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私的海潮音 英米詩訳選 https://blog.goo.ne.jp/kozakana_2009/

主に十七から二十世紀初頭の英語詩の訳を試みています。多いのはT・S・エリオット。

ひっそりと一人で続けていた英詩翻訳マラソンです。二日にいっぺん二、三行ほど牛歩の歩みで細々と。人さまにお見せするのは訳のみで! と意気込み、二年来匿名でやっていましたがだんだんさみしくなりました。勇気をだして世の中? とつながってみよう。ので、あまりにも目に余る誤訳が目につきましたらぜひともご指摘ください。ちなみに私は英文学は素人に毛が三本生えた程度です。

コザカナ
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2011/06/04

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  • しばらく休みます。

    「失楽園」および「ミルトン1」の拙訳をお目通し下さっていた方へ。このとこれ少々忙しないため、趣味の翻訳をしばらくやめておこうと思い立ちました。とくに「ミルトン1」のほうは中途半端はところで止めてしまって恐縮の限りです。4月を過ぎたらまた少しずつ再開しようと思っております。そのときはどうかまた宜しくお付き合い下さいm(__)mしばらく休みます。

  • T・S・エリオット「ミルトン」 第四段落〔翻訳〕

    SelectedProseofT.S.Elliot[ed.ByFrankKermode]pp.258-264T・S・エリオット「ミルトンI」〔1936年〕第四段落〔259頁〕ミルトンについて、私の論点にとってもっとも重要な事実はその失明である。人生の半ばで視力を失うことがある者の詩作の性質全体を決定するに足るというつもりはない。失明はミルトンの個性と性格や、彼の受けた固有の教育と合わせて考えられるべきである。それは、また、彼の音楽の技術への傾倒と熟練伴結び付けられるべきである。もしミルトンが鋭い諸感覚――つまり五感すべてについて――の持ち主であったなら、失明はさしたる問題ではなかっただろう。しかし、かつてはそうであったその感性の鋭さを、書物を読むことによって早くに萎れさせたものの、生来の天与の才は聴覚にあったよ...T・S・エリオット「ミルトン」第四段落〔翻訳〕

  • 永遠の春〔自作小説〕第二章

    第二章撫子山上の前司は口約を護った。父の死に二年遅れて前司の死んだ後に、数多い息子の一人が『類聚歌林』の一から六までを櫃に納めて石城へと届けに来た。煌びやかな拵えの巻七と異なり、薄茶の穀紙にびっしりと文字の並んだ巻子で、帳簿の裏に書きつけた紙片が糊で継いであったり、あちこちに直しが入っていたりした。乱れた筆の但し書きを小声で読み上げるたびに、別れ際の前司の愛しげ〔カナしげ〕な声音が思い出された。この前司の死んだ年に、古麻呂が遣唐大使とともに留学生として唐土に遣わされたのだった。大使が私たち兄妹には母方の祖父の同母弟にあたる多治比大成だったため、坂上の叔母が采配を振るって石城でもなかなか賑やかな見送りの宴が開かれた。一行は二年を唐土で過ごし、天平七年の夏の初めに都へ帰ってきた。この折の帰朝のことはよく覚えている。...永遠の春〔自作小説〕第二章

  • T・S・エリオット「ミルトンⅠ]第三段落〔翻訳〕

    SelectedProseofT.S.Elliot[ed.ByFrankKermode]pp.258-264T・S・エリオット「ミルトンI」〔1936年〕第三段落〔p.259〕印刷物の上に批評家として現れる幾らかの者を含む諸個人の大きな集団が、「偉大な」詩人に対するいかなる酷評をも平和に対する違反のように看做している。理不尽な偶像破壊行為か、あるいは単なるやくざ者のやり方のように。私がミルトンに対して加えねばならない尊厳を傷つける類の批評は、ある種の致命的な面において善き詩人であることは偉大な詩人であることよりも重要なのだということを理解できない類の諸個人に向けたものではない。それについては、私が、我々自身の時代においてはただ裁判の陪審団だけが最も能力のある試作の従事者なのだと考えていることを述べておくべきであ...T・S・エリオット「ミルトンⅠ]第三段落〔翻訳〕

  • T・S・エリオット「ミルトンI」第二段落〔翻訳〕

    SelectedProseofT.S.Elliot[ed.ByFrankKermode]pp.258-264T・S・エリオット「ミルトンI」〔1936年〕第二段落〔258~159頁〕ある者が偉大な芸術家なのかもしれないにせよ、やはり悪しき影響力を具えることには、多くの人々が同意するだろう。十八世紀の悪しき韻文における悪さは他の何人よりもミルトンの影響が大きい。彼は間違いなくドライデンやポープよりも大きな害を与えたし、おそらくこの二人の詩人に、とりわけその影響力のために後者へと注がれた相当の量の悪口は、ミルトンへと移されるべきである。しかし、事を単に「悪しき影響力」という用語で表すのは必ずしも由々しい咎めをもたらすことにはならない。というのも、我々が問題をこれらの用語で言明するときには、相当の量の責任が、邪なもの...T・S・エリオット「ミルトンI」第二段落〔翻訳〕

  • T・S・エリオット「ミルトンⅠ」第一段落〔翻訳〕

    *失楽園には相変わらず行き詰り続けている上、自作小説の加筆にも案外手間がかかるため、困ったときのエリオット頼みで再び論考を訳してみます。題名は「ミルトンⅠ]。しかし、どうもエリオットという方はミルトンがお嫌いだったらしい……SelectedProseofT.S.Elliot[ed.ByFrankKermode]pp.258-264T・S・エリオット「ミルトンI」〔1936年〕第一段落〔p.258〕なるほどミルトンが極めて偉大な詩人であることは認められて然るべきだが、何がその偉大さを成り立たせているかを定めるのは一種の難問である。分析するに、彼の不利となる評点は数と重要さの双方で彼の信用を高める評点を凌いで現れる。一人の人間としての彼は反感を持たれがちである。倫理主義者の観点からしても、神学者の観点からしても、政...T・S・エリオット「ミルトンⅠ」第一段落〔翻訳〕

  • 〔自作小説〕永遠の春 第一章

    *ミルトンが再び行き詰ったためしばらく自作の小説でお茶を濁します。遅ればせながら流行り〔?〕に乗って万葉集題材、語り手は大伴家持。以前このブログでお目にかけていた同タイトルのものを加筆修正しております。英文学はまだしも古代日本については全く門外漢なので、誤字脱字はむろん、時代考証上の誤りや詩歌の解釈の間違いなど、お気づきの誤謬がありましたら是非是非ご指摘ください。永遠の春Nota,mortuumviverepergloriam――死びとらよ誉れに拠りて生きよ第一章土牛故郷――という言葉を想うとき、初めに浮かんでくるのは、うらうらと白く鮮やかな筑紫の春の陽射しだ。唐渡りの白梅が薫り高く開き、空は高く晴れて、風がみな仄かに潮の香を含んだ南の春の様だ。冬永い因幡の国府で水を含んだ重い雪が音もなく積もる気色を感じながら...〔自作小説〕永遠の春第一章

  • 失楽園 178~191行目

    *177行目から引き続きサタンの一人称の語りです。192行目からいわゆる「地の文」に戻ります。楽園の喪失ジョン・ミルトン巻一178~191行目178我らをして好機を逃させるな蔑みかあるいは179満ちたりた怒りが我らの仇から生じさせたものを180見るがよい彼方のもの寂びた野を打ち棄てられて181荒んだ野の朽ちた座と光の裂け目を182何がこの蒼ざめた焔の燦めきが183衰え荒んでゆくのを護る?其方へと我らを向かわせよ184この燃え盛る大波のうねりから離れて185そこでもし幾何の安らぎが潜むなら安らぎ186傷めつけられた力を集め直して187語らうのだ如何にしてこれより最もよく188我らの敵を害し如何にして己らの損失を償い189この悍ましい災いを覆すかを190もし絶望からくる不屈の意志がなければ191希望〔ノゾミ〕からど...失楽園178~191行目

  • 失楽園 169~177行目

    *引き続き「大いなる悪霊」すなわちサタンのベルゼブブへの返答です。楽園の喪失ジョン・ミルトン巻一169~170行目169しかし見よ怒れる勝利者が170報復と追撃の下僕〔シモベ〕らを171天の門へと呼び戻した硫黄の如く燃え盛る歓呼が172嵐のなかで我らの後ろにあがって過ぎたのちには173焔の如きうねりがのべられて天の絶壁から174墜ちる我らを受けとめた赤光と激烈な175憤怒によって飛び来たる雷は176おそらくはその矢を費やし尽くしたのだろう今や177漠たる果てない深みを貫いて轟くのをやめてしまった169ButseetheangryVictorhathrecalled170Hisministersofvengeanceandpursuit171BacktothegatesofHeav’n:thesulphurous...失楽園169~177行目

  • 失楽園 156~168行目

    156するとすぐさま大いなる悪霊が応えた157墜ちたる智天使よ弱るのは惨めな158振舞いか苦難だがこれだけは確かだ159何であれ善を行うことは我らの任ではない160邪〔ヨコシマ〕に振舞うことだけが我らの歓びなのだ161我らの抗うかの者の気高い意志に162叛く者としてもしかの者の摂理が163我らの悪から善を生み出そうと求めるなら164我らの骨折りはその結びを貶めるべく努めて165善から更に悪の手立てを捜し出さねばならぬ166それがしばしば巧く運べばあるいは167かの者を嘆かせるやもしれぬもし俺がしくじらず168定めのままの意図からなるかの者の内奥の弁護者たちをかき乱せるならば156Wheretowithspeedywordsth’Arch-Fiendreplied.157Fall’nCherub,tobeweak...失楽園156~168行目

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