僕のようにメリハリのない生活をしていると、一年の暮らしどころか人生そのものに節目が無かったりする。それでも都会を離れて長く経つと、季節がその時々で僕に節目らしきものを意識させてくれるようになった。一年は短く、そして一年は長く。人付き合いなどほとんどない僕の周りでさえ、その一年でいくつかの健気な命が潰えたし、その一年でいくつかの慈しみを受けた命が救われた。今年はどんな年だったか? と振り返ってみても...
自分の部屋を何年かぶりで大掃除した。何度かここへも書いたけれど僕の部屋は大変狭い。でもその狭さと、天井の低さと、窓の小さい暗さが大好きなのだ。穴倉というか、船室というか、山小屋というか、妙に落ち着く空間なんだよね。僕は引っ越しの度にいろいろなものを捨てて来てから、住まいを変える毎に持ち物は少なくなっていった。もともと洋服だの靴だの雑貨だのはほとんど持っていなかったけど、東京を出るときにレコードやCD...
自分へのご褒美と誰かが言う。買えなくはないけれどちょっと気の引ける金額の物を買うとき。太るのは嫌だけど食欲に負けそうなケーキを前にしたとき。人は「自分へのご褒美」と称してそっと手を伸ばすように思う。僕はそんな人たちを微笑ましく思い、そんな人たちをうらやましく思う。自分に褒美をあげられるほど頑張ることができるのは幸せなことだ。何か欲しいものがあるということはもっと幸せなことだ。僕にはもう何年も欲しい...
うちのお向かいに住んでいたお婆ちゃんが亡くなった。95歳で一人暮らし。この別荘地ができた当初に50代でご主人と移り住んだらしい。我が家が木を伐採しただけの更地だったころから知っていたそうな。月に10日くらいは息子さん夫婦が泊りに来ていて、それ以外のときは我が家も様子を気にかけていた。毎朝8時に雨戸が開いてテレビの音が聴こえ始める。それを確かめると「ああ、元気だな」と思う。夕方5時にまた雨戸が閉まる。うちが...
夜の9時か10時には布団へもぐり込んでしまう僕だけど、この頃くつしたが一緒にベッドへやって来る。前足を揃えて枕元に座り、喉をごろごろ鳴らしながら満足そうな顔をしている。国東でくつしたと出会って2ヵ月くらい経った頃だったかな?だいぶ警戒心が緩んできて、僕がカリカリを持っていくと待ちかねたように寝床から走り出して来るようになった。子猫だからいつだってお腹はペコペコだったろう。山盛りにしたカリカリを貪るよう...
この半月くらいの間にご近所からもらったもの・自然薯・青森のごぼう・沼津のイタリアンロールケーキ・香川のうどん・青森のリンゴ・なんとかっていう瓜・新潟のお米5kg・にしんの昆布巻き・焼き立ての塩パンとか6個くらい・焼きプリン・紅まどんな・柚子のジャムと皮の砂糖漬けうちがご近所にあげたもの・庭の柚子近隣の恵みで暮らす我が家かな。みなさんありがとうございます。...
僕は朝が早い。猫たちの朝ごはんが午前5時なのでどんなに遅くても4時半。たいていは3時半とか4時に起きる。そして丁寧にコーヒーを淹れて、ちょっとだけ甘いものを食べるのが楽しみ。甘食とか、蒸しパンとか、たまには少し贅沢にパウンドケーキとか。夏の午前4時なら東の空は薄ら明るくなっている。だけど冬至直前の今はしんと静まり返った真っ暗闇。デッキへ出ると冬の大三角形が夜空に瞬いている。そんな時間にこっそりと過ごす...
この家に引っ越してきたとき奥さんと「記念樹みたいなものを植えよう」と相談して、僕の好きな銀杏の木を庭の隅に植えた。あの時僕の腰よりも小さかった細い苗木は、もう手が届かないくらい伸びて美しく紅葉している。毎年秋になると、「ああ、また伸びたなあ」と黄色い葉を見ながらほくそ笑む。こういう楽しみを僕は都会を離れて初めて知った。あんまり大木になっても困るから脚立や梯子に乗って届く辺りの高さで切り詰めていくつ...
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