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2011/01/21

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  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第205回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第200回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第205回マツリが紫揺の座っている寝台に腰を下ろす。「リツソ君に何かあったの?」そうきたか・・・。「まだ会っておらん」「どうして?」「今日までが婚姻の儀、まだリツソには時が必要だ」「そうか・・・」そう言われればそうだ。マツリは馬車の中で逆撫でしかねないと言っていた。完全に婚姻の儀が終わるまでは、それから数日過ぎるまでは何を言っても逆撫ででしかないのだろう。「うん、分かった」紫揺がリツソのことを気にかけているとマツリは知っている。婚姻の儀が終わって話に来てくれたのだろう。進展のない報告...辰刻の雫~蒼い月~第205回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第204回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第200回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第204回明日からマツリが来る。夜伽(よとぎ)に。「・・・嫌だぁ・・・」そのままポテンと卓に伏せた。あと一辰刻(いちしんこく:二時間)と二刻(にこく:一時間)で月の雫の儀の刻となる。回廊からそっと襖が開けられた。ススススと“最高か”と“庭の世話か”が紫揺の部屋に入って行く。すると目の前の卓に紫揺が伏せたまま眠っているではないか。「まぁ、どう致しましょう!」まさか寝ているとは思いもしなかった。「紫さま!お目覚めになって下さいませ!」慌てて紫揺を起こし、もう少しすれば真丈が来るからと、し...辰刻の雫~蒼い月~第204回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第203回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第200回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第203回翌日も声のよく通る文官の進行で言祝ぎが始まった。今日も知っている者は一人もいなかった。衣裳は昨日と同じく一日で二回着替えた。今日も舞台の上で合計三着を着たことになる。今日の最後には可愛らしい赤色が無くなり落ち着いた赤色となり、新しく青系の色が加わっていた。昨日と同じ刻限に杠が訪ねてきて、少しは落ち着いていた紫揺の様子を見ると安心したように部屋を出て行った。「杠殿、お待ちくださいませ」紅香が襖から出てきて杠を止める。「はい」「夕べのことで御座いますが、いったい紫さまに何が御座...辰刻の雫~蒼い月~第203回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第202回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第200回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第202回回廊下を覗こうとした紫揺だったが、紫揺の手首を引っ張ってリツソが止める。あの可愛らしいリツソの力とは思えないほどの力である。「紫揺をお放し下さい」「杠」こんな所を他の誰かに見られるわけにはいかない。大きな声は出せない。「杠か、お前に何を言われることなどない」「己はマツリ様付きで御座います。マツリ様の御内儀様となられる紫揺をお守りするのも己の任で御座います」「たしか・・・シユラが兄と慕っていると聞いたが?」「己も紫揺のことを妹と思っております」「では我の義兄となるということか...辰刻の雫~蒼い月~第202回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第201回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第190回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第201回暫しの時を設けることが出来、頃合良く女官が声をかけてきた。正面の襖が開けられる。大きく開けられた襖の向こうには、いつの間にか立派な馬車二台が正面に停まっていた。紫揺が手を取られ静々と階段を降りる。履き物を履くとすぐに控えていた女官が裾を持つ。一台の馬車に紫揺が乗り込むと、もう一台に領主と秋我、此之葉が乗り込んだ。来た時には地に足をつけていた武官たちが馬上で姿勢を正している中、横を見ると見張番たちが手を振っている。この辺りは自由にして良いようだ。紫揺も手を振り返す。さすがに東...辰刻の雫~蒼い月~第201回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第200回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第190回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第200回翌日、かなり疲れていたのだろう、夕刻まで寝ていた紫揺。生きているのだろうかと、此之葉が何度も紫揺の息を確かめていた。そしてその翌日から紫揺の辺境の旅が始まった。少なくとも二週間後には戻って来なくてはいけない。紫揺とてギリギリまで辺境を回るという浅はかな考えはない。天候も含み、いつ何が起こるか分からないのだから。それを思うとどれだけ頑張っても辺境の全てには回れない。道中、祝いに来てくれていた何人もの民や、間に合わなかったという民と会うことが出来た。誰もがまさか紫揺に会えるとは...辰刻の雫~蒼い月~第200回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第199回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第190回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第199回おおよそ半月後、宮から狼の模様が入った文を携えた早馬があちらこちらに走り、東西南北の領土にはシキが文を携えて飛んだ。最初に飛んだのは東の領土であったが、同じ狼の模様が入っていても内容は違うものである。言わば東の領土の領主は紫揺の父親代理となる。単なる御招待客ではないのだから同じ内容ではない。それに四方直筆の文であった。シキが領主と紫揺、秋我夫妻を前に口上を告げ、恭しく四方からの文と装飾された大きな飾り石、いくつかの高級な反物、本領でしか採れない茶葉を領主に渡す。これは結納で...辰刻の雫~蒼い月~第199回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第198回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第190回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第198回湯に浸かるとしっかりと四人に囲まれ、衣装の着心地から六都であったことを色々と訊かれた。杉山で杉と話したことや怪我をしたことは言わない。怪我をしたことなど言ってしまえばまた泣かれてしまう。湯から上がると着替えを手伝ってもらいながら四方のことを訊く。戻ってきたことを報告しなくてはいけないだろう。そんな事も分かっている“最高か”と“庭の世話か”。すでに四方の従者に訊いている。「まだお仕事をしていらっしゃいますので、手が空かれれば従者殿が呼びに来て下さいます」この辺りは尾能が従者を...辰刻の雫~蒼い月~第198回

  • 辰刻の雫 ~蒼い月~ 第197回

    『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第190回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第197回川の流れる音がする。それも盛大な音。それが段々と近づいてくる。いや、自分から近寄っている。岩の影から二人乗りの馬が姿を現した。「わぁ・・・」見たこともない滝であった。複雑に水の道を描き三段に分かれている。そして最後の最後には五つの滝に分かれている。それもどれも立派な滝。「すごい・・・」粒になった水飛沫が虹を作っている。「降りていい?」馬から。「ああ、待っておれ」先にマツリが下りると手を差し伸べて紫揺を下ろす。「こんな滝見たことない」マツリが適当な出っ張りに手綱を括りつける。...辰刻の雫~蒼い月~第197回

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