先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
フランス料理にジビエ(gibier) と呼ばれるものがある。これは狩猟で捕獲された野生の鳥獣の肉料理のこと。ジビエは冬場のイメージがあるが、冬眠に入る前に、よ…
「十で神童、二十(はたち)過ぎれば只(ただ)の人」という諺がある。ここにある「只の」は「取り立てるほどのこともないようす」の意。それを踏まえてこの諺を解釈する…
明治後期から大正、昭和の時代にかけての作家に泉 鏡花(きょうか)がいる。作風としては、江戸文芸の影響をうけ、怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られている。古…
昔のマンションなど、ビルの避難用階段に、螺旋(らせん)階段がついてる建物が多い。簡素で場所をとらず、立派に避難用の階段となる。踊り場がないため、大勢で避難する…
先日の新聞にマイクロソフトが任天堂の買収を考えていたという記事が出ていた。そんなことが起これば、巨額の買収ということになっていたかも?というところではあるが、…
精神医学の一つの分野に「パトグラフィー(Pathographie)」というのがある。これは、精神医学や心理学の知識を使って、歴史的に傑出した人物の個性と創造性…
いかにも昭和的な絵といえば、夜の駅前には、おでん屋やラーメン屋の屋台。会社帰りのサラリーマンなどがオヤジ相手に話している風景。その向こう、通りに角には易者(え…
葉鶏頭(ハゲイトウ)は夏の終わり頃から咲き始め秋が深まるにつれて赤みが増してくる植物。この植物は、かなり古い時代に中国から伝来てきたもの。『枕草子』に葉鶏頭に…
デンマークの今は、北欧の目立たぬ国になっているが、シェイクスピア『ハムレット』にはイギリスがデンマークの属国だったと書かれている。歴史を探ってみると、西暦10…
アメリカの話題が増えてきた。その中で動向が気になるのはトランプ元大統領。共和党大会が開かれているが、トランプ氏は米共和党の大統領選候補指名争いですでに圧倒的な…
鎌倉時代の仏師・運慶は、当時、様々な仏像を製作したことで知られる。夏目漱石の短編小説『夢十夜』は、それぞれの短編が「こんな夢を見た」ではじまる小説。その中の一…
日本の平均寿命はこれまで伸びてきていたが、ここにきてやや下落傾向にあるという。今年の調査では、男性で80,7歳、女性で87,2歳。ただ、平均寿命と表現されるが…
世の中は3連休。最近、祝日と言いつつも、実際のところ何の祝日なのか、知らないまま過ぎて行くことが多い。今日は、ヤケに高齢者についての報道が多いと思えば、敬老の…
「なんでもない日常こそ真の幸せ」歳のせいかそんな風に思えてくるようになった。そんなことを思うと、古い時代の映画が思い出されてきた。それは映画『市民ケーン(Ci…
地下資源として石油が眠っているせいとも言われている。ウクライナでの戦争は終わる気配が見えてこない。その背後で、資源に関する問題は、より切実なものになっている。…
京セラを創業し、日本航空(JAL)の名誉会長を務めた稲森和夫氏の言葉に「私が、一代でここまで築き上げたのは、個人の努力や能力が左右したのではなく、そのような「…
『イソップ物語』は、もともと紀元前6世紀にアイソポスと呼ばれる奴隷が書いたとされる。プラヌーデスの『アイソポス伝』によると、このアイソポスは、ギリシャで最も醜…
発明には「特許」と「実用新案」というものがある。この二つの違いは、全く独創的なものを作り上げるのが「特許」。使い勝手が良いものを生み出すのが「実用新案」。鉛筆…
援助を申し出る時に、控えめな言葉として「一助 (いちじょ) となれば幸いです」という表現がある。この「一助」という表現は、かなり古くからある言葉らしく、中国の…
『箴言集』なるモノを著したゲオルグ・リヒテンベルクは18世紀の人物。当時のゲッティンゲン大学の物理学の教授でもあった。この著書に興味深いことが書かれている。そ…
コンビニに立ち寄って眺めると、たいてい幾つか新商品が並んでいる。季節感のあるビールや飲料はもちろんのこと、菓子類やカップ麺などが刺激的なパッケージに包まれ、陳…
秋を詠った長塚 節(ながつか たかし) の短歌に「馬追虫(うまおい) の髭(ひげ)のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし 」という一首がある。これを解釈…
オーデコロンは、フランス語で"Eau de Cologne" と綴る。すなわち「ケルンの水」。ケルンで発明されたところから、その名がついた。これは、香水という…
先日、紅茶の茶葉を買うためにモールに出かけた。コーヒー豆などは、ほとんど迷うことなく幾つか選ぶが、紅茶の茶葉はいつも悩む。茶葉を選ぶためにコーナーの端から端ま…
「木曽路はすべて山の中である。」島崎藤村の小説『夜明け前』は旅情をかき立てるような、この書き出しで始まっている。この小説、「江戸が大変だ」という知らせから、大…
鎌倉時代の文学作品に『十六夜(いざよい)日記』というのがある。阿仏尼の作というところから『阿仏日記』とも呼ばれていた。書き始めた日付が10月16日からその名が…
「サタイア(風刺)には日付があるが、ユーモアには日付がない」という言葉がある。ここにある「日付」とは、時代のこと。その観点からこの言葉を探ってみると「ユーモア…
「君子危うきに近寄らず」という言葉がある。自分の行動を慎んで、危険なところには近づかないに限る、という意味で使われる。一般的に、このような ”ことわざ”は、音…
”四次元の世界”というのがある。一般的に、一次元は点と線の世界。二次元は平面世界。三次元は立体の世界と言われる。その三次元に時間的な次元を加えたものを四次元の…
落語のネタに、秋をテーマにしたものが少ないという。「暑い」や「寒い」は、実感の世界があるせいか「夏」や「冬」はネタになりやすい。また、「春」は、お水取りや花見…
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先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
時々話題になるものに学歴詐称がある。こと選挙になると、その時に提出した学歴に偽りがあると、当選しても無効となる。何人かの国会議員としての当選者が職を追われたの…
近未来を扱った映画の中でアンドロイドに向かって"Are you Real (human being) ?" と訊くシーンがある。本物の人間か、それともアンドロ…
このたび、肺炎のため10日間の休筆を行い、その間、皆様の応援がありましたことに感謝したいと思います。だけども、まだ快癒とまでは行っていなく、いまだにモヤモヤと…
クルマを車検に出した。いつもお願いする自動車整備工場は、いかにも車好きのメンバーで構成されている。車検が通るまでの間、いつも代車を用意してくれるが、そこの整備…
先日の日曜日、近所散策をしていると、向かいからくるTシャツ姿の男性の顔に見覚えがある。誰だっけ? 最近、半ボケのせいか思い出せない。と、そばを歩いていた若い男…
最近、Facebook の友人申請があり、「おっ、昔馴染みだ」と思って開いてみると、最終投稿が10年前というのがあった。こんな調子だとすると、本人死亡のままF…
映画などのワンシーンに出てくるチョッとしたものが多くを語っている場合がある。先日観た映画『PERFECT DAYS』(2023年) にそんなシーンが出てくる。…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…
梅雨の雨のことを五月雨(さみだれ)と呼ぶ。特に、静々と屋根を濡らすような雨のことをこう表現するようだ。今日も、五月雨の一日。こんな日は、ちょっと足を伸ばして海…
イタリアの映画監督フェリーニは、数ある映画監督の中でも、かなり特異な人物。その言動に含蓄があり、ふんだんに哲学的断片を感じさせる人物でもある。そんな彼の代表的…
"Longevity" なる単語がある。これは日本語にすると不老長寿の意味となる。この"Longevity" の名を冠した企業が誕生したりと、世のキーワードの…
白眼視という表現がある。これは、無視したり、冷たい視線を投げかけることを言う。逆に、愛想よく迎えることを青眼視と呼ぶ。この「白眼」「青眼」という表現は、中国の…
パリ・オリンピックが近づいてきた。フランスは長い歴史がある国だが、大きな出来事として挙げられるのに紀元800年のシャルルマーニュ(シャルル大帝)の西ローマ皇帝…
ビールの季節になってきた。果たしてビールはいつ頃から作られているのか?それを探れば、いわゆるメソポタミア時代まで遡(さかのぼ)ってしまうようだ。ハンムラビ法典…
「如何に生きるか?」その処世術を語るものとして残されたものに『徳川家康遺訓』なるものがある。これは江戸幕府を作った徳川家康が残したもの。遺訓とするには短いが、…