先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
フランツ・カフカと言えば小説『変身』がクローズアップされる。この小説の書き出しは、「ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上…
10月も末だというのに妙な暖かさに包まれている。このシーズンともなると、木枯らし一号などというものに見舞われて然るべき頃でもある。ところがこの頃になっても本格…
「人の運不運はどんなところにも転がっている。」そこから思い起こしたのは『かもめのジョナサン』の著者であるリチャード・バック(Richard Bach)氏。その…
病気が進行して、もう手におえない状態になったことを「病(やまい)、膏肓(こうこう)に入る」という表現を使う。中国医学流に言えば、心臓のすぐ下にあるのが「膏」で…
1977年に木星探査のために打ち上げられたボイジャー号は、今なお飛び続けており、太陽系の惑星よりもさらに遠くを目指して進んでいる。ボイジャーから収集される情報…
いつの間にやらネットショッピングをすることが多くなった。先日も、あるものを探していて、あちらのサイト、こちらのサイトと巡っているうちにやっと見つけて購入手続き…
銅鏡が出土されることがある。それらの写真は、たいてい青銅器の紋様が描かれた裏面ばかりが写されていて、鏡面の写真が掲載されたものを見たことがない。一説によると、…
生きていた時の人物評と、後世に伝えられる人物像とが違う場合がある。歴史上で、そんなものの代表的人物と言えば、古代ローマの思想家・セネカが挙がるだろう。この人物…
「私は、生まれてこのかたウソをついたことがない」というのは一番の大ウソだと言われる。みんな、何らかの形でウソつきという事になる。ところが、一人の人間をつかまえ…
中国の春秋・戦国時代には諸子百家と言われる多くの思想家を輩出している。この時代の中国は、実にユニークだったと思える。諸子百家の中でも、我が惹かれる筆頭は荘子。…
この20年間で一番レンタルされたのが小津安二郎の映画『東京物語』だという。そこに描かれたドラマは、「何でもない人の、ささやかな人生」この一言に尽きる。大した事…
銀行のATM の機械から振り込もうとすると「振り込み詐欺ではありませんか?」という表示が出ている。あれほど知れ渡っているのに、今でも多いのだろう。いわゆるオレ…
世界三大料理と言えば、一般的には、中華料理、フランス料理、トルコ料理を指すが、イタリア人にすれば「何でフランス料理?」という思いになるだろう。あれは16世紀の…
太陽黒点を観察すると、概ね4年ごとの周期があるという。黒点に限らず、我々の回りにあるモノを観察してみると、4年ごとにピークを迎えるものが結構あるらしい。たとえ…
ギリシャ神話の登場人物は、何と言っても個性派ぞろい。個性派の一人、キプロスの若き王であるピグマリオンは、若いが彫刻の名手。この王、お妃を娶(めと)らずにいたせ…
『源氏物語』「葵(あおい)の帖」に葵祭の斎王列を見るために、牛車をいい位置に駐車しようとし、そのつばぜり合いになって、お互いの従者同士が争い、相手の牛車を壊し…
日本でハロウィン(Halloween) がかなり定着してきた。毎年10月31日の晩に行われるのが通例だが、10月の声を聞くや、街の中にオレンジと黒、そして紫が…
「一刀両断」という言葉がある。これは、一つ刃を交わして二つに断つ意味で使われる。そんな言葉の横に「壟断(ろうだん)」という言葉があった。この成語にも「壟断を私…
大谷選手のアメリカン・リーグでの本塁打王となったことが報道されていた。二刀流、投打の両方で一流の活躍を見せるだけでも至難の業。投手として10勝を勝ち取り、リー…
先日、フランス語の初級会話集をペラペラと繰るように見ていると、「スポーツを見るのが好きだ」「スポーツをするのが好きだ」という「見る」と「する」の二つの並行した…
2大政党制というのが先進的な政治スタイルなどと言われたことがある。かつて、日本でも二つの大きな政党を作る機運があり、政権交代を旗印として、実際に民主党政権が誕…
秋の味覚は数々あるが、海の幸としての代表格は、何と言っても『秋刀魚(さんま)』。「秋刀魚が出ると按摩(あんま)が引っ込む」という言葉がある。ちょっとダサい語呂…
快く引き受けたりすることを単に「二つ返事」と言ったりする。「二つ返事で引き受けてくれた」とか「二つ返事で快諾」などの言い回しがある。「国語に関する世論調査」で…
「パラドックス(paradox)」と呼ばれるものがある。「正しそうに見える前提があり、そこに、妥当に見える推論を加えると、そこから導き出される結論は正しいハズ…
シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の中に、ジュリエットがロミオのことを喩える言葉として「鳩の羽を持つカラス」と語るシーンがある。その意味は、「綺麗な羽の…
「東(あづま)男に京女」という言葉がある。ここで使われている東男などという表現もほぼ聞かなくなったが、意味としては、男っぽい男というのは江戸出身の男。いい女と…
日が暮れて、夜の帳(とばり)が下りると、外は意外なほど静寂。幹線道路から離れた住宅地域は、時折走る帰路の車の音以外は何も聞こえてこない。それでも、よく耳を澄ま…
ここ暫くのニュースに、アメリカ・カリフォルニア州でファーストフードの従業員に対する最低時給が2980円(20ドル)になったと出ていた。今の円安ということもある…
今日の夕暮れ時、見上げれば、まだ大きな月が浮かんでいた。潮の干満は月の引力と密接な関係を保ちつつ、一日2回繰り返す。この干満が、魚や海産物を成長させる。また、…
「先ず隗(かい)より始めよ」この故事の由来は、中国の戦国時代の史誌『戦国策』「燕」の国。「燕」の国力は、今一歩の国。燕の昭王は、賢者が集うような国にならなけれ…
漫画「島耕作」は、1983年に連載が始まり、回を重ねつつ課長時代、社長時代などを経て現在は、社外取締役。その間、なんと40年の連載。この作者・弘兼憲史氏自身の…
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先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
時々話題になるものに学歴詐称がある。こと選挙になると、その時に提出した学歴に偽りがあると、当選しても無効となる。何人かの国会議員としての当選者が職を追われたの…
近未来を扱った映画の中でアンドロイドに向かって"Are you Real (human being) ?" と訊くシーンがある。本物の人間か、それともアンドロ…
このたび、肺炎のため10日間の休筆を行い、その間、皆様の応援がありましたことに感謝したいと思います。だけども、まだ快癒とまでは行っていなく、いまだにモヤモヤと…
クルマを車検に出した。いつもお願いする自動車整備工場は、いかにも車好きのメンバーで構成されている。車検が通るまでの間、いつも代車を用意してくれるが、そこの整備…
先日の日曜日、近所散策をしていると、向かいからくるTシャツ姿の男性の顔に見覚えがある。誰だっけ? 最近、半ボケのせいか思い出せない。と、そばを歩いていた若い男…
最近、Facebook の友人申請があり、「おっ、昔馴染みだ」と思って開いてみると、最終投稿が10年前というのがあった。こんな調子だとすると、本人死亡のままF…
映画などのワンシーンに出てくるチョッとしたものが多くを語っている場合がある。先日観た映画『PERFECT DAYS』(2023年) にそんなシーンが出てくる。…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…
梅雨の雨のことを五月雨(さみだれ)と呼ぶ。特に、静々と屋根を濡らすような雨のことをこう表現するようだ。今日も、五月雨の一日。こんな日は、ちょっと足を伸ばして海…
イタリアの映画監督フェリーニは、数ある映画監督の中でも、かなり特異な人物。その言動に含蓄があり、ふんだんに哲学的断片を感じさせる人物でもある。そんな彼の代表的…
"Longevity" なる単語がある。これは日本語にすると不老長寿の意味となる。この"Longevity" の名を冠した企業が誕生したりと、世のキーワードの…
白眼視という表現がある。これは、無視したり、冷たい視線を投げかけることを言う。逆に、愛想よく迎えることを青眼視と呼ぶ。この「白眼」「青眼」という表現は、中国の…
パリ・オリンピックが近づいてきた。フランスは長い歴史がある国だが、大きな出来事として挙げられるのに紀元800年のシャルルマーニュ(シャルル大帝)の西ローマ皇帝…
ビールの季節になってきた。果たしてビールはいつ頃から作られているのか?それを探れば、いわゆるメソポタミア時代まで遡(さかのぼ)ってしまうようだ。ハンムラビ法典…
「如何に生きるか?」その処世術を語るものとして残されたものに『徳川家康遺訓』なるものがある。これは江戸幕府を作った徳川家康が残したもの。遺訓とするには短いが、…