シーズン9 第七話 航路(2) 有能な魔術師であれば、魔術で万事を解決できるか。決してそんなことはない。むしろ、精進すればするほど魔術で成しうることの限界が見…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
ばたばたしているうちに、あっという間に七月が終わってしまいました。記事画像がタイムリーとは言えないので、記事は必ずしもその時の状況を反映していないんですよね…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「この前の夕涼みは最低やったな」「川のもんなら涼しう感じるかと思っとったが、あらあかんわー」「むっさ苦し…
当たり前っちゃあまりに当たり前なんですが。 ちょろちょろ動き回っている虫を撮るのはなかなか大変なんですよ。なので、一服なさっているところを撮らせていただくこ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ヒメジョオンの花が、野を埋め尽くしている。 その花がもしヒメムカシヨモギならば、咲いていても気に留めな…
読書ノートの279回めは、住野よるさんの『よるのばけもの』(2016年発表。文庫版は双葉文庫)です。文庫版ではなく、単行本での読書。 住野さんについては、こ…
暑いので、あまり面倒くさくない判じ物を。(^^) ものの大小を画像だけで判断するのは意外に難しいんです。同じ大きさのものでも遠くにあれば小さく写り、近くにあ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「こう毎日暑くっちゃ、ほんまにかなん。なんか涼しいもん見たいなあ」「夏に涼しいもんなら水系やろ。川の生き…
《ショートショート 1478》『竜跡』「仕留め損ねただあっ?」 師匠の形相は凄まじかった。俺は力任せに殴られるのを覚悟した。だが、師匠は固く唇を噛み締めたまま…
どくしょのーと 278 えーあいは、おんがくをつくるかこわすか
読書ノートの278回めは、逸木裕さんの『電気じかけのクジラは歌う』(2022年発表。文庫版は講談社文庫)です。電子本での読書。 逸木さんは推理小説畑の作家さ…
「なんかさあ、ピンクってどうもインパクトに欠けるっていうか。配置が難しいよね」「そうそう。いろいろやってみたけど、なかなかぴんと来ないっていうか……」(ヒルガ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ タブノキ。日本の照葉樹林を代表する木でありながら、クスノキに比べるといまいち知名度が低いですね。暖帯林…
優劣は何にでも存在しますが、必ずしも絶対的なものではありません。そりゃそうですよ。優れている、劣っていると判断するのは我々。我々の基準が世界の全てを決定して…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(アミスギタケ)「うーん……どうも暗すぎてぱりっと映らないなあ」「じゃあ日を改めて、好天の時にもう一度撮りましょう…
《ショートショート 1477》『染み』「こりゃあ、張り替えない限り無理だよ。壁の染みってのは衣服とは違う。洗って落とすってわけにはいかないからねえ」「うう、そ…
蜘蛛の巣。 狩りのための道具であり、棲家であり、単なる『モノ』でありながら、見る者に意思の存在をもやりと示唆する。 どんなに立派な巣であっても、それは一夜に…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 幕切れは切ないものです。それがあっけなくとも、ドラマチックであってもね。 一つの終わりが次の始まりを生…
第七話 生い茂る(5) 有美ちゃんが露骨にほっとした顔をしたから、すかさず釘を刺す。「なあ、有美ちゃん。俺の警告を真面目に聞いてたか?」「え?」「保育費用、ど…
第七話 生い茂る(4) 一応話し合いが出来そうな雰囲気にはなってきたが、こう暑くちゃかなわない。なにせ、野原には日陰というものがまるっきりないからなあ。俺はと…
第七話 生い茂る(3) わたし一人でも絶対に生き抜いて見せると即座に啖呵を切ったなら、それが根拠のない強がりでもまだ自立の芽はあっただろう。だが有美ちゃんは、…
第七話 生い茂る(2) 今陽花と有美ちゃんが住んでるマンションは、持ち家ではなく賃貸だ。築年のいったおんぼろマンションだから家賃は安いものの、古い規格の2DK…
第七話 生い茂る(1) 梅雨明け十日とはよく言ったもので、連日のかんかん照り。毎日うんざりするほど暑い。ウイークデイは外に出ないってわけにいかないから、休日く…
本来あるべき姿が変形してしまうというのは、あまり好ましいことじゃありません。それが致命的ではないにせよ、不便でしょうがないからです。 わたしも加齢に伴って指…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 鳥というのは本来ぶつくさ言うものなんだよ。 もっとも今はばってんになっちゃって、ぶつくさ言いにくく…
どくしょのーと 277 こむずかしいおっさん、とことんとまどう
読書ノートの277回めは、梨木香歩さんの『f植物園の巣穴』(2009年発表。文庫版は朝日文庫)です。 梨木さんについてはこれまでも作品を取り上げてきましたの…
いつもと同じものが、よーく見えるとどこかヘン。 そんな経験はありませんか?「土と石だ。どこも変じゃないぞ」「ここが路上ならな」「む……」「こいつら、どうやっ…
季節画像消化のための臨時増刊です。 春の画像になりますが、ご容赦ください。 今撮ると、ただの緑一色にしかならないので。(^^;;◇ ◇ ◇ 樹木というのは伸…
《ショートショート 1476》『小さな手』「じいじのて、おっきいねー」「ははは、そうかい?」 孫の手を握って近くの公園まで遊びに出かけた。家の中で孫の相手をし…
「どうした、ぶすくれて。壁にぶち当たって挫折したか」「違う! 彼女との間にとんでもない壁ができちまった!」「壁? 溝以上に厄介だな。強行突破は?」「ダイナマイ…
読書ノートの276回めは、森博嗣さんの『どきどきフェノメノン』(2005年発表。文庫版は角川文庫)です。 森博嗣さんは推理小説畑の方ですが、科学や理論を取り…
束縛された状態が好きな者など誰もいないだろう。 何の束縛もなく、自由に……多くの人々はそう望む。 あくまでも望みに過ぎず、実現することなど永劫にないと知りな…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「公序良俗に反するから見えないところでやれ、と公権に脅されたんだが」「そういう連中が、裏での乱れた関…
《ショートショート 1475》『とんぼとかまきり』 とんぼもかまきりも肉食の昆虫だ。誕生した直後から老成するまで食らうのは肉だけであり、草や霞を食らって生きる…
そらあニンゲンとは生きてきた時の長さが違いますから、生命力を比べるのはおこがましいんですけどね。 でも、でかくなられのは本当に困るんだけどなあ……。 梅雨曇…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「これから、バケツリレーによる消火訓練を行う!」「てか、隊長。今時バケツリレーっすか? 時代錯誤もいいと…
「なあ、ちょっと聞きたいんだが」「ん? なんだ?」「おまえの顔は押し出しがいいって言われたんだ」「ああ。俺もそう思う」「それって、褒め言葉なのか、けなし言葉な…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 花に集まる虫というとどうしても蝶のイメージになりますが、実際のところはそれ以外の虫の方がずっと多いんで…
《ショートショート 1474》『二種類の視点』「伊原さん。生まれて初めて飛行機に乗ったってことじゃないんだろ? 恥ずかしいからそんなにきょろきょろそわそわしな…
運がいいとか悪いとか。 人はよく運勢のことを口にする。 だが、それはある時点での判断に過ぎない。 運がいいと判断しても悪いと判断しても、運の影響は一点に定ま…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「吸盤があるのはイカとかタコとかの軟体動物だよね」「それだけじゃないよ。他にもいっぱいいるって」「ふ…
ああ、そうさ他の何かに生まれ変わることはできないよどれだけ転生だとか前世だとか言ったところでそうなったのを証明できた人は誰もいないただの一人もねでも新しい自分…
シーズン8 第七話 鷲羽(2) 「手出し無用もなにも、私の出る幕などどこにもないわい。ビクセン公もよう言うわ」 あまりに鮮やかなビクセン公の作戦行動に呆れてぼ…
シーズン8 第七話 鷲羽(1) ケッペリアが酷暑に侵される真夏がやってきた。もちろん、暑さが天敵であるソノーの機嫌はずっと悪い。だが、その機嫌の悪さは暑さがも…
木陰で憩うといい涼しいよ君はそう言ったああそうだね葉群に解き漉かれた優しい光は夏の棘を優しく丸めるきっと木陰は他の誰よりも優しいのだろうでも木陰で憩うことがで…
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シーズン9 第七話 航路(2) 有能な魔術師であれば、魔術で万事を解決できるか。決してそんなことはない。むしろ、精進すればするほど魔術で成しうることの限界が見…
シーズン9 第七話 航路(1) 巨竜との戦いは、能うる限り短時間で終わらせねばならなかった。事実その通りになった。だが滅したのは巨竜だけだ。月にあるオストレク…
底は天上よりも涼しいのだだから望んで底にいる底にいれば光が当たらない卑屈になるそれはあながち誤りではないんだがよく考えてみたまえ本当に光が届かない暗所ならば底…
田水が引かれる前。乾いた圃場のそこここに不規則な水たまりができていた。それが六月の始まりだった。 田ではなく畑であっても、まとまった雨が降ったあとに水たまり…
《ショートショート 1512》『流紋』 (ラフ・キャンバス 7)「ううー、うまく描けないなあ」 通っている高校の近くに結構大きな公園があって。そこの中央噴水周…
一面に敷き詰める。 敷き詰められることで面の印象は単調になるはずだが、我々はなぜかその光景を愛でる。(クリーピングタイム)「一面ピンクっていうのはエロくない…
全国一千万のもふもふファンのみなさま。 お待たせいたしました。 ごちゃごちゃ面倒くさいことは申しません。 心ゆくまでもふもふをご堪能くださいませ。 ひあうい…
いや……事実そのものなので、コメントのしようがございませぬ。ナデシコ科の園芸植物は、ほとんどが外来のお客様ですね。しかも。どういうわけか濃いピンクの花が多い…
先だっての記事でもちょこっと触れましたが。 長らくユリ科という寄り合い所帯に同居していた一族は、分子生物学的系統分類の進化に伴って、現在ばらばらに解体されて…
太陽を天空から下ろし夜に仕舞うまでのわずかな時間帯その間だけ太陽は偽物になる地を温めることはできず闇を焼き尽くす力もなくまといつく夕雲を払い除けられずぼんやり…
干してあったパンツが風で飛ばされてしまうのは、事故だから仕方がない。 だが、これみよがしに路上に捨てるのは、趣味の悪い軽犯罪だ。 そうだろ? 気づいた人が見…
映画は、明るいタイトルで男前が主演なのにどろっどろのミステリーでしたが。 冬から春にかけてのお寒い時期に地を照らすキク科の太陽たちは、ミステリー抜きの『太陽…
春花のまとめもなかなか画像在庫が減っていきません。六月いっぱいは引っ張ろうかな。 で、此度登場の面々はキンポウゲの仲間です。美しい花を咲かせる園芸植物が多い…
先日、運転免許証を更新してまいりましたが、毎度のこと写真がひどい有様で。(笑 まあ、年も年やし、身繕いもいい加減なので、最初から盛りようがないと諦めておりま…
シロツメクサの葉は三枚でワンセット。 四つ葉を見つけたらラッキー……ですね。 三枚でなければならぬという規則があるでなし。葉っぱなんか何枚セットでもええやん…
スイバ(酸葉)はごくありふれた雑草だ。 冬の間は地面に張り付いて寒さに耐え、春の足音が聞こえてくると同時に花穂を上げる。スイバという名を知らない人でも、咲き…
サザンカも含め、ツバキの仲間は晩秋から翌春までの花の少ない時期を彩る花木だと思われている。 だが、ナツツバキやヒメシャラのように夏に咲くものもあり、交配の進…
季節は夏に向かってまっしぐらなので、春花の画像消化を急ぎます。同系統の記事を連投しますが、どうかご容赦くださいまし。◇ ◇ ◇ 人間は、何かと分けたがるもの…
抑えていた感情が溢れて涙に変わる涙はいつまでも流れ続けるわけではないだが誤解してはいけない涙は止まったわけでも涸れたわけでもないただ乾いたのだ 涙はいろいろな…
散歩中にすごく甘い匂いがするなあと思ったら、タイサンボクのでかい花がばかっと咲いていました。 タイサンボクはモクレンの仲間ですね。管理しやすいように高さを抑…
シーズン8 第七話 鷲羽(2) 「手出し無用もなにも、私の出る幕などどこにもないわい。ビクセン公もよう言うわ」 あまりに鮮やかなビクセン公の作戦行動に呆れてぼ…
シーズン8 第七話 鷲羽(1) ケッペリアが酷暑に侵される真夏がやってきた。もちろん、暑さが天敵であるソノーの機嫌はずっと悪い。だが、その機嫌の悪さは暑さがも…
木陰で憩うといい涼しいよ君はそう言ったああそうだね葉群に解き漉かれた優しい光は夏の棘を優しく丸めるきっと木陰は他の誰よりも優しいのだろうでも木陰で憩うことがで…
雨筋が見えない弱い雨にすら隠されてしまう内情がある雨滴の重さを感じられないのに無情にのしかかる定めがある降っている時間はわずかなのに雨音がいつまでも止まない洗…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ちょい興味があって、野生タヌキのおトイレを定期的にチェックしております。タヌキの溜め糞と言って、彼らは…
読書ノートの275回めは、桂望実さんの『嫌な女』(2010年発表。文庫版は光文社文庫)です。久しぶりにボリュームのある紙本を完読したなあ。(笑 桂さんについ…
「警報ってのは、迫り来る危機に速やかに備えなさいと鳴らされるものだろ?」「ああ」「その危機が来なかったら、俺たちは言うわけだよ。なんだ、脅かしやがってと」「ま…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「野菜が高くてかなわん」「特にブロッコリー。ついこの前、国の指定野菜に格上げされたんだろ? 安値で流通さ…
《ショートショート 1473》『俯くやつは嫌いだ』 すぐに俯くやつは嫌いだ。卑屈だとか意気地がないとか決めつけているからじゃない。俯くのはコミュニケーション遮…
夏の花が全て白いわけではない。 だが、気づけば白い花を追い、白い花ばかりを集めている。 ああ、そうだよ。 色なんかいつでも着けられる。 自分の色を選ぶまでは…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ずうっと待てるのはちゃんとメリットがあるからよ。 無目的にぼけっと待ってるなんて阿呆のすること。 そう…
読書ノートの274回めは、窪美澄さんの『いるいないみらい』(2019年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 窪さんについては『晴天の迷いクジラ』を…
花束と寄せ植え。 どちらも様々な花々の集合体だが、微妙に異なる。 花束はもらうと嬉しいけど、寄せ植えはびみょー。だって、花束は花がダメになったら処分できるけ…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ナズナにしてもタネツケバナにしても、春を代表する野草のはずなんですが、そういう季節感をさっくり無視…
《ショートショート 1472》『涙袋』「朝もはよから何をやっとるんだ、ちみは」「ほっといてんか」 部活の朝練明け。制服に着替えて教室一番乗りーと踏み込んでみた…
「鍛え方が甘いのか、最近は未熟者ばかりじゃのう」「時が来ればちゃんと一人前になりますよ」「尻の青い連中ばかりで頭が痛いわい」「未熟なのにもう赤かったら、尻の叩…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 変なやつだと言われて喜ぶ人はあまりませんよね。 いたとしたら、その人がリアルに変なのでしょう。(笑…
第六話 涙雨(5) しばらく黙っていた男が、俺にではなく自分に言い聞かせるようにしてぼそっと呟いた。「俺は……どうすりゃいいんだ」「さあ。それはあんたにしか決…
第六話 涙雨(4) 男は、俯いたまましばらく口を開かなかった。髪や髭に溜まっていた雨滴が、まるで涙のように一斉に男の足元に降り注ぐ。俺は男が何か言い出すまで黙…
第六話 涙雨(3) 忌憚なく言わせてもらえば、俺は浮浪者……ホームレスが嫌いだ。不潔だとか汚いとかだらしないとか、そういう生理的な嫌悪感ではない。社会の端っこ…