アプリブランド創業者のコラム。 ありふれた日常のできごとについてユーモラスな語り口で。 生きるのが楽になり、ちょっぴり勇気が湧いてきます。
嫌なことがあったときに気分を変えるアプリ「表裏一体」、心に栄養を補給するアプリ「風光明媚」などを提供するアプリブランドの作者のブログ(コラム)です。 ユーモラスな口調で日常のできごとについて語ります。 ホッとしたいときや気晴らしにどうぞ。
世界を広げるヒント、第48回は里山資本主義(藻谷浩介著)です。 お金にのみ価値を置いた資本主義に異を唱え、便利な都会ではなく、地方であってもより豊かな生活ができるのでは?と提言する本です。 基本的な考え方は、お金の消費をこれまでよりも少なくし、その分、必要なものを買わずに暮らそうというもの。 よく周りのものを見て工夫し、物々交換などの方法で分けあうことで、人との絆をより深め、本当の意味で豊かになろうということを訴えています。 たとえば ・自然のため毎回違う味になる牛乳を逆手に取って、販売する工夫 ・サラダにする野菜は冷たい湧き水で。お金がかからず、豊かな気分に 工夫次第でお金は得られるし、それほど大きなお金は使わなくても生活は楽しめるということです。 本当に必要なのはお金ではない豊かさ、一に人との絆、ニに自然とのつながりという考えは多くの人に受け入れられそうですね。 また、自然災害で既存のシステムが麻痺した時に備えてのバックアップの意味もあるという言葉にも説得力があります。 お金を稼ぐよりも大事なことがあるということに、ほとんどの人は気づいているのではないでしょうか。 少し勇気を持って何かを変えることで、人生が好転することもあるかもしれませんね。 それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました。 何か自分にとって本当に大切か?問いながら明日もがんばりたいと思います! 創造性 ★★★ 実用性 ★★★★
世界を広げるヒント、第47回は大いなる遺産(アルフォンソ・キュアロン)です。 原作はディケンズの小説ですが、今回は映画の方を取り上げたいと思います。 あらすじは、主人公(イーサン・ホーク)が幼い頃にどこか不思議で異質な感じのする屋敷で出会った少女(グウィネス・パルトロウ)と別れ、また時を経て邂逅する物語です。 成長した少女は悪魔のような美貌で、小悪魔のような素振りを見せます。 それに比べて主人公は心が純真、けれどそれゆえに成長していく青年です。 その二人の邂逅がどのような過程と結末を辿るのか、そこが見どころです。 数ある映画の中で取り上げたのは、この作品がただただ「美しい」からです。 「画」「心」「感情」「人間」何通りもの美しさがあります。 世界は美しい、そのように心から思える作品ではないかと思います。 美しさはただ奇麗なだけではないですね。統一感があり、セクシュアルでもあり、哀しくもあり、そしてどこか楽しい。 そんな世界に自分たちが生きていることを思い出すことができます。 「美しさ」を求めることは生きている上でとても重要なことではないでしょうか? それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました。 明日も何か美しさが一つでも見つかるといいですね! 創造性 ★★★★ 実用性 ★★
世界を広げるヒント、第46回はどくとるマンボウ航海記(北杜夫著)です。 作家兼医師の北杜夫が船医として5ヶ月間、世界を回遊した際の航海記です。 旅というものが自由を感じさせることはあるのでしょうが、非常にユーモラスに人生を楽しんでいる様が読み取れます。 「小島でもあるとすぐに占領してしまいたくなる。日本のものにするのではなく、新しい国を設立するため。ところがけしからぬことに他の国が盗っていて、おまけに人間まで住んでいる」 「スエズでは「チャイニーズ?」と訊かれた・・私は反射的に「ノオ、ジャパニーズ」とかなり大きな声で言い・・俺としたことが何たることだ、今度訊かれたら遊星人だとでも答えようと考えた。」 ただ、ここで特筆すべきなのは、何か特別なことが起こっているわけではないということ。 小島を見かけるのも、人に話しかけられるのも至って普通のことです。 旅なので、少し意外なことが起こったり、見知らぬ外国の方と会うことで面白いことがある側面もあるかと思いますが、決してそれだけではないのだと考えます。 要は、どれだけ面白がれるか、面白がるための引き出しを自分の中に持っているか、そういうことではないでしょうか。 その人次第で、他愛もないことで人は楽しめるものなのですね。 それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました! 明日も想像力を持って楽しみましょう! 創造性 ★★★★ 実用性 ★★★★★
世界を広げるヒント、第45回は17歳のための世界と日本の見方(松岡正剛著)です。 松岡さんは日本の文化研究をしている方です。 私が知ったのは東京駅の丸善でユニークな本棚空間を作っていたことから。 縦に並べるだけでなく、横に積み重ねたり様々な空間配置をするその世界がとても新しく感じられました。 さてこの本ですが、日本と世界の歴史を比較しながら、この世界がどのように成り立ってきたかを表している本です。 人間がどのような脳を持っているかから始まり、神話の分析、各地で生まれてくる物語についての分析などが行われます。 圧巻は宗教についてであり、世界の宗教、日本の宗教がどのように生まれ、時代を経て変遷してきたかが非常に分かりやすく書かれています。 ゾロアスター教、ユダヤ教から浄土宗、禅宗などまで。それらの生まれた背景が一つ一つ描かれて行きます。 ジャック・アタリの21世紀の歴史も歴史の流れを知ることができる、刺激的な内容の本でしたが、この本はより濃密であり知識欲が満たされて行くのを感じられます。 どの箇所も新鮮でしたが、特に印象に残ったのが「引き算の文化」について。 「枯山水」寺院における、岩や石を配置することで山や水を表す表現を指します。 水を感じるために水を無くすという考え方、美しく、発想が面白いですよね。 そのような考え方が日本で生まれたということは素晴らしいと思えました。 それでは、今回も読んでいただいて、ありがとうございました! 創造性 ★★★★ 実用性 ★★★★
世界を広げるヒント第44回は変身(カフカ著)です。 あらすじくらいは聞いたことがあるでしょうか。 「変身」は普通の社会人が突然、大きな虫へと姿を変えてしまう小説です。 この小説の何が新しいかと言うと、虫になってしまったことに、何の象徴的な意味が無いところでしょう。 私は高校時代、文学を学校の授業で教わっていました。 その時、文学作品においては、物語中に出てくる色々なものが、何かを象徴していたものでした。 たとえば橋やコウモリは異世界と現世をつなぐ境界の象徴。煙突やレモンは性器など。 何か意味があって、ものや登場人物が小説には配置される。それが当然だと思っていました。 ところが変身にはそれがない。 主人公は突然虫に変身しますが、背景や理由などがありません。 そして、主人公を含め誰もそれを気に留めることもないわけです。 このように意味を持たないことがカフカの作品の特長の一つと言えます。 ただ、意味は無いが、そして不気味ですがそこに確実に「何かはある」。 そう言えるところがまた面白いですね。 それでは、本日も読んでいただいて、ありがとうございました! 分からないものに多く出会えると、案外人生面白いかもしれませんね! 創造性 ★★★★ 実用性 ★★
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