「蛸壺やはかなき夢を夏の月」この句は「笈の小文」からの選定で元禄元年に行った芭蕉の小紀行文には若さというか色気が感じられる。わび・さびに慣れた目にはこの句をはじめとする諸作が眩しく映る。とくに蛸壺の句が好きだ。現代の文芸作品と比べても優れている。芭蕉は若い時も老境になっても色あせない。才能が頭抜けている。6月18日、明け方になっても蒸し暑い。ぼくはこれから眠るから蛸と一緒に「はかなき夢」でも見よう。芭蕉の名句㊱『はかなき夢を夏の月』
斬新な切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設17年目に入りました。
自然と共生しながら、生きてきました。 ここでは4,000字(原稿用紙10枚)程度の短い作品を発表します。 <超短編シリーズ>として、発表中のものもありますが、むかし詩を書いていたこともあり、コトバに対する思い入れは人一倍つよいとおもいます。
〇「パリ五輪の開催宣言」とかけて「マクロン大統領の政治基盤」とときますそのこころは「どちらも五輪終〈ご臨終〉へまっしぐら」でしょう〇「男子体操団体の逆転優勝」とかけて「栃木県佐野市の41.0度」とときますそのこころは「どちらも血がたぎる」でしょう〇「パリ五輪トライアスロン予選延期」とかけて「パリ女性市長のアピールは嘘だったの?」とときますそのこころは「水質検査で基準満たさず」でした〇「日本団体馬術銅メダル」とかけて「フランスの小説レ・ミゼラブル」とときますそのこころは「どちらも主人公はジャンヴァルジャン〈人馬ガンバル〉じゃん」でしょう新企画『ととのいました』26
〇価格転嫁のカミシモ〈袴〉着けてアーソレソレメーカー・元売り・小売りも値上げソレカラドーシタ転嫁できない庶民は音を上げる〇五輪予選の寝ぼけたテレビアーソレソレ外は酷暑で家の中も茹だるソレカラドーシタ東北豪雨に危機管理室設置の談話がだるい〇電気・ガス・ガソリン補助は8月分もアーソレソレ延長したけど冴えない首相ソレカラドーシタ総理・総裁の延長もあればいい〇セーヌ川水質改善泳いで見せたアーソレソレ女性市長はパリ自慢ソレカラドーシタ開幕イベントでは鉄馬が走る〇五輪柔道またやらかしたアーソレソレむかし篠原いま永山ソレカラドーシタ誤審で負けたと抗議も空し当世あきれ節6
〇「おい。いよいよパリ絵五輪が始まったな」「開会式前だけどサッカー予選で日本が強豪パラグアイに5対0で大勝しました」〇「横綱照ノ富士は大の里に負けた1敗だけで12勝だからほぼ優勝は堅いだろう」「間違いないでしょう。3敗力士はついていくのにアップアップですから」〇「ところでアメリカの大統領選から目がはなせなくなったな」「バイデンが下りてハリス副大統領が民主党の統一候補になりそうです」〇「トランプは銃撃を受けた直後は完勝に見えたが、ハリスの人気が高いので焦っているようだ」「共和党大会ではアジ演説に終始していました。11月までにはカマラ・ハリス候補が逆転しそうですね」〇「トランプの嘘八百は北朝鮮のキム・ジョンウンにも見透かさていたぞ」「前に失敗しているのに小僧っこ扱いですから相手にされませんね」〇「大谷翔平が3...紙上大喜利63『じじいの時事ばなし』
朝顔はここには空が無いというほんとの空が見たいというぼくは驚いて空を見る地面ばかり見ていたから気が付かなかったがきみはほんとの空を探してたんだね自分だけの空に手を差し伸べてあしたも同じ空がほしいとあどけないことをいう朝顔だったんだポエム389『朝顔抄』
月の満ち欠けを表す呼び名はほぼ一日ごとにある。新月、三日月、十三夜、十五夜、十六夜などは誰でも知っているが、十日夜〈とうかんや〉の月はあまり知られていない。稲の収穫を感謝し翌年の豊穣を祈って、田の神に餅やぼた餅を献じるほか、稲刈り後の藁を束ねて藁づとや藁鉄砲を作り、子供達が地面を叩きながら唱えごとをする行事である。田の神というとむかし「新日本紀行」で初めて見たときの驚きを思い出す。たぶん東北地方の行事だったと思うが、目には見えない田の神様を座敷に上げ風呂に入れたり御馳走でもてなしたり一晩中お世話をするのである。この行事は一つの集落で一軒の当番が順繰りにやるのだが翌年のために手順を教えることまで正確に踏襲されてきた。とにかく見えない神様に酒をついだり牡丹餅を食べさせたりする仕草が面白い。風呂の場面はもっと面...真夏の怪談その10『十日夜〈とうかんや〉の月』
オクラがやっと葉を広げ始めたずいぶん時間がかかったなあ今は草だがすぐ木になるいったん採れ始めると矢継ぎ早小ぶりのうちに摘み取ってまな板の上でトントントン肉にも刺身にも合うんだよなあこいつは最高の脇侍だ実る前からこの調子じゃ一か月後にはどうなるんじゃいポエム388『オクラ』
〇「大相撲が始まったが大の里にはがっかりだな」「大関までは一気に突っ走ると思っていましたからね」〇「いやな予感がなかったわけじゃない。親方に謙虚になれと言われたその言葉を深く受け止めてない様子が気になったんだ」「へえ、ご隠居よく見てますね。優勝後のインタビューの受け答えに若さを感じましたね」〇「足のケガの影響があるのかもしれんが腰がフワフワしてる」「2勝3敗ですけどせめて勝ち越さないと・・」〇「横綱照ノ富士の相撲が変わったんで驚いている」「積極的になりましたね。素早い立ち合いから一気に寄り倒す相撲が目立ちますね」〇「期待の若手がイマイチなんでこの後怪我がなければ優勝は照ノ富士!」「でしょうね、大関陣がコロコロ負けて後を追う者がいないですから」〇「錦木の5連敗はショックだぞ」「ご隠居、まだ気にかけてたんです...紙上大喜利62『じじいの時事ばなし』
今回の主役の一つは京都の伝統野菜に登録されている九条ネギである。九条ネギは葉ネギの一種で根元から葉先までどの部分も甘みがあっておいしいという。墓に九条太ネギと呼ばれる茎の太いネギがあって、こちらもネギそのものが主役になるほどトロ味があって京都にはなくてはならない野菜である。いずれも主な産地は京都の九条地区で、九条ネギの呼び名もそこから出ている。どちらも全体が青々とした葉ネギだから薬味としての利用よりもネギそのものが料理として賞味される。収穫する時期によって味の違いがあり、夏は辛みが増し旬の1~2月が甘みを増して一番おいしいと言われている。関東では長ネギ主体だから九条ネギを味わう機会は少ない。ネギ好きとしては細ネギでも太ネギでもだし巻き卵や卵とじで食べてみたいと思う。さて、九条ネギは九条という名所にちなんで...真夏の怪談その9『九条二題話』
朝顔朝顔の双葉みたいなのを見つけたので大事にしていたら昼間しぼんだ青い花をいくつか発見した支柱を立てて置いたら絡んで好きなだけ蔓を伸ばし見る人もなく咲いた朝顔翌朝7時に様子を見に行ってみたら風に吹かれて左右に揺れていた「あ、おはよう。間に合ったね」でも梅雨晴れ間の光があたりを満たすとみるみる萎んでしまうもっと早起きしろということかがんばって6時に起きて行ってみたら会話することができた「早起きの気分はどうですか」よせやい、こぼれ種くんこのまま実をつけてまたこぼれなさい来年も花を咲かせて僕を起こしてくれポエム387『朝顔に起こされて』
〇マルチ商法いろいろあるがアーソレソレ昨今はモノなしマルチが注目浴びるソレカラドーシタ投資と色気のマッチングアプリで学生狙い撃ち〇この世は全員は裕福になれないアーソレソレだから知人を5人誘って勝ちぬけにソレカラドーシタ子が孫増やすからあなたは一躍成金に〇マルチの手法を堂々セミナーでアーソレソレカネなし学生に消費者金融で元手を作らせたソレカラドーシタだますの嫌だと学生が主催者を訴えた〇防衛省が不祥事相次ぎ大騒ぎアーソレソレ海上自衛隊員の飲食不正に始まってソレカラドーシタ潜水手当の水増し受給が数千万円〇海上自衛隊幕僚長が会見アーソレソレ海自組織の「なあなあ体質」を指摘ソレカラドーシタ組織改革には時間がかかるとも当世あきれ節5
生き延びた一粒のかばちゃの種がいまや家庭菜園を席巻している本来はトマトやジャガイモのために用意した猫の額程度のスペースに侵入したものだ何本もの蔓がインベーダーのように伸び切っても切っても侵入するかぼちゃ野郎鉄の柵を越えて3メートルの宇宙遊泳幾つもの花を咲かせるもんだからついほだされ大目に見たのが間違いだった蔓と花ばかりで実はいつなるのか腹が立ってとうとう柵越えの蔓を切り落としたなせば成る・・この決断が吉とでますようにポエム386『かぼちゃ野郎』
〇「東京都知事選は小池百合子の圧勝だったな」「蓮舫さんは伸びませんでしたね。3位は意外でした」〇「立憲民主は補欠選挙の時の勢いが失速したのか」「敵失がないとダメということでしょう。岡田さんや野田元総理が応援に入って赤っ恥をかきました」〇「石丸伸二というニューフェイスが2位になったのは驚きだな」「無党派層の支持を集めて旋風を起こしました。これからの選挙はSNSが欠かせませんね」〇「イギリスもフランスも勢力図が変わったな」「イギリスはスターマー党首の労働党、フランスは左派と中道〈マクロン〉の結託でルペンの右派連合を阻止しましたが先が見えませんね」〇「大谷翔平の28号はジャッジに4本差まで迫ってきた」「球宴で両者が顔を合わせるわけだからたまらんですね」〇「藤井聡太7冠が挑戦者の渡辺明元王位に逆転勝利したらしいぞ...紙上大喜利61『じじいの時事ばなし』
鞍馬の山で修行していた牛若丸が京の五条大橋で弁慶と出会い、大なぎなたで攻撃されるが欄干の上をヒラリひらりと飛び移り降参させた話は絵本で読んだことがある。これは巌谷小波〈いわおやさざなみ〉という作家がまとめた日本昔話がもとになっている。欄干を飛び移る術は鞍馬の天狗から授けられた秘術で、幼名牛若丸〈源義経〉が会得した得意技である。実は弁慶は五条大橋では引き下がったが清水寺の舞台で二度目の闘いを挑んだとされている。しかし、牛若丸が弁慶のなぎなたに飛び移って扇子で目をたたき降参させたことから、弁慶がガバとひれ伏して弟子になったという話が伝えられている。長じて源義経になってからの活躍は「吾妻鑑」や「義経記」をもとに大河ドラマなどで何度も取り上げられている。弁慶も実在の人物で、一の谷の合戦にも義経とともに登場する。兄...真夏の怪談その8『八艘飛びの義経伝説』
新じゃがなんだか冴えない姿だが茎が枯れるのを待って試し掘りしてみたジャガイモだ大量に獲れた方の写真では畑を埋め尽くすほどのリッチ感だが1メートル幅のスペースだから仕方がない時期遅れの植え付けにもかかわらずきみたちよくガンバッタね今夜はフルコースにするからネ肉じゃがにするけどそれでいいだろう?付け合わせにポテトサラダおやつはポテト・チップスアハハ笑っちゃうなあと数株残っているからレシピを考えておくよポエム384『ジャガイモのフルコース』
〇美容整形前払いアーソレソレ突然閉鎖で雲隠れソレカラドーシタ後の工事は以下の医院で承ります〈整形失敗修復作業?〉〇元国会議員の弁護士事務所アーソレソレ詐欺被害者から手付金集めソレカラドーシタ被害金を取り戻せる可能性・・があります〈二度騙された〉〇新紙幣がきょう発売されますアーソレソレ若い番号はメガバンクから割り当てソレカラドーシタ日銀さんは新札片手にほくそ笑む〈これ以上物価を上げて悲鳴が聞きたいの〉当世あきれ節4
定年退職した友人が藤沢にログハウスを建てたというのでその夏仲間と冷やかしに行った。玄関先に自転車が3台重なるように立てかけてあったので理由を聞くと、どこかに置いてあった放置自転車を拾ってきて整備したものらしい。厳密にいえば放置してあっても他人の私有物で、鑑札も取ってないわけだから警察にとがめられないのかと心配になった。「平気平気、捨てたやつが所有権を主張するわけないし、整備して有効活用してやってるんだから文句を言われる筋合いじゃない」「なるほど・:」押しかけた仲間3人は自転車の話題から離れて2階のプライベートルームで紅茶をごちそうになった。オーディオ・セットが置いてあったのでかけてもらうとパット・ブーンの名曲が流れ出た。ひとしきりくつろいだ後、「これから七里ケ浜までサイクリングしてみないか」と友人が言い出...真夏の怪談その7『七里ケ浜のサイクリング』
「ブログリーダー」を活用して、正宗の妖刀さんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。
「蛸壺やはかなき夢を夏の月」この句は「笈の小文」からの選定で元禄元年に行った芭蕉の小紀行文には若さというか色気が感じられる。わび・さびに慣れた目にはこの句をはじめとする諸作が眩しく映る。とくに蛸壺の句が好きだ。現代の文芸作品と比べても優れている。芭蕉は若い時も老境になっても色あせない。才能が頭抜けている。6月18日、明け方になっても蒸し暑い。ぼくはこれから眠るから蛸と一緒に「はかなき夢」でも見よう。芭蕉の名句㊱『はかなき夢を夏の月』
月の裏側はわからないことばかりだ何年か前に中国がロケットを着地させたらしいがその後の様子は皆目わからないもしかしたすでに基地を作っていて秘密の地下壕に宇宙飛行士が住んでいるかもしれない太陽風や隕石に耐えながら暗闇の生活に慣れる訓練も月は地球を回る公転と自転の関係で地球の人にいつも良い顔を見せている三日月から満月まで風流の極みを提供して月にはかつて水が存在したらしい井戸掘りしなくても光さえあればプラントの中で野菜を栽培することもできるなのになんで月の裏側にこだわるのか月面裏側の地下シェルターの奥深くに会議室を設け核戦争後の地球支配を協議するつもりか1959年に初めて月の裏側を見たルナ3号も地球は青かったのボストーク1号もソ連だった習近平さんウラジーミル・プーチンさん仲良くしましょポエム413『月の裏側では』
「野を横に馬牽きむけよほととぎす」この句は「おくの細道」に載っている。この句が読まれた場所は、宇都宮から日光街道と分岐する奥州街道の拓けた場所らしい。〈白河の関へ向かう直前の作〉野の端っこからホトトギスの鳴き声が聞こえてきたので、すかさず芭蕉が反応した即興の名句である。絶えず句作のことに留意している芭蕉ならではの馬子への命令「馬牽き向けよ」に切迫感を感じないだろうか。今この瞬間を逃したらホトトギスはどこかへ行ってしまう。忍者まがいの健脚で知られる芭蕉がたまには馬に乗ることもあったのかと思う一方、江戸時代初期には馬子という職業が定着してとも考えられる。もともと伊賀の武士出身の芭蕉に職業意識はあるまいが、とっさの言葉に馬子への優位が覗かれる。いろんな面白さを含んだ名句として取り上げた。芭蕉の名句㉟『野を横に馬牽きむけよ・・』
〇古・古・古米ニワトリ啄みコケッコー〈結構〉*立憲民主の原口さんが「くず米〈家畜用〉」と呼んだ備蓄米です。〇六方を踏んで「どうだ」と進次郎*JA・全中〈農協〉を相手に富樫〈総理・農水省〉承知の勧進帳俳句川柳21『コメ騒動余波』
〇「退院のとき禁酒を申し渡された肝臓病患者」とかけて「看護婦なんぞに命より大事なものがあるのがわかるめえ、と帰りしなに蕎麦屋で祝杯をあげるオッサン」とときますそのこころは「おれの辞書には婦も屋も酒もちゃんと載っている、サ別用語じゃありません」*謎かけ問答変則版新企画『ととのいました』34
〇「長嶋茂雄が死んだな」「89歳というのはミスターらしいですね」〇「どのテレビ局も特集を組んで悼んでいるな」「エピソード満載の人ですから材料に事欠きませんね」〇「ジャイアンツでの活躍と慌て者のイメージが目立つ人だった・・」「そのギャップが愛されましたね」〇「やっぱり白鵬が相撲界を去ったな」「ご隠居の言った通りでした」〇「辞めさせられた白鵬の反撃で相撲協会もおちおち眠れないか」「何を言われても沈黙を押し通すらしいですよ」紙上大喜利91『じじいの時事ばなし』
栃木県の白河の関は奥の細道の入り口とあって芭蕉は待ち構えていた門人たちの大歓迎を受けた。そのため、かなりの期間黒羽町に滞在したと記されている。ある解説によれば「白河の関は東北の玄関口とされ、芭蕉は古歌や故事を偲ぶのに夢中で句を詠む余裕がなかったとされています。一カ所一句の原則は後に紀行文「おくの細道」を編纂する際に確立したものである。立ち寄らなかった場所でも俳句を載せて紀行文の体裁を整えた。『田一枚植えて立ち去る柳かな」尊敬する西行の五百年祭を記念する「遊行柳」などには実際に足を延ばしたが、門人のいない場所では連歌や連句を巻くこともできず早々に通過したことは前にも記した。「俤(おもかげ)や姨ひとりなく月の友」数年前の中秋9月10日、千曲市八幡の長楽寺で、松尾芭蕉の没後を偲ぶ会が催された。この句は「亡き母の...芭蕉の名句㉞『姨ひとりなく月の友』
〇新国劇のヒーローは月形半平太「春雨じゃ濡れて行こう」〇深刻劇に登場は斎藤兵庫の輔「責められても蛙の面にしょんべん」〇魔手・訴え返しで職員を告発「立花孝志さんに立ち話以上の秘密を洩らした」時代変われば主役も変わる『月形半平太もどき』
お土産にもらった魚沼産こしひかりの塩にぎり舌が感じるほんのり甘いコメの味ふるさとの川に戻った鮭が嗅ぎ取る匂いのように新潟の味が鼻腔をくすぐるうまいうまいよう何も足さない何も引かない思わずコピーライターの顔が浮かぶほど完璧な商品魚沼産こしひかりの味は三日過ぎてもまだ舌に残っているポエム412『塩にぎり』
「夏の夜や崩て明し冷し物」物知り博士の解説によれば以下の通り。前月下旬から嵯峨落柿舎に滞在していた芭蕉は、膳所に戻った翌日、元禄七年六月十六日(1694年8月6日)曲翠亭にて夜遊の宴、支考らと五吟歌仙を巻きました。掲句はその発句です。脇は曲翠、露ははらりと蓮の縁先。「今宵は六月十六日のそらみずにかよひ、月は東方の乱山にかゝげて、衣装に湖水の秋をふくむ。されば今宵のあそび、はじめより尊卑の席をくばらねど、しばしば酌みてみ(乱)だらず。人そこそこに涼みふして、野を思ひ山をおもふ。(中略)しからば湖の水鳥の、やがてばらばらに立わかれて、いつか此あそびにおなじからむ。去年の今宵は夢のごとく、明年はいまだ来たらず。今宵の興宴何ぞあからさまならん。そぞろに酔てねぶ(眠)るものあらば罰盃の数に水をのませんと、たはぶれあ...芭蕉の名句㉝『崩て明し冷し物』
松島トモ子という元子役は長じてライオンにがぶりと噛みつかれて有名になった最近では芦田愛菜ちゃんや鈴木福くんが印象に残る活躍をした中でも忘れられないのはひとひとピッチャンひとピッチャン万屋金之助映画「子連れ狼」の子役だろうか「大五郎」は役の上とはいえ毎回幼くして命を狙われる劇画家・小島剛夕が作りだした独特の死生観を付与されたまさか大五郎が実人生で事件を起こすとは子役の時に与えられた死生観が実人生に影を落としたのか不思議な縁だが深淵を覗き込んだ気がする子役のたどる運命は難しい芦田愛菜ちゃんのように親のサポートがしっかりしていて才能をどう伸ばすか方針が決まっている親の役割は成人になるまで卒業できない鈴木福くんも大学生になってそろそろ卒業するころだろう有名大学で学んだ学業を生かして実りある社会人生活を送るのももう...ポエム411『子役』
〇「大相撲夏場所は大の里の優勝で終わったな」「惜しくも全勝はできませんでしたが圧倒的な強さでした」〇「翌日には理事全員一致で横綱審議委員会に諮問された」「初土俵以来13場所での横綱は異例の速さだそうですね」〇「しかし千秋楽で豊昇龍に突き落とされたのは不覚だった」「14日目から緊張してましたものね」〇「二所ノ関〈稀勢の里〉親方がコメントして「アドバイスはほとんどない。この負けを来場所以降の糧にしてほしい・・と手放しのほめようだった」「稀勢の里以来の日本人横綱というんですから因縁を感じますね」〇「優勝2回の師匠を早くも上回っているぞ」「ご隠居、朝青龍・白鵬・日馬富士などモンゴル勢全盛時代に2回優勝した稀勢の里は立派でした」紙上大喜利90『じじいの時事ばなし』
「曙はまだ紫にほととぎす」「曙」は言うまでもなく、清少納言の『枕草子』の「春は曙。やうやう白くなりゆく山ぎは少しあかりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。‥を下敷きにしている。曙はまだむらさきにほとゝぎす(真蹟)(あけぼのはまだむらさきにほととぎす)元禄3年(1690)。芭蕉47歳。前書きに、「勢田に泊まりて、暁、石山寺に詣。・・とあるように、やはり芭蕉は近江にも縁が深い。前に「石山の石より白し秋の風」を取り上げた際にも触れたが、奥の細道以前の小紀行文にも優れた句が載せられている。あらためて伊賀時代からの学識の厚みに敬服する。47歳で病没する最晩年の句業「奥の細道」がいかに過酷な行脚だったか、胸が痛む。芭蕉の名句㉜『曙はまだ紫に・・』
〇コメがない張り紙貼って店閉じる〈大阪のコメ販売店〉〇江藤農相「コメ買ったことない」で辞任する〈正直な人だ〉〇次期農相進次郎さん就任で失言待ち?〈コメ見たことない・・とでも〉〇備蓄米政府と農協で高値維持〈古米を高く売りさばき新米を高値で買い付ける=政府もJAもホクホク〉〇5キロ袋を買えずに2キロ選ぶ人〈庶民の生活苦は深刻だ〉俳句川柳20『コメがない』
「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」出羽三山の一つ湯殿山には、そこでの修行〈体験〉を他人に漏らしてはいけないという決まりがある。修験者にとっては掟と言ってもいい。芭蕉の句の「語られぬ」は「湯殿山のことは」の意味で「ぬらす袂かな」は修行の有難さに感激して涙で袂を濡らすほどだと詠んでいる。芭蕉が実際にどんな体験をしたのかは知る由もないが、ここで作った句は俳諧師松尾芭蕉の得意とする言葉遊びも若干顔を覗かせている。別の解説を見ると、湯殿山は女人禁制で「恋の山」という別名があるそうだ。また、湯殿山でのことは昔から「語るなかれ、聞くなかれ」とされており、この俳句が収められている「おくのほそ道」の文章の中にも、「惣而此山中、微細(総じてこの山の中の微細)、行者の法式として他言する事を禁ず。」という部分があるらしい芭蕉の名句㉛『湯殿にぬらす袂かな』
〇「五月場所も中日を過ぎて大の里が全勝で突っ走ってるな」「強いし安定してますね」〇「15日間白星を並べて横綱昇進に花を添えてほしいな」「白鵬みたいに何回でも全勝優勝できそうな逸材ですからね」〇「その白鵬に近々引退のうわさが流れているのを知っているか」「親方になって相撲解説などで活躍してましたが弟子の暴力事件を黙認していた責任を問われてミソを付けましたね」〇「弟子の伯桜鵬が必死に頑張っているみたいで痛々しい」「親がなくとも子は育つんじゃないですか」〇「青い目の力士が強くなって早晩上へあがってきそうだ」「琴欧州みたいな大関が誕生してほしいですね」紙上大喜利89『じじいの時事ばなし』
最近、佐藤浩市の顔を頻繁に見る「ファミリー・ヒストリー」にも登場したから何ごと?と思っていたら映画で吉永小百合の夫役を演じたのが話題になっているらしい父親の三国廉太郎も吉永小百合と共演しているから親子二代の縁とは珍しい父親は「釣りバカ日誌」のマドンナ吉永と佐藤浩市はエベレスト女性初登頂の田部井順子モデルの夫役佐藤浩市も渋い演技〈田部〉役で存在感を出しているが80歳の吉永小百合の妻役〈登山家〉にはビックリだ映画の完成報告会見だそうだから十何回忌の三国廉太郎も「てっぺんの向こうあなたがいる」を喜んでいるだろうポエム410『あの親子』
〇「大相撲五月場所も3日目が終わっておおむね期待通りの成績だな」「大の里の綱取りはほぼ固いんじゃないですか」〇「もう一人の横綱も負けて優勝が見えてきたな」「ご隠居、大の里はまだ横綱じゃないですからね」〇「おまえが固いというからついその気になった」「それにしても王鵬は絶好調ですね、豊昇龍を破って自分も大関を目指してますよ」〇「三役復帰した高安は負け先行だな」「先場所の優勝決定戦に負けてガックリしているんでしょうね」〇「尊富士は3連勝で力通りの相撲を取っている」「精悍で気持ちのいい力士ですよね」〇「心配なのは琴櫻だ、なにが原因なんだ」「先場所やっとカド番を脱したばかりなのにまたカド番もあり得ますね」紙上大喜利88『じじいの時事ばなし』
「象潟や雨に西施がねぶの花」象潟に義母の親せきがあるので結婚当初はよく遊びに行った。鳥海山もいいが、親せきが夏には海の家を経営していたので口に余るほどの岩ガキをごちそうになって思い出になっている。さて、この句は「奥の細道」の中でもよく知られた一句である。雨降る象潟で花びらを閉じた合歓の花を見かけたのだろう。「まるでまつ毛を閉じた西施の横顔を見るようだ。憂いに沈んだ表情が胸を打つ。・・」と漢籍にも強い芭蕉が思ったのかどうか。西施は歴史上中国の古代四大美女として楊貴妃らとともに登場した。生没年は不明だが、呉の時代に陰謀を託されて王に献上された美女の一人として古来から人気が高い。芭蕉の俳句も西施の印象を決定づけたのかもしれないが。参考=〈ウィキぺディアより〉本名は施夷光。中国では西子ともいう。紀元前5世紀、春秋...芭蕉の名句㉚『象潟や・・ねぶの花』
〇走るのも地獄降りても税地獄〈ゴールデン・ウィーク〉〇梅雨寒とともに自動車税期限〈6/2〉〇お土産ははしか?近場の渡航客〇トランプの関税破綻も友〈英国〉ありて〇寝ていても太刀筋きわめホームラン〈早くも11号〉俳句川柳23
ホタルブクロ画像は〈季節の花300より〉昼間白いホタルブクロの前でふたりの女の子がしゃべっていたねえクレハちゃんこのホタルブクロの中に妖精が隠れているのようそだメミルちゃん見たことあるの?クレハのことだましちゃいやだよ見たことはないけどきっと妖精がいる夜中にホタルブクロを見るとボウっと明るいんだって道草していた女の子二人はお布団の中でスヤスヤきっとたくさんの妖精がダンスをしている夢でも見ているんだろうなポエム383『ホタルブクロの秘密』
〇「芦田愛菜ちゃんはますます活躍してるな」「ご隠居、急にどうしたんですか。鈴木福君ともども成人になって知的なタレントになりましたよ」〇「いや、親がここまでよく育てたなと思ってさ」「そうですね、2人とも反抗期とかなかったんですかね。子育ての本でも出せば売れますね」〇「北朝鮮のゴミ風船は飛ばした50パーセントは韓国に届いているらしいぞ」「いやですね、イメージが・・飛ばす方の品格が問われますね」〇「日本も先の戦争末期には風船爆弾を飛ばしたけれど何個かアメリカ本土に届いただけだ」「太平洋を越えてよく届きましたよ。北朝鮮と韓国は隣同士の諍いで始末が悪いですね」〇「大谷翔平は背番号と同じ17号に到達したけど、ヤンキースのジャッジに大差をつけられたな」「相手投手の攻め方にも大差があるように見えますよ」〇「小池百合子さん...紙上大喜利60『じじいの時事ばなし』
駐車場の奥の崖下に黄色い百合が咲いていた梅雨入り前の真夏日の午後人間どもがあえぐ日盛りに黄色い百合はいとも涼しげに大きな花を咲かせていたなんだかノカンゾウに似ているがきみは野の百合だよね群れてないところが最高だ花言葉は「陽気」というんだってきみに出合ってよかったよ運勢がよくなる前兆だってさ駐車場の雑草の中で輝く黄色い百合これから仕事に出かけるけどよろしくなポエム382『黄色い百合』
茨城県に五浦海岸〈いづらかいがん〉という場所がある。岡倉天心のもとに集まった横山大観、下村観山、菱田春草らが日本画の美を極めようと切磋琢磨した北茨城市の景勝地である。海水浴場にもなる砂浜には海風にもめげず松が枝を伸ばし、岩場を望む六角堂にこもると打ち寄せる波の音が思索を深化させるようだ。天心は後に六角堂を日本美術院の本拠地にした。横山大観のいわゆる朦朧体などは五浦で生まれたものである。冬場はボストン美術館の中国・日本美術部長を務める天心は、夏場は五浦に戻って日本美術界の改革に注力した。もともと日本美術品の研究・収集に造詣の深かったフェノロサの通訳を務めていた天心は、自らも日本美術の研究にのめりこむ。弟子たちはみな家族とともに五浦で夏を過ごし、橋本雅邦ら若き天才画家たちが日夜日本画の可能性を追求した歴史的な...真夏の怪談その5『五浦海岸』
昨日のニュースで嘴太ガラスを肩に乗せて散歩する青年のインタビューに答える様子を放映していたとにかくカラスは頭がよくて可愛い同居していて新たな発見があり伴侶として申し分のない存在だという話変わって都内の繁華街からカラスが激減いま何が起こっているのかとミステリー仕立ての特集でもあった有力な答えは頑丈なゴミ箱の設置だカラスを兵糧攻めにする施策がやっと浸透してきたのだろうというその一方で鷹やハヤブサが増えているらしい都心の高層ビルは崖みたいなもので天敵を避けて営巣するには最適なんだとか新たな悩みに都知事候補はどう応えますか小池さんはまだ出馬表明せず蓮舫さんならビルに網かけろとでも・・ポエム381『カラスをペットにする男』
海野太吉は千葉県内をよくドライブした。勝浦や御宿が好きで、家族を乗せて行楽に引き回した。自宅が都内にあったので、あるとき茂原から四街道を経由して家に帰ることにした。自動車の道路ナビなどない時代に地図を頼りに近道を探して強行突破してきた。すると四街道に近づいたと思われる頃いきなり目の前に竹襖が現れた。「えーっ、なんじゃこれ?」家族も身を乗り出して怖がった。「おとうさん、引き返しましょう」「いや、竹藪が道までせり出しただけだ、道がないわけじゃない」農道なのか畑の中の私道なのかわからないがギリギリ通り抜けられそうだ。太吉は運転席のミラーを引っ込め、竹の幹にこすりそうになりながらなんとか通過した。「いやー、水木しげるの妖怪が出たかと思った・・」「お父さん無謀だから、いつもヒヤヒヤするわよ。いつか青梅の方でコンクリ...真夏の怪談その4『四街道の竹藪』
〇10代二人がバールを持って民家に押し入ったアーソレソレ主人殴って妻からカネ奪うソレカラドーシタあわてて逃げたが忽ち捕まった〇架空の投資で60億円集めたアーソレソレ社債を印刷くばってその場をごまかしたソレカラドーシタいくら稼ごうが悪銭身につかず〇詐欺をしようが強盗だろうがお札に色はないアーソレソレ金を使えばクラブは恵比須顔ソレカラドーシタ焼酎飲み飲みマルサ対策考えた当世あきれ節2
「羽衣の松」という小説を書いた仲間がいた。老境に入ってロマンスには無縁と感じ始めていた時、突然女性の方から思いを告げられたのだ。彼は驚き、うれしくも感じた。若い時は何度か恋愛をしたことがあったが、縁あって現在の女房と結婚し40年を共に過ごしてきた。それだけに同じ同人誌に所属する女性に誘われて食事をし、その後一夜を共にしたことはそれとなく記録しておきたかった。天女からふわりと羽衣をかけられたと表現したのは彼の心境そのものだ。富士山が世界遺産になったとき三保の松原もその一部に認定された。羽衣伝説は世界中に説話として存在し、日本では滋賀県や京都府の風土記に残されているのが最も古いのだが、富士山がよく見える場所として世界遺産に含まれたことから三保の松原が有名になった。本来、羽衣伝説とは関係のない話であるが、三保の...真夏の怪談その3『三保の松原浮気考』
〇八冠が叡王戦で踏みとどまる〇連敗のあと1勝返し2対2に〇挑戦者伊藤匠はAI通〇子供のころから聡太のライバル互角の才〇現棋界勝率1位の匠立つ〇21歳聡太・匠の若武者戦〇八冠は先に名人位防衛す〇藤井聡太に過密日程発汗やまず〇AIにもまれて予備軍虎視眈々〇もはや大人の出る幕なしか将棋界俳句川柳7『藤井聡太八冠』
〇牽制球が足に当たって痛い顔〇そんな翔平見たことなかった心配だ〇監督が復調予言ほっとした〇翔平が10試合ぶり14号〇トップまで2本差いずれ追いつくさ〇とはいうが守りの姿勢が垣間見え〇水原に受けた裏切りトラウマに〇新住居〈十数億円〉へ移って心機一転か〇ロバーツ〈監督〉のおねだり〈自動車〉変じてミニチュア・カー〇背番号〈17〉譲った選手と違うわい〈奥さんにポルシェ贈って話題に〉俳句川柳6『心配させんなよ』
現在はにかほ市になった秋田県の象潟町で重吉は炭焼きを生業にしている。東京の大学を卒業したあと実家の山を預けられ、楢や橡の木を切り倒しては木炭づくりを目指した。ところが重吉は炭窯に火を入れた後持ち込んだ哲学書を読みふけるものだから、火を止めるタイミングを失い出来上がった木炭はほとんど灰に近い状態になってしまった。「重吉さんなばダメなもんだ。炭つくってんだか灰つくってんだか売り物になるのは一本もなかった」口さがない住民が噂するうちはよかったが、そうち呆れて誰も近寄らなくなった、そうして一年が過ぎ炭の材料になる木を伐りに遠くまで足を運ばなくてはならなくなttころ、重吉さんの炭の品質がきゅうによくなった、聞きつけた住民が重吉さんから話を引き出したところでは本に夢中になっていても木の精が勝手に話しかけてくるのだとい...真夏の怪談その2『にかほ市の哲学者』
〇「どうだ、やっぱり大の里が優勝したろう?」「ご隠居の言う通りでしたね。しかし、中日のあと2敗したんでハラハラしましたよ」〇「負けを肥やしにしてどんどん強くなったよ」「最後の3日間は自信に満ちた顔をしてましたね」〇「大の里はあと何場所かで大関になる、横綱も遠くないだろう」「そう簡単にいきますかね、人生何が起こるかわかりませんよ」〇「大丈夫だ。オーラがある。謙虚さもある。相撲の型もある」「へえへえ、ご隠居を信じますよ」〇「ライバルの琴桜もうまく育ってほしいな、尊富士も復帰してくれば面白くなる」「平戸海や熱海富士も見どころありましたしね」紙上大喜利59『じじいの時事ばなし』
市ヶ谷駅は僕がよく利用した駅である。夏の深夜、大急ぎで改札口に降りていくと頭上から人のすすり泣く声が降ってきた。声の主はたぶん女性だろうと気になったが、こちらも電車に乗り遅れる心配があったので確かめることなくホームへ走った。何日か経って市ヶ谷駅のすすり泣きのことが週刊誌に載っているのを中吊り広告で知った。早速買って読んでみると、僕が体験したよりも大分前から噂になっていたらしい。誌面によると夫に捨てられた女性がJRの線路上で飛び込み自殺した事件があり、その時の状況がこだまのようによみがえって夜な夜な誰かしらの耳に届いていたらしい。よほど無念だったのか、聞いたのは男性ばかりで男への恨みも感じられる話だった。週刊誌の記事を読んで以来、僕は市ヶ谷での乗降を避けるようになった。総武線ではなく中央線の快速や準急電車を...真夏の怪談その1『市ヶ谷のすすり泣き』
天・点天を仰ぐ暑い直視できない点黒点子供の絵なら簡単ゴマのような黒点太陽フレアまでクレヨンカナダでオーロラ電離層パニック気象衛星多数墜落・点天天を仰ぐ熱い直視できない黒点気象も天文学も天に始まり点に終わる人生は天の思し召しポエム380『天』
〇社長が一瞬目をかけたアーソレソレ早くあと継がせろと焦る娘婿ソレカラドーシタ魂胆読まれると匿名人間を雇って深い闇深い闇〇政党交付金の使い道報告下限はいくらアーソレソレ与党の協議はいくらやっても折り合わずソレカラドーシタ自民は10万以下に切り下げず国民無視国民無視〇クマがやたと人を襲うアーソレソレ暖冬で冬眠短め腹が減ってたまらないソレカラドーシタ民家に侵入し貯蔵庫開けて好き放題好き放題当世あきれ節1
〇「おい、小相撲って知ってるか」「えッ?大相撲なら今やってますが」〇「横綱照ノ富士をはじめ大関貴景勝、霧島、関脇若隆景、朝乃山など注目力士がみんな休場で元気なのは小物ばかり」「それで小相撲ですか、ご隠居」〇「今場所の優勝は大の里で決まりだな」「またまた、気が早い。まだ8日目ですよ」〇「先場所だって尊富士か大の里のどっちかといったろう、今場所は大の里の番だ」「へえへえ、外しても知りませんよ」〇「大谷翔平が13号を打ってトップに並んだな」「打率もトップだし三冠王が狙えるんじゃないですか」〇「ロサンゼルス市が大谷翔平の日を制定したな」「5月はアメリカ政府がアジアやハワイ、太平洋の島々にルーツを持つアメリカ人の歴史・文化や功績をたたえる月間でそれにあやかったらしいですよ」紙上大喜利57『じじいの時事ばなし』
巣鴨プリズンが解体されたとき、ある独房の壁の中から奇妙な塊が転がり出てきた。公には報道されなかったが、それは高温の熱によって溶かされたコンクリートが、冷えて固まった状態に見えた。普通、ブルドーザーで破砕された壁は、捻じ曲がった鉄筋を除けば、セメントと砂、砂利による組成が一目瞭然だった。それに対し、発見された塊は内部でガラス質の粒子が滾り、流れ出たような形跡が見られた。飴を塗りつけたような表面には、わずかながら人をほっとさせる暖色系の彩りがあった。なぜ、コンクリートが溶けたのか。壁の一部だけが、どうして他と違う様相を見せるのか。独房に収監された囚人が、脱獄を図るために薬品で壁の腐食を狙ったと考える者もいた。壁の解体に携わった業者は、上司を通じて拘置所の責任者に報告した。あり得ないことだが、少しの疑いでもあれ...思い出の短編小説『壁の中』
『東海道中膝栗毛』〈とうかいどうちゅうひざくりげ〉で名の知られた十辺舎一九は1802年~1814年にかけて初刷りされた滑稽本である。「膝栗毛」とは、自分の膝を馬の代わりに使う徒歩旅行の意で人気作品となり刊行は『東海道中膝栗毛』と『続膝栗毛』あわせて20篇に及んだ。後世に読みつがれ、主人公の弥次郎兵衛と喜多八コンビのキャラは歌舞伎や映画等で現在でも活躍が続いている。文才とともに絵心のあった作者による挿絵が多く挿入され、江戸時代の東海道旅行の実状を記録する、貴重な資料でもある。版木による出版が何版にもおよび、今でいうベストセラー作家となった十辺舎一九は文筆業だけで生計を立てたわが国最初の人物ともいわれている。通称「弥次喜多道中記」のあらすじは、江戸の神田八丁堀の住人である栃面屋弥次郎兵衛と居候の喜多八が二人と...新作KAIDANその10『十辺舎一九』
那須野が原には「九尾の狐」が住んでいるといわれている。最近、那須野が原を舞台にいやな事件が勃発しているが、ご当地の九尾の狐がどう思っているか世間の口端も喧しい。「ぼくは九尾の狐はワルだから冷ややかな顔で見ていたんだと思う」「いや、わたしは九尾の狐は憤慨していると思います。もともと伝説では神獣といわれて王朝を支えてきたのだから今回の事件はイメージダウンになると怒っているはずです」「読み本屋、曲亭馬琴の受け売りだな?」「そういう貴方こそ玉藻前〈平安時代末期に登場する『玉藻草紙』で鳥羽上皇の姫に化けた狐〉にたぶらかされているんでしょう」「九尾の狐をワルだと言っているぼくが騙されるわけがないだろう、何を考えているんだ」「全身〈心〉全霊で化かすというから、あんたなんかイチコロよ」「ちょっと待った,お二人さん、九尾の...新作KAIDANその9『九尾の狐』
〇「大谷翔平が11号ホームランで両リーグトップに立ったな」「3連発の後このまま突る可能性がありますね」〇「護衛艦『いずも』をドローン撮影した奴はドロンしちゃったのか」「中国のSNSに投稿されたということですが誰かはわかりませんね」〇「政治資金規正法はどうなった?」「連座制は決まりみたいですが問題は使い道ですよね」〇「何に使ったか記録し党に報告する金額を10万にするか5万にするかで自民・公明の折り合いがつかないんだろ」「ザルの目を粗いままにしたい自民が引き延ばししているようですね」〇「宇野昌磨が今シーズン限りで引退するらしいぞ」「男子フィギアという激しいスポーツでよく頑張りましたよ」紙上大喜利57『じじいの時事ばなし』