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Fish On The Boat https://blog.goo.ne.jp/mask555

本や映画のレビューや、いろいろな考え事の切れ端を記事にしています。

本や映画のレビュー中心。「生きやすい世の中へ」をメインテーマとして、いろいろな考察、考え事を不定期記事しています。

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2014/07/08

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  • 『ゴルギアス』

    読書。『ゴルギアス』プラトン中澤務訳を読んだ。著者・プラトンの師匠である哲学者ソクラテスが活躍を綴った、対話型の哲学書です。タイトルになっているゴルギアスは人名で、当時著名だった弁論家です。著作も残っているほどで、弁論術の大家として広く知られ、弟子も多かったようです。また、余談ですが、100歳を超えて天寿を全うしたという説もあるそうです。BC400年前後の古代ギリシャ世界時代って、どんなふうだったのかあまり想像できないのですが、ソクラテスが刑死したのが70歳ですし、プラトンが病死したのが80歳です。なかなか豊かな時代だったのでしょうか?さて、本書は弁論術を批判する本です。それも、ソクラテスが屁理屈に近いような論駁を激しく繰り返されながら、しつこくそれに相対していく姿が描かれています。その様は、本書の帯に「...『ゴルギアス』

  • 『死をめぐる、悲しみとまやかしの午後』(自作小説・43枚)

    古河蒼太郎が死んだことを、岡島賢人は悲しんだ。あまりに突然だった彼の死の報せは、賢人に大きな途惑いを覚えさせ、やがてあるひとつの考え事に深く沈み込ませていった。*息を吸うと鼻の穴の中が凍てついてくる。それは、それほど寒さの冴え渡った夜半近くだった。横断歩道を渡りはじめてすぐだったらしい。歩行者である蒼太郎を確認せずに左折してきた乗用車に彼は轢かれたのだ。横断歩道は無人のはずだ、とそれが当たり前だというように決めつけたドライバーは一時停止をせず、アクセルを踏み込みつつハンドルを切った。ぶつけられた衝撃はかなりの大きさで、ダウンコートのポケットに両手をつっこんでいた蒼太郎は、そのまま勢いよく突き飛ばされ、丸太のようにごろごろと激しく地面を転がった。目撃証言によれば、とくに転倒したその最初の瞬間に頭をひどく打ち...『死をめぐる、悲しみとまやかしの午後』(自作小説・43枚)

  • Merry Christmas!

    メリークリスマス!イヴに言っても間違いじゃないですよね?身体も気持ちもあたたかに過ごせますように。これは特別な記念日に限らず、冬場のすべての日に言えることですけれども。今、初稿が終わった短編作品の直しをしています。書き上げたぞ、とその翌日に読み直してみると、混乱や錯綜、矛盾が目立っていて、僕の執筆経験上最高レベルの直し作業になるなあ、と気構えをして取り組んでいる最中です。夜中に目いっぱいの力を使って書いたラブレターは役に立たない、みたいなことってよく言われるじゃないですか。もし夜中に書いても、ちゃんと読み直してちゃんと判断しろ、みたいな。この意味がなにか、体感としてわかるような初稿でした。読書方面は、プラトン『ゴルギアス』の終盤あたりです。本編を読み終えてからは100pほどの解説もこのあとに読んでいきます...MerryChristmas!

  • 『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』

    読書。『岩田さん岩田聡はこんなことを話していた。』ほぼ日刊イトイ新聞・編を読んだ。「岩田聡任天堂元代表取締役社長世界中のゲームファンとゲームクリエイターに愛された人。」(帯より)__________「いまあるものを活かしながら手直ししていく方法だと2年かかります。いちからつくりなおしていいのであれば、半年でやります」(p193他・糸井さん制作のゲームソフト『MOTHER2』が頓挫しかかって、HAL研究所社長だった岩田さんに糸井さんがお願いしたときに岩田さんが言った、伝説的な言葉。)__________糸井重里さんが『MOTHER2』を制作していた時期に、糸井さんがヘルプを申し出たことで、糸井さんとの交流がはじまった岩田聡(いわたさとる)さん。当時彼はゲーム制作会社HAL研究所の社長であり、そののち任天堂社...『岩田さん岩田聡はこんなことを話していた。』

  • 『PK』

    読書。『PK』伊坂幸太郎を読んだ。2002年ワールドカップアジア最終予選の試合終了間近に、日本代表チームがPKを獲得したことでW杯出場が決まるのですが、その場面での謎を、2011年に大臣をしている男が気にするのです。そういったところから始まる、「PK」「超人」「密使」の三作からなる連作短編です。「PK」「超人」は、同じような場面で事実が異なっているところがあり、そこは大切な注目ポイントなのですが、だからといってあとではっきり解き明かされはしません。そういう投げっぱなし加減も、読み手としての自由度として捉えれば、シンプルに、読み手の読み心地のよさにつながっている要素なんだろうなとしてみても、大きく外れてはいないのだろうと思います。なんだか、どう書いてもネタバレになってしまいそうなので、とくだん内容には触れま...『PK』

  • 「善く生きる」とは、人生に意味を求めないこと。

    「人生には意味がある」と、いつしか考えている自分がいた。私の場合、「好奇心を持って、いろいろな知識を得て、学び、考え、どんどん積み重ねていくこと」が人生の意味にあたる。それは人生の終わりまで続いていく、揺るぎない自明の種類のものだと考えていたので、ちょっと立ち止まって疑いを挟んでみるなんていうことは、試みようと思ったことすらなかった。だが、その「ちょっと立ち止まって疑いを挟んでみる」瞬間が昨夜、唐突に訪れたのだ。「あれ?ちょっと待てよ、これってもしかすると」胸がざわめき、穏やかだった心の水面に薄い波紋が漂いだし、そのうち少し不穏に波立ってくる。「老境に達した作家が、自死してしまうことがある。これっていったい、どんな理由があったからなのだろう?」脳裏に浮かんでいるのは、文豪・川端康成の自死について。私は、川...「善く生きる」とは、人生に意味を求めないこと。

  • 『現代オカルトの根源』

    読書。『現代オカルトの根源』大田俊寛を読んだ。スピリチュアルもUFOも、ヨーガによる覚醒も、オウム真理教や幸福の科学、そしてそれらの源流となったいくつかの新興宗教の教義も、それら現代に息づくオカルトは、「神智学」という根を持っています。さらさら読めてしまう新書の範囲内に収まる本ではありますが、それでもそれぞれのオカルトの要所要所をつかんで書かれているので、かなりくわしく読んでいくことができます。しかしながら、荒唐無稽な妄想ともいえるものをたくさん扱っているので、終盤にあたる現代日本の新興宗教までいくと、そうとう疲れてしまいました。プロローグでオウム真理教の教義に触れているのですが、努力して進歩していこうとする「人間」と快楽におぼれて堕落した「動物(的人間)」という二元論を用いて、動物を駆逐して人間の王国を...『現代オカルトの根源』

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