よく生きている」実感をなにげなく得ていたりはするかもしれません。しかしながら、QOLをきちんと考えなきゃならない場面は...『QOLって何だろう』

  • 『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』

    読書。『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』菅原晃を読んだ。国家レベルの経済について、要領よく、その要所がつかめる内容でした。いったい、政府がやっている財政政策ってどんな意味があるんだ?と思うことがしばしばな人は僕自身を含めて多いと思うんですが、その大きな道筋を教えてくれる本です。といいつつ、僕は経済学士(IS-LM分析が懐かしかったです)。とはいえ、まあ不真面目な、なんちゃって経済学士レベルです。文系に数えられる学問のうち、経済学が自分にもっとも向いていないのではないかと大学一年のときにイヤになってもいるのですが、学び直しとして今回手に取った本書が、とても良書だったのです。まず、GDPの説明から始まります。ご存知のように国内総生産と呼ばれるものです。このGDPは国民総所得とイコールであり、総支出(消費・貯蓄...『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』

  • 『しゃべれども しゃべれども』

    読書。『しゃべれどもしゃべれども』佐藤多佳子を読んだ。もう23年前に発表された作品になりますが、当時「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン第一位」にも選ばれた、傑作エンタテイメント小説が本作です。また、1万円選書でおなじみのいわた書店・店主氏のおすすめ本のひとつでもあります。主人公はまだ真打にあがっていない、二枚目の序列にある落語家、今昔亭三つ葉。ふとしたきっかけで、しゃべることに難を感じている4人が、三つ葉のもとで落語を習い始めます。その、日常ドラマがとても楽しく、そして尊いものに感じられました。巻末の北川次郎氏による解説には、物語を構築しつつも物語の背後にあって素人目には気付けないような作者の文章技術についてが書いてあります。恥ずかしながら、僕は物語そのものと、ごくごく狭い範囲の文章術にだけ気を取られてしまい、北川...『しゃべれどもしゃべれども』

  • 『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』

    読書。『SLEEP最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』ショーン・スティーブンソン花塚恵訳を読んだ。「人はみな、健康な身体のもと、幸せで充実した人生を送る権利がある。その実現のカギを握るのが良質な睡眠___」今でもそうだとは思いますが、僕が学生の時分、20年くらい前になりますけども、睡眠時間を削ることがある種のステータスでした。つまり、いつまでも起きていて、勉強したり遊んだりしているのが勝ちで、寝てしまうのは負けである、人生を損することである、というような理屈がつよかったです。代表的な言葉に「四当五落」があります。受験生が5時間以上寝ているようじゃ大学に受かりませんよ、4時間睡眠で我慢して節約した時間を勉強にあてましょう、というものですね。でも、本書にも書いてありますが、睡眠時間をしっかり取らないと、記憶が定着しま...『SLEEP最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』

  • 『かぜの科学 もっとも身近な病の生態』

    読書。『かぜの科学もっとも身近な病の生態』ジェニファー・アッカーマン鍛原多惠子訳を読んだ。風邪。それは単一のウイルスによる病気ではなく、いわゆる風邪ウイルスは200種類以上ある。そして少なくとも5つの属があって、ピコルナウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスがそれらです。本書ではそれらのなかでも、ピコルナウイルスに属するライノウイルスによる風邪症状に焦点をあてて、風邪全般を考察する内容となっています。なぜライノウイルスかといえば、風邪の40%がこのウイルスによるものだからだそうです(日本では違うかもしれないので、「アメリカではそうなのだ」という注釈が必要かもしれません)。まず、感染経路ですが、くしゃみや咳などで飛び散った粒子に含まれるウイルスから感染する「飛...『かぜの科学もっとも身近な病の生態』

  • 『知識ゼロからのIoT入門』

    読書。『知識ゼロからのIoT入門』高安篤史を読んだ。IoT(InternetofThings)。直訳すると、「モノのインターネット」となります。自動車や家電などのモノがインターネットにより結ばれ、センサーなどから送られた情報が、インターネットを通じてAI(どこかのコンピューター内にある)により分析され、モノへと指令がいく(フィードバックされる)、そうして、人の役に立つように、人が快適なように、モノが自らを自らで調整し動作する。わかりやすいところですと、そういった技術のことをIoTといいます。かつて、「ユビキタス」なんて言われて志向された状態が、「IoT」としてより具体的かつ現実的かつ多様になって実現した感があります。本書は、そのとてもわかりやすい入門書です。読みやすさとイメージの抱きやすさを第一に考えているので...『知識ゼロからのIoT入門』

  • 『コンビニ人間』

    読書。『コンビニ人間』村田沙耶香を読んだ。第155回芥川賞受賞作。海外でも好評だという作品です。今回の感想は内容バレになります。そうじゃないと書けない、というか、そうしてでも書きたい!という気持ちで臨んでいます。ご注意ください。主人公の恵子が子どもの頃に、よかれと思って言ったりやったりすることが周囲から顰蹙を買い、それがどうしてかわからない、という部分、そこと、恵子のいつでも怒らない性分(フラットな感情で物事を眺めていられる性分)はつながっている、と思った。まず以下を踏まえてみる。人間は自分にとっての善しか行わない。それが悪とされるのは、周囲への悪影響が指摘されたり行為者の視界にはいったりして気付かされたときだ。1人の善、家族の善、学年のクラスの善、国の善、地球の善。それぞれの規模があって、その外部からすると悪...『コンビニ人間』

  • 『心を動かす音の心理学』

    読書。『心を動かす音の心理学』斎藤寛を読んだ。音楽や、環境音、声、などの「音」にたいする人間の心理的反応や、それをもっと具体的に研究した脳内反応についてのあれこれを綴った本です。前向きさを呼び、悲しい時にはまるで自分をわかってくれるかのようで(同質の原理と呼ばれるもの)、思考や言葉を論理的にし、大きな快楽を与え……などの本書に書かれている音楽の効能については実のところあまり興味は無かったのですが、お店で流すBGMの意味合いなど「行動心理学」の観点からのものが興味深かったです。店内で流すBGMの種類で、お客さんの滞在時間が変わる、商品の売れ行きも変わる、店のイメージも変わる。BGMによるマーケティングはまだ確立されていない手法ということですが、実際にいろいろな作用を人間心理にもたらすのは事実のようですから捨ておけ...『心を動かす音の心理学』

  • 『権利のための闘争』

    読書。『権利のための闘争』イェーリング村上淳一訳を読んだ。自己の権利を手に入れることや保持することは義務である。権利が侵されることは、人格まで脅かされることなのだから。ゆえに、権利を求めないことは、奴隷状態になることを認めることでもある。だから、権利のために闘争せよ。重要ポイントは上記の要約にあります。闘争といっても、イェーリングは、ときおり、武力解決を認めもするのですが、すべてにおいて殴りかかれと言っているわけではありません。権利を主張するのなら、権利を奪っている者から取りかえせ、または、それは自分の権利だと主張して、権利を明確にせよ、そのためには全力で挑め、というように言っています。もひとつ要約するならば、以下を。権利の侵害に対して、「激情によって荒々しく激しい行為というかたち」もあれば、「抑えの利いた、し...『権利のための闘争』

  • 『秘密の花園』

    読書。『秘密の花園』フランシス・ホジソン・バーネット畔柳和代訳を読んだ。本作は『小公子』や『小公女』とともに、バーネットが書いた児童文学の代表作のひとつです。物語の作りが、良い意味でオーソドックスといいますか、物語のひな形として基本形といった感じなので、それはそれで参考になります。主人公である少女メアリがインドから本国に帰還してやって来るまでの邸の過去、それも10年前に大きな悲劇があり、その悲劇ののちの10年の経過でできあがった世界がまず構築されていて、そこに主人公のメアリが飛びこませられる。メアリ自身が偏屈で痩せぎすで問題のある子ですが、彼女は邸に落ちついてから、使用人のマーサとの出会いやムーアと呼ばれる邸の周囲の植生からの生命力みなぎる風、そして邸の周囲の庭で遊ぶようになり、少しずつ再生していく。邸と花園に...『秘密の花園』

  • 近況、そして新型コロナを考える。

    北海道はいまのところ、先月の緊急事態宣言が効いたっぽいです。本日は「新型コロナの新規感染者はなし」に落ちついた。9日に札幌へいったときには中心地を歩くおよそ8割以上の人がマスクをしていました。やっぱり知事による宣言によって新型コロナへの意識が生まれたんだと思います。僕もこの二カ月で外に遊びに行ったのは一度だけ。もともと本読みだし、ひきこもってても大丈夫なタチ。それに、まるでこういう時期の到来を見越していたかのように、未読の積読の冊数は300を超え、買い溜めた映画のディスクも、未開封のCDも多数ある、という状態だったりします。実はいくらでも家にこもっていられるのです。……などと言っていても、そろそろ生活に変化が訪れる時期です。冬季にとくに大変になる母親の介護なんですが、こっちを今シーズンもなんとかやり通して明日か...近況、そして新型コロナを考える。

  • 志村けんさん。

    志村けんさんが逝去された。新型コロナウィルスが、僕らから志村けんさんを奪ったのだ。その訃報を知ってから、新型コロナに対する憎さが僕のなかに生まれました。お前らは敵だ。それも、憎くてしょうがない敵だ。正直、有名人が亡くなってこんなに悲しくなるなんて思いもよらなかった。会ったこともない、テレビなどでしか目にしない人なのに。夕飯を終えて自室に戻り、寝転んでいたら涙が止まらない。もう30分以上も止まらない。自分のじいさんやばあさんが亡くなったときより悲しいのだ。小学生の頃、『8時だョ!全員集合』が一番好きな番組だった。毎週、土曜8時が楽しみだった。仮面ライダーよりも好きだった。僕はあたまがとろかったところがあったのか、そのころちゃんとわかってみていられるテレビ番組ってほとんどなかったのかもしれない。そんななか、『8時だ...志村けんさん。

  • 『連帯の哲学Ⅰ フランス社会連帯主義』

    読書。『連帯の哲学Ⅰフランス社会連帯主義』重田園江を読んだ。いっぽうに自由主義があり、他方に社会主義がある。この構図はとてもわかりやすいですよね。日本でいえば、自由民主党があって社会党があるという、かつての55年体制の構図に重なります。最近はもはや、社会主義や共産主義に夢を託すような勢いは、日本人にはほとんどないように僕は見ているんですけれども、かといって盤石な自由主義でもないことが、格差社会の拡大や、生きにくさを吐露する人たちがどうやら増えていること(ネットで可視化されたがためにそう見えるようになったのかもしれませんが)などによって明るみになっててきているのではないでしょうか。そういったところに、それらに替わるものとしての「連帯」する理由があるとも考えることができます。本書で考察される「連帯」。その「連帯」を...『連帯の哲学Ⅰフランス社会連帯主義』

カテゴリー一覧
商用